学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第3回) 議事録

1.日時

平成25年9月28日(土曜日)14時00分~17時00分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 学校図書館担当職員の担うべき役割・業務について
  2. その他

4.議事録

【堀川座長】  それでは、定刻になりましたので、これより学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議、第3回を開催したいと思います。本日もお集まりいただきまして本当にありがとうございます。
 前回、8月27日ということでちょうど一月前ですが、1か月たつのは本当に早いですね。あの会議の後に、多くの委員さんからメールによっていろいろな御意見を頂きまして、ありがとうございました。それを踏まえて事務局で今回のこの骨子案を作成してくださったわけですが、まだこれに盛り込まれない、次の段階でまたいろいろと触れさせていただくというような御意見もたくさんありまして、まだ温存させていただいているというものもあります。どうぞ御了解ください。
 それでは、本日は事務局より出していただきました学校図書館担当職員の担うべき役割・職務についての骨子案に対して委員の皆様から御意見を頂くという回です。次の回は、次回、1か月後になりますが、きょうお伺いした御意見を踏まえて、この学校図書館担当職員の担うべき役割・職務についてという、これを一旦中間まとめを行うというのが次です。そして、同時に、二つ目の調査研究事項である、学校図書館担当職員の質の確保を図るための方策についての議論に次回、移りたいと思います。
 そんな流れで行きますが、それでは、きょうの議題で事務局より配付資料の確認と、それから骨子案についての説明をお願いいたします。
【春山課長補佐】  それでは、失礼いたします。配付資料は、本日は1点のみでございます。昨日午前中に送らせていただきましたが、もちろんまだ御覧になられていない委員の方がおられると思います。もうちょっと早くお送りできればと思いましたが、御了承いただければと思います。
 それから、ご確認いただいて確定した第1回の議事録を机上に置かせていただいております。これについては今、ホームページへの掲載手続をしているところで、数日を経て掲載される予定です。
 また、第2回、前回の議事録につきましては、きょう、未定稿ということで机上の方に配付させていただいております。これは電子媒体も週明けにメールでお送りさせていただきますので、その電子媒体の方をまた御確認いただきまして、何かありましたら10月7日の月曜日までに事務局の方にご返信いただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1を御覧いただければと思います。この資料1では、前回までの御発表や御議論いただいたこと、また、それ以降に頂いた御意見も踏まえて、座長の下で事務局の方でまとめさせていただいたものという位置付けでございます。
 まず、報告書のイメージについてということで、内容に入る前に前提として書いてある幾つかのことですね。一番初めに書いてありますのは、教育委員会における担当者や校長、司書教諭をはじめとする教員、それから学校図書館担当職員、学校図書館に関わるような関係者にとって、この資料が一定のイメージというか、共通したものを持てるような、そういう資料、また、活用しやすい資料にするということが、この資料のまず一番初めの項目ということです。
 それから、内容につきましては、学校図書館担当職員、司書教諭、それから、そもそも学校図書館の役割について大まかな整理をして、それぞれの特徴や専門について明らかにするということで、その際、学校図書館担当職員と司書教諭の役割については、両者の専門性が異なるということを明らかにしつつ、そういうことを行うということです。
 また、その際に、そもそもの学校図書館の重要性といったものもやはり関係者にアピールしていくという意味も踏まえて、学校図書館としての重要性についても訴えていくということは前回も確認されているところでございます。
 それから、職務ごとの参考となる事例を、なるべく利用しやすいという観点から添付させていくという方針を書いております。
 報告書の全体構成ですが、「はじめに」ということと、1では学校図書館の位置付けについてということで、学校図書館そのものの機能、位置付けを確認した上で、その次にこの報告の前半部分、学校図書館担当職員の担うべき役割・職務についてということですが、具体的には、関係者や組織、それから学校図書館担当職員の役割・職務、資質・能力という(1)(2)(3)ということで下位の段落を設けています。それから、3がこの報告の後半部分に当たる部分で、学校図書館担当職員の資質の向上ということで、前半の2で明らかにした資質・能力を、具体的にどういうふうに向上させるのかということをこの3において示すという構成となるんじゃないかと思っております。それから、あとは、4として、先ほど申し上げましたが、参考事例、それから5といたしましては、それを通じて全体を総括した、よりよい学校図書館を目指すための方策についての提言というものと、あとは、「おわりに」と。それから、いろいろな参考資料を付ける。全体の構成としてはそのようなことでどうかということでございます。
 2の中の構成ですけれども、その役割ということについては、学校図書館の機能、幾つもこのほかにもございますが、読書センター、学習センター、情報センターというような、最も基本と言っていいと思いますが、そうした三つの機能に共通して求められる役割というものに触れた上で、それぞれに求められる役割といったものを整理していくということでございます。
 その学校図書館の職務については、それぞれの職務の内容、現状を捉えて、それを具体的に発展させていただくということにつなげるために、これは一つの整理でございますけれども、間接的な支援に関する職務、直接的な支援に関する職務、教育指導への支援に関する職務と、こういった三つの分類をさせていただいております。
 それから、1枚おめくりいただきまして、この報告書自体とはまた別でございますけれども、この学校図書館の機能や担当職員の実務といったものを分かりやすく、こういった報告書というのはなかなかやっぱり文書ベースのものでございますので、日常もって参考にするということにはなかなかなじまないのかなということで、もう少しハンディな形での学校図書館担当職員の先生方が日常的に携帯できるような、傍らに置いてお仕事をしていただけるようなハンドブックというものを作成してはどうかということの御提案ということで、御議論いただければと思います。
 それでは、3ページ以降でございますけれども、3ページにつきましては、学校図書館の位置付けについてということで、基本的な学校図書館のことを確認させていただいているということでございます。一つ目の丸は、学校図書館法1条、2条と書いておりますけれども、学校教育において欠くことができない基本的な設備であるということと、学校図書館の目的として、学校の教育課程の展開に寄与する、それから児童生徒の健全な教養を育成すると、これは学校図書館法に定める目的でございます。
 具体的に、じゃあ、その学校図書館の機能として、これは4条に書かれていることでございますが、この五つですね。それぞれ、図書館資料を収集し、利用に供する。図書館資料の分類排列を適切にし、目録を整備する。こうした各種会を行うこと。それから児童生徒に対し、学校図書館利用に指導を行うこと。それから、ほかの学校図書館等々の施設と緊密に連携した協力を行うということ。
 これらの方法を講じることで、先ほども三つの機能と申し上げましたが、読書センター、それから学習センター、情報センターとしての機能を最大限に発揮するということが重要であると。そして、こうした機能で子供たちの育てる力というものは、子供たちが学習する上での基盤となる力ということで、その学校図書館の機能を活性化させ、充実を図るということに当たっては、学校図書館の運営に当たる人員の配置、資質の向上ということが極めて重要であるということで、次の2の方につながっていきます。
 2の学校図書館担当職員が担うべき役割・職務についてということで、(1)は関係者と組織に分けてまとめています。まず、関係者といたしましては、これは学校内のことに限定しておりますが、校長、教員、司書教諭、図書館主任、学校図書館担当職員、ボランティアということで、それぞれ箇条書き的な形で書いております。
まず、校長はその校務をつかさどるということを学校教育法の職務として掲げておりますが、具体的にはそれぞれの学校の教育課程の編成に責任を有するという立場から、学校図書館が教育課程の展開に寄与するというようなものになるような諸条件の整備を図るというような任務を負っているということと、また、これは頂いたお話の中にもございましたけど、やはり校長といったものが学校図書館の運営・活動に対してのリーダーシップを発揮するということになると、学校としての体制、環境というものが変わってくるということを記載させていただいています。
 それから次に、教員は、児童生徒の教育をつかさどるということで、これは学校教育法に定められた教員の職務規程でございますけれども、日常的な読書活動、学習指導に関する教育指導や授業において学校図書館を活用した教育活動を充実させることに努める必要があるということで、教員は学校図書館を活用した授業、その指導やサポートが求められるということです。
 下から四つ目の司書教諭のところからが、特に学校図書館に直接的な関係のある職員ということです。司書教諭ですが、学校図書館法に定められた、所定の5科目10単位の講習を受講した者として、具体的には学校図書館の運営に関する総括等々、ここに記載させていただいていることに従事すると。
 それから、図書館主任という校務分掌がございまして、これは最終的にこういう整理でいいのかどうかは別にしまして、司書教諭が置かれていないという場合には、司書教諭の上記の職務を担い、司書教諭自体が12学級以上に必須ということで、11学級以下ではまだまだ発令が進んでいないという状況がございますので、そういうことでの図書館主任ということと、置かれている場合であっても司書教諭と連携協力しながら学校の図書館の運営に従事するというようなことを仮に記載してございます。
 それから、学校図書館担当職員でございますが、まさに学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務や、図書館を活用した児童生徒に対する教育活動への支援に従事するという形で置かせていただいております。
 この学校図書館の運営・活用ということにつきましては、ここから少し例で示させていただいておりますけれども、図書館経営に関する全体計画等々、これは例えばということですけれども、教育課程とどういうふうに結び付けるのかということが当然大切になってきます。そういうことから、この作成に当たっては、一般的には教育指導に関する専門的知識を有する司書教諭、これは教諭という立場からですけれども、その立案・取りまとめに従事し、学校図書館担当職員としては、図書館資料に関する専門的知識等に基づき、司書教諭に対し必要な支援を行うというようなことが期待されるが、ただ、これはこの間、お話もありましたけれども、具体的な業務の内容というのが実情、各学校によって異なることがあるということで、このように司書教諭と学校図書館担当職員がそれぞれの有する専門性ということを尊重しながら連携協力を密にしながら進めるということで、具体的な職務の分担につきましては、実際の各学校における配置状況、また、その学校全体の校務のバランス、それから学校図書館担当職員の勤務条件等々を考慮し、それぞれの実情に応じた柔軟な対応というものが各学校で必要になるということです。
 それから、ボランティアにつきましては、学校図書館活動の非常に有用な存在として位置付けておりますので、読み聞かせ等の学校における読書活動への参加、または図書館資料の整理等もございますけれども、こうした学校図書館に関連する業務の補助に当たることが期待されているということで置かせていただいております。
 以上が各者の各職務ということを整理したものでございます。
 それから、組織についてですが、まず学校においては、学校図書館に関する業務に、学校として組織的に対応していかなければいけない。まあ、大前提になるということでございますけれども、図書館の運営、活用、それから評価、この3種に当たって組織的な対応をする必要があるということです。関係する具体的な組織として考えられるものといたしましては、これは実務を担当する、例えば学校図書館部会というような名称のものや、それから学校教育全体の観点から図書館の運営を検討、審議するような委員会というもの。それから、職員会議や学年部会、各教科部会というような、学校図書館だけを扱うわけではないのですが、図書館の利活用に関係のある組織というものがあるということです。
 学校図書館に関わる組織でございますけれども、図書教諭や学校図書館担当職員によって構成されることが一般的でありますけれども、これらというのは校務の全体の中で、きちんと校務分掌において、組織と構成員の役割も明確にした上で位置付けるということが重要であろうということです。
 それから、各学年部会、教科部会といったことですけれども、これはそうしたことを議論するということですが、そうした部会に学校図書館担当職員が参加をすることで、学校教育全体の状況を把握して、学校図書館の機能の目的の活性化ということを果たしていくということが有効であるということが下の二つ目に書かせていただいております。
 それから、さらに職員会議ということで、これは学校の全体方針を議論する場ということで、こうした場に学校図書館担当職員が参加していただくということも期待されるということでございます。
 以上、関係者と組織ということでございましたけれども、次の6ページからでは具体の学校図書館担当職員の役割・職務についてということで、まず一つ目としては、最も基本的な役割ということで、やはり児童生徒や教員等の利用者が使いやすく、求める資料を探しやすいよう、学校図書館を日常的に整備するということで、やっぱり一番その基本的な役割ではないかということで、その次に三つの機能を書いてありますけれども、こうした三つの機能という以前に、基本的なベーシックなものとしてこういうものを位置付けております。
 そして、読書センター、学習センター、情報センターということで三つを掲げてありますが、上から三つ目で、まずは読書センター的なところですけれども、児童生徒が楽しんで自発的かつ自由に読書を行うような環境整備と、それから、さらに積極的な読書活動の推進のための取組というようなこと。それから、次の「また」ということでございますけれども、学校図書館の教育課程の展開に寄与するということ。これは法律で書いてあることですけれども、実際には、まずは教育課程を理解をし、その授業を深めるというようなことに教員と相談して、その教員が行うそうした教育課程の展開というものの支援をするというような職務、役割ですね。
 それから、さらに、その下のことになりますけれども、児童生徒の情報リテラシーの育成ということが大きな課題となっておりますので、こうしたことにつきましても、各教科で担っていくものを教員と相談して、教員の活動を支援しながら、そうした役割も担っているということでございます。
 以上を踏まえ、学校図書館を運営していくためにこうしたことをするために必要な専門的・技術的な職務と児童生徒に関する教育活動の支援ということに対する資質というものを備えていることが期待される。
 その次のところは、やはり実際、学校図書館職員の勤務状況というのはいろいろ違いがあるということは現状として頂いており、7ページの方になりますが、7ページから8、9、10でそれぞれ冒頭申し上げました三つに整理したということで、間接的支援と直接的支援、教育指導への支援に関する職務ということで、今、7ページの方で申し上げたような業務を、前回もお配りしました司書教諭や学校司書の役割の表で書かれているような業務、役割というのを意識しながら、その三つのカテゴリーということで整理をしたということで、8、9、10でそれぞれを今まとめています。
 8ページでは間接的支援に関する職務ということで、施設の運営、施設の環境整備、図書館資料の管理ということで、それぞれこのような役割、職務といったものを書かせていただいております。
 それから、9ページの方では、直接的支援ということで、窓口業務やガイダンス、読書活動、情報サービスということで、直接子供たちや教員に接した図書館としての支援に関する職務というものを挙げさせていただいております。
 それから三つ目として10ページ目に教育指導への支援に関する職務ということで、各教科等の指導に対する支援、それから二つ目としては、各教科等の指導の一部ではありますが、特別活動ということに対する支援というものは中でも学校図書館にとって特別な意味があるのではないかということで、図書委員会活動に対する指導とか、学校行事に関する指導というものを特出ししています。それから、情報活用能力の育成ということで、こうした指導に関する支援ということを行っております。
 11ページの方はまだ実は白紙ということになっております。というのは、今申し上げたような役割、職務といったものを御議論いただいて、では、そのことをするために実際にどのような資質・能力が求められるのかというのが、次の議論として出てくると思います。この11ページに当たる部分を御議論いただき、さらにその次に、全体の後半と申し上げた、3の資質向上ということで具体的にどうしたらいいかということを記載していくということになります。したがって、この11ページは次の後半にわたるブリッジの部分の役割機能を持っております。まずはこの10ページまでの役割・職務というところで、これをたたき台に御議論をいただいて、今申し上げたような形での議論ということで次につなげていくということで今、イメージをしているところでございます。
 ちょっと時間を長く頂きましたが、以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 この骨子案がメールで皆さんの方に届いたのが、ぎりぎりで、まだきちんとゆっくり目を通す時間がなかったかと思いますが、一つ一つ見ていきたいと思います。実際に見ていただいてお分かりのように、私としては個人的に、本当によくまとめてくださっていると思います。この会議が発足してから、春山課長さん、竹中企画係長さんには、急速にというか、瞬く間に学校図書館の専門家になってくださったような気がして、とても心強く思っています。
 これをまとめるに当たっては、この委員さんの中の大串委員さんと平久江委員さんにも事前に協力を、お力添えを頂きました。皆様には、事前にお諮りしませんでしたけれども、どうぞ御了解ください。
 そして、これを見ていただくとお分かりのように、まだまだ空白のところもありますが、特に6ページ、7ページぐらいまでのところは、この報告書の基本の部分ですので、一字一句検討していただければと思います。まだまだ足りないところもあると思いますし、先ほど、いいものをまとめてくださったと思いますと個人的には申しましたが、まだまだ足りないところ、それから、ちょっと違うんじゃないのというところはたくさんおありだと思います。それぞれのお立場で、いろいろな経験をなさってこられたそれぞれの委員さんの御意見、何でも結構です。お出しいただければと思います。以前にも申しましたけれども、皆様の御意見がないと、こちらで捏造するわけにもいきません。いろいろな、どのような視点でも観点でも、気が付かれたこと、どんどん出していただければありがたいと思います。
 これから議論を始めて大体1時間ぐらい、15時25分で1時間ぐらいですが、その辺りをめどにちょっと休憩を取りたいと思っていますが、それまで活発な御意見をお願いいたします。
 吉田委員さん。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 最初の最初からなのですけれども、タイトルは学校図書館担当職員でなければいけないでしょうか。学校司書ということを第1回目の会議のときにいろいろお話しされた方もいらっしゃいました。私が学校司書の方が望ましいなと思うのは、理由は3点あります。
 一つ目は長過ぎるということです。全国に定着させるには、短い方が端的で分かりやすいと思います。
 二つ目、各学校には司書教諭とか図書主任とか図書委員会担当者とかおります。それをまとめて学校図書館担当教員という言い方をします。教員と職員、1字違いで混同しやすいです。また、それに、学校司書を含めまして、学校職員担当者という言い方をする場合もあります。かえって混同しやすい、誤りが起きやすいということを考えますと、もっとすぱっと分かりやすい学校司書という方が望ましいと思います。
 三つ目。第1回のときに、職名というのは業務を表すという発言がございました。先日の会議での文部科学省の方々の発言で、財政的に大変苦しい地方自治体に配慮して学校図書館担当職員という言い方をされたのだろうなということは思いますけれども、やはり志は高く持っていただきたいと。たとえ今は財政的に苦しくても、地方自治体の方には将来余裕ができたら学校司書として、専門的な技能を持つ学校司書を各学校で雇用して専門性を発揮してもらいたい。そう思ってほしいと願っていますし、現場の学校図書館担当職員には、たとえ雇用条件が厳しくとも、子供たちの教育のために、学校司書としての役割を勤務時間の範囲内で頑張ってほしい。そういうプライドを持って活動していただきたいと考えているのです。
 文部科学省の方々にもいろいろ思いはおありでしょうが、地方の末端の方にいる私たちとしては、やっぱり学校教育を束ねて指導される立場の文部科学省の方が、学校図書館の学校司書はこういうのが見本なんだよ、こういうのが望ましいんだよということを提示していただいた方がよいのではないかと思いました。
 私の申し上げたことはちょっと常識はずれでしょうか。よろしくお願いします。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 私の進行がまずくてすみません。まず、吉田委員さん、ありがとうございました。今、おっしゃってくださったように、1ページ、2ページの報告書のイメージについての部分をまずは皆さんの御意見を伺いたいと思います。今、吉田委員さんがおっしゃってくださったのは大体ここの部分だと思いますので。
 まずはこの1、2ページの部分でほかに御意見、もっとお願いしたいと思います。杉本委員さん。
【杉本委員】  すみません、ちょっと教えていただきたいのですけれども、学校図書館担当職員の職務の中で、間接的な支援に関する職務、直接的支援に関する職務、教育指導への支援に関する職務ということで、具体的な名前を挙げていただいているのですけれども、教育指導への支援は誰に対する支援なのかが分かるのですけれども、間接的支援、それから直接的支援というのは、児童生徒に対する支援なのか、それとも司書教諭、又はその他の教諭に対する支援なのか。誰に対する支援なのかという点について御説明いただければありがたいと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 いいですか。
【平久江委員】  筑波大学の平久江です。
 今の問いということなんですけれども、これは私の考えになるかと思うのですが、多分この三つの観点から捉えるというのは、やっぱり従来に比べるととても踏み込んだ内容になっているのではないかなというふうに私自身は捉えておりまして、特に教育指導への支援に関する職務というのが入ったというのは、これは今後非常に重要な点ではないかなと思います。
 それぞれ、じゃあ、誰に対する支援というふうに捉えたらいいのかという、その御意見だったと思うのですけれども、私なりに考えてみるに、間接支援、直接的支援というのは、これは利用者のニーズに応えるための支援ということですか。それに対して、教育指導への支援というのは、教育目標を達成するための支援というふうに理解するということが基本にあるんじゃないかなと思うんですね。その考え方に立って、それはあるいは教師であるかもしれないし、教師も利用者でありますので。また、児童生徒も利用者でありますので、利用者のニーズを達成するための支援というふうにとらえると、両方理解できるんじゃないかなと思うんですね。
 また、同様に、教育活動への支援というふうに言ったときに、教育目標を達成するための支援というふうに考えるならば、学習の中で児童生徒が活動すればそれも含まれてくるであろうし、例えば教師が授業を実践する場合は、それに対する支援も含まれてくるというふうに理解していくということで理解しています。
 答えになるかどうか分からないのですけれども。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 唐突に間接的というのが出てきたので。「利用者への間接的支援」ってちょっと入れますか。入れた方がまだ分かりやすいですか。ちょっと違いますか。
【平久江委員】  そこはにわかにちょっと、考えてございませんが。
【堀川座長】  ちょっとこれはまた検討事項にしましょう。
 割と図書館情報学の中では間接的とか直接的とかっていう言い方をよくするのですが、誰への支援かということですね。
 ありがとうございます。そうやって、まだまだ曖昧な部分がありますので、どうぞ御意見をお願いいたします。加藤委員さん。
【加藤委員】  今のところと関わってくるのですけれども、私もこの三つに分けるという分け方、三つに分けて自分の仕事を分類してみましたけれども、なかなかこの中に収まりきらないものがあるなと思って、図書館の仕事を表すときに、もう少し考える余地があるのかなというふうに思ったんです。
 それで、図書館の仕事、働き、機能というところを考えたときに、従来はどういうふうに分けてあるのかなというのをほかのところのを見てみましたけれども、例えば、学校図書館問題研究会などでは、もう少したくさんで分けてあるんですね。運営方針に関わるもの、資料収集に関わるもの、閲覧に関わるもの、貸し出しに関わるもの、レファレンス、読書相談に関わるもの、教育活動への援助、相互協力に関わるもの、図書館利用支援オリエンテーションに関わるもの、広報に関わるもの、集会、行事というふうに、こういうふうにもっとたくさんのものに分けてあって、私も間接的支援というのは直接、人にサービスすることじゃなくて、資料をもってサービスすることかなというイメージは何となく分かりましたけれども、もう少し具体的な方が、分けるときに仕事を考えやすいというふうに思いました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 どうしましょうか。8ページの方をちょっと見ていただきますと、まだこれが完全にできていないので、こうしたものをお出しするのも恥ずかしいのですけれども、間接的支援の中に施設の運営、施設の環境整備、図書館資料の管理など、先ほどおっしゃってくださった、本当は運営方針とか資料収集の方針などもここに入ってくるべきものなんです。と私は解釈しているんですが、その辺の区分けが難しいところですね。
 先ほど、加藤委員さんが、収まりきらないものがあると。例えばどんなものが収まりきらないかという。
【加藤委員】  今、堀川先生が言われた、経営的活動というか、学校図書館年間計画であるとか、それから資料収集方針、そういうものと、それから、それは間接的なところに入るのかどうか。それから、蔵書を形成するという辺りも間接なのかなと。それから、施設、館内の環境を整備、これも間接かなとかいうふうにいったら、あと、図書館行事などはどうなんだろうとか、そういう辺りがどこに入るかなというのを思いました。
【堀川座長】  そうですね。行事は直接的な方なのかな。これは3ですか。行事は。そうでしたね。学校行事に関わる……。そして、加藤委員さんが懸念なさっているのは、経営的な部分が間接の中に含まれていいものかどうか、もう一つ別枠に出した方がいいかどうかというところですね。はい、ありがとうございます。
 ほかの委員さんはいかがでしょうか。はい、村山委員さん。
【村山委員】  今は全体のことで、後で部分的なところで言うべきことかもしれないとは思うのですけれども、今出てきた指導と支援という言葉の使い分けについて。私たち現場では、教育的指導という意味で、指導は教員がするもので、学校司書さんは支援をするというふうな使い分けをしています。この10ページにある「図書委員会活動に対する指導」となると、これはもう、生徒に今度の10月はこういう活動をしなさいと言うことを意味するようになると思うんですね。そういうのは担当教員がすることで、それに対する支援だと思うんです。ほかにも「図書館を活用した指導に関する教員への助言」と言うと、これは教員より上の立場の人、例えば指導主事の人が言うようなイメージに、教員としては、学校現場ではとってしまうと思うんです。そういう意味ではないのはここに来ている者としては分かるのですけれども、やっぱり情報提供とか、言い方を変えていかないと、混乱すると思います。逆にこの文面からいくと、違ってきてしまう、学校司書が指導をするのかと理解が間違っていくんじゃないかなということがあります。もう一つ、全体的に、やっぱり選書とか資料とかいうことが多くて、読書センターと学習センター・情報センターということを考えると、例えば5ページの下から四つ目の、学校図書館に関すること、扱うことを目的としてと、「選択・収集に関する」しか載っていないのですが、小さな選書委員会のことかなとしか思えないのでこれはちょっと。実際は、もっと大きな活動をしているし、情報指導もしているので、4ページに読書指導計画の立案というのがありましたが、読書指導計画があるならば、当然、情報指導計画もあるべきだろうと思うんですね。
 全体にメディア、情報リテラシーということが出てきていますが、その割にはこの文面全体の中に情報という言葉が余りにも出てこなくて、資料、資料と言われると、何となく紙媒体とか、電子媒体ではないイメージがしてしまうと思うんですね。もう少しその辺の言葉の吟味を。
 それから、司書教諭とか図書館の仕事についての情報センターとしての指導計画とか、情報リテラシー育成は、私は司書教諭とかPCの担当とか、協力して計画を立てるべきものだと思うのですが、そこのところが全体に弱い、薄いような。図書館は本を選んで読むところというイメージの方が強く出ているような気がします。もう少し情報指導について強く出していかないと、これからの必要とされている情報活用能力の育成を担う分掌だと思っているんですが、それがないからやらなくていいんだよ、パソコン担当がやればいいんだよというふうになってしまうんじゃないかと危惧します。
【堀川座長】  ありがとうございます。全くそのとおりだと思います。
 堀部委員さん。
【堀部委員】  今の御発言に関連して、学校長のスタンスから、確かに何がそうさせてしまうのかなというところをちょっと考えたところ、この大前提で「はじめに」の後に、学校図書館の位置付け(機能)というふうに入りますよね。その前提にあるのは、やはり学校図書館教育とは何かというスタンスがあってしかるべきかなと思っています。学校には学校教育目標があり、学校経営方針があり、その下にそれぞれの教科の目標、内容に迫っていくわけですけれども、学校経営計画というものをどの学校でも作成するわけですよね。その中で、例えば情報教育の項目であったり、キャリア教育の項目であったり、職員教育の項目というくくり、そのくくりの上でさらに各論に入っていくという流れになるわけですよね。
 そうすると、学校図書館教育という視点でもし起こしたとすれば、なぜ読書センターなのか、情報センターなのかというところから、今、お話があった情報リテラシーの部分も、やはり学校図書館教育の大事な要素であるということを前段に出したところで、それを担うべき設備、施設、学校図書館であり人でありというような流れになるというふうに考えると、やっぱり学校経営計画で具現化をしない限り、なかなか読書指導計画を作りましょうと言っても入らないわけですよね。そういう点では、やはり学校図書館教育とは何かというところの全体的な概念というのを規定した上で、学校図書館の機能に入るというところがすごく大事になるんじゃないかなと思っています。
 横浜の場合でも、情報活用能力の育成というところで、情報リテラシーの能力を付けるということとともに、いわゆる読書活動の指導という二本柱、これがやはり学校図書館教育の大きな軸であるというふうに考えておりますので、それをまず前段で示したところで、読書センターであり、情報センターであるというところを理論付けていくと、少し精査がかかるのではないかなと思いました。
【堀川座長】  そうですね。ありがとうございます。
 私も常々、学習指導要領が教科ごとになっているので、学校図書館教育というくくりがないのがとても残念だとは思っているんですが、それをここの中でどう扱うかというところですよね。
 槇川委員さん。
【槇川委員】  今、堀部委員がおっしゃったことには全く賛成をします。学校図書館活用教育という柱を起こさなくても、例えば1の中にこの学校図書館教育というものが一体どういうものなのかということがはっきり分かるような記述をしてもいいのかなというふうに思いました。
 それから、先ほど来ちょっと話が上がっていることについて2点お願いします。まず、具体的な職務がまだまだ挙がっていないということだと思います。そして、今後、今の情報活用能力の育成にかかる部分も、今ここに書かれている形で完結するということはあり得ないと思うので、どんどん増えてくると思うんですね。そうしたときに、やはり職務を整理するくくりの観点というのがどうしても必要になってくるんだろうと。そうしたときに、今、3点のくくりの視点で収められています。間接的指導と、それから直接、それから教育指導への支援と。仮にこういうタイトルにしておいて、もし論議を進めていく中で、ちょっとこれは名称は変えた方がいいんじゃないかということになれば、そのときに変更してもいいのかなと。とりあえずこのくくりの観点というのは必要ではないかと思いました。
 それから3点目、これについても村山委員の御発言の中にあった、指導と支援という部分なのですが、今、この4ページに学校教育法の37条の記述が出ています。この学校教育法には具体的に言うと丸の四つ目なのですが、学校教育法で教員の職務をこういうふうに書いてあります。児童生徒の教育をつかさどる。つまり、これが指導の部分です。それから、二つ目の「校長は」というところを見ていただくと、校務をつかさどるとあります。ここには教育をつかさどると書いてないんですね。つまり、校長は授業は法律上はできないんです。そういうふうに、指導っていうことについて言うと、教頭も場合によっては教育をつかさどる。つまり、授業ができるので、ということを考えてみると、やはり学校司書の方の職務の中には、やっぱり支援という言葉がふさわしいんだろうというふうな気がしています。ですから、指導という言葉を入れるにしても、指導に対する支援とかといったような整理をした方がいいのかなというふうに思いました。
 以上3点です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 この、先ほどの職務がまだきちんと書かれていないということは本当に当然で、申し訳ないのですが、8、9、10、そして、できれば先ほどもちょっとお話がありました、ハンドブックのようなもので、もっと細かいことを入れていきたいなというように思ってはいるところです。
 それでは、門脇委員さん。
【門脇委員】  私、この資料を、きのう届いたというものをここへ来て初めて拝見させていただきました。そして、一番初めにこれをさっき春山課長補佐さんが読まれて聞いていて思った感想なんですけれども、今まで学校司書というものがなかなか学校図書館の中で位置付けられてこなかった。それから、余りその名前も、それから職務も明確でなかったという歴史の中で、これだけ踏み込んだ文言で書いていただいてあるということにまず喜びを覚えました。
 そして、さらに、教育的な指導っていう言葉、教育指導に関する文言ということにまで踏み込んで書いていただいてあるということに、さらにこれはとても進歩だと思いました。今、私が現実に学校の中で行っている支援に近い形での表現だと思いました。それは実践の中で、こういう動きが、学校司書がこういう動きをするということが学校図書館の発展に関してとても有効であるということは、身をもってその事実として体験しています。それに、私たちは学校司書で教員ではないし、指導ができるという法的根拠はないわけですけれども、だからといって、それは指導すべきでないと考えるのは正しいことではないと思います。なぜかというと、私たちは図書館の中においては、一人一人の子供たちに利用指導をします。図書館の授業を行う中で、子供たちや先生の直接的あるいは間接的な求めに応じて、部分的に指導を行うことがあります。現実的にそれは行います。それは指導と言います。ですから、その指導という文言を外すということは、後退だと思います。
 まだちょっとよく考えがまとまっていないのですけれども、今ちょっと直感的に思ったことを述べさせていただきました。
【堀川座長】  ありがとうございます。それぞれの現場の実践の重みというのがありますよね。
 はい、どうぞ。村山委員さん。
【村山委員】  私も実際に学校司書さんにやっていただいて非常に効果を上げているので、それを否定するものではないのですが、授業というものは教育計画なり単元指導計画の下にその時間の目標が組まれるもので、それは教員が立てる計画であり、教員が授業を行うわけで、その中に一緒に指導に加わってもらっているのが学校司書さんだと思うのですね。ですから、相談の上で、実際には教員が指導している授業なんだけれども、一緒に指導してもらっている。そういう二人三脚の行動だと思うんです。
 ただ、その指導という言葉が独り歩きすると、司書が指導するのだというふうになると、教員が授業をやらなくなってもいけませんし、また、逆に学校司書が強くやり過ぎて、二人三脚にならない場合など、どちらかだけになっていくということがあると怖いなと思うので、授業というものが根本的にどういうものであるかということを指導と支援という言葉でもう少し考えていかなければ。ほかの言葉でもいいのですが、考えていかなければいけないのではないかなと思うんです。
【堀川座長】  ありがとうございます。慎重に考えないといけないですね。
 平久江委員さん。
【平久江委員】  今、話題になっているところですけれども、今回の提言の中で、役割の中でやっぱり一番重要な部分は、この教育指導への支援に関する職務という、こういうところを入れたというのが非常に踏み込んだ、今後、学校司書というのを学校司書職として専門的を持たせた形で確立していくにはどうしてもここが必要な部分ではないかなというふうに個人的には感じています。
 名称ですけれども、これはなかなか、僕、最初、違和感がありました。確かに。教育指導への支援、少し分かりづらいなという感じがしましたけれども、ここには二つぐらいの意味があるんじゃないかと理解しています。一つは指導への支援という、まさにそういう、教員への指導の側面です。それからもう一つは学習への支援ということで、生徒の学習活動への対応ということも含まれてくると。多分この辺が教育という部分に含まれてくるというふうに考えたときに、教育指導への支援ということが言葉として出来上がったのかなと理解しているんですね。
 逆に、言われてみて、まあ、これはわりかし的を射ているかなという、今、そんな感じではいるんですけれども。ただ、もうちょっと、例えば学習への支援ということでも置き換えられるかもしれないしという、まあ、そういう流動性はあるかなと思うんですけれども。ただ、その意図としては非常に重要な部分ではないかと思っております。
【堀川座長】  はい、門脇委員さん。
【門脇委員】  やっぱりこれからのモデルとなっていくものを作っていくという意味では、発展的に学校司書の仕事がこれからも有効に働くためには、やっぱり低きに抑えられるというのはいけないと思うんですよね。発展的な余地がちゃんと感じられる、その可能性があるということを盛り込んだものになる必要があると思います。そういう意味では、学校教育の発展に寄与する、そういう図書館を作っていくという意味では、もちろん司書教諭の仕事も大切ですが、それを二人三脚で負っていく学校司書の専門性というものがはっきり出ていかないといけないと思うんです。それを授業の中でどういう役割を負うのかが分からない状況のものを出すというのは、やっぱりそれはかえって混乱を招くと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 加藤委員さん。
【加藤委員】  今回、学校司書の専門性というところが明らかになるように話をしているわけですけれども、今回提示されたもので、学校司書の専門性というところがどのように表されているのかなというのをもう一度読んでみないといけないなと思ったんです。
 それで、4ページのところにそれぞれの組織とか役割が書いてあって、例えば丸の二つ目では、校長は校務をつかさどると。それから、司書教諭は丸の6番目で、学校図書館の専門的職務をつかさどると。それでは、学校司書は、ここでは学校図書館担当職員と書いてありますけれども、何をするのかなというふうに読んでみると、下から2番目のところに、学校図書館担当職員は、学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務及び学校図書館を活用した児童生徒に対する教育活動への指導・支援等に従事すると書いてあるんですね。私たちがつかさどるものっていう、責任を持って職務として担当するものというのは何だろうというのが、ちょっと分かりづらくなっていて、自分の中では今まで学校司書の仕事っていうのは、学校図書館の専門的職務をつかさどると。図書館の専門的分野をするのが自分の仕事かなと思っていたんですけれども、支援という言葉が大変出てきていて、指導に対する支援であるとか、そういうときにちょっと仕事のストレートなところが分かりにくくなるなと。自分が責任持ってする仕事って何だろうというところがちょっと曖昧になってくるかなと思ったんです。
 それで、少し話が戻りますけれども、関係あるんですが、やっぱり学校図書館の役割というのが出尽くしていないと。具体的な仕事がこの会議ではまだまだ出ていないという御意見がありましたけれども、私もやっぱりそう感じます。そして、1ページ目のところで、この報告書のイメージについて書いてあって、2番目の丸のところで、ここではそれぞれの職の役割を明らかにしていくんですけれども、その際、関係者の理解を得るため、教育上における学校図書館の重要性についても訴えるというふうに書いてあって、言葉じりを捉えるわけじゃないんですけれども、やっぱり学校図書館の働きというのがはっきりして、じゃあ、その働きを作ることができる人というのはどんな人なのかなという、その部分がもう少し考えたいなというふうに思いました。
 情報リテラシーの話も出ています。情報リテラシー、本当に大事なんですけれども、言葉が独り歩きしないようにしないといけないなと思うんです。図書館の働きを話をすればするほど、図書館のイメージというのが小さくなってはいけないと思うんですね。情報リテラシーというのは本当に大きな意味を持っていて、例えば子供たちが今の社会の問題に関心を持っているかどうかとか、自分がよりよく生きるにはどうしたらいいのかという意欲を持っているとか、そういう部分ととても関係があると思うんですね。図書館で仕事をする、子供たちに資料を手渡していくというのは、そういう大きな部分があると思うんです。
 読書センター、学習センター、情報センターというのも、分析して考えることはとても必要だと思うんですけれども、それぞれのつながり合っているところの大事さ、読書が持つことの大きな意味みたいなところがはっきり書くことでわい小化されないようにしないといけないなというふうに思いました。
【堀川座長】  ありがとうございました。考えさせられます。
 杉本委員さん。
【杉本委員】  先ほどから出ている学校図書館の役割というのは、もう大前提で議論を深めていく必要があるんですけれども、あくまでこの委員会では、学校司書のという視点で話合いが進められる必要があるのかなというふうに思います。その際、やはりそこで現場としては司書教諭との職務の分担といいますか、それぞれの専門性に基づいた活動というところが今後また議論を深めていかなければいけないところだと思うんです。そこで、先ほどから出ています、学校司書の専門性はどこにあるかというところに一つ、的を絞って話していかないと、学校図書館の未来像と学校司書の職務ということが一緒になってしまうと、あれもこれもと総花的なことになってしまうのではないかと思います。
 ですから、学校司書は、先ほどの加藤委員さんのお話にもありましたとおり、その専門性に基づく活動ですから、先ほどちょっとこだわったのは、支援と言ってしまうと誰か主となる人がいて支援という捉え方になるのが普通の解釈だと思います。でも、あくまでも学校司書の活動が学校司書の専門性に基づく独自の活動であって支援ではないんだと。門脇委員さんのおっしゃるように、もちろん将来的な活動の余地というのは、先進的な取組ということで幾らでも紹介のしようがあるのであって、あくまで、まずは専門性がどこにあるのか、その専門性に基づいた活動、利用者に対するレファレンスであったり、蔵書に関する知識であったりというふうなところをまずは明らかにした上で、今後の学校図書館にはこういう要請があるんだと。それに対しては学校司書もこういう形で、例えば情報活用能力の育成という部分でも関わっていく必要があるということを述べている報告書がわかりやすいのではないかと思います。
 ですから、あくまでスタートラインのところの学校司書の活動の入り口、あくまでここは学校司書の責任において、学校司書の専門性に基づいている活動ですよというところをまず示して、学校図書館の理想というか、学校図書館の未来を言う場であれば、それは幾らでも言いますけれども、そこが学校司書の職務ということになってくると、それを一緒くたにしてしまうと、学校司書と司書教諭の境が曖昧になったままの議論になってしまうような気がするので、まずは学校司書として責任を負うべき基盤となる活動というものを明らかにしていくところから議論を深め、そこをまずはアピールする中で、理想的な学校図書館を目指すための学校司書の職務というものがプラスされていくというふうな話し合いになった方がまとまりがつくのかなという感じはしましたけれども。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 大串委員さん。
【大串委員】  今のお話に関連すると思うんですけれども、やっぱり図書館というものを非常に広く、歴史的にも、社会的にも見たときに、やっぱり図書館といったときに共通の仕事というか、理解といいますか、機能というのがあると思うんですね。それは学校図書館も公共図書館も大学図書館も専門図書館も共通しているものがあると思うんですね。やっぱりそこのところをきちんと今回も見ておかないと、確かに学校図書館というのは専門図書館、あるいは教育関係の図書館ということであるわけで、そこのところの非常に重要なところとして、例えば先ほどから議論になっている、ここで言えば3のところがあると思うんですけれども、僕としては、やっぱり基本的なところとしてまずきちんと資料を収集して、目的に合わせたコレクションを形成して、それでそれを活用する方法を整理するとか、様々なことでそれをよりよく活用できるような環境を整えて、それを具体的に例えば貸し出しをするとか、相談を受けたときに資料を紹介するとか、実際に調べるとか、それから、もう少し調べ方の案内をいろいろとテーマに合わせてやるとか、そういったところがやはり僕は司書の専門性の一つのベーシックなところにあると思うんです。
 だから、やっぱり、それはそれとしてきちんとここにも書き込んでいただいて、その上で専門図書館としての学校図書館というんですか、それをどういうふうに考えていって、それでそこに司書教諭と学校の事務職員の方がいらっしゃって、あるいは学校司書の方がいらっしゃって、そこの役割分担と協力をどういうふうに考えていくのかという、これをきちんとやっていく、考えていく必要があるんじゃないかなと。
 それで、特に、今回御提案いただいた4ページのところで、やはり校長先生の職務のところで、校務をつかさどるというのは確かにそうで、教育課程の展開に寄与する、それはそうなんですけれども、学校図書館法の第1条、その前のページには、ともに児童又は生徒の健全な教養を育成すると、これも校務をつかさどる中に入るのではないかというふうに思うんですね。やっぱり健全な教養を育成するというのは、先ほど加藤委員の言われたように、平成16年ですか、中央教育審議会が答申を出していますけれども、そこで現代の新しい教養の概念というのを提示したわけですね。その根底にはよりよく生きる、生きる力を育む、それが基盤としての教養なんだという、そういうことで、従来のような知識偏重型の教養からは違ったこれからの新しい時代の教養というのが提案されているわけですよね。ですから、やっぱりそういった点も踏まえると、僕はそういうベーシックなところできちんと考えながら、そのようにどういうふうに展開していくのかというふうに考えた方がいいんじゃないだろうかと、今の清水委員の御発言を聞いてそう思いました。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 清水委員さん。
【清水委員】  ちょっと中学校の学校現場からという視点でお話をすると、やはりいろいろお話がありましたけれども、目指す生徒像が当然あり、学校像が当然あるわけです。社会人基礎力をしっかり身に付けさせるための教育という中に学校図書館を活用した、又は学校司書さんに御活躍いただいた指導というのは非常に重要なパーツであるというふうにいつも捉えて進めているわけです。本区で導入されたときに、やはり当初はどうしても図書館の環境整備だとかいったものが中心に要求度としてはあったわけですけれども、だんだん進化してくると、やはり学校図書館を活用した事業の展開等々を考えていったときに、学校司書さんの果たす役割、要求度が導入期とは随分変わってきているのではないかなという感じがするんですね。教員側から見ても、どこまでお願いしていいものだろうかというようなことも、なかなか暗中模索状態というようなことがあると思うんですね。
 そういう意味で言えば、私は、指導か支援かということもなかなか線引きしづらいところですけれども、やはり授業の中で指導という部分も明確に、ここまではお願いできる部分だということが明確に示されていくことが非常に重要なのかなというふうな感じがしています。
 それから、2ページにもありますように、分かりやすい、使いやすいというようなことが、日常的に使用できるということがありますので、これはもちろん学校司書さんの使用するものという位置付けもありますけれども、一般教員がいかに協働してやっていくかというときに、一般教員側から見ても分かりやすい、使い心地のいいものになっていかなければいけないという感じがしますので、くくりについてはどなたかおっしゃいましたけれども、間接的・直接的教育支援ということについて、作成しながら、もう少し細分化した方がいいものではないかということがあれば、そこは付け加えていくような形をとるのがいいのかなというふうに感じています。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 牛山委員さん。
【牛山委員】  私は、学校図書館の役割、役割の結果もたらされる読書センター、学習センター、情報センターという三つの機能の面から考えることが重要だと考えています。そして学校図書館という、施設が各学校に設置されているのも、その学校の教育課程がスムーズに展開し、より効果的に機能するために学校図書館が存在しているのではないかと考えます。そして学校図書館が十分に機能するために学校司書さんがいてくださるのだと考えます。よって、学校図書館に学校司書はその学校の教育課程実現のために必要です。
 教育課程の中核である授業に関わって、学校司書が果たさなければいけない役割はここまでというような細かい線引きは実際にはなかなかむずかしい問題であると感じています。
 よって、今、意見を出されておりますように、実際の学校現場で図書館が本当に子供たちの学力向上あるいは教育課程が果たす目的に寄与しているかという検証例みたいなものも集めていただいて、その面の話も聞かせていただくことを今後の議論の中で参考にしていったならばいいのではないかなと、思っています。
 私、偶然にも図書館資料を使っての授業場面を見させてもらいました。教室の後ろに山のように並べられたたくさんの資料があるなかから、その資料のどれをどう使うかは自由だから、自分で選んで、目指している課題解決に向けて、情報を収集してくださいという場面の授業だったんです。その授業では担任の先生1人だったんですが、研究会で出された意見で、あの場面に学校司書さんがいてくださって、一緒に、何ちゃんが求めている、究めたいと思っている問題はこの資料を使った方がいいかもしれないよというようなアドバイスや支援を学校司書さんがやってくださっていいじゃないかという意見がたくさん出ました。
 ですから、私は、その場面を見せていただいて最終的には教育課程編成のねらっていることが果たされること。教育課程の中心になるのは授業ですから、授業目的が達成されるために、学校司書さんが支援してくださることが重要ではないかと思います。学校司書は指導はできませんというのではなくて、担任の先生がそこに一緒にいてくださいますから、ティームティーチングで幾らもできますので、余り窮屈に、ぴしっと線を引いたような考え方ではない方が私はいいのではないかと、思っております。
【堀川座長】  ありがとうございます。そういう細かい事例を入れていきたいですね。
 林委員さん。
【林委員】  今、牛山委員の方から教育課程というお話があり、また、先ほど学校図書館教育という言葉も出てきたところなんですけれども、学習指導要領の総則に教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項ということで、もう御存じのように、「学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実すること」といった文言が入っております。冒頭のこの骨子案にもございますが、学校図書館の位置付けの辺りには、やはり学校図書館法という根拠だけではなく、学習指導要領上の根拠についてもきちんと明確に記載して、そこからやはり司書教諭、学校司書の職務ということに流れていくべきではないかと考えています。
【堀川座長】  ありがとうございます。総則の部分あるいは指導要領の解説の中の部分を加えたいと思います。ありがとうございます。
 いかがでしょうか。ほかの委員さん。村山委員さん。
【村山委員】  今言われた、司書さんが本を集めてくださって教えてくださるというのは、本当にいつも私もやってもらっていて、非常に助かっているすばらしいことですが、私たちはそれを支援といっています。指導というのは指導計画があり、授業の1時間の流れ、目標があり、ということを、教員、学校の中では言うので、レファレンスは支援。別にそれがどっちが上とか下とかではなく、二人三脚のもので、そこに授業の担任がいて、こういうふうな目的を、こういう力を付けさせたいんだというときに、司書さんがレファレンスをしてくれる。それは支援です。教育課程の中の指導という言葉の学校と教員の感覚とは、やっぱりちょっと一般のとは違うものがあるんじゃないかなと思うんですね。
 ただ、学校司書の支援を指導だと言うとちょっと違う。指導というのは、1時間の中で授業の力を付けたり、目的があり、それをどう流していくかが指導なので、ちょっと一般的な指導の言葉の意味とは教員は違う意味で、学校の中では違う意味で使う。ということは、業界の中でしか伝わらないことかもしれないのですが。やっぱり私もいつもそういう支援、レファレンスはいっぱいやってもらっていますし、司書教諭も、生徒やまたほかの教員に対して、こういうふうに支援してもらったらということをアドバイスするのが司書教諭の支援かもしれませんし、ちょっと指導という言葉が一般的な辞書的な意味とは少し違うかもしれないということを御承知おきいただければと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。同じ授業を一緒に作り上げているとしても、立場というか、その辺は違う。でも一緒にやっている。その辺のまた表現、ここの報告書の中での表現は難しいところですね。
 はい、真鍋委員さん。
【真鍋委員】  今、先生方のお話を伺って、指導と支援という言葉って難しいなと思いながら聞いていました。まだ私自身の考えもまとまっていないのですが、高松市の指導員の例を挙げながらお話しさせてください。
 今回の会議で、学校図書館担当職員の担う役割がはっきりするというのは大切なことだなと思って、楽しみに参加させていただいています。といいますのも、こちらにおいでる学校司書の先生は、皆さん、専門性がおありだと思うのですが、私たち、高松市の学校図書館担当職員は司書資格を持って職員になっている者、教員免許を持ってなっている者、それから司書教諭の資格を持っていてなっている者というものがおります。司書資格を持っていない人も教員免許を持っていない人も、あれこれいるわけです。大体、指導員の中で半分ぐらいは学校の現場で講師をなさっていたり、教員を経験なさった後に職務についていらっしゃる方がおいでたり、半分ぐらいは司書の資格を持って学校の現場に来られているという方がおいでになるかと思います。
 私は小学校に勤務していたこともあって、先生方がすごくお忙しくて、先程の委員の先生のお話にあったように、授業の資料を準備して、また、一緒に授業をするときに声を掛けてくださったら助かるという思いはよく分かるものですから、どんどん授業にお邪魔して一緒に活動させていただこうというつもりでいたのですが、ある司書資格をお持ちの指導員さんからは、「私は教員の免許は持っていないので子供たちに対して指導するっていうのは、自分ができることかというのを疑問に思います」という様に聞いて、そういうお考えの方もおいでるのかというふうに感じました。
 ただ、子供にとっては図書室の先生も担任の先生も先生で、教えてくれる先生と思っている部分があると思いますので、門脇委員がおっしゃったように、一人一人の利用を指導できる範囲で関わっていきたいと思っています。それから、指導、支援という言葉、まだ自分の中では結論が出ませんが、また考えたいと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 それぞれの地域によって本当に実情が違いますので、その辺をどう勘案して書くかというところは難しいですね。
 はい、平久江委員さん。
【平久江委員】  私は研究という立場から学校図書館に関わっていますので、やっぱりこういう会議で大事だなというふうに思っているのは、どういう枠取りを作るか、どういう原則を作るか。また、活動する箱のようなもの、枠組みをどう提供するか、提示するかというのがやっぱり大事なのかなというふうに考えています。
 現場によって大きく状況が違いますので、それぞれ議論していくとなかなかやっぱりまとまらないと思うんですね。そういう意味ではやっぱりこうした会議の中で原則なり枠組み、こういったことを示すというのがまず非常に大事なことじゃないかなと思っています。
 そういう点から考えるならば、この報告書ってかなり踏み込んでいるなというふうに私自身は思っています。一つは何かといいますと、学校図書館の機能を三つの機能として捉えたという点ですね。これが一つです。というのは、機能に関しては、最初に1995年に読書センターと学習情報センターという形で出されました。それがやがて読書センター、学習・情報センターというふうになってきたんですね。それが今回さらに踏み込んで、三つに切り分けて捉えるようになった。これは学習活動の内容、また、情報センターとしての活動、こういったものが非常に多様化している。それに備えたもので、先ほどちょっと情報サービスに関する職務というのが若干欠けているという、まあ、確かに御指摘のとおりだと思うんですけれども、そういう意味ではここで一つの柱立てとして独立させて情報センターとして位置付けたというのは、将来に向けた対応といいますか、それを意識した機能の捉え方ではないかなというふうに思っています。それが1点ということです。
 もう1点は何かといいますと、学校司書の役割として専門性という文言を入れたということですね。従来、学校司書さんの役割としては、支援という言葉を使っていますけれども、多分、図書館用語で言うとサービスという言葉がこれに当たるので、間接サービスと直接サービス、これが学校司書さんの役割だろうというふうに捉えていたのを、さらにもう少し高いレベルでの、いわゆる教員に対するサポートや学習に対するサポートという考え方を入れたということで、非常により高い形でその専門性の中身を位置付けているということなんですね。ですから、そういう意味では、この二つの点が非常にこの報告書はやっぱり踏み込んでいるということで評価して良い内容になっているんじゃないかなと思っています。
 ただ、まあ、そうなんですけれども、やはり先ほどからちょっと出ていて、僕も同感だったのは、やっぱり学校図書館の位置付けという点に関して議論がちょっと弱いのかなというところです。学校図書館の機能を情報センター、学習センター、読書センター、三つとして捉えているわけで、三つの視点を切り離したときに、やっぱりその三つの関係からさらにもう少し新しい図書館の目指す理念というものを考えていくことが必要な時期になっているのではないかなと考えています。学習センター、読書センターというのは、いうなれば20年ぐらい前から言っている話なんですね。ここで新しい学校図書館の理念、また、学習指導要領では言語活動の充実というようなことも出てきております。そうするとより広い概念から読書を捉えるということも必要になってきますし、情報リテラシーとクロスオーバーする部分もかなり出てきているので、そういった意味で新しい学校図書館の理念、三つの機能を統合する理念というものを出していって、本来的な学校図書館の果たす今後の役割について議論をしていった上で、図書館教育、先ほど出てきましたけれども、そういったものを考えていくというのが、そういったことも必要なのではないかと思っています。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 米澤委員さん、お願いします。
【米澤委員】  すみません、私も一言お時間を頂きます。
 まず学校図書館は、図書館法の中では、「学校に附属する図書館又は図書室を除く」とされていて図書館法の対象にはなっていないです。それを知った時には不思議だと思いました。例えば、図書資料の複製をしたいという時に、普通の公共図書館には著作権法の「図書館等における複製」の規定により、コピーをとることができますが、学校図書館ではそのまま応用ができないということになります。ただし、教育を担当するものが授業で利用する場合は複製をすることができますけれども。
 学校図書館について定められているのは、御存じのように学校図書館法です。学校図書館法の中で学校教育における学校の施設として図書館を置かなくてはならないと、つまり、教育的な部分がとても大きい図書館だと思います。学校図書館についてこのように語り合う場が、今までなかったのではないかと思います。ですから、時間も限られていると思いますが、是非学校図書館に関する議論も深めていただき、学校司書の専門性については、現場の声から生まれてきた学校司書と、学校の図書館で働く司書という面があると思いますが、やはり、今まで話し合う機会もなかったと思います。また今回のこの中で、かなり教育的な部分のことを取り上げていただいたので、もちろん指導、支援といった言葉はとても難しい点だと思いますけれども、そういった文言にとらわれずに、現場での働いている司書たちにとって、後退にならないような形の報告書に、是非していただきと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。本当に現場が後退しないように、それから、可能性を摘まないようにというのは、本当にそう思います。
 先ほどから出ている学校図書館の位置付けは3ページにあるのですが、これもちょっと学習指導要領の総則とか入れてということです。足りない部分を入れて。そして、学校図書館を活用した教育の、学校図書館教育というのもまたその辺、文言がまたちょっと難しいかもしれませんが、学校図書館を活用した教育についての重要性をもうちょっとやっぱり書き込む必要はあるのかなとは思います。それが柱になるのか、1項目になるのかというところは、また書いていく中で変わっていくかと思います。
 で、すみません、3時半になりました。ここで15分じゃちょっと長いですか。いいですか。最初は15分という予定だったのですが、どうでしょう。15分休憩ということでいいでしょうか。ここの時計で45分から再開ということでいいでしょうか。それでは、15分近いところで休憩をさせていただきます。
( 休憩 )
【堀川座長】  それでは、この時計が45分になりましたので、再開ということでいいでしょうか。再開させていただきます。
 先ほどの議論の中で、私が冒頭の方で1ページ、2ページのイメージについてと、ここでお願いしますと言ったばかりに発言が何か制限されていた部分もあるやに聞きました。申し訳ありません。あと17時までのところですが、どこでも結構です。何でも結構です。とにかくこの場でやっぱり皆さんの御意見を伺うのが大切ですので、どんどんお願いします。はい、杉本委員さん。すみません、加藤委員さん、後で。
【杉本委員】  先ほどから指導、支援という言葉が出ていますけれども、先ほどちょっと例としてお話しになった、授業の中での資料の提供を司書の先生がと、これの有効性についてはもう様々なところで発表もされていますし、議論の余地がないところであって、今さらと言えば今さら。ただ、支援であろうが指導であろうが、その活動が学校司書の専門性に基づく活動だということをやはりきちんと示して、専門性に基づく活動だから授業の中で関わっているんだということを明らかにする。指導とか支援とかいう言葉の上での問題じゃなくて、あくまで基本はその専門性だというところ。
 将来的マイナスにならないためにということで言うのであれば、やはり学校司書と司書教諭の両者が必要だということが大前提としてその根底になければならないはずなんです。そのためにはやっぱり学校司書の専門性というのを最初から最後まで徹底して述べていかないと、どちらかいればいいんじゃないかという議論にすぐなってしまう。ですから、授業の関わり方もあくまでそれが学校司書としての専門性に基づく活動だから授業に関わっているんだということを明らかにしていけば、そこが具体的にどこまでが指導で、どこまでが支援かというところはそんなに問題じゃないのかなというふうに思います。
 先ほど、将来性という面に関わってのご意見もありましたが、ただ、学校司書が、これもできる、あれもできる、これもやっている、あれもやっているとなってくると、全てが司書教諭と二人三脚でということになってくると、一番心配なのは、じゃあ、うちの学校は小さいからどちらかいればいいですよという話になってしまわないかいうことなんです。だから、あくまで専門性が違うんだということをきちんと言っていかなくてはいけない。先ほど加藤委員さんがおっしゃったように、支援ではなくて、学校司書があくまで主として活動する場面はこういう場面であるということをはっきりさせること、そこの議論が先であって、将来的にこういうこともできます、ああいうこともできますということは幾らでも事例であれ、実践例として示していけばいいのであって、あくまで先ほど大串先生もおっしゃっておられたとおり、まずは学校司書の専門性に基づく活動というところを明らかにした上で、こういう可能性もある、こういう学校もある、こういう実践も行われている、こういう事例もありますということを示していくというふうな形で議論を進めないと、一遍に、あれもできます、これもできます、じゃあ司書教諭とどこが違うんですかという話に戻ってしまうので、まずはその専門性というところがもう少し議論を深められればいいなと思っています。そのことに関わって、私も山梨県の学校司書の先生方とお話しする機会があるのですけれども、実は横浜で今回、司書の採用に当たって、司書資格を問わない採用だというのが、山梨の司書の先生の間でもニュースとして伝わってきていて、是非その辺、学校司書の専門性ということを話すときに、では司書の専門性とどう関わってくるのか、じゃあ、司書の資格は要るのか要らないのかというところにまで議論が進むのではないかと思うのですけれども、是非、横浜市で学校司書の採用に当たって、司書の資格を問わないということになった経緯をお話しいただけると大変参考になるかなと思うんです。
【堀川座長】  それは、堀部委員さんにということですか。どうでしょうか。
【堀部委員】  流れの部分だけならばお話は可能ですけれども、私の方での知り得る情報の限りということでお許しいただければと思います。
【堀川座長】  お願いします。いいでしょうか。
【堀部委員】  分かりました。
 それでは、今、お話がありましたが、横浜市、25年度よりということで、先回もお話をいたしましたけれども、いよいよ10月の1日に、本年度は当面125の学校に学校司書を入れるということで、名称ももう学校司書配置校というようなことで考えています。学校司書の委嘱については、今回、公募という形をとったのですけれども、非常にやはり論議の中で専門性をどこまで担保しながら、教育課程の運営に寄与できる方をという心配もいろいろあったんですね。論議されたところが事実です。そんな中で、実際、その前に、平成17年度からの推進計画で、まちと共に歩む読書活動推進校という事業を興したんですね。それはどういうことかといいますと、学校図書館ボランティアさんをまず厚く、地域参画というところで学校図書館に入っていただくと。それが非常に実績として功を奏して、最終的には延べ300校近い学校に推進校ということで入り、現時点では97%か98%ぐらいまで、ちょっと数字の細かいところは分からないのですけれども、学校図書館ボランティアさんがいらっしゃると。そのボランティアさんの中には非常に専門性の高い方もいらっしゃれば、思いの部分で読書活動を本当に引っ張っていただくというところでの力のある方々が、それぞれのところに入っていただき、確かに学校図書館活動というのは非常に活性化されてきたと。
 そんな中で、学校図書館がまず変わってきているという実績のもとに、学校司書が必要であろうと。ある意味、期待するところは、まず学校図書館、館という建物を、施設を何とか充実させていくというのが根底にあったわけです。そんな中でやはり人が入ると、明らかに違うという部分が見えてきて、そういった段階を踏みながら横浜で考える読書活動の実現を図るためには、単に建物、設備の充実だけではなくて、また、イベント的な読書活動、習慣を付けるための読書活動を充実させるだけではなくて、もっともっと本来的にねらうべき学習活動に直結した力、人材となり得るような部分はどうしても求めていきたいなということになっているわけですね。
 ただ、今回は横浜は本当にスケールが大きいということで、専門性のある方がどれだけお集まりになるかというのが正直なところ、見えないところもあったわけなんですね。そうすると、全部合わせますと500近くあるわけですけれども、学校によっては司書教諭の力量的な部分、あるいはクラスを持ちながらですから、なかなか時間的にもタイトな状況である中で、学校司書さんが入られることによって、これは言い方が非常に難しいですけれども、丸投げ的な要素も出てくる学校があるのではないかという懸念も当然あるわけです。
 そういう中で、ある意味、コーディネーター役としての司書教諭の専門性を有効に活用した上で、学校司書と連携、協働しながら事業を高めていくというのは本流、本質であり、最終的にはそういう方向で持っていきたいなというところもあったので、ある意味、ボランティアに入られてお力のある方は意思表示をされた上で学校に入っていただいた方が、現場の状況も、今の段階では非常によく分かっていらっしゃると。そんな中で各学校のニーズや、あるいは必要に応じて実績を上げていただくというところを大事にしたいというのがありました。
 この後の流れの中で、専門性というところでは、どこまで「ねばならない」という話に持っていくかというところは、今、論議の最中ですけれども、要綱の文言としてどこまで示せるかというところがあったのですけれども、本年度については司書資格、司書教諭資格は「ねばならない」ということではなく、あくまでも実績の中で学校図書館で読書活動の活性化に寄与したいという意思を強く表示された方をまず前提でお願いするということになっています。4年間かけて500校になりますから、かなりの規模ということで、やはり学校の地域状況ですとか、ニーズによって非常にいい意味での特徴も出るでしょうし、あるいは学校間の格差というところも、当然、可能性としては出てきますので、それはこの後の会合で話し合われる学校司書の資質向上について、じゃあどうしていくかという課題に入ると思いますけれども、まずは、そういった実績を基にしながら、学校教育、学校図書館における人的なサポートという意思表示、なおかつ今回幸いにも125人以上の方に応募いただいていますので、そんな中で実際に日頃お持ちのお考えですとか、実際に読書紹介、図書紹介をしていただいて、そんな中で、この方の持ち味というんですかね、あるいは専門性ならば、学校にとっては本当にありがたいものになるであろうという中で、125人が決まっているというふうに伺っています。
 長くなりましたが以上です。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 杉本委員さん、いいでしょうか。
【杉本委員】  はい。ありがとうございます。
【堀川座長】  別に、否定してというわけではなくということですね。
 どなたか。はい、吉田委員さん、お願いします。
【吉田委員】  4ページの学校図書館に携わる関係者と組織についてですけれども、先ほど、一番初めに文部科学省の方から校内に限定されているというふうにお話しいただきました。ですけれども、今、堀部委員さんが言われたように、地方の教育委員会や市町村、地方自治体、そちらも学校図書館に、そして学校司書に密接に関わる以上、教育委員会の存在もしっかりそこに書いていただくべきだと思っています。
 先日、島根県の学校司書等研修が年5回あるということを伺ったので調べてみましたら、堀川座長さんをはじめ、そうそうたるメンバーの講師をお招きしての研修ということで大変うらやましく思いました。言っては何ですけど、規模の小さい市町村ではそれだけの講習は難しいと思いますので、そういうことであれば、都道府県単位の、地方自治体の方の方々のことも入れていただいたらどうかということも思っております。
 モデル校になる学校もあれば、モデル校のデータを頂いて、それから図書館を整えていく学校もあるかと思いますので、やはり地方自治体、それから教育委員会の存在もすごく重要になってくると思いますので、よろしくお願いします。
【堀川座長】  ありがとうございます。その部分については、「資質の向上について」という中にも入ると思いますが、この最初の方にどこかに入るんでしょうか。その辺はまた検討しないといけないですね。
 それから、本当に何でもこの機会ですのでおっしゃってください。
 大変申し訳ありません。加藤委員さん。
【加藤委員】  今、横浜の経過を聞いたら、自分が発言しようと思っていたことをちょっと忘れるぐらい、いろいろなことを聞きたくなったのですが、それはちょっとおいておきまして、また横浜市がどういうふうに人を置かれるかという辺りとかは、また本当に詳しく聞きたい。とても大規模な事業だと思うので、伺いたいなと思いました。
 私が発言したかったのは、前半の部分で、学校司書の役割というときに、学校司書の役割というときに、支援が多いというふうに言ったのですけれども、それは私は自分の言い方がとてもまずかったなと思うんです。支援と指導とを比較しながら言ったわけではないんです。学校司書の仕事というのは、利用者の主体がとても重要で、子供たちが知りたいということがあれば、その知りたいことが知ることができるように資料提供をもって校うので、指導という言葉は私はちょっと自分の中ではそぐわないものがあります。
 先生方への支援も、先生方が実際に行いたいとうい授業のイメージがあって、その授業が実現できるように学校司書が資料提供をしていく。先ほど、牛山委員さんが言われた、教室へたくさんの資料を持っていかれた。先生の中ではイメージとしては、子供たちがその資料を上手に活用してというところがあったと思うんですけれども、もしそれができるように司書がすることがあれば、そこが仕事が発展していくところだと思うんですね。
 子供たち一人一人にレファレェンスしていくこともそうですけれども、授業の中でそれをずっとしていたら時間が限られているとなると、調べる学習の前に資料の紹介をするとか、要は、利用者の内なる主体的なもの、そこを司書というのは実現できるように資料提供していく。その言葉を指導か支援かというふうにどちらかに決めるというのは、なかなか難しいなと思ったんです。
 4ページのところで、今度は司書の仕事というところになるんですけれども、丸の下から二つ目のところで「学校図書館担当職員は」、これは「学校司書は」というふうに置き換えて考えたんですけれども、ここには児童生徒への支援だけが書かれていると思ったんです。それで、私はこんなふうに考えました。学校司書は、学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務をつかさどる。また、学校図書館を活用した児童生徒に対する教育活動や学校図書館を活用した授業を行う教員への支援を行う。ここにやっぱり子供たちだけじゃなくて、教育への支援というのも必要かなというふうに思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。全くそのとおりだと思います。
 それから、それに関連して6ページの一番初めの丸の4行目のところなども、「適切な資料を提供する」だけではなくて、やっぱりその資料の利用について支援するというか、そんな言葉も追加していただけたらなというように個人的に思いました。
 ほかの委員さんはいかがでしょうか。はい、米澤委員さん。
【米澤委員】  3点ほどお話をしたいことがあります。まず、4ページ目の上から3段目の「校長は、学校教育における学校図書館の果たす」という部分なんですけれども、やはり学校図書館は学校の中にあるそういった機関ですから、学校長の指揮監督が及ぶということが基本的なことだと思っています。それを是非皆様の意見の一致としてちょっと確認しておきたいなと思います。やはり、今、現場でいろいろ難しい話が東京都の場合なのですが、起こっておりまして、林校長先生もよく御存じだと思うんですけれども、現場ではやはり校長のリーダーシップがとれないような図書館経営というものが実際行われていることがございます。業務委託ということなんですけど。
【堀川座長】  そうすると、これは「リーダーシップを発揮されることが期待される」というのはちょっと弱いですか。
【米澤委員】  そうですね。もうちょっと。
【堀川座長】  林先生、ちょっとどんなふうな。
【米澤委員】  難しい。
【堀川座長】  ちょっと、じゃあ、検討しますか。はい、じゃあ、検討させていただきます。
 それが今の一つ目。
【米澤委員】  それと、6ページ目の一番下のところですが、「学校図書館の運営・利用状況は各学校様々であり」「非常勤として」というような部分がありますが、もちろんいろいろな事情、予算的な面で難しいことはあると思いますが、ここで終わらないでやはり専任、正規の職員の配置が望ましいといったような文章をこの後に是非続けていただきたいと思います。
【堀川座長】  御意見として、専門、正規……。
【米澤委員】  専任、正規、専門の職員の配置が望ましいというような文言を付けていただけると。ここで終わらないで。
【堀川座長】  すみません、結果として、必ずとはお約束できませんけれども、でも、ここの場で皆さんできちんと伺いました。専任、専門、正規の職員の配置が望ましいと。はい、分かりました。
 それから。
【米澤委員】  あと3番目ですが、これは8ページ目の間接的支援に関する職務というところの一番上の施設の運営、他の図書館との連携、これは図書館担当職員がどういったところでという部分が空白になっていたのでちょっと気がついたことをお話ししますと、今、小中学校を中心に公共図書館との連携が盛んに行われるようになっています。学校図書館の蔵書だけではとても調べ学習には賄えないですから、公共図書館との連携はこれから進んでいく方向にあると思います。物流を含めた貸出等を含めますと、やはりこれは図書館担当職員の重要な仕事の中に含まれると思いますので、是非ここに公共図書館との連携といったような項目を入れていただけると、前回の会議の中で公共図書館に行くことが出張になるんですかという御質問があったと思いますが個人的に、資料が足りなくて借りに行っているというケースがおそらく多いのではないかと思います。そうではなくて、もっと広いネットワークというようなことも含めて考えていけるように。ここに是非そういう職務的なものを入れるといかがでしょうかというのが私の意見です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 この辺りについては、また最後のところでお願いしようと思っていたのですが、今回、提示させていただいた枠組みの前半の部分は、先ほども申しましたように、大串委員さんに平久江委員さんに力添えいただきました。また、こういう具体的な部分、あるいはハンドブックを作成したりというような部分になりますと、是非また今度は現場にいらっしゃる学校司書の方、あるいは司書教諭の方々に是非協力を頂きたいと思っております。今ちょっと話が出たものですから、よろしくお願いいたします。
 はい、すみません。それでは御意見の続きをお聞かせください。はい、村山委員さん。
【村山委員】  たびたびすみません。5ページの下から四つ目の丸のところなのですが、先ほどもちょっと触れたのでこだわるようですけれども、「学校図書館に関することを扱うことを目的として設けられる組織は」の次、「図書館資料の選択・収集等に関する審議等の」と、例として出されている仕事の内容が余りにも初歩的なことで、普通は読書指導の年間計画や教科との関連の年間計画や、情報指導やそれから図書館委員会、生徒委員会の指導など、もっと大きなことを教育計画として大体どこでもやっているので、こういう本を集めるだけみたいなイメージになると、余りにも、これは例として出されているだけですけれども、ちょっと寂しいイメージだなと思います。
【堀川座長】  そうですね。ちょっとその辺はまた考えましょう。これは組織ですね。はい、分かりました。検討しましょう。
 いかがでしょうか。
【加藤委員】  じゃあ、組織に関係あるところですけれども、今、文言をちょっと細かく見ているところが続いているので、私の方も文言で、4ページのところで丸の下から三つ目です。「図書館主任は、司書教諭が置かれていない場合には、上記の司書教諭の職務を担い」と。司書教諭がいて、それから学校司書がいて、今度は図書館主任が出てくるわけです。職員が本当にたくさん出てくる、それをここに全部書いていくのがどうなのかという。
 例えば、知っている学校の例では、司書教諭がいても図書館主任がいて、学校図書館のことはその図書館主任がされているというような学校もあるわけです。そういうたくさんある職の関係というのが余り複雑にならない方がいいのではないかというふうに思います。それで、「図書館主任は、司書教諭が置かれていない場合は上記の司書教員の職務を担う」ぐらいにとどめておいてもいいのかなというふうに思いました。
 それから、司書教諭の役割として、自分は司書なので余り司書教諭の役割を考えたことがなかったのですけれども、丸の上から三つ目で校長の役割が書いてあるのですけれども、「また、校長は、学校教育における学校図書館の果たす役割について」とうい、ここなんですけど、私はこの部分は司書教諭が主に担っている部分ではないかなというふうに思ったんですけれども、校長の役割として書いた方がいいんでしょうか。「司書教諭は」というふうに書いてはいけないのでしょうかということを思いました。
【堀川座長】  なるほど。
【加藤委員】  それから、ちょっと役割とは外れますけれども、メディアリテラシーのところで。話があちこち行ってすみません。6ページ目の丸の下から三つ目、「さらに、近年、情報端末機器の多様化が進展し」、で、進展してきたから情報リテラシーの育成が必要だというふうに読めるんですね。でも、コンピューターの操作に重きを置くイメージをここの文章で作るのではなくて、「情報化社会と言われる近年」というふうにして、コンピューターも必要だし、それからペーパーの媒体のものも、いろいろな情報を読み取っていくことが必要だというふうなイメージを持たせる方が、コンピューターに偏り過ぎないのではないかなと思いました。
 それから、同じページの一番初め、ここが学校司書の役割のところになると思うんですけれども、一番後の文章です。「日頃から学校図書館における資料の構成に配慮するとともに、それらについてしっかりと把握しておくことが重要である」と。把握しておくことが重要であるんですけれども、何ていうか、もっと司書は資料のことを絶えず勉強していかないといけないと思うので、「しっかり研鑽を積んでおく」とか、もう少し主体的に資料を知るというイメージの言葉であってほしいなと思いました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。その辺、資質向上のところでも出てくると思うのですが、自己研鑽というところは。ここもまた何か検討しなくてはいけないですね。
 はい、杉本委員さん。
【杉本委員】  すみません、先ほどの僕の意見についてですが、この骨子案に関わってというところでちょっと最後、言葉が足りませんでしたので、少しだけ補足をさせていただきます。
 要は、骨子案でいきますと2番の(2)学校図書館職員の役割・職務についての中に、学校図書館司書の専門性という部分がもう少し盛り込まれて、それに基づく活動だという流れになった方がいいのかなと思いました。学校図書館司書はこういう専門性を持つので、したがってこういう活動が考えられる。将来的にはこんな活動も可能になってくる。それは先ほどから出ていますように、現状では地域、学校の様々な雇用の形態を含めて、環境がありますので難しいところだけれどもというふうなことで、あくまで専門性ということをもう少し盛り込んでいかないと、これもできます、あれもできます、こういう活動、ああいう活動ということになってしまうと、やはり専門性という意味で、先ほども専任という言葉がありましたけれども、専門、専任の専門に当たる部分、何が専門なのかというところの説明が弱くなってしまうのではないかというふうに感じました。
 最初で言いましたけれども、支援となってくると、先ほど平久江先生のお話を聞いて、ああ、そういうことかと思ったんですけれども、であるならばやはりサービスに置き換えた方が学校図書館司書のレファレンス、ガイダンス等に関わる利用者へのサービス、あくまでこれは専門性に基づく活動になってくるので、そうした方が分かりやすいのかなということは、文言にこだわるならば感じました。
 先ほどから学校長であるとか教育委員会というふうな話が出ていますけれども、そういった方々に是非分かりやすい、学校図書館司書の活動が分かりやすい報告書になってほしいなということを非常に考えています。学校図書館に関わる人が見て、「ああ、そういうことか」「ああ、そういうこともできるのか」というものではなくて、一般の管理職、教育委員会、その他の先生方が見て、要するに学校図書館司書の活動が明確になってくれば、それと同時に司書教諭の活動も明らかになってくるはずですので、その辺が分かりやすいように。ですから、あくまで僕の個人的な考えですけれども、ここで骨子案の中で述べられている直接的な支援、要するに直接的なサービスが一番分かりやすい学校図書館司書の活動だと思うので、その辺がもう少し表現として、主たる活動と言ってしまうとまた御異論はあるのでしょうけれども、スタートライン、大串先生の言葉を借りればベーシックなところとしてそこからスタートだというふうなところがもう少し分かると、一般の方は理解しやすいのかなという思いがあって、そこで専門性にこだわって先ほども発言をさせていただきました。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。杉本委員さんは最初から専門性という、専門性の違いを明確に出さなければいけないというようにおっしゃってくださっていて、本当にそうだと思うんですが、どういうように書いたらいいでしょうね。まずは間接的支援、直接的支援、サービスかもしれませんけれども、教育指導への支援という三つに分けますよというように、三つの観点に分けて示すという、その前に、もっと大枠でこういう仕事がありますよというのが具体的に入った方がいいということですかね。専門性という、今、ベーシックなとかおっしゃいましたけれども。
【杉本委員】  はい。ですから、それが先ほど少し意見が交わされた学校図書館の役割であり、学校図書館の意義であり、これからの学校図書館に寄せられる期待であり、というところを受けて、それぞれ個人的にはその専門性のお考えはあるんでしょうけれども、まずは学校図書館司書のスタートとしての活動というところが出せればいいのかなと。そこが専門性の基本なんだろうと思います。
 ですから、それぞれの委員の方々が考える専門性についての議論が深められれば、その先へつながっていくのかなというふうに思っています。
【堀川座長】  ありがとうございます。この場で、最初のところの議論を深めましょうということでしょうか。
【杉本委員】  ですから、きっとそれぞれ学校図書館司書の専門性をどこに置くかというお考えが違うんだろうと思うんですが。
【堀川座長】  今、杉本委員さんがおっしゃった、まず学校図書館の役割とかというのを明確にさせるというところをおっしゃったのですが。
【杉本委員】  もちろんそれを踏まえた上での議論になるとは思います。ですから、先ほどの横浜市のお話を聞きたかったのも、僕自身は、学校図書館司書の専門性には、やはり図書館司書の専門性とかなりの部分重なる、ベースとしてあると思うんです。ですからそれが、いや、そうではないというお考えももちろんあるでしょうし、その辺りのお話が聞ければスタートになるのかなというふうに思います。
【堀川座長】  なるほど。そうすると、それは11ページの(3)の検討中というところにも関わってくるわけですが。ちょっとここの方へ入っていいですか。門脇委員さん、はい。
【門脇委員】  今ここで語られなければいけないのは、専門性の違いを強調することではなく、どうやったら協働して学校図書館の活性化を進めていけるのだろうかという方向性で考えていただければいいなと思います。ですから、もちろん学校司書の専門性、それは図書館司書の資格を持って学校に入っているわけですから、図書館司書の持っている資格の中でできる仕事というのがベースになるのは当然だと思っています。ですが、学校教育の展開に寄与する学校図書館を作っていくという中で、これからの学校司書が担うべき役割も含めて考えるとしたら、どのようなことが協働でき、どのようなことがもっとよりよくこの文言の中に盛り込んでいけるのだろうかという視点で話し合っていけたらいいなと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。門脇委員さんも、ベーシックなところでは司書の仕事ということは。
【門脇委員】  もちろんです。
【堀川座長】  ということで、そうしますと、11ページの学校図書館担当職員の資質・能力というところですが、どういうふうに進めたらいいでしょうね。これのやはり基盤のところは、先ほどの直接とか、それから、間接サービス・支援、それから直接の支援というところはお認めいただけますでしょうか。そして、その資質・能力についてというのは、これはどういう知識が必要かとかいうことを想定していますよね。はい、すみません。
【春山課長補佐】  そういうことです。ここに書かれているような役割と職務を、より十全に遂行するためには、こういうような知識、こういうような技能というものがこの11ページに書かれるということを想定して、こういう構成に今なっているというふうにしています。
【堀川座長】  そうすると、やっぱりちょっと違うのかな。
 どうしましょうか。資質・能力というような言い方をしたときには、またちょっと観点が違ってくるような気がしますので、これにこだわらずで結構です。先ほどの専門性に関すること、それから、どうやったら協働してやっていけるのかというような、そうした御意見を続けて伺っていきたいと思います。はい、村山委員さん。
【村山委員】  これの後に、たしか、分かりやすくハンドブックを作成するというのもありましたが、司書と司書教諭の専門性とかいうのは、まだまだ周知徹底されていない部分もかなり多いと思います。司書教諭っていうのは司書と教諭の仕事をするのかなと思われているぐらいのことも、たまに現場で耳にしますので、この報告書でなくても、ハンドブックぐらいには、やっぱり専門性というのをはっきりと書いておいていただいた方が、今後非常に有効な働きになるのではないかなと思います。まずはその前提があって、その上で、だからこういうふうに協働していくともっと開けていくんだという流れの方が、私はしっくりと来るんじゃないかなと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。まずはこの報告書、ハンドブックはまた別に。
【村山委員】  また別ですけど。
【堀川座長】  重複するところはあってももちろんいいと思って、重要だと思いますので、この報告書の中に、今の司書と司書教諭の違いとか、それから、前から出ていますが、学校図書館を活用した教育の意義付けというか、教育委員会のことも含めてなど、それから、最初に情報リテラシーの育成について書き方がちょっと弱いんじゃないかというような御意見もありましたし、そうしたものを補強していかないといけないと思っていますが。今のところ。この報告書に関して何でも御意見お願いします。
【平久江委員】  よろしいですか。専門性の議論ということなんですけれども、今までの議論を整理すると、これはある意味、パンドラの箱、みたいなもので、混沌としちゃっていて結論が出ないというものでもあるんですけれども、その中で考え方としては、今までは、一つは事務職としての図書館に関する職務の輪があって、それから一方では図書館に関する教員としての職務があって、多分、その二つの輪がクロスしているという、そういうイメージの中で議論がされてきて、それが人とか状況によって綱引きをしながら、どちらをという話で進んできたんだと思うんですね。
 ですから、これで明確な答えは出ないんじゃないかというのが一つの考え方としてあるんですけれども、ただ、そうやっていくと、なかなか報告書ってまとまらないと思うので、考え方としては、まずはそれぞれがどんな職務をやるかというようなことを、ある程度標準的なモデルを作って、その職務を遂行する場合の技術的な側面とか、そういったものを考えていくと、ある程度専門性というものの一つのイメージなり、モデルなりを作ることができるんじゃないかなというふうに思います。
 したがって、議論的には、先に専門性とはこうであるというような議論をするよりも、むしろそれぞれがどんな職務を担っていくか、また学校図書館が全体でどんな役割を担っていくかという、その辺を一つモデル的なものを作って、その中で次にそれをきちんと遂行するためにはどんな技術が要るのか、技能が要るのかというようなところを考えていくと、少し具体的な専門性に関する考え方が出てくるのかなというふうに思うんですけれども。
 したがって、あとは最初に、ここにありますように、それぞれがどんな職務をやっていくのかというようなところは少し議論してから、またそこ専門性という形で議論をしていって、何度か議論していくといいんじゃないでしょうか。
【堀川座長】  どんな職務というのは、8ページ以降のことですか。
【平久江委員】  そういったところの議論が進んだところで、また専門性の議論をしてっていう、何回か分けながら議論を深めていくということが大事なのかなというふうに思います。
【堀川座長】  遂行するための技術的なもの、知識的なものというのが11ページ以降になるわけですが、そうすると、この8、9、10の職務をもうちょっと中身を作っていくということですか。
【平久江委員】  そういうプロセスの中で専門性を議論していけばいいんじゃないかなというふうに思います。
【春山課長補佐】  今、専門性の御議論をされておられますが、第1回のときに配布した資料にありますが、学校図書館担当職員という呼び方をしているときは、学校図書館の業務に専ら、つまりその方がその学校にいるときの職務は学校図書館の業務だけをしているということで、また、それが教員やボランティアではないものということとなっています。そのうち、司書資格を持っている方も小中学校で言うと6割弱ぐらいだということで、今、こういうふうに整理させていただいているんですけど、司書的なものが今、6ページの一番上の方に書かれているわけですが、本当にこれでいいのかなというのは確認をしておきたいなと、そうすると、一方、司書になるために必要となる科目として図書館法に定められている、今、24単位だと思うんですけど、そういったものがあって、学校図書館担当職員にそれらの全てが要るというわけではないとすると、やっぱり今、平久江先生からおっしゃっていただいたように、じゃあ具体的に学校図書館担当職員はどういうことをしていくべきなのかということを考えた上で、最後にまた翻って、そういうものを抽象化したときにどういう資質能力が必要だというのが出てくるんじゃないのかなと、今、議論をお伺いしていて思ったところです。
【堀川座長】  ありがとうございます。司書資格という言葉が出てくると、またちょっと違ってきてしまいますよね。実際に学校図書館の仕事をするのに、これとこれとこれって、やっぱり図書の整理をする、分類をする、目録をとるという仕事はある。あるんだけれども、それが司書資格の中のっていう、そことはちょっと切り離してまずは考えていきましょうか。
 はい、吉田委員さん。
【吉田委員】  先ほど言われた8ページから10ページまでのいろいろな職務ですけれども、私がやっていることとニュアンスが違うなという点がありましたので、ちょっと全部まとめてお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
【堀川座長】  はい。
【吉田委員】  まず、施設の運営ですけれども、これは当然、施設に対して責任をとられるのは司書教諭の先生なので、学校司書はそれの支援をする、サービスをする、協力をするという形になるかと思います。
 広報・渉外活動の中のウエブサイトの作成というふうに書いてしまうと、何か学校図書館がウエブサイトを専門で持つようなイメージを持ちますので、ウエブサイトの図書館部門程度でしょうか、そういうふうにしていただいた方がちょっと気が楽かなということを思いました。
 それと、渉外活動に入るかと思いますけど、学校司書間の情報交換をした方が能率が上がるということが自分の考えではありましたので、それを入れていただいた方が無難かと思います。
 それから、その下、司書教諭等が行う学校図書館の管理運営に関する業務への協力ということで、このほかの分野に入っていないのが、統計と蔵書点検かと思います。統計や蔵書点検は学校司書がやるのが当たり前というものかもしれませんけれども、こういうふうに設けていただいた以上、統計や蔵書点検は司書教諭等が行うのがメーンというようになるのかなということも思います。
 次、施設の環境整備ですけれども、館内表示の設置だけではなくて、館内レイアウトの改善とか、館内掲示とかいうものも入るかと思います。
 その下、図書館資料の管理ですけれども、これは構わないのですが、すみません、ここら辺り、二重かぎ括弧の意味がちょっと私、よく分からなかったのですが、一番下の行とか、その2行前の「丁寧かつ確実に」とか「本の表紙を見せることが有効」っていうのは、ちょっと親切過ぎて、職務にわざわざ付け足さなければいけないほどのものではないような気がいたしました。
 9ページに移りまして窓口業務ですが、館内貸出のための窓口業務だと思いますけれども、館内閲覧という業務が何のことか分かりかねたので教えていただけたらと思います。
 あと、読書活動の真ん中、読み聞かせ、ブックトークと書いてありますけれども、そのほかに東京子ども図書館が進めていたストーリーテリングとか、江戸時代からだと思いますが、歴史ある紙芝居というのもありますので、そういうのを付け足していただいた方がもっと幅が出るんじゃないかと思います。
 最後、情報サービスのところの児童生徒の調べ物相談ですが、「親身になり、一緒に行う」というふうに書いてありますが、例えば授業で使われるようなときに、クラス全員のものを一緒に行っていてはちょっとできませんので、「適切なアドバイスをする」程度でいかがでしょうか。
 あと、10ページに移ります。「教育課程・内容に関する把握及び」と書いてありますが、教育課程・内容に関することは司書教諭の先生が中心になって行うべき問題であり、司書教諭の先生の意向を受けてそれを理解するというのが正しい形ではないかと思いますので、把握ではなくて、文言を変えていただけた方が無難じゃないかと思いました。
 その下、「各学年・教科に関する教育内容の把握」とかいうのがありますが、最近、パスファインダーという言葉が使われ出しておりまして、学校図書館ではまだやっているところは少ないかと思いますが、せっかく用語があるのですから、今後のためにも使っていただきたいと思いました。
 次に、「児童生徒に対する資料の使い方の説明を通じた授業への参加」と書いてありますが、そのかぎ括弧の中、「資料の見るべきポイント、辞書の引き方、新聞の読み方等について説明」と書いてある文言は、いささか司書教諭あるいは担任の先生的な、教員的な書き方だったように思いました。専門性をアピールするためには、十進分類法の説明とか索引や目次、見出しやファイル資料についての言及とかにした方が、もっと学校司書の専門性がはっきりするかと思います。
 最後、図書委員会活動に対する指導ですけれども、実は学校図書館の図書委員会には関わってはおりますが、学校司書が顧問として位置付けられている学校はまだまだ少ないように思います。実際、休み時間などに図書委員とはよく話をしたりするのですけれども、委員会の位置付けとしては顧問ではないと。その辺を何かクリアする方法があればなということは思っております。
 以上です。御意見を頂ければ幸いです。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 これに対して御意見は。はい、槇川委員さん。
【槇川委員】  今おっしゃってくださったのですけれども、前回、学校司書の方の実際の実務を15分ずつ御紹介していただきました。そういう中で、やっぱり似通ったものもあれば、非常に大きく違っていたものもある。今おっしゃったように、これは初めて今回受け取った資料なので、これに追加をしていただいて、それで全体が出たところで再度検討してみるということはどうでしょうか。恐らく今から5人の方に加えていただいても、相当な時間がかかるんじゃないかと思いますので。
【堀川座長】  本当にその点に関しては責任を感じています。すみません。こうした具体的な仕事、職務をもっと細かく書いていって、先ほどの10ページの一番上の「教育課程・内容に関する把握」という文言であっても、実際にここまでやっていらっしゃる方もいらっしゃる。そうした動きを抑制することなく、それで、前から3段階ぐらいのレベルで書きたいと言いながら、ちゃんと提示できなくて申し訳ありませんが、これも最初は先生からこういうことでやりますといって伝えられるという段階があって、そして、最後か、もっと発展したところでは、自分でやっぱり学校司書の立場の人も、教科書を読んできちんと把握して、そして資料提供していらっしゃる方もたくさんいらっしゃるわけで、その辺をどう書けるかなというのがとても難しい。この事前の打合せの中でも幾つか試みはあったのですが、きょう、この会議に出せるまでのものができていないんです。大変申し訳ないと思っています。
 ただ、やっぱりこういうことに関して、これも入れてほしいとか、こういうことっていうのは、ヒントを頂ければ大変ありがたいですので、今、もし御意見があれば、この8、9、10ページのところで。
【大串委員】  よろしいでしょうか。
【堀川座長】  はい、大串委員さん。
【大串委員】  8、9、10のところで一言だけちょっと付け加えたいんですけれども、実は1と2と3というのが必ずしも、特に2と3というのが明瞭に分けられないこともあるんですよね。例えば、今、パスファインダーということが出ましたけれども、あれは図書館の世界的に言うと、日本では国会図書館さんは調べ方案内という言い方をされて、パスファインダーというのは国民的なルールでは理解できないということで、そういう言い方。ただ、それは2のところのレファレンスサービスだとか、生徒の調べものの相談のところでも作られるものですし、それから、先生方の御要望で、例えば先ほどあった、児童生徒への資料の使い方への説明については、授業の参加のところでも作られるものなので、重なるっていいますか、両方にある。図書館独自でも、例えば読み聞かせ、ブックトークっていうのは図書館独自で行事としてやる場合もあるし、先生方が授業の中でやってねっていうような形で授業の中でおやりになることもあるわけだから、その辺はもう少し幅広くお考えいただいて、それぞれのところに書いていただくといいんじゃないかなと思っています。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 いかがでしょうか。あと10分か15分ぐらいの議論ということにしたいと思います。はい、門脇委員さん。
【門脇委員】  どこに含まれるかということもちょっとまだよく整理していないんですけれども、特別支援学級とか、それから支援を必要とする子供たちへの関わり方みたいなものも、そこに盛り込まれていくといいのかなと読んでいて感じました。具体的にこうということは、ここではまだ文言は出すこともできないんですけれども、考え方としてそれが入っているといいなと思います。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 それから、先ほど申し忘れましたが、二重かぎ括弧は、これまでの委員さん方の発言の中から拾い上げてくださったものですので、これをまたどういうような形でこのまま残しておくか、ちょっと変えたりとか、あるいはハンドブックの方に入れたりというのは考えたいと思います。
【杉本委員】  すみません、先ほどの専門性にこだわるようで申し訳ないんですけれども、私自身は職務で分けていく方が難しいと思っています。まず専門性を定義して、規定して、原則論に従って、それに基づく活動、それの方が学校司書の先生方の活動の幅も広がるだろうと。要するに、これは専門性に基づく活動だと思えば、それが学校司書の活動になっていくわけであって、職務で分けていくと、あれはどうなんだ、これはどうなんだときりがないし、学校規模によっても違うし、雇用の形態によっても違うし、その学校図書館司書の先生のスキルによっても違うし、実情によって本当に千差万別。で、ここにいらしているような先進的な取組をされている学校図書館をベースに作ってしまうと、やはり、今、まだ鍵が閉まっている学校図書館は実際どの程度あるか分かりませんけれども、図書館に人がいない学校図書館は現実問題としてあるわけであって、そういうところにまでこの報告書がどう影響していくのかというところを考えると、まずは専門性と僕は個人的には思っています。
 いや、職務の方から行くんだということであるならば、あくまで先進的な取組をベースにしてしまうのではなくて、先ほどから言っているように、まずはここからというところを明確に示した上で、将来的な展望として、将来的な活動として、学校図書館が充実した暁にはこういう学校図書館の姿もありますよというふうな書き方をしていった方が良いのではないかと思います。全国的な、平均的な学校図書館、これから学校司書が入っていこうとしている学校図書館、現実問題としてまだ半数近くの学校には学校司書はいないわけですから、これから入ってこられる学校司書の先生がまず学校図書館に入ってできることを示したものであるべきであって、余り高度な情報活用能力の育成というふうなものをメーンにしてしまうのではなくて、まずは、というところを意識した職務の分担といいますか、学校図書館司書の職務を考えていくということは必要だと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 きょうまだ御発言のない海野委員さん、いかがでしょうか。前回、御都合で御欠席だったのでなかなかつながらなかったかもしれませんが、どうでしょう。
【海野委員】  ありがとうございます。
 私も先進的な取組をしている方ではない司書の立場でありまして、資格もまだ持っておりません。皆様方から出た中で、校長先生のリーダーシップとか教育委員会の関わりというのは是非お願いしたいなというふうに思います。まずは人が採用されて、その人が図書館の仕事に専念できるようにということで、例えば今の私の立場で言うと、行政職員の長のストップにあって図書館を専任でできないという事例がたくさん発生している茨城の現状なんかを見ていると、やっぱり校長先生のリーダーシップとか教育委員会の関わりとかっていうのは是非入れてほしいなと思います。
 あと、それから、それに関連して、正規、専任……何でしたっけ、もう一つ。
【米澤委員】  専門。
【海野委員】  専門ということで、やはりお願いしたいなと思います。司書資格というのは、やっぱりベースになる資格だなというのは、自分でこの夏に研修を受けて、確かに思いました。司書資格自体は図書館法に基づく公立図書館のための資格であるので、もっと、今、議論している立場より広い仕事の枠のお話を聞くことができました。それこそ運営から、直接サービスに至るまで、バックヤードの整備とか、図書館運営の計画、立案までが入るような内容の講義を受けていきましたので、学校図書館にそのまま適用はできないとは思いますが、ベースとなる資格として、やっぱり資料の専門家ということを考えれば、司書資格は必要なのではないかなというふうに思います。
 それで、先ほど法律の話も、日本で図書館という名前の付く法律が国立国会図書館法、図書館法、学校図書館法と三つしかないというふうに教わりまして、その三つの中の一つに学校図書館法があるのだというのを前向きに考えたらいいというようなことを講師の先生からも伺いました。そういうことを考えますと、是非この学校図書館担当職員というところを、学校司書というふうに名称的には言っていただけると、学校図書館の司書ということではっきりするのではないかなと、吉田委員さんがおっしゃったようなことも含めて、私もそう思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 平久江委員さん。
【平久江委員】  今を逃したら、と思いましてフォローさせていただきます。3ページなんですけれども、先ほど発言したことにつながるのですけれども、学校図書館の位置付けについてということで、3ポツ目なんですけれども、「機能を最大限に発揮させることが重要である」という、こういう文言で終わっているんですけれども、今後とも関わってくるかなと思うのですが、ここでこれで終わらせずに、やっぱりこういう機能を発揮させることによって、こうこう、こういう学校図書館を実現していくというような、新しい理念というようなものを是非この会議の中で提示できたらいいなというふうに考えておりまして、そういったところを検討していってほしいなというふうに思っています。この一言を言っておかないと。
【堀川座長】  その一言によって、どういう学校図書館を、というのは。
【平久江委員】  まあ、それは考えは私なりにもあるんですけれども、もう時間がないので、そういう検討の場を作ってほしいなという、そんなことです。
【堀川座長】  検討の場がなかなか……。例えば、平久江委員さんだったらば。
【平久江委員】  えっ、いいんですか。
【堀川座長】  はい。
【平久江委員】  すみません。
【堀川座長】  そんな、別にまた検討の場って、時間がないですよ。
【平久江委員】  そうですか。すみません、資料を実は作ってきたので。
【堀川座長】  ああ、そうですか。それは、あの……どうしましょうか。
【平久江委員】  時間がないのでちょっと一言だけ。
【堀川座長】  じゃあ、すみません、1分でお願いします。
【平久江委員】  はい。もう、本当に1分でお話ししたいと思うんですけれども、これ、簡単にまとめた、前半の部分は、近年の学校を取り巻く環境の変化ということで、いろいろなことがあったということなんですけれども、最終的に20年以上たってきているわけなんです。学習情報センター、読書センターという理念が出されて。それでやっぱり大きく変わってきたのは、先ほど大変評価した部分でもあるんですけれども、学習センター、情報センター、読書センター、黒丸の部分なんですけれども、及び連携協力というのが非常に重要になってきたという。多分、機能的には四つぐらいになってきているのかなというのが実はあります。それから、もう一つは言語能力等の新しい教育理念が提唱されて、それに対応する新しい学校図書館の包括的な理念というものを出していることが必要になってきているんじゃないか。
 それから、3点目はちょっとこことは離れるんですけれども、昨年、東アジアの国々の学校図書館の調査をやったんですね。それぞれの国の研究者と一緒に。日本というのは相当程度やっぱり遅れてきているんですね。そういった国際的な視野に立ってみたとき、これからやっぱり学校図書館に関する歴史というのは日本が一番あるわけですから、そういった意味で新しい理念を発信していくということがやっぱり必要になってきているんじゃないかと。
 そういった3点から、やっぱり新しい理念を考えていく必要があるのかなというふうに思いました。
 それで、じゃあ、具体的なイメージとしてはどういうことかというと、情報センター、それから読書センター、学習センターという、こういう三つに分けた機能、こういうものを持っていたとき、これらの機能を活用して、ここでは私は本当にいい言葉が見つからないので、試行錯誤の段階で、とりあえずということなのですけれども、コミュニケーションセンターというような、何かしらの新しい理念をここで出していくということが、これから先の学校図書館を考えていったときに、この会議の必要な使命ではないかなと思っております。これはあくまで私案で、必ずしもこの文言にはこだわらないのですけれども、やっぱりこういう真ん中の部分というのは必要になってきているのかなという、そういったことです。
 すみません、ちょっと1分より長くなりました。
【堀川座長】  ありがとうございました。
 きょうのほかの委員さんからも出ている、この理念の部分、もう少し書き込まないといけないなというのはつくづく思います。
 きょうこれだけは言っておかないと帰れないという人、いらっしゃいませんか。大丈夫ですか。はい、加藤委員さん。
【加藤委員】  ちょっと爆弾発言になると思うんですけれども、本当にこういう図書館を実現させたときに、是非学校現場で自由な教育というのが尊重される、そういう場であってほしいと思うんです。みんな同じ授業をしないといけないとかいうような、そういう教育だったら図書館を充実させる意味がないので、図書館を充実させるというのはそういう危険性も含みながら、それでもいろいろな自由を認めるというところが大事かなと思います。
 以上です。
【堀川座長】  ありがとうございます。どこまで踏み込んで書いていただけるでしょうか。
 はい、吉田委員さん。
【吉田委員】  簡単に一つだけ。杉本委員さんが言われたように、職務が箇条書きでたくさんあってもなかなか現場で使いにくいというのは、本当にそのとおりですし、これを見て無理だともう初めから諦めてしまうということが一番悪いことだと思います。そこで、職務は職務で箇条書きでいいとして、それを応用するべく、ステップアップしたような表をどなたか工夫していただけたらなと思いますので、よろしくお願いします。
【堀川座長】  はい。また、その辺、作るときには是非協力をお願いします。一緒にお願いします。
 ということで、いいでしょうか。今回も、すみません、最後の方で時間が足りなくなってしまったのですが、またメールで御意見を伺えればありがたいです。何でも結構です。箇条書きでもいいし、文章でもいいし、図表でも結構です。またそちらの方にメールでお伝えいただければと思います。お願いします。
 それでは、長い時間どうもありがとうございました。今回のこの御意見をどういうようにまとめることができるかという難しい宿題を頂きましたが、事務局の方々と一緒に、それからまたほかの委員さんに御協力を仰いで、次の会議までにまた中間まとめとしてお出ししたいと思います。
 ありがとうございました。それでは、最後に事務局の方で。
【春山課長補佐】  委員の先生方、どうもありがとうございました。今、座長の方からありましたが、これから追加で頂く意見なのですが、1週間ということで、来週の金曜日、10月4日までに、時間もそんなに取れないのですが、頂けましたらありがたいなと思っております。すみません、7日ですね。7日の月曜日ですね。議事録の締め切りと一緒ですが、7日の月曜のタイミングで頂けましたらありがたいです。
 次回会議ですが、御案内しておりますとおり、10月27日、日曜日の、時間と場所はきょうと同じ、14時からこの場所でということになってございます。一応、次回、予定といたしましては、今回の、今、御議論いただいている前半部分の中間取りまとめということと、その次の資質の向上を図るための方策についてということで議論を移すというような予定になっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、最後でございますけれども、次回、資質の確保を図るための方策ということですので、行政における研修の在り方について、現状を把握したいということでございますので、よろしければ槇川委員の方から御発表いただければと思っております。具体的な時間とかはまた相談させていただきながら、追って御連絡をさせていただければと思いますが、是非よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【堀川座長】  ありがとうございます。
 今、研修の現状について島根県の事例をということでしたが、ほかの事例、うちもこんなのやってますよという……牛山委員さんの方はいかがですか。研修はどうなんでしょうか。
【牛山委員】  やってはいますけど、そんなに参考になるような研修にはなっていないと思います。
【堀川座長】  そうですか。
 ほかの委員さんはいいでしょうか。荒川区はどうでしょうか。
【清水委員】  ある程度進めているものについてはありますけれども、ちょっと確認をしてみます。
【堀川座長】  はい。
 横浜は……今はちょっとあれかな。
【堀部委員】  研修の見通しというか、司書教諭に向けた研修を基にしながら、学校司書の研修計画までは形にはなっています。
【堀川座長】  どうしましょう。3人の事例というと、ちょっと時間掛かりますかね。
【春山課長補佐】  それはもう御判断ですけれども、一般的に事例は多く頂いた方がいいかなと思います。
【堀川座長】  じゃあ、清水委員さんと堀部委員さんにもお願いしていいでしょうか。
【清水委員】  確認して連絡させていただくということでいいですか。
【堀川座長】  はい。どちらも時間などについてはまた。
【春山課長補佐】  ええ。またその辺りは調整させていただきながらということで。
【堀川座長】  調整させていただきたいと思います。
 きょうこれで日帰りで帰らなくてはいけない方もいらっしゃいますので、時間は守らなくてはいけないということで、それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。本当に拙い進行で申し訳ありませんでした。委員の皆様には本当に本日ありがとうございました。次回は日曜日ということになりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、また、急に何かお願いすることがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、きょうは本当にありがとうございました。閉会とさせていただきます。

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