<これまでの主な意見(抜粋)>
◇ 教員の姿勢や指導力等によって授業に極端な温度差や充実度の差がでないような教材が必要。 ◇ 道徳用教材について、資料のスタイルの多様さを認めつつ、地域教材などと併存させながら活用できる環境を整備することがとりわけ大切。 ◇ 障害のある子供、家庭事情もいろいろな子供など児童生徒に多様性があるという前提を押さえておくことが必要。 ◇ 生きること、よく生きるということが難しい以上、道徳教育が簡単になることはあり得ないので、先生方も悩むことが大事。その意味では、教材もこれさえあればすぐに道徳教育ができるというものではなく、先生方に自分なりの取組や努力を求めるようなものにすべき。 ◇ 教科書の工夫を提案してはどうか。(例えば、それぞれの指導内容項目に関する指導に資する資料の掲載は当然として、自分を複数の道徳的価値から見つめられる教材、人間とは何かを、生きるとはどういうことか、学ぶとはどういうことかについて学年段階ごとに考えられる教材、重点的内容項目を発展的 に学習できる編集上の工夫、各教科等と関連をもたせて学ぶ教材、日常生活や調べる学習等と関連をもたせて学ぶ教材、家庭や地域との連携を前提とした教材等を取り入れるようにする。) |
○ 道徳教育において求められる教材・教科書の内容等についてどう考えるか。
例えば、
・教師の姿勢や指導力等によって授業に極端な温度差や充実度の差がでないようにすることと、教師一人一人の取組や努力を生かすこととをどう両立させるか。
・児童生徒の多様性への配慮として、具体的にどのような工夫が求められるか。
・児童生徒の発達段階等を踏まえた指導の充実など、今後求められる道徳教育の内容等との関係において、どのような工夫が求められるか。
<これまでの主な意見(抜粋)>
(1)教科書使用が必要との意見
◇ 教科にすれば、教科書を発行し、授業で使えるようにすべきである。その際、教科書は複数のものから選べるようにする。 ◇ 道徳の教科書は、各教科や日常生活、家庭との連携などにも使い、授業においては3分の2程度使うようにし、後の3分の1は様々な資料を使って授業ができるようにしてはどうか。 ◇ 教科書を作ることは可能と思うが、その際、様々なものが出てくることについて、それも良いだろうと認めていけるような覚悟が必要。 ◇ 教科書の内容として読本的な教材だけでなく、多様な資質形成や学習活動を含み入れた内容を検討する必要がある。さらに、「未来対応型」の教科書としてインターネット機能を有するウェブ教科書なども検討する必要がある。 |
(2)検定教科書を使用すべきとの意見
◇ 学習指導要領の趣旨に沿っているか、憲法や法律の趣旨に沿っているかなどの大きな基準、枠の中で多様な教材を開発することを考えれば、検定も難しくはないのではないか。 ◇ 既に副読本が作られていることを考えると、それが教科書になったからといってそれほど大きな問題が生じるかは少し疑問。国語ができるのであれば道徳も可能なのではないか。 ◇ 道徳について、基本的には検定教科書にしていくのが原則だろう。その際、「心のノート」との関係をどうするかが課題。仮に検定教科書を用いず「心のノート」だけを使うことになると「国定教科書」化ということになり望ましくないのではないか。 |
(3)文部科学省著作教科書を使用すべきとの意見
◇ 道徳の教科書について、民間の会社から出されたものの中から教育委員会が選んでいくというやり方は余りなじまないのではないか。教科化するならば、国で教科書を作って無償配布すべき。 |
(4)教科書使用に慎重な意見
◇ 教科書の検定基準をどうするかについてはかなり長い議論が必要。当面は、文部科学省が著作の名義を有する教材を作ってすべての子供たちに配布し学校で活用することで良い。 ◇ 道徳で「教材を教える」のは良くない。教材で何かを教える、何かを考えさせることが大事。その意味で、通常の教科とは異なり、教材の扱いをじっくり考える必要がある。現段階ですぐに検定教科書を考えるよりは、その点は慎重に考えた上で、心のノート」を使って考えさせる方向を基本的に維持していくのが良い。 ◇ 教科書の検定については、政治的、宗教的中立性や学習指導要領の範囲との関係、検定基準の示し方などとの関係で現実問題としてはなかなか難しいという意見もある。 |
(5)新「心のノート」と教科書との関係について
◇ 道徳の指導のためには、全教育活動を通して道徳教育に資する教材と、要である道徳の時間の指導に資する教材の二つが必要であり、「心のノート」と教科書の両方が必要。今回、「心のノート」で、道徳の時間でも使える教材も盛り込みながら、全教育活動とどう響き合わせて指導するか示せるようにすることが必要。 ◇ 教材については、教科書を発行することも考えられるが、それには時間がかかるので、当面は現在出版社が発行している副読本の購入予算を付けて、選択や活用状況の報告をさせながら授業で活用していくこと、また、「心のノート」を発展させ、年間を通じて道徳の授業の実施に十分な内容のものにし、全校に配布することが考えられる。 |
○ 道徳教育の充実を図る上で、教科書の必要性の有無、新「心のノート」との関係等についてどう考えるか。
(1)検定又は文部科学省著作の教科書を用いるか。
(2)新「心のノート」を中心に多様な教材を用いて指導するか。
○ 検定教科書を用いることとするか。
その際、例えば、
・以下のような検定教科書の発行に伴う課題についてどう考えるか。
(例)・価値観によって判断が分かれるような題材が取り上げられることにより、多様な立場からの様々な記述内容の教科書が発行される可能性があることについて、どのように考えるか。
・価値観によって判断が分かれるような題材について、国が検定を通じて適否を判断していくことの是非について、どのように考えるか。
・検定の判断基準をどのように考えるか(道徳の性格上、客観的な学問成果を根拠として検定意見を付すことが難しいことに留意)。
・検定教科書を用いる際、新「心のノート」の扱いをどうすべきか。
(例)・学校で教科書が使用される段階で、新「心のノート」の配布は止めるか。
・民間や自治体が作成する教材との関係について、どう考えるか。
○ 新「心のノート」を文部科学省著作教科書と位置付けるか。
その際、例えば、
・多くの教材会社が道徳の副読本を作成・販売している中で、あえて文部科学省著作教科書を発行することの是非についてどう考えるか。
(「国による価値観の押し付け」といった批判が出る可能性があるのではないか。)
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