会議における評価の在り方等に関する主な意見

(評価の考え方等について)

○ 評価に当たっては、行動の変容を性急に求めてはならない。それを求めた途端に答えが一つになり、子供たちが評価されることを意識して授業に臨むことにつながる。
○ 評価を行った後に、家庭や地域と連携していかにフォローを行うかが重要であり、そのような体制を構築する方法を検討する必要がある。
○ 道徳教育に係る評価をしっかりすることにより、教師の児童生徒への理解が深まる。

(評価の方法について)

○ 児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め、励ます個人内評価を前提としながら、その把握の方法として、以前から道徳教育の評価において重視されてきた観察や会話、作文やノート、質問紙、面接などに加えて、ポートフォリオ評価、パフォーマンス評価、エピソード評価などの評価方法を利用していくことが望ましい。
○ ポートフォリオを導入することで、児童生徒自身が自らの学びを振り返ることにつながり、評価の概念が、査定や値踏みということから、認め合い、励まし合って伸びていく方向に変わる。
○ ワークシートの活用も考える必要があるが,何かを蓄積することは、子供たちが教師によく見られようとするなどの課題につながる可能性がある。
○ 記述式で評価を行うためには、観点が必要。特別活動と同様に、評価の観点を各学校が作成するという方法もある。
○ 道徳科の目標に示されている、道徳的諸価値についての理解を深めることができたか、自己を見つめられているか、多面的・多角的に考えられていたか、自分の生き方についての考えを深めることができたかという四つを観点として示すことで、指導と評価が一体となり、授業の質が向上する。
○ 授業のねらいを明確にすることで、評価の観点もおのずと明確になると考える。
○ 児童生徒が行う自己評価については、児童生徒の学習活動であり、教師が行う評価ではなく、児童生徒が自身のよい点や可能性について気付くことを通じて、主体的に学ぶ意欲を高めることと学習の在り方の改善につながるという意義があるということに留意する必要がある。
○ 教師の多忙感も考慮する必要がある。
○ 言葉を使わない授業や体験の中での子供の変化についても、評価がなされるとよい。

(指導要録の在り方について)

○ 指導要録に道徳教育の評価に関する記載が設けられた場合、高校入試選抜の資料になる可能性があると考えられるが、道徳教育の評価が高校入試選抜に必ずしも適しているとは考えられないため、その点も考慮し、指導要録の記載方法について検討する必要がある。
○ 道徳教育の充実の程度は学校によって差があるため、今の段階では、まずは内容項目をどの学校でもきちんと指導することにつながるような評価の在り方にする必要がある。
○ 指導要録の「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の欄で、子供たちが自分自身の成長を認識できるような評価を記載することが望ましい。
○ 各学校が力を入れた点など、学校の特色が出るような形にしてはどうか。

(発達障害等の児童生徒の評価について)

○ 発達障害等の児童生徒の中には、自分の思いや考えをうまく表現できない子供もいるため配慮が必要である。
○ ADHDの児童生徒などは、分かっていても衝動で行動してしまうことも多く、個人の中での成長は確実にあるが、同年代の子供と比較した場合には評価が難しくなるので、配慮が必要である。
○ 発達障害等のある児童生徒の言動を教師が受容的・共感的に受け止める評価が必要である。

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