参考資料2 第5回IT総合戦略本部 規制制度改革分科会 議事概要

第5回IT総合戦略本部新戦略推進専門調査 規制制度改革分科会 議事要旨

1 日時:平成26年9月22日(月曜日) 12時00分~13時00分

2 場所:中央合同庁舎4号館 全省庁共用123会議室

3 議事
(1)開会
(2)「高等学校での遠隔教育の正規授業化」の進捗状況について
(3)「不動産取引における重要事項説明に際しての対面原則の見直し」の進捗状況について
(4)閉会

4 配布資料
【資料1】 高等学校における遠隔教育の在り方に関する検討状況について
【資料2】 IT を活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会について(これまでの経緯)
(参考資料1)IT を活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会 中間とりまとめ
(参考資料2)新戦略推進専門調査会規制制度改革分科会委員名簿

5 出席者
國領座長、金丸構成員、滝構成員、辻野構成員
内閣府 規制改革推進室 佐久間参事官
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 遠藤政府CIO、楠政府CIO補佐官、二宮参事官、吉川参事官、濱島参事官、野原参事官、和田事務官
文部科学省 初等中等教育局 水田主任視学官
国土交通省 土地・建設産業局 清瀬不動産業課長

6 概要

<議事(2)「高等学校での遠隔教育の正規授業化」の進捗状況について>

文部科学省から資料1に基づき説明が行われ、以下の発言があった。

○焦点は、どれくらいの範囲で実施するかという理解でよいか。やる方向はもうはっきりしているような気がするが、どのあたりが分かれ目になっているか説明していただけるか。

○遠隔教育と一言で言ってもいろいろな形態がある。同期型か非同期型かというところでも大きく違うし、1対多なのか、多対多なのか、受信側と送信側とで、送信側の方にも場合によっては生徒がいるということも考えられるし、送信側が1人で普通に講義をする等、さまざまな形態がある。その中のどういったところまで今回認めていくのかということがあろうかと思う。あるいは、その範囲についても、参考2の「検討事項」の上から2番目の「遠隔教育の形態はどのようなものが想定されるか」というところであるが、形態があった上で、あとはそれに適した教科はどんなものがあるのかということも検討する必要がある。
 条件としては、例えば受信側に当該免許を持った教員が必要かどうか、ということがある。現在は、免許が必要だが、例えば送信側に教えている先生がいれば、受信側の教室には免許を持った先生がいなくてもよいのではないかという意見もあるし、生徒の指導の面ではやはり先生が必要だという意見もある。その辺も含めて、やった場合の形態の範囲もあるし、その場合の条件として、どういった環境があれば高校教育としての質を確保できるかということがまさに議論になっているところである。

○遠隔教育を求めている生徒は、どんな生徒なのかというのが1つ。それから、遠隔教育を求めている先生とか学校があれば、それはどんな学校でどんな先生なのか。

○生徒も学校もまず共通してあるのは、離島とか僻地といったところの学校である。教員も限られている中で、多様な教育が受けられるようにというニーズはある。
 生徒の側では、現在も特例では認められているのだが、例えば不登校の生徒などで通えないということになると、どうしても自宅での学習や、どこか近いところへ行っての学習ということになっている。そういったところに遠隔教育というニーズもある。
 さらに、離島といったことに関係なくても、学校側からの要望としては、やはり多様な教育を行いたいということで、自分たちの学校の中にない教科、通常の国語、数学、理科、社会とかではなくて、現在、高校では学校設定科目が設けられているが、そうした科目の教師として、著名な方、専門家の講義を、わざわざそこに来ていただくのではなく、講師の都合も考え、遠くから配信してもらって授業ができればというニーズは、離島等にかかわらず、いろいろなところである。

○先ほど、「前倒し」とおっしゃったが、離島とか過疎地にはかなり強いニーズがある。つまり、フルセットの先生たちを離島などで確保するというのが非常に困難になってきつつある。廃校してしまうのではなくて遠隔でサポートしたいというニーズはかなり切迫したものである。
 もう一方で、教育の中身を高度化するために、例えば金丸構成員に授業を教えてもらいたいというときに、わざわざ地方に行ってくださいというのはなかなか大変なものを、敢えてお迎えしてやるということは、非常に豊かな教育ができるという、こちらの願望も強い。例えば一気に両方ともカバーしてしまうか、まずニーズの強いところからやっていくとよいのではないかとか、このあたりが先ほどの分かれ目の1つである。
 それから、遠隔側にいる教員の資格が、例えば数学の授業を教えてもらうのに国語の先生の立ち会いでよいのか。このあたりのことについて、片側で、担任のような、要するに学生をよく知っている人が立ち会ってくれる方が大事だというような意見から、やはりその教科の中身についての専門的なライセンスを持っていなければだめなのではないかとか、その辺のことを今いろいろ議論しながら、少なくとも離島とか過疎地に関するところは早急に対応しなければいけない。ここについては、今、とにかくやっていこうという方向があるということである。

○大変前向きでうれしいが、もっと前向きに考えてもらいたい。インターネットのテクノロジーはIT革命。ものすごく品質の高い教育の可能性があるわけである。去年、東京工業大学の三島学長がMIT(Massachusetts Institute of Technology)のナンバーツーを呼んで公開ディスカッションをやったのだが、MITではIT等を活用して今年の授業のほとんどは前もって学生に渡してしまい、講座では徹底的に議論をするという。世界のトップリーダーになる人材を育てるというコンセプトの中で、企業にどんどん出す、研究所にも行かせるという。
 物づくり世界一の日本のメーカーの優秀な、また教えることのとてもうまい器用な人間が、ITを活用して、直にいろいろなことを教えることができる。また、見学に行くことも、積極的にITを生かして時間を節約できる。教育というのはなるべく、リアル感を持たせ、体験型に持っていく。日本は先進国で、GDPの教育のパーセントは0.5という小さい数字の中で、そこを生かして、効率的な中身の濃いことを、よい意味で、たたき込むということがあると思う。離島も結構だが、マジョリティーのところの教育の品質を徹底的に上げる体験型にするような目の向け方をしていきたい。ITの進化の中で、まるで違う世界に入っているのだと思う。

○リアルタイム性とか双方向性が必要な場面と、非同期で一方通行でよいような場面があると思う。それぞれどういうインフラ、どういうシステム、環境を使う計画になっているのか。

○まだ具体的にどういった環境を使うというところまで絞り込んではない。大学や高専などの取組み例を幾つか挙げていただいており、例えば、高校教育においては先生が机の間を歩いていって指導するという机間巡視が必要であるから、マイクをつけて声が集められるようにする等の事例もいただいているところ。
 大学では、通学が必要な場合でも124単位のうち60単位までが認められているといった前提があり、それとの比較、バランスなども考えながら検討していく必要があると思う。今後、授業のあり方、評価のあり方を考えていったときに、生徒指導的な観点、生徒の意欲・態度といったものを含めて見ていく中で、今の技術との兼ね合いでどこまで可能かという議論をしていただきたいと考えているところ。

○それこそYou Tubeとかスマホの時代なので、また大がかりなシステムを組んでみたいな箱物的な話にならないとよいと思ったので伺った。教育の中身が大事な話だと思う。これはどれぐらいの予算を組む予定の話になるのか。教育の予算を組んで、そのハードが先行したような話にならないとよい。そういう懸念をちょっと感じたので御質問申し上げた。

○いただいた事例などでも、それほど大がかりなものというよりは、通常のパソコン、プラス、プロジェクターだとか、マイクだとか、そういったものの組み合わせでやれるような事例なども随分いただいているので、ハードが先行ということではない。現在のいろいろな技術のもとで、制約なくできるようなことを考えたいと思っている。
 なお、調査研究費で6,300万円を概算要求し、10校ほど指定してこういった研究を進めたいと思う。

○先ほどのニーズが離島とか過疎地という話を前面に出されるなら、遠隔教育をデフォルトに考えて、むしろフェース・ツー・フェースは、オプションで考えるという逆の発想の方がよいのではないか。
 私は鹿児島の出身で離島が多かったので、自分の同級生たちは鹿児島市内の高校に入るために、その高校に入る率の高い中学1年生から鹿児島市内に下宿をするというのが普通だった。それは私たちの時代は当たり前のことで、今でもそういう下宿が鹿児島市内にまだたくさんあると聞いている。IT活用でコストと時間と距離が埋められるというのであれば、むしろそれは当たり前に考えた方がよいのではないか。
 教育に限らないのだが、ITを導入しようとするときに、フェース・ツー・フェースをデフォルトで考えて、ITをオプションで考えるので、フェース・ツー・フェースでできていることができないとだめみたいな話になりがち。先ほどのニーズに応えるというのであれば、こうした考えは是非なくした方がよいのではないかと思う。
 義務教育は中学で終わる。高校生以上は、先生を選べるようにした方がよいのではないか。そうすると、先ほどの多様な教育という中で、生徒が多様な、それぞれの分野から専門の先生を選ぶことができる。そうしないと、供給サイドからだけではなくて、双方向のニーズというか、むしろ生徒のニーズを優先したことにならない。
 導入するITについては、先ほど辻野構成員が指摘されたとおり、私たちが設計するのと旧のIT屋さんが設計するのとではコストパフォーマンスも全く違うと思うので、それは是非気をつけていただきたい。そういう無駄遣いを阻止するためなら、最初の導入はパイロット的であるべきだと思う。ぜひITをデフォルトで考えていただきたい。

<議事(3)「不動産取引における重要事項説明に際しての対面原則の見直し」の進捗状況について>

国土交通省から資料2に基づき説明が行われ、以下の発言があった。

○私は、個人の資産管理会社を持っていて、不動産の取引をしている。また過去、賃貸の物件に自分で借りて住んだこともある。私は重要事項説明の内容があの程度なら、それがインターネットに変わったからといってリスクが増すとは、自分の経験では思いつかない。
 本質的に不動産取引にかかわる人同士のもめ事というのは、重要事項説明の中の記述の内容や、その方法にある。今は限られた紙面の中で書くという制約もあるので、表現が結構丸まっていたり、具体性が乏しかったり。より具体的に書けばそれは長々となってしまう。例えば、印鑑をつくという直前の説明の限られた時間では説明し切れなくて、むしろ形式的になっているのではないか。本人確認についても、不動産業者の宅建の資格を持った人がカードをちらっと見せて、裏もひっくり返して見たことがなくてちら見ぐらいなので、厳密に言えば、その人が本人かどうかというのはおっしゃるほどわからない。それは信用していて、取引業者さんの会社という信用があって、そういう中の有資格者が来るということなので、本人確認においても、本当なら宅建の人たちをネットで見たらその場でぱっとナンバーリングと顔が出ていて、それと照合でもできればよい。偽造可能な物理的な媒体を見せられるよりは信用性はもっと増すのではないかと私は思っている。そういう意味で、重要事項説明というようなところが今のまま程度であったら、私はITの方が、例えば20ページにわたっても、事前にいただいておけば読もうと思えば読めるので、詳細性は増す可能性もあるのではないかと思う。
 始めるときに一気に全体で行くか、部分で行くかというと、多少段階を経た方がよいのではないかと私は思う。そのときに、これも前回のときに申し上げたのだが、一生に1回位しか買わないような個人の住む家というのは、重要事項の説明について、買い主の御本人も、そこだけネットでよいと利便性を追求する人はほぼいないのではないか。例えば土地を買って、あるいはマンションでも購入してから、近くの現場に何回も見に行ったりされるだろうから、最後の局面だけ手を抜きたいというのは、トータルな取引が完成するまでの時間を考えたときには、ほんの微々たる時間なので、それは事業者の人の利便性を増すぐらいのものにしかすぎないのではないかと思っている。そういう意味では、先ほどの私も含めて、投資用のセカンドハウスであるとかいうようなところから開放するというのはちょっとありかもしれないと思う。日本全国IT化とかデジタル化を推進しなければいけないので、国土交通省様もこれを契機にペーパーはなくしていただくということを、大きな方針としては、しかも前向きだということなので、今後ぜひやっていただきたいと思う。

○先ほど業界団体の方の反対が根強かったというお話があったが、具体的に何に反対されているのか。

○不動産取引の場合は、苦情であるとかトラブルであるとかは、指導する公共団体から見ても、実際の業者さんからしても大変なことなので、そこが増えるのではないかというのが一番の心配だった。紛争防止のために3時間、4時間という長い時間をかけて消費者の方に重要事項説明をしているので、ITでそこがきちんと担保できるのだろうかという心配である。そういう意味では、実験等を通じて、その辺の心配が担保されるのであれば、議論は前に進むのではないかと思う。
 それともう一つ、先ほど金丸構成員がおっしゃったが、法人と個人の別とか、そういう違いをよく考えながら、どこからスタートしていくのが消費者にリスクを負わせないというか、うまく進んでいくのかを考えながら検討していきたいと思っている。

○段階論と言ったときに、法人か個人かというところと、この資料を見ると、売買と賃貸の間、この2つぐらいが軸だと考えているということか。

○現時点ではそのように考えている。逆に言うと、一般の消費者が大きな売買をすることについて、いきなりそれについて始めてしまって、何かあったときに社会問題とかになった場合に、かえって逆行してはいけないということで、よりリスクの少ないところとか、取り組みやすいところから進めていくということが妥当なのかなと考えている。

○つまり、余り結論を急いではいけないが、賃貸と法人の売買、このあたりが先というような議論があると。

○そうである。不動産取引自体が不透明なものだと思われてもいけないので、そういうものをきちんと担保しながら慎重に進めていきたいと思っている。

○要するに希望ベースだと私は思う。私は、先ほど現実のニーズは少ないのではないかと申し上げた。個人が一生に一度しかない不動産を取得するときのニーズというのは少ないのではないかという気がしているので、そこから始めてもしようがないので、それは後でもよいということでの指摘。基本的には、希望があればデジタルでよいということは、業者も、個人であれ、法人取引であれ、環境としては何か制約する必要はないのではないかと思う。

○この前、この検討会の中でも実験をやってみたのだが、実際、売買の場合は、ここの物件についての内容や法令制限であるとか、契約の内容とか。あるいはマンションだと、マンションに特有の事項とかになっていくので、どうしても2時間、3時間ぐらいかかる。おっしゃるように、契約の直前にそれをやっているという問題は確かにあろうかと思うので、そこは工夫。

○あるいは紙で事前に送られてきていて、手元にあって、例えばマンションだと、実際のところの説明会みたいなものを一気に開いたりして3~4時間開かれるかもしれない。一生に一度しかないようなものを取得するときには、そこに本人が聞きに行くかもしれないが、それを1対1ベースでやっているというのは、自分の経験では余り知らない。そうだというのを前面に出され、取引のポートフォリオで見て、3~4時間かかっているのが本当に主なのか、そうではないのかというのはあるのではないか。たまたま書いてあることを1行ずつその場で読んでいったらそうなるかもしれないが、その時間は、例えば画面で読んでいるか、ペーパーで読んでいるかだから、ITを使うと使わないと変わりはない。読んでいって、その朗読したものを必ず聞かないといけないというのであれば、本当にそうなら、リアルの事業者の人が本当にやっているかというのを逆に聞きたい。もしネットを否定するのだったら、そちらをワンペアでやるべき。フェース・ツー・フェースの方は朗読型で必ず聞いたという証拠がないといけない。それが1つ。
 もしネットの方だったら、例えば音声でずっと流すということが可能だから流せばよいかもしれない。でも、それは、先ほど言った、聞いている側のニーズというか、希望もある。
 今でも事前に大量のペーパーを送ってこられる。土地の取得をしたときに発生した重要事項などもある。専門用語も長々とある。本当なら読まなければいけないが、それを本当に読み取る時間はないかもしれない。でも、それは多分、事業者さんの信用なども加味していて、消費者はそれをよく見て判断している。そういうのが事前に送られていて、その場でこれだけは聞いてくださいみたいなことが念のためにあるというのが現実ではないかと思う。本当にその重要事項の説明を国土交通省として法律どおりちゃんとやるのだというのだったら、朗読型にならなければいけないと思う。

○ここでのこちら側のメッセージとしては、重要事項の説明は非常に重要なのだが、対面だからうまくいっているという現実も、本当にそうかとちゃんと検証しなければいけないし、ネットだからちゃんと伝わらないかというと、むしろ事前にネットに入れて説明した方が逆に伝わるということもあるのではないか。この辺のことについて、思い込みのように対面だからよく伝わるというようにはなっていないのではないかというところについての問題提起をこちらからさせていただいたということかと思うので、それは受け取って書いてみていただきたい。

○反対派というか反対する人というのは、既得権が何らかの形で毀損されると想定するからだろうと思う。IT化をすることによって経済効果としてはこうなるのだといったような試算とかはないのか。そうすると、自分の既得権が毀損されるのではなくて、事業機会というか、ビジネスオポチュニティーが広がる話なのだと、そういう持って行き方みたいなことというのは工夫の余地はないか。

○試算というのはないのだが、中間まとめの中でも、ITを活用することのメリット、期待できることというのは議論になっているし、確かにその場面では、時間、コスト、金銭コストの縮減であるとか、録画によるトラブル防止にも寄与する可能性があるといった話はあったので、事業者の方もメリットもあることは理解をしている。一方で、先ほど申し上げたような懸念点があるということなので、そこを丁寧に議論していきたい。

○論点が定性的だったり、全てのケースにおいてそうかというようなことに対して想定で話をすることが多いので、議論を定量化するために、経済的な効果を試算するとか何でもよいのだが、数字を出すというか、もう少しそういうアプローチができないものなのか。

○事務局としては、全体としての効果を数字で出すというよりは、実際にこういうことならばできるのではないか、あるいはトラブルにならないのではないかというような具体的な進め方、取引の条件みたいなものがこの「中間とりまとめ」の段階では定性的、一般的にしか書いていないので、このような取引をすることで、このような前提、条件で進めていただければ大丈夫ではないかということが「最終とりまとめ」の中ではもうちょっと具体的に示せるのかなと思っている。

○その売買が遠隔地においても活性化されることにもつながっていって、事業機会が増えていくような話、ストーリーというのは作れると思うのだが、実際のところはどうなのか。

○確かに、地方から東京に出てくる場合の賃貸借、例えば親御さんが子供さんの下宿を探すであるとか、企業の方が転勤先の社宅を探すであるとか、そういう場面を考えるとメリットは非常に大きいし、あるいは、海外からの不動産投資の場面とか、使われる場面というのは非常にあるのだろうと思うので、その辺を踏まえて具体的に検討していきたいと思っている。

○確かに一生の買い物で、見ていなかった、小さい字でいろいろ書いてあったとか、後でそういうトラブルがあるので、おっしゃることはよくわかるのだが、買う、買わないの意思決定の一番重要な所は実は違うところにある。前の不動産の履歴はどうだったか、みたいな感じで、実は買う、買わないの意思決定の前の段階のところにIT活用のメリットがあって、非常に豊かな、きめの細かい環境まで含めた売買取引になるみたいなことをぜひ前に出してもらいたいという感じがする。

○全般的に、とにかく重要事項をちゃんと説明することの重要性というのは一致してみんな思っているところである。逆に言うと、ITというのは、きちっと相手に説明する非常に有効なツールになるはずである。それをぜひ活用していただき、むしろネットの方が安全だというような状況とか、よく理解できているとかという状態を作ることが可能なはずであるということを踏まえて前向きに推進していただければということ。
 それから、これは座長からのお願いなのだが、段階論というのがあるのだろうと思っている。そこで、検証していきながら先へ進めるというのがあるのだろうと思う。その場合には、残念ながら、検討するというのはノーということだと受け取るように私どもは感じているので、どういうタイムスケジュールで、何を検討して、そこで何が検証されたらいつの段階でどういう次のステップに進むのかということについてのイメージをはっきり出していただけると、我々も、それを見ながら、一緒に先へ進めていくことができるかと思うので、ぜひよろしくお願いする。

○今の座長がおっしゃったスケジュールの関係は、委員会の中で議論になっているので、最終まとめの中ではスケジュール感が明確になるような記述をしていきたいと思う。

○日本も近々マイナンバーの時代が来る。飛躍のチャンスだと思う。紙とITとの違いが極端に出てくる。マイナンバーと連動したときのビジネスを想起すれば、不動産業者側がその人の過去の履歴も全部見ることも確認することもでき、売り手も自分の経歴を見せざる得ないわけだから、透明化が進む。そろそろこうした点を考えていかなければいけない時期に来ているのではないかということを個人的に思う。

○今後は、地方でお父様とかお母様が持っていらっしゃる不動産の相続というのが一気に発生すると思うので、いずれにしても、都市部に住んでる人たちと地方の不動産業者とのやりとりであるとか、その次に、お買い求めになる人たちとか、行政だとかのやりとりも含めて、そのトータルなデジタルなコミュニケーションというものの環境づくりをしておかないと、1回の商談のために、私などは鹿児島なので航空運賃が高額で、私の父の持っていた不動産の取引をどうするかということで何回も帰らなければいけなくて、ほぼインセンティブがないということで、しばらく放っておくかということから空き家もどんどん増えている。
 それから、先般は別の会議で農業をやっていたが、農地も同じような状況で、相続というか、所有者のお子さんが複数の所在地にいらっしゃって、残った農地の所有権についてどうしてよいかという取りまとめをする側の行政の負担であるとか、農業委員会の負担というのは一気に増している。そういう意味で、耕作放棄地が滋賀県の大きさにもなってしまったと言っているところから、今後は空き家とか空き地とか増えていくと思うので、マクロな視点からも国土交通省様にはお考えいただけるとありがたいと思う。

○前に進めようとしていただいているので、ぜひ頑張っていただけたらと思うし、今日の意見も参考にしていただけたらと思う。またよろしくお願いする。
 いろいろ御意見をいただいてきたが、当分科会からの意見を再度調整する必要もあるかもしれない。その場合、時間も限られていることもあり、当分科会からの意見に関する今後の調整については、こちらの公式な意見として向こうへ投げる文言などについては私に御一任いただければと思う。

(「異議なし」と声あり)

○ありがとうございます。

〈議事(3)閉会について〉

遠藤政府CIOより、以下の発言があった。

○規制制度改革も今日のように順次具体的に一つ一つやっていきたいと思う。今後も皆様のお力を拝借することになると思うので、よろしくお願いする。
 今日私が感じたのは、1つは、デジタルをデフォルトにするというのと、それは必ずしもデフォルトにしなくてもよいというケースと両方ありそうだということ。ただし、IT化してあると、今のものもそうだが、いろいろな人が関わってきたときに、FAQを作っておいて、読んで、自分で、これはどうなのかなということ、いろいろなことをちゃんと正しく答えてもらったものを参考にしながら自分の理解を進めることができるし、当然のことながら、遠隔地でもそれが享受できるということで、それが少し役に立ちそうな気もしたので、今後、進めるときに何かプラスできればと感じた。

 

新戦略推進専門調査会分科会について

平成25年10月3日
平成26年2月21日改正
新戦略推進専門調査会決定

1.世界最先端IT国家創造宣言(以下「創造宣言」という。)及び新戦略推進専門調査会について(平成25年6月14日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)第4項に基づき、新戦略推進専門調査会に、重点分野に係る戦略の推進に必要な具体的方策や評価指標の検討、ロードマップの作成・見直し及び取組状況の評価等を実施するために、電子行政、新産業、農業、医療・健康、防災・減災、道路交通、人材育成、規制制度改革、マイナンバー等の各分科会を置く。

2.分科会は、関係機関に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

3.分科会は、必要があると認めるときは、参考人を招いて意見を聴くことができる。

4.分科会の庶務は、関係府省の協力を得て、内閣官房において処理する。

5.前各項に掲げるもののほか、分科会の運営に関する事項その他必要な事項は、座長が定める。

規制制度改革分科会構成員名簿

平成26年9月11日現在 

 金丸 恭文 (かなまる やすふみ)  フューチャーアーキテクト株式会社代表取締役会長兼社長
◎國領 二郎(こくりょう じろう)    慶應義塾常任理事
 滝 久雄(たき ひさお)         株式会社ぐるなび代表取締役会長
 辻野 晃一郎(つじの こういちろう)  アレックス株式会社代表取締役社長
 中村 伊知哉(なかむら いちや)  慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
 舟田 正之(ふなだ まさゆき)     立教大学名誉教授
 根本 勝則(ねもと かつのり)   日本経済団体連合会常務理事
 ◎は座長

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)