【資料6】委員発表資料(石鍋委員)

中学校英語教育の現状

足立区立蒲原中学校長 石鍋 浩

 

 

 

 東京都中学校英語教育研究会

 東京都A区

成果

生徒

  •  「英語の授業が楽しい」「授業の内容は分かる」と回答した生徒が増加(平成18年からの経年変化、他教科と同様)=昨年度の「学力向上を図るための調査」生徒質問紙の結果
  • 英語をコミュニケーションの道具として考える生徒の増加
  • 小学校外国語活動の影響で臆することなくコミュニケーションできる生徒が増加
  • 小学校外国語活動の効果により音声に慣れている
  • 生徒の前での発表を嫌がらない
  • (小1から週2時間外国語活動を行っている地区では)文字が読める、書ける
  • 生徒の英語発話量の増加
  • コミュニケーションへの関心・意欲・態度の高まり
  • 学習指導要領のねらいに沿った授業においては、生徒の発話量の増加とともに自己表現できる生徒が育成
  • 小学校外国語活動の効果により音声に慣れている

教員

  • 週4時間になったため、発表や活動の時間が多く取れる
  • 「英語の授業は英語で」と考える教員の増加
  • 昨年度の研究部研究授業(九段中)には、都内外から400名以上の教員が参加
  • 東京都中学校英語教育研究会の研究部・事業部・調査部・プロジェクトチームが夏休みに計6日間研修会を開催、すべて盛況
  • 区市町村の英語研究部の活動は多くが活発
     ⇒研修したい、勉強したい、という気持ちが強い
  • コミュニケーション活動の重視
  • 教員の英語発話量の増加
  • コミュニケーションを図ろうとする態度の育成を重視
  • 小学校の外国語活動を理解している教員は、生徒の興味・関心を引き出す教材の工夫が可能
  • コミュニケーションの場面の意図的な設定
  • 「習熟度別授業」のクラス分けの基準の変化
     (例)定期考査の得点⇒技能別
  • ALT等の導入により国際理解が進む

課題

生徒

  • 中学入学以前に「英語は苦手!」と感じる生徒がいる
  • 関心・意欲が低い、英語嫌い
  • 英語はできないと思いこむ
  • カタカナ・和訳に頼る
  • 学習したことを活用できない
  • 音読できない
  • 英語で話そうとしない
  • 文のまとまりで聞いたり、読んだりしない

教員

  • 単語が33%増えたため、負担感を感じている
  • 一見活発に言語活動を行っているように見える授業でも、中味は機械的な繰り返しや、音読など、表現活動にまで至っていない
  • 教師の英語運用能力、指導技術(コミュニカティヴな指導)は、教師によって大きな差
  • 若手の教員でも、文法・訳読式の授業を平気でやっている教員
  • 外部の研修に参加できない、という学校事情はある
  • コミュニケーションのとらえ方がバラバラ
  • 高校入試を意識した指導に終始(書くことに終始)
  • 音声基盤の授業を行っていない
  • 「聞くこと」「話すこと」を保障していない
  • activityをやっていても「話せないまま」「読めないまま」で終わっている
  • 基礎基本を語い・文法のみととらえている
  • 指導手順の理解不足(例:drillなしでpair work、CD1回聞かせ音読)
  • 単元のねらいと評価にずれ(ねらいがコミュニケーション、評価が文法)
  • 説明と日本語訳が多い
  • 単語コンテストの実施の意義の理解不足
  • 自分が体験してきた英語授業のパターンから抜け出せない
  • コミュニケーション能力を育成するためのスキルは学んでいるが、生徒の状況に合わせることができない
  • 生活指導の困難さを理由に授業改善に踏み出せない教員

その他

 

  • 英語を学習する理由として「中学生は勉強すべきだから」「入試科目にあるから」等の理由が多数・・・5年前のベネッセが行った「中学校英語に関する基本調査」の結果
  • 東京都では、都独自の英語教育推進施策に力を入れ始めた(組織、戦略会議、指導方法改善委、教員の海外派遣等々)
  • 電子教科書などの視聴覚教材の効果は大きいが、ソフトの予算やハード面の問題は自治体で大きな差があり、未だに黒板とCDプレーヤーで授業を行っている教師が大部分

 

お問合せ先

初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室

(初等中等教育局国際教育課外国語教育推進室)