資料2 学校図書館問題研究会配付資料
学校図書館問題研究会
1 学校図書館問題研究会の紹介
・学校図書館問題研究会は、学校司書や司書教諭などの学校図書館関係者、公共図書館関係者、市民、研究者など、学校図書館に関心をもつ幅広い会員で構成されている個人加盟の研究団体
・一人ひとりが自分の実践を持ち寄り、みんなで検証し合い、理論化していくことで、学校図書館の発展をめざしている
2 学校図書館の役割
・資料や情報の収集・提供を通して子どもたちの知的自由を保障する
・教員の授業づくりや子どもたちの学びを支援する
・情報リテラシーを育む
・子どもたちの読書体験を豊かにし、世界を広げ、深める
・子どもたちの学年・クラスを越えた文化・創造の場をつくる
3 学校司書に必要なこと (2,,3ページに詳細説明あり)
(1)資格について
・専門として司書資格の習得をベースに、さらに学校教育に関する知識を合わせ持っていること
(2)配置について
・図書館専任、フルタイムで、一校に一名(以上)配置されていること
・学校教職員の一員として教育活動にかかわり、継続的に勤務することができること
・研修が保障されていること
配布資料
・「学校図書館問題研究会入会案内」 ……本会について
・「学びが広がる学校図書館」 ……学校図書館の役割について
・『学校司書って、こんな仕事』 ……学校司書の実践記録集
学校司書に必要なこと(詳細説明)
(1)資格について
専門として司書資格の習得をベースに、さらに学校教育に関する知識を合わせ持っていること
- 資料や情報の収集・提供を通して子どもたちの知的自由を保障する
・資料や情報に精通し、多様で幅広い視点から、それぞれの学校や子どもたちに合った魅力的で利用しやすいコレクションを構築します。
・資料や情報を収集するために、校内だけでなく他の図書館や他機関と相互に協力します。
・多様な図書館活動で子どもたちの知的好奇心を引き出します。
- 教員の授業づくりや子どもたちの学びを支援する
・授業に計画段階から関わり、教員とともに授業目標や授業展開を確認し、図書館としての立場で意見を言い、綿密な打ち合わせを行います。また、次の活動に向けて、教員と授業の振り返りをします。
・資料リストやパスファインダーなど、学習の手助けになる資料を作成したり、関連資料のコーナー作りを行ったりします。
・授業に参加し、資料紹介やブックトークを行います。また、発表物やレポートを学校図書館で保管し、次に活かします。
- 情報リテラシーを育む
・日常的な関わりの中で、子どもたちが自ら問題を発見し、調べ、考え、発信し、課題を解決するために意欲的に行動する力を育てます。
・図書館や資料の活用方法についてガイダンスを行ったり、資料の探し方や調べ方についてアドバイスをしたりします。
・授業やさまざまな教育活動の中で子どもたちの資料相談に応じ、子どもたちが必要とする資料や情報を的確に得られるように直接的支援をします。
・日常的な活動と授業との連携の両輪で情報リテラシーを育むことが大切です。
- 子どもたちの読書体験を豊かにし、知的な世界を広げ、深める
・子どもたちが必要としている資料や情報を確実に提供するとともに、読み継いでほしい本も紹介して提供します。
・ブックトークや読み聞かせを行ったり、一人ひとりとコミュニケーションをとりながら、読書への興味を引き出し、読書の世界を広げ、深めます。
・読書会やビブリオバトルなど、多様な図書館行事を開催することで、読書の世界を広げ、深めます。
・多様で幅広いコレクションを構築することで、読書への興味・関心を喚起します。
- 子どもたちの学年・クラスを越えた文化・創造の場をつくる
・子どもたちが学校にいるときはいつも開いていて、いつでもだれでも利用できるようにします。
・子どもたち一人ひとりの声に耳を傾け、見守り、子どもたちが安心して過ごせる「心のオアシス」「居場所」をつくります。
・学年やクラスを越えた子どもたちが出会い、交流して、さまざまな文化活動や表現活動を行う「広場」をつくります。
(2)配置について
図書館専任、フルタイムで、一校に一名(以上)配置されていること
- 子どもたちの興味関心はフルタイムです。朝でも休み時間でも放課後でも、本を探しに、授業での疑問を調べに、図書館へやってきます。一日中、いつでも図書館が開いていて、子どもたちに対応することが必要です。
- フルタイムで配置されていないと、1時間目から終わりの時間まで、どの授業でも使われる図書館にはなりません。また、教員との打ち合わせは、放課後にならないと時間が取れないことも少なくありません。
- いつでも開館していて、学校の様子や子どもたちの様子を見ているからこそ、魅力的な本選びや図書館環境づくりができます。
学校教職員の一員として教育活動にかかわり、継続的に勤務することができること
- 学校司書が専門性を発揮して、子どもたち一人ひとりの学びを保障し、教員一人ひとりの授業づくりに対応するためには、教員と日常的にコミュニケーションを図り、職員会議に出席することが必要です。必要に応じて臨機応変な対応も求められます。
- 子どもたちの学びも教育活動も単年度で終わるものではありません。教育課程も見直され変化していきます。それらを見据え、展望を持って教育活動にかかわっていくには、継続して勤務できることが必要です。
- これらのことから、民間委託は学校図書館にはそぐわないです。文部科学省も、「学校図書館法上の学校司書は、学校の設置者が雇用する職員を想定しているものと理解して」いる、と国会で答弁しています。
研修が保障されていること
- 新しい資料の情報、子どもたちが置かれている状況、学校教育をめぐる動き、それらに対応した学校図書館活動のあり方等、つねに新しい情報や課題について研修することが求められます。
- 教育委員会が実施する研修、学校内での研修など主催はさまざまでしょうが、近隣の学校司書同士による研修、司書教諭といっしょに行う研修等、学校図書館の活用のためのさまざまな形態の研修が必要です。