資料2-2-1 平成18年7月11日答申抜粋

2 教員養成・免許制度の改革の具体的方策
3.教員免許更新制の導入
-恒常的に変化する教員として必要な資質能力の確実な保証-

(1)導入の基本的な考え方
1 導入の必要性及び意義
 (略)
○更新制を、上述のような目的の制度として位置付けた場合、導入の意義としては、主に次の点が挙げられる。
 即ち、更新制の導入により、すべての教員が、社会状況や学校教育が抱える課題、子どもの変化等に対応して、その時々で必要とされる最新の知識・技能等を確実に修得することが可能となる。特に、教員免許状は、国立・公立・私立学校を通じた教員資格であり、現職教員以外にも、多くの免許状保有者がいること、さらに、現在、民間企業経験者等、教員への多様な人材の登用が進んでいることを考慮すると、更新制を導入することにより、国立・公立・私立の設置者の別や地域のいかんに関わらず、およそ我が国全体における公教育の改善・充実が図られることが期待できる。
(2)具体的な制度設計
○講習内容と修了の認定:講習内容については、「教職実践演習(仮称)」に含めることが必要な事項と同様の内容を含むものとすること、また、その時々で求められる教員として必要な資質能力に確実に刷新(リニュ ーアル)する内容を含むものとすることが必要である。また、学校種や教科種に関わらず、およそ教員として共通に求められる内容を中心とすることが適当である。修了の認定は、あらかじめ修了目標を定め、受講者の資質能力を適切に判定した上で、修了の可否を決定することが適当である。
 (略)
4.免許更新講習の在り方
ii)講習内容と修了の認定
○ 免許更新講習については、教員のライフステージや、その時々の学校教育が抱える課題等を考慮しつつ、多様な講習の機会が用意されることが望ましいが、あらかじめ上述の認定基準において、基本的な内容について定めておくことが適当である。具体的には、以下の2つの要請に応えるものとすることが適当である。

1.(2)で述べた新設科目(「教職実践演習(仮称)」※)に含めることが必要な事項(1.使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項2.社会性や対人関係能力に関する事項3.幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項4教科・保育内容等の指導力に関する事項)と同様の内容を含むものとすること
・社会状況や学校教育が抱える課題、子どもの変化等に応じ、その時々で求められる教員として必要な資質能力に確実に刷新(リニューアル)する内容を含むものとすること

○また、免許更新講習の内容については、更新制の趣旨に鑑みれば、基本的に学校種や教科種に関わらず、およそ教員として共通に求められる内容を中心とすることが適当である。具体的には、教職専門(例えば、教職の今日的役割、学校における同僚性の形成、家庭や地域社会との連携、子どもの発達や課題の理解、学級経営、生徒指導、教育相談、教育課程の動向と指導の在り方等)を中心に、講習内容を構成することが適当である。(具体的な講習内容のイメージについては、別添4参照。)

※「教職実践演習(仮称)」について(同答申より抜粋)
 今後、教職課程の履修を通じて、教員として最小限必要な資質能力の全体について、確実に身に付けさせるとともに、その資質能力の全体を明示的に確認するため、教職課程の中に、新たな必修科目(「教職実践演習(仮称)」)を設定することが適当である。
 教職実践演習(仮称)には、教員として求められる4つの事項(1.使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項2.社会性や対人関係能力に関する事項3.幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項4.教科・保育内容等の指導力に関する事項)を含めることとすることが適当である。

5.採用、研修及び人事管理等の改善・充実
(2)現職研修の改善・充実
 -現職研修の体系化の検証や10年経験者研修の今後の在り方等-
今後の現職研修は、個々の教員の能力、適性等に応じた多様な研修を行い、その成果を適切に反映していくという性格を強めていくことが必要であり、個々の研修の目的、内容、評価等の検証を行い、必要な改善・充実を図ることが必要である。10年経験者研修については、法定研修としての位置付けは引き続き存続させることが適当であるが、更新制の導入との関係で、更なる指導力の向上や、得意分野づくりに重点を置いた研修としての性格をより明確にするとともに、実施時期や研修内容については、柔軟化の方向で見直しを行うことが必要である。
○現在、現職研修については、都道府県・指定都市・中核市の教育委員会(以下「各教育委員会」という。)において体系化が図られているが、研修成果を適切に評価し、その後の指導や処遇に反映するシステムを構築することが課題となっている。また、今回、更新制の導入により、生涯にわたり教員の資質能力を保証するという制度的基盤が確立されることから、今後の現職研修は、基本的に個々の教員の能力、適性等に応じた多様な研修を行い、その成果を適切に評価していくという性格を一層強めていくことが必要である。
  こうした観点に立ち、今後、各教育委員会においては、現在実施されている現職研修の体系化の考え方や、個々の研修の目的、内容、成果等の検証を行い、必要な改善・充実を図ることが必要である。
(略)
○こうした現状を考慮すると、10年経験者研修については、教育公務員特例法上の法定研修としての位置付けは引き続き存続させることが適当であるが、更新制の導入との関係で、中堅教員としての更なる指導力の向上や、得意分野づくりに重点を置いた研修としての性格をより明確にするとともに、その実施時期や研修内容については、柔軟化の方向で見直しを行うことが必要である。

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