幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議(第4回) 議事録

1.日時

平成25年3月29日(金曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省5階 5F3会議室

3.議題

  1. 保育士養成課程等検討会における議論の論点について
  2. 幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例について(報告案)

4.出席者

委員

無藤主査、秋田委員、荒木委員、大坪委員、大森委員、砂上委員、田中委員、若盛委員、渡邉委員

文部科学省

布村初等中等教育局長、関審議官、山下審議官、高口教職員課長、蝦名幼児教育課長、小谷教員免許企画室長、竹林幼児教育企画官、北山厚生労働省幼保連携推進室長 ほか関係者

5.議事録

【無藤主査】
定刻になりましたので、ただいまから、第4回幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議を開催いたします。
本日は御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございます。
それでは、本日の議事に入る前に、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【松本専門官】
それでは、本日もよろしくお願いいたします。配付資料の確認をさせていただきます。お手元にある封筒の中の資料を出していただければと思います。1枚目、第4回会議の議事次第でございます。会議時間は13時から14時半としておりますが、あらかじめ、事前に御連絡させていただいたとおり、場合によっては少し早まる可能性もございますので、よろしくお願いいたします。議事でございますが、保育士養成課程等検討会における議論の論点、それと、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例について(報告案)となっています。
続きまして、配付資料でございます。資料1、第9回保育士養成課程等検討会における議論の論点、資料2、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する論点について(報告案)、参考資料、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する論点について【意見の概要】。以上になります。過不足があれば、事務局まで御連絡いただければと思います。
また、本日も、厚生労働省で開催された「保育士養成課程等検討会」の状況について説明を頂くために、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課幼保連携推進室の北山室長に御出席いただいております。
以上でございます。

【無藤主査】
資料、よろしいでしょうか。
それでは、早速議事に入りたいと思います。
まず、厚生労働省の方で開催されている「保育士養成課程等検討会」における議論の様子につきまして、厚生労働省保育課の北山室長より御報告をお願いいたします。

【北山幼保連携推進室長】
それでは、失礼いたします。お手元に資料1として、「第9回保育士養成課程等検討会における議論の論点」という資料をお届けさせていただいております。この第9回の検討会が1月31日に開催されまして、昨日、第10回の検討会が行われたところでございます。第10回の検討会では、その報告書の内容について、各委員の先生方の御了解を頂きまして、今後、若干の微修正を行った上で報告を取りまとめていただくということになっております。
この第9回の検討会における議論の論点ということで、第9回で言われたことをここで活字にさせていただいておりますけれども、その後、第10回の内容について適宜口頭で補足しながら御紹介申し上げたいと思います。まず、実務経験の算定対象とする施設についてということでございますが、こちらは「保育所、幼稚園、認定こども園」、「特別支援学校幼稚部、へき地保育所」、「一定の基準を満たす認可外保育施設」を対象にしてもよいのではないかということでございまして、これらは幼稚園教育要領、あるいは保育指針に基づく、あるいは準じた教育・保育というものが行われている施設であるということで、対象としていいのではないかということになりました。
他方、昨日でございますが、一つ残っておりました論点で、小学校、放課後児童クラブでの勤務経験についてどう扱うかという点について御議論いただいたわけでございますけれども、先般、こちらの検討会ではそのメルクマールに合致しないため認められない方向であるという御意見を頂いておりました。そのことも紹介しつつお諮りしたところ、先ほど申し上げました幼稚園教育要領に基づく教育、あるいは保育所保育指針に基づく保育、あるいはそれらに準じた活動が行われている施設ではないということで、それについては認めないということにするべきではないかということになりまして、それは落とされたところでございます。
委員の先生の中には、保育所不足が言われている中で、裾野はできるだけ広げておいた方がいいのではないかということをお話しされる先生もいらっしゃいましたが、結論としては、そういった施設は実務経験の算定対象にはしないということでまとまったところでございます。
次に、実務経験年数についてでございますが、3年間、かつ4,320時間とし、勤務経験に有効期限は設けないことが適当ではないかということで第9回の検討会でまとまりまして、第10回でもこの第9回の意見のとおりに報告書に記載するということで、一致を見たところでございます。
最後に、試験科目・履修内容についてでございます。試験科目、まず、最初のポツは、これは試験だけで保育士資格を取っていかれる方についてのことでございますけれども、試験科目については、保育実習理論というものは実務経験を通じて得られているだろうから免除してもいいのではないか。そのかわり、そのほかの試験科目、6科目は受験していただくことが必要ではないかという御意見が出ておりました。また、乳児保育、家庭支援論、社会福祉、社会的養護といった科目については履修が必要ではないか。特に家庭支援論というのは、家庭支援、保育ソーシャルワークを学ぶために、実務経験があっても履修が必要ではないかといった御意見。あと、社会福祉、児童家庭福祉、社会的養護、子供の食と栄養、子供の保健に、相談に関する科目のうち、保護者に対する保育指導を学ぶために、家庭支援論と保育相談支援というものを加えてはどうか。あと、履修による取得単位数については、文部科学省で行われている特例の検討会の状況を踏まえて検討することが必要ではないかといった御意見が出ておりました。
これらを踏まえて、第10回の会議で出ておりました御議論は、試験により資格取得する場合は試験科目を6科目とするということについて了解が行われました。また、履修による資格を取得する場合には、複数の科目を統合して、四つの科目をつくり、それらを履修していただくということで、単位数については8単位というものを取っていただくということにしてはどうかということで、まとまっております。
科目でございますけれども、まず「福祉と養護」という科目を作って、こちらは社会福祉の考え方を学ぶと同時に、虐待のような社会的権利を奪われている子供の問題も含めて、社会的養護の考え方というのを学んでもらうために必要ではないかということで、「福祉と養護」という科目を設け、そちらを2単位履修していただくということにしてはどうかということが言われております。また、「相談支援と」して、ソーシャルワーク的な技法も含めた専門性を持つ相談対応を学んでもらうための科目を設けることが必要ではないか。あと、「保健と栄養」という科目、あるいは、「子供の保健と食」という科目を設けて、食育についてきちんと学んでもらうということが必要ではないか。また、「乳児保育」についても、ゼロ~2歳児の対応を学んでもらうために必要ではないかということで、それらの四つの科目というのを設けまして、各科目につき2単位ずつの履修をお願いするということでまとまっております。
その他の御意見といたしましては、新しい科目を設けることになるわけでございますけれども、そういった科目がきちっと講座として開講されるように、養成校への周知と協力要請というものも行ってもらいたいとい、特例によって資格取得を求める人がどの程度いるのかというニーズをちゃんと把握し、養成校に教えてほしい、現在勤務を実際にされている方が履修しやすいような方法、具体的には通信教育の開講なども検討してほしいという御意見を頂いております。
また、その特例が実効性を持つための工夫や配慮が必要ということで、予算措置も含めた対応というものを考えられないか。特に保育士の場合については、きょう、こちらの検討会で御議論いただきます科目を履修しなければいけないわけですけれども、それを履修するために代替の保育士が必要になる可能性があり、それに対応できるような予算措置を行ってほしいという御意見が出ておりました。また、養成校の先生からは、特例のために新しい科目を作ることになるので、特例科目に含まれる具体的な内容を厚労省の方から示してほしいというような御意見も頂いております。
また、一旦離職した人が再度働く場合などに、研修を受講してもらうようにすることというのも必要ではないかといった御意見も頂いておりました。それらの御意見も踏まえまして、座長と今後相談の上、報告書を取りまとめていただき、近日中に開催予定の社会保障審議会児童部会で報告を行った後、保育士試験通知の改正、あるいは養成施設への講座開設の養成といったようなことを行いまして、平成26年度からは、対象者が特例による試験科目の免除であるとか、あるいは履修を開始できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。

【無藤主査】
ありがとうございました。今御説明いただきましたけれども、御質問等ございましたら、いかがでしょうか。特にはございませんですか。
それでは、次の議題ですけれども、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例について(報告案)に移りたいと思います。本検討会議におけるこれまでの審議を踏まえて、事務局において報告案を取りまとめていただきました。事務局より資料の説明をお願いいたします。

【松本専門官】
失礼いたします。資料2を御覧いただければと思います。今主査からお話がありましたように、これまでの審議、議論を踏まえて、事務局の方で報告案という形でまとめさせていただいております。
それでは、中身の説明をさせていただきます。まず1ページからでございます。「はじめに」と書いてございます。この「はじめに」という項目は、これまでの幼保の連携等について改めて確認をしているというところでございます。二つ目の丸でございますが、これまでも、施設の供用化に関する指針の策定など、幼稚園と保育所が連携して運営できるような取り組みが進められてきております。また、幼稚園教育要領と保育所保育指針の改訂に際して、整合性を図るような努力もなされてきました。また、合同の研修の実施等も進められているということで、このような背景もあり、平成18年には認定こども園制度が創設されたという流れになってございます。この認定こども園制度については、保護者や施設から評価は高いものの、二重行政や財政支援の不十分さといった課題も指摘されており、より一層の普及促進を図るためには、これらの課題への対応が求められているということでございます。平成24年の通常国会においては、認定こども園法の一部改正がなされ、新たな幼保連携型認定こども園が制度化されたということでございます。
2ページ目を御覧ください。幼保連携型認定こども園をはじめとする認定こども園は、幼児期の学校教育と保育を一体的に提供する先駆的な取り組みでございます。子ども・子育て支援新制度においては、従来の認定こども園制度の課題であった、二重行政の解消、財政措置に関する公平性の確保を実現し、認定こども園のさらなる拡充を目指すとされております。
幼保連携型認定こども園における保育教諭でございますが、保育教諭は認定こども園法第14条第10項において、園児の教育及び保育をつかさどる職とされ、その資格についても、幼稚園教諭の免許状と保育士資格の併有が義務づけられているというものでございます。
現在、認可保育所に勤務する保育士の幼稚園教諭免許を有する割合は、すなわち併有割合は76%、そして幼稚園に勤務する者の併有割合は75%となっております。2割以上の幼稚園教員又は保育士は片方の資格しか有していない現状がございます。このため、新制度を円滑に導入するためにも、新制度の施行から5年間が経過するまでの期間に限り、いずれかの資格を有していればよいというような経過措置が法令上設けられているところでございます。
2ページの最後の丸でございますけれども、この経過措置期間中に合わせて、いわゆる保育士資格を有する者については、教育職員検定により勤務経験を評価した上で、要修得単位数を緩和する特例を設けることといたしました。この会議では、その特例の内容、保育士としての勤務経験や、最低限学ぶべき内容等について、今日も含めてでございますけれども、4回にわたり検討を行うということになってございます。
3ページでございます。まず、最低在職年数等の取扱いについてでございます。今回の特例の趣旨でございます(1)の一つ目の丸でございますけれども、保育士資格のみを有する保育士に対して、保育士としての勤務経験、すなわち保育所等の児童福祉施設において保育士として在職した一定の年数を評価して、幼稚園教諭の免許状を取得するために大学等において修得することを必要とする最低単位数を軽減させることにより、幼稚園教諭の普通免許状、そして保育士資格、その両方の併有を促進する、幼保連携型認定こども園制度の円滑な導入を図ることを目的とする。これが本特例の趣旨でございます。そのような本特例の趣旨、目的を踏まえた内容とする必要があるということでございます。
3ページの下から二つ目の丸でございますが、現行も実は教育職員免許法においては、現職教員が隣接校種の免許状の取得を促進する制度として、一定の教職経験を積むことによって、各学校種の免許状取得に当たっての要修得単位数が軽減されるというような制度がございます。おおよそ多くの教職検定では、3年の教職経験を求めているというのが現状でございます。
4ページをめくっていただければと思います。このため、本特例においても、今申し上げた教職検定の制度を参考にすることが適当であり、また、本検討会議においても、3年の勤務経験を積めば、保育士としての最低限の業務を一通り経験したとみなすことは可能ではないかという意見が多数であったということでございまして、求めるべき最低在職年数については3年とすることが適当ではないかというような御意見が多数であったということでございます。
(2)勤務実態でございます。実は認可保育所に勤務する保育士さんのうち、約2割が非常勤と言われてございます。このように勤務実態も様々であるということでございますので、3年という最低在職年数のみで一律に評価するだけではなくて、勤務時間数に係る要件も設けることが適当であるということでございます。この点、既に高校の卒業者が保育士試験によって保育士資格を取得する場合、受験資格として、児童福祉施設等において2年以上の児童の保護に従事することが求められているということでございますが、この2年以上の要件としては、2年に加えて2,880時間――これは1日当たりで換算すれば平均6時間になりますけれども、このような要件が課されているところでございます。
本特例においても、3年の勤務経験に加えて、今申し上げた1日当たりでいえば6時間、1か月当たりでいえば120時間、合わせて4,320時間の勤務経験を求めることが適当であるということでございます。
5ページ目でございます。そして、この3年の勤務経験でございますけれども、この特例ができてから3年にするのか、これまでの過去の勤務経験も踏まえるのかどうかというところでございますが、これは過去の勤務経験も含めて評価してあげたらどうかというような意見であったということでございます。これは、現行の教育職員検定も同様の制度でございますが、それと同じような扱いとしたらどうかということでございました。
(3)の対象施設でございます。今回の特例はいわゆる円滑な移行の促進ということでございますが、いわゆる公教育の直接の担い手である教員の資格を定め、その資質能力を一定の水準以上に確保するという、これが免許制度の趣旨でございますが、このような免許状の性格に鑑みれば、特例の適用範囲は目的を実現するために必要最小限のものであることが適当であるということでございます。
下から二つ目の丸でございますが、保育士としての勤務経験の内容は、幼稚園教諭の免許状取得のために必要な授業科目の内容と重なるとみなすことが可能なものであることを条件とすることが適当である。そのために、本検討会議では、5ページの下のマル1からマル4のメルクマールを設け検討を頂いたところでございます。
6ページを御覧いただければと思います。このメルクマールに照らした場合でございますが、該当する施設としては以下のとおりでございます。一つ目が、まずは認可保育所。これは小規模保育所、夜間保育所、認定こども園――認定こども園のうち幼保連携型認定こども園、そして保育所型も含むということでございます。それと、認可保育所以外の施設でも、認定こども園の幼稚園型、地方裁量型、そして幼稚園に併設される認可外保育施設、へき地保育所、認可外保育施設指導監督基準を満たす施設。ただし、これは一時的な利用を中心とする施設を除くというものでございますが、こういう施設、マル1とマル2の施設が対象になるということになります。
なお、平成27年度から子ども・子育て支援新制度において、児童福祉法に基づく新たな事業として、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事務所内保育事業、この四つが創設される予定でございますが、この事業においては、それぞれの資格の扱いも含めてですが、どのようになるかはこれから検討するということでございますので、その基準内容が明らかになった時点で上記のメルクマールに照らして整理をすること。ここでの勤務経験を対象にするのかしないのかというのは、その基準が明らかになった時点で整理をするということとしたいと思っております。
また、幼稚園における預かり保育についても、幼稚園教育要領に基づいて継続的な教育活動に携わっているということで、最低在職年数として評価することが適当であるということでございます。
6ページ目の最後、単位数の扱いでございます。最低単位数の検討に当たっての視点ということでございますが、7ページの下の方、マル1、マル2を御覧いただければと思います。単位数の検討に当たっては、二つの視点を持つことが重要である。一つが、満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児に対して学校教育を保障する観点から、学校教育を担う保育教諭等として必要な最低限の知識・技能は確実に学んでもらう必要があるということ。一方で、この特例が幼保連携型認定こども園制度の円滑な導入を図るということを目的としていることに鑑み、幼保連携型認定こども園への移行を検討している保育所等に勤務している保育士にとって過度な負担とならないようにする必要があること。この両者のバランスを考えながら単位数を決めていく必要があるということでございます。
8ページ目以降が具体的な内容、そして単位数でございます。それぞれ文章で記載されてございますが、13ページに表をつけさせていただいてございます。この13ページの表と照らし合わせながら御覧いただければと思います。免許法上、教職に関する科目として、教職の意義等に関する科目というものがございます。これは、教職の意義及び教員の役割、教員の職務内容、進路選択に資する各種機会の提供と、この三つの内容を含めることとされております。
まず、教職の意義及び教員の役割でございます。8ページの三つ目の丸でございますけれども、教員の使命、職責等を理解することは、幼児に対する学校教育を担う保育教諭としては不可欠であり、また、保育士としての勤務経験によって修得することは難しい内容であることから、本特例においても2単位分の履修を求めることが適当であるという結論に至っております。そのため、教職の意義及び教員の役割、また教員の職務内容――これは研修や、服務、身分保障、そういうのを学ぶ内容でございますが、ここについてはしっかりと学んでいただくということでございます。
ただ、進路選択に資する各種機会の提供等については、教職課程を履修する学生の進路選択に資するよう、学校現場の教員を招いて話を聞いたり、学校現場体験等をしたりする機会を大学等が提供するものであって、本特例が既に保育士である方を対象にしていることに鑑みると、特に履修を求めないとすることが適当であるということでございます。
次に、教育の基礎理論に関する科目でございます。これは、いわゆる教育原理などと称されるものの教育の理念、並びに教育に関する歴史及び思想、そして幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程――これは教育心理学などの科目でございます。それと、三つ目は、教育に関する社会的、制度的、又は経営的事項、この三つの分野を含むこととされてございます。
8ページの下でございますが、まず、教育の理念並びに教育に関する歴史及び思想については、これは保育士養成課程においても教育原理というものが扱われているというのが現状でございます。
9ページでございます。また、先ほど申し上げました教育心理に該当する科目でございますが、これについても、保育の心理学というものを保育士養成課程においても4単位分既に修得しているということでございまして、重なるところもあるということで、特に履修を求めないとすることが適当である。
一方で、9ページの二つ目の丸でございますけれども、例えば幼稚園の場合、学校教育法に基づき自己評価を行うことが義務づけられており、また、自己評価を踏まえた学校関係者による評価に努めることとされているなど、学校教育としての質の維持・向上に向けた制度が整備されていること。このような幼稚園の学校としての質の維持・向上にかかわる制度的事項や、地域住民に開かれた信頼される学校づくりのための学校・家庭・地域の連携・協力等について理解することも、学校教育を担う者としては欠かせないというような御意見もございました。そのようなことで、教育に関する社会的、制度的、又は経営的事項については2単位分履修を求めることが適当であるという整理とさせていただいております。
続きまして、教育課程及び指導法に関する科目でございます。これは、教育課程の意義及び編成の方法、いわゆるカリキュラム論でございますが、そういう内容と、保育内容の指導法、個別の領域の指導法、そして教育の方法及び技術という三つの分野を含むこととされてございます。
まず、教育課程の意義及び編成の方法でございます。9ページの一番下の丸でございますが、各幼稚園においては、関係法令や幼稚園教育要領の示すところに従い教育課程を編成し、幼稚園教諭は、幼児の自発的な活動としての遊びが重要な学習であることを考慮し、適切な施設設備のもとに、遊びを通した総合的な指導を組織的・計画的に行っていると。特に、昨今は、幼・小の円滑な接続、また、子供の発達や学びの連続性を確保する観点から、学校教育としての目的・目標の連続性、一貫性、幼児期と児童期における教育課程の構成原理や、それに伴う指導方法等の違いを理解しつつ、小学校教育へのつながりを見通して幼児期の教育を実施することも強く求められていること。
このような、小学校等の幼稚園以外の学校も含めた教育課程の意義や編成の方法、また指導法等については必要不可欠な知識であって、本特例においても履修を求めることが必要であること。ただ、いわゆる5領域と言われている領域については、勤務経験を通じて理解していると考えることも可能であるため、幼稚園教育要領において特に重視されている遊びを通した総合的な指導法について取り扱うことが適当であること。
以上を踏まえると、教育課程の意義及び編成の方法を1単位分、保育内容の指導法と教育の方法及び技術を合わせて2単位分とすることが適当であるというような整理とさせていただいております。
続きまして、生徒指導、教育相談及び進路指導に関する科目でございます。これは、幼児理解の理論及び方法、教育相談の理論及び方法という、この二つの分野を含むものでございます。10ページの下から二つ目の丸の2段落目でございます。幼児を理解することが保育の出発点であり、そこから一人一人の幼児の発達を着実に促す保育が生み出されること。また、保育をよりよいものに改善するため、幼稚園の教育は指導の過程について実践を通じて評価を行う必要があるが、評価に当たっては、幼児の生活の実態や発達の理解が適切であったかどうかなどを重視することが大切であるということでございます。
11ページの二つ目でございます。このため、本特例においても、幼児理解の理論及び方法は不可欠な知識として履修を求めることが適当である。ただし、本特例では、小学校就学前の幼児を対象に、保育士として勤務をした者を対象としているということでございまして、幼児理解に関する経験もある程度積んでいるというところもありますので、単位数については、2単位ではなく1単位とすることが適当であること。一方で、教育相談のような相談業務についてはかなり保育士さんも実務経験の中で行っているということで、特に履修を求めないとすることが適当であるということでございます。
続きまして、教育実習でございますが、本特例が、何度も申し上げますが、現職保育士にとって過度な負担とならないように配慮する必要があること。また、保育士としての勤務経験があるということから、特に履修を求めないとすることが適当である。
また、教職実践演習についても、教職実践演習の趣旨を踏まえると、これについても特に今回は履修を求めないとすることが適当であるということでございます。
12ページでございます。教科に関する科目でございますが、これも保育士養成課程において、保育の表現技術として最低限、音楽や図画工作等について学んでいるということもあり、特に履修を求めないとすることが適当であること。あわせて、13ページの表の右下に書いてございますが、1種、2種、それとも8単位という要件とさせていただいているところでございます。
最後に留意事項でございます。今後、各大学において、本特例に基づく授業科目が順次開設されることとなりますが、授業科目の開設に当たっては、本特例の対象者が主に保育所等で勤務する保育士であることに鑑みて、新たな幼保連携型認定こども園制度や、幼稚園と保育所の比較等、子ども・子育て支援に係る最新の情報も含めて取り扱うようにする必要がある。また、教育に関する社会的、制度的、又は経営的事項の学修に当たっては、日本国憲法の内容――とりわけ教育を受ける権利や、これも踏まえた学校教育制度の役割に関する内容が取り扱われるよう留意することが必要であること。幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担っており、幼稚園教諭に求められる資質能力もますます高まっていることに鑑み、本特例により幼稚園教諭の普通免許状を取得した場合であっても、研修等を通じ、不断に幼稚園教諭としての資質能力を向上させるよう努めることが重要であるというふうにまとめさせていただいてございます。以上になります。

【無藤主査】
ありがとうございました。ちょっと私の方で補足させていただきたいと思いますけれども、本検討会議では、保育士資格を有する者が幼稚園教諭の免許状を取得する場合の在職年数、単位数等の特例について、3回にわたり御議論いただいてきたわけでございますが、その際に既に何度も出てきております、今の報告にもございますけれども、特に配慮すべき観点といたしまして、保育教諭として最低限必要な知識、技能を確実に学んでいただきたい。2番目に、新たな幼保連携型認定こども園制度の円滑な導入のために、現職保育士の方にとって過度な負担にならないようにしたい。その二つの観点によって議論を進めてきたわけです。
これまでの審議の過程及び保育士課程等の検討会における議論も踏まえまして、最終的には次のようにまとめたわけです。すなわち求める在職年数を3年、かつ4,320時間。そして、2番目に、勤務経験を評価する施設として四つのメルクマール――報告書にございましたが、に該当する施設。つまり、認可保育所及び認可外保育施設のうちの一定の要件を満たす施設となります。そして、3番目に、単位といたしましては全て8単位にそろえるということにしたわけでございます。
また、最初に御報告があったとおりですが、厚生労働省における保育士課程等検討会議において、幼稚園教諭に対する保育士資格付与の要件についても同様の議論がなされたわけです。すなわち、そこでは求める在職年数が3年、かつ4,320時間。そして、2番目に勤務経験を評価する施設としては幼稚園、認定こども園、保育所、特別支援学校幼稚部などとしてあります。そして、3番目に、単位数は全て8単位ということでありますので、基本的に今の報告書案にありますとおりの整理と同様でございます。ということで、私どもの会議と、厚生労働省の会議と、歩調を合わせた形で整理させていただきました。
ちょっと補足いたしましたけれども、先ほどの報告案につきまして、御質問なり、御意見なり、ございましたら、お手をお挙げください。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございます。どうぞ。

【渡邉委員】
保育士検討会の方にも出ていた関係もあるのですが、とりあえずこの報告書、今ざっと見た中で話をしたいのは、一つは経験すべき対象施設についてです。横浜市の私立幼稚園では横浜型預かり保育をやっていたりするのですが、預かり保育のところは、保育士が入っても一応認めているとすると、幼稚園というのをここには書かなくても、前提としては認めているかどうかというのが大丈夫かなと思いました。預かり保育だけとか、バスに乗っていますとか、そういう形で、例えば幼稚園の保護者の方で、何か資格を取りたいという方がいて、保育士の資格の方が取りやすいから、通信で取って、どこか就職できないかという話も出てきたりすると、その方たちが例えば預かり保育とかに関わっていたときに、幼稚園ときちっと入れていないのはどうなのかということです。
それから、これは10ページが多分一番分かりやすいのですけれども、生徒指導、教育相談及び進路指導に関する科目というところで、僕は割にすっと読めてしまうのですが、幼稚園にずっと「保育は」という言葉が入っています。下から5行目のところには、「すなわち、幼児を理解することが保育の出発点であり」というところがあり、下から3行目には、「また、保育をよりよいものに改善するために、幼稚園の教員は」というふうに、ぽん、ぽん、ぽんと「保育」が入っていると、僕はそのまますっと読んでしまいますけれども、文科省と厚労省としては良いのかどうかということです。「保育」ということが大事なんだというのは、学校教育法にも載ってはいるんですけれども、保育という言葉の他に、「養護」とか、「社会的養護」とかいう、いろいろな教科の名前の中でも「保育」という言葉が使われているときに、こういう使われ方でいいのかどうかというのを確認したいことであります。

【無藤主査】
ありがとうございます。2点ございました。2番目は保育という用語で、ちょっと事務局から何かコメントしていただきたいと思いますけれども。最初の方が6ページの真ん中よりちょっと下の保育士資格のみ有する者が、幼稚園で預かり保育を担当している場合に、それを認めるということですが、そのあたりのことでしょうか。

【渡邉委員】
書かなくて良いのかどうかということです。

【竹林幼児教育企画官】
渡邉委員、どうもありがとうございました。実は御指摘の点は、今私が理解した限りでは、この同じ6ページの三つ目の丸に書いてあります点かなと思っております。もともと保育士が典型的施設ということで、一つ目の丸に福祉系の施設を並べておりますけれども、当然御指摘のように、幼稚園の預かり保育の時間に保育士資格を持った方がいらっしゃると。幼稚園に近い環境という意味では、当然むしろ保育所以上に幼稚園の預かり保育の時間は近いわけですから、ちょっと扱いを変えて三つ目の丸の方で、ちょっと見えづらいのですけれども、幼稚園における預かり保育を担当している保育士も、当然勤務経験として評価すべきだというふうに書いたつもりです。
もし、それでよろしければ、ここに書いてあるということでよろしいでしょうか。

【渡邉委員】
はい。

【無藤主査】
よろしいでしょうか。それでは、もう一つ。

【竹林幼児教育企画官】
よろしいでしょうか。2点目の方でございます。確かに先生、ここは非常に難しいところではあるのですけれども、今回、新しい子育て支援の制度の中で、幼保連携型認定こども園を新しく衣替えする際に、その法律の中では保育と教育の用語を整理する必要がありましたので、その法律の中では、認定こども園法の中では教育というのは学校教育のことを指し、保育というのは児童福祉法の保育を指すということで、認定こども園法の中ではそういう整理をさせていただきましたけれども、先ほど渡邉委員もおっしゃったように、学校教育法は今回改正しておらず、引き続き学校教育法には、幼稚園の教育の特性を示す言葉として保育という言葉が残っておりますので、幼稚園における保育というもの自体は、引き続き法律上の位置づけを持ったものとして残っておりますので、そういうことをよく御存じない、例えば保育の関係者が御覧になったときに若干の違和感を抱く可能性はあると思うのですけれども、法律の根拠に基づく保育という意味では、これは保育所の保育とは若干意味内容が異なりますけれども、書いてあって問題ないものなのかなと理解しております。

【無藤主査】
よろしいでしょうか。

【渡邉委員】
はい。

【無藤主査】
ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

【秋田委員】
大変4回という限られた中で、きちんとした報告案をおまとめいただきまして、事務局の御努力には感謝申し上げたいと思います。
ワーディングの細かな点で、2点だけ確認させてください。12ページの留意事項の最後の丸でございます。「幼児期の教育は」と書かれていて、「本特例により幼稚園教諭の普通免許状を取得した場合であっても、研修等を通じ、不断に幼稚園教員としての資質能力を向上させるよう努めることが重要である」と書かれています。これは、私どもは保育教諭というものが新たに生まれるための免許の併有を促進するためにこの特例を設けるので、他に幼稚園の免許状を取ったから、幼稚園教員としての資質能力を向上させるのではなく、保育教諭としてふさわしい能力を向上させるためにこの案がつくり出されたのではないかと思うのですが、ここをあえて幼稚園教諭と書かれているのはどういう理由があるのかということを、1点は伺いたい。それは目的に鑑みてということでございます。
2点目は大変細かなことでございます。6ページ目ですが、子ども・子育て会議があって、今後新規の4事業について、今年度恐らく検討がなされるのだろうと思いますが、その基準内容が明らかになった時点でメルクマールに照らして整理すると書かれています。整理をしてこういう会議を開くのか、整理して、当てはめて、それをみなしていくというふうに、ここで私どもは了解をするとか、座長に一任するという扱いになるのか、このあたりの処置について、整理するとは書かれているのですが、整理してどうなるのかということを参考までに伺えればと思います。以上です。

【無藤主査】
ありがとうございます。今の2点、事務局からお願いいたします。

【松本専門官】
失礼いたします。ありがとうございます。1点目の御指摘でございますが、確かにこれまでの議論の中で、保育教諭としての資質をいかに担保していくのか、高めていくのかということの、まず大前提の議論をしていただいたと思っております。特に1回、2回でです。そういう意味では、ここの12ページの記載というのは、幼稚園の免許状を取得するという観点からは、幼稚園教員としての資質というようなことで書かせていただきましたけれども、本特例の趣旨とすれば、これは保育教諭の資格の併有促進という観点でございますので、ここは保育教諭という記載ぶりの方がより適切なのかなと考えてございます。そこは修正をさせていただきたいと思っております。
二つ目の御指摘でございますけれども、ここについてはまだ具体的にどのような内容であるかというところが決まっていないというところで、どのように検討するかというのもまだ具体的には検討していないところでございます。ここについては、基本的にはメルクマールというものを随分議論していただきましたので、メルクマールに照らして、適合するかどうかということについて事務的に整理をさせていただきたいと思っている次第でございます。

【無藤主査】
ということなのですが、とりあえずよろしいですか。

【秋田委員】
どうも、明確なお答え、ありがとうございます。1点目については、私は保育教諭の方が適切かと思っておりますので、事務局で差し支えがなければ、そのように修正いただければと思います。2点目も了解しました。

【無藤主査】
はい。1点目といいますか、保育教諭としてか、幼稚園教員としてかというのは、保育教諭で、もちろんこの報告書の趣旨は一貫すると思いますけれども。ただ、この特例を通じて幼稚園教諭免許を取得した方が、必ず保育教員にならなければならないということはどこにも書いていないので。つまり、単純に幼稚園に勤める方もいらっしゃるはずなので、そういう意味では、実態としては幼稚園教諭としてしっかりやってねという精神が見える方がいいです。要するに保育教員ということで頑張ってねということが中心だけれども、保育教員にならなければならないという意味合いで受け取られるとちょっと困るので、そこら辺はちょっとした日本語の問題だと思います。よろしくお願いします。
ほかに。どうぞ、大森委員。

【大森委員】
12ページの留意事項の最初の丸のところですが、できた後のことにつながっている部分なんですけれども、今後各大学においてというふうに限定しているわけですね。

【無藤主査】
そうですね、大学以外があり得るわけですね。

【大森委員】
どうなのか、「等」と入るのか何なのか。

【無藤主査】
幼稚園教員養成課程を持っているのが大学だけではないということですね。

【大森委員】
はい、そういうことです。

【無藤主査】
その点は何か意味があっての書きぶりでしょうか。あるいは、「大学等」の方がいいのか。

【松本専門官】
ありがとうございます。実は、大学か、大学等かというのは整理させていただいたつもりではございましたけれども、ここは確かに御指摘のとおり、どこで単位を取るかというと、大学がまず中心にはなると思いますけれども、例えば教育委員会が開催している認定講習とか、そのようなもので単位を取る場合も考えられます。その場合は、もちろん大学が協力することが前提になっているわけでございますけれども、主体は大学ではないわけでございますので、そういうところでも同じように留意をして、授業を開設していただく必要がございますので、ここは「等」をつけさせていただきます。

【大森委員】
それともう一つ、よろしいですか、質問。

【無藤主査】
はい。

【大森委員】
その後に続きまして、「本特例に基づく授業科目が順次開設されることとなるが」とありますが、これは例えば大学が主体になって講座を開く場合、既設の科目を流用といいますか、ここの部分のこれと、ここの部分のこれということが可能なのか、それはここの表現ではちょっと触れていないので、その点について。

【松本専門官】
最初の議論の中で、既存の教職課程の科目を使うのか、それともこの特例のために新たにそのプログラムをつくっていただくのかという議論があったときに、結論として、やはり効率的により必要なことを、ぎゅっと圧縮した形で履修していただくには、特別プログラムの方が良いというような御結論を頂いたと認識しております。そういう中では、今回の元々の教職課程では、少し多過ぎて学ぶところ、また足りないところ、そういうものがございますので、元々ある教職課程の内容はもちろん参考にしていただきながら、この現職保育士さんのためにそれぞれ科目を設定、開設していただくことになろうかと思います。

【無藤主査】
よろしいでしょうか。

【大森委員】
はい。

【無藤主査】
ほかにございますか。どうぞ。

【大坪委員】
今、明快にお答えいただいたのですっきりしたのですけれども、やはり大森委員と同じ感触をちょっと最初受けたものですから。特に13ページの表でいえば、教育課程の意義及び編成のこの1単位分のところは、既設科目であれば、大学によってはその上の欄とドッキングして課程認定を受けている場合がままあるんです。そうなると、ちょっとややこしい問題が生じるということもあって、今日は全て新設の科目に基本的にはなるということの確認をさせていただければなというふうに感じでおりました。

【無藤主査】
ただ、新設の科目でなければならないとしているわけではないですね。

【松本専門官】
既設の科目で、例えば教職課程の意義及び編成の方法で、1単位分の科目を開設していたとすれば、それを活用していただくことも当然あろうかと思います。

【無藤主査】
はい。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【荒木委員】
先ほどの12ページの最後の2行のところで、秋田先生が幼稚園教諭ではなく、保育教諭というふうにおっしゃったんですけれども、保育教諭というのは、2ページにありますように園児の教育及び保育をつかさどる職であって、免許は幼稚園教諭の免許状だとすると、このままの方がいいのかなと。研修をやはり、ちゃんと質を落とさないように、軽減した措置ではあるけれども、それによって資格、免許状を取ったのだから、今後も研修を積んでいきましょうという留意事項をつけるということは、必要なことではないかなと、私は直さない方が良いような気がいたします。

【無藤主査】
はい。よく分からなくなりましたけれども、報告書の最後としては、保育教員としてしっかりやってねというのがあった方がつじつまが合う気がしますが、免許状として、確かにおっしゃるように幼稚園教諭ですので、その免許状にふさわしくしっかりやっていくのだということも必要な気がするので。両免併有と言いますか、両免というものを書き込む必要はあろうかと思います。

【秋田委員】
今の両免、免許状を取るということについての、幼稚園教諭としてのということは分かるのです。ただ、本報告書は、幼稚園教諭を増やすために保育士さんに免許状の単位を与えるということが主の目的では全くないわけなので、やっぱり一文を書いて、更に最後にでも、やっぱり保育教諭としてこの措置をとることによって、更に保育教諭が増え、資質向上に努めていくというような一文で最後きちっと閉じていただけるとよろしいかと。最後が幼稚園教諭で終わるというのは、ちょっと納得がいかないというふうに思います。

【無藤主査】
はい。それは、この報告の範囲がどの程度を含むかということにもあるので微妙なんですけれども、厚生労働省の方でもお作りいただいたものと全体を合わせれば、要するに保育教諭として、いずれにしてもやってくださいとなるわけです。その場合の保育教諭というのは、幼稚園教諭としての特徴と、保育士としての特徴、合わせたものとして頑張りなさいということだから、秋田委員のおっしゃるようなことを最後に加えることは必要かなと思いました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。はい、砂上委員。

【砂上委員】
12ページの一番下の注釈の5のところについてちょっと確認させていただきたいんですけれども、教員養成の大学の方では免許法の認定講習等もやっているのですが、それの単位をもって替えることができるとも書いてあるのですが、この場合、単位数の整合性というのは、例えば今回の特例ですと、幼児理解の理論及び方法は1単位となっているのですが、免許法の認定講習等で、あるいは既設の大学の科目で2単位で出しているところが多いかとは思うのですが、特例では1単位取らなくてはいけないけれども、流用する場合は、多い場合には問題はない、2単位で取っていて問題はないという形でしょうか。

【松本専門官】
失礼しました。この5の注なのですけれども、すみません、先ほどの説明とちょっとぶれるところがあるのですけれども、「各大学において、本特例に基づく授業科目が開設されることとなるが」で注がついてございますけれども、実はこの注は、免許法の規定をそのままここに転記させていただいている形になっておりますが、大学において基本的には2単位とか、1単位とか、通常の教職検定の場合でも、今回の特例の場合でも、取らなければいけないのですけれども、ここで取った単位については、この通信免許法認定講習とか、免許法認定公開講座とか、そういうもので取った単位でも使えますよということをここに表現をさせていただいているという意味でございます。

【無藤主査】
ですから、最低限の単位を含め、最低限の内容を含めて、もうちょっと余分にやったからといって、別に何の問題もないですよね。
要するに認定講習で2単位分とかたくさんやった中に、1単位分に相当するものがあればいいわけですね。ぴったり1単位でなきゃならないということはない。

【松本専門官】
恐らく各自治体のニーズに応じて――認定講習というのは教育委員会なり、各大学が開設するのですけれども、例えば区立保育所の、また、市立の保育所の保育士さん対象に、教育委員会の方で認定講習の講座を開設しましょうということも、今回あるかもしれませんけれども、それは今回、特例のために1単位分の教育課程編成及び意義の教育カリキュラム論、その科目を開設していただくことになって、その1単位を取った場合は、大学では改めて取る必要はないということになります。

【無藤主査】
はい、それはわかります。

【砂上委員】
それでは、多めに取っておいても、単位の整合性ということで。

【松本専門官】
そういう意味では、多めに取る分には構わないと思います。それは通常の教職課程と同じだと思います。

【砂上委員】
はい、ありがとうございました。

【無藤主査】
ほかにはございますでしょうか。大体よろしいでしょうか。

【竹林幼児教育企画官】
申し訳ございません。ちょっと今改めて見て気づいたところなんですけれども、6ページの対象施設のところでございます。今のこの文章の整理は、一つ目の丸で、現行にある施設の施設類型について、メルクマールに照らしてこのあたりが対象になるということをお示しし、二つ目の丸で、新制度のもとでのいろいろな新しくできる制度についてはまだ基準が決まっていないので、その基準を見て、このメルクマールに照らして整理をすると。三つ目に、渡邉委員の御指摘の預かり保育が書いてあるという構造です。
実は、まさにこの特例の検討していただく基本となる改正後の新たな幼保連携型認定こども園、これは名前が一緒なのでちょっと混乱しがちなのですが、今の幼保連携型認定こども園は認可保育所と認可幼稚園の組合せなので、ここの1個目の丸であるような、認可保育所の中に括弧書きで、幼保連携型認定こども園を含むと書いてあってもおかしくないのですけれども、新しい法律でできる新たな幼保連携型認定こども園というものは、一応幼稚園からも、保育所からも独立して、認定こども園法に直接根拠に基づく新しい施設類型なんですね。それもある意味、当然幼稚園と保育所の機能を持つので、4類型に照らしたら当然当確なはずですけれども、まだ一応認可基準が決まっていないという意味では、二つ目の丸に該当する話です。5年間は片方の資格でいいことになっているので、理論上は、27年度に新たな幼保連携型の認定こども園ができて、それを生かして、保育士の資格だけを持った状態で働いていて、それで3年たって、この特例を使って晴れて両方の資格を取るということも、理論上も考えられるものですから。
ちょっと正確を期すと、二つ目の丸の中に、今なお27年度の施行予定の子ども・子育て新制度においてと書いている後にいきなり児童福祉法にいっていますけれども、その前に、「新制度において、改正認定こども園法に基づく新たな幼保連携型認定こども園や」というのをまず加え、そして、5行目にも、「今後国に設置される子ども・子育て会議において議論されることになるが」の後にも、「当該新たな幼保連携型認定こども園や、4事業に従事することとなる保育所の取扱いについては」という形で、要するに新たな幼保連携型認定こども園についても、明確に言及をした方がよりよろしいのではないかということを今ごろ気づいたものですから、もし主査はじめ委員の方々の御了承をいただけるようでしたら、ちょっと今申し上げたような加筆をさせていただければなと思っておりますけれども、よろしいでしょうか。

【無藤主査】
はい。それは当然な気がしますが、ただ、新制度における幼保連携型認定こども園について、改めてメルクマールに照らして整理というのは要らないですね、当然だから。

【竹林幼児教育企画官】
はい。もう100%、今の幼稚園と保育所をあわせ持つ機能を前提に基準はつくるので、100%当確なわけですけれども、一応、今後子育て会議で形式的には議論されて、今ものがないという意味では、一応二つ目の丸なのかなと。ただ、当然それはメルクマールをクリアするものが100%できてくるはずなのですけれども。

【無藤主査】
はい、わかりました。ちょっと具体的な文章としてどう入れるか、ちょっと事務局で作りますけれども、趣旨としては十分御理解いただけるかと思います。よろしいでしょうか。どうぞ、砂上委員。

【砂上委員】
今の6ページのところに関しまして、先ほど渡邉先生から御指摘があったところで、預かり保育等を担当している方も含まれるように入るとあったのですが、幼稚園において保育士資格のみで勤められる方というのは、預かり保育だけに限定されない場合もあるのではないかというような想像といいますか、どのようなパターンがあるか分からないのですが、例えば特別な支援を要するお子さんであるとか、正規の担任という形ではないにしても、何かしら正規の教育課程の時間に保育をサポートするような形で勤務される方というのがいないとも限らないのかどうかという、その辺の現状がわからないので、預かり保育に限定した場合に、そういう方がもし漏れてしまうと、少し具合が悪いのかどうかというのがあるのですが。

【松本専門官】
失礼いたします。6ページのまさに三つ目の丸でございますけれども、実はこの3行目、いわゆる預かり保育等を担当している場合があるということで、このような先生御指摘の議論、想定もされましたので、あえてここで「等」を入れて、そういう方も読めるようにというふうに工夫をしているところでございます。

【無藤主査】
はい、非常に巧みにつくられた文章でありました。

【渡邉委員】
その点に関して、ちょっと確認だけ。そのことで僕はいいのですけれども、このメルクマールのときの、2番目の小学校就学前の幼児を対象としていることというときの幼児というのは、幼稚園は満3歳児保育というのをやっていて、認定こども園でも2歳から入園する子もいながら、満3歳児保育をやるとかいう話になってきたときに、幼児は満3歳児からというふうに完全に決めてしまうのか、2歳でも、誕生日前の子も入れるのかということです。ここで議論することかどうかは、ちょっとわからないのですけれども、ただ、イメージ的には2歳を担当している職員が次の年に3歳に上がってくるという感じが、認定こども園では多いんです。
3歳から幼稚園の子が入ってくるといったときに、結構子供たちは、やっぱり2歳から分かっている先生がいてもらったりすると、親も安心できるという意味では、今砂上委員が言っているみたいに、預かり保育だけではなくて、満3歳児保育とか、2歳からの保育を無認可でやっていたりというような認定こども園があったりするので、幼児というところがどこまで言うか、満3歳児というのではちょっと分かりづらいときがあるかなという思いがあります。

【無藤主査】
この「幼児」は何か年齢定義があるのでしたでしょうか。お願いします。

【竹林幼児教育企画官】
すみません、ここはメルクマールとして、少なくとも幼稚園の対象児である3歳から5歳がいることと。ただ、それ以外の年齢、例えば保育所であれば、むしろ2歳どころかゼロ歳から預かっているケースもたくさんあるので、厳密な意味で3から5だけという施設になると、むしろ世の中になくなってしまいますので。ただ、3から5は外さずにいると。プラスアルファで2歳や、1歳や、ゼロ歳がいる施設も含めて、3から5は必ずいるような施設というのをメルクマールに入れているので、だから、今渡邉委員がおっしゃったようなケースは、3から5はいらっしゃる前提で、2歳から預かるケースもあるよというお話ですね。そういうことは当然ここには読み込まれているという理解でおります。

【無藤主査】
はい。これは前に議論したように、保育所で例えば乳児ばかりやっていたらどうするとか、そういう細かいことではなくて、施設全体で考えると。逆に言えば、乳児保育所だけですとちょっと困りますよということですね。
ほかにはございますか。どうぞ、田中委員。

【田中委員】
今の質問と全然違って、預かり保育のところの質問なのですが、都道府県レベルでは、預かり保育等とか、特別支援の場合に、担当して私立で補助対象になるのは教諭に限られるんですね。

【竹林幼児教育企画官】

県によってですね。

【田中委員】
はい。それは国で決めているわけではなくて、県レベルで決めているという話で了解していいですか。

【竹林幼児教育企画官】
今の田中先生の御質問の件ですが、国の方ではまずルールは決めておりません。私学助成の助成要件としても、特に人の資格のことについては触れておりません。実態といたしましては、全国トータルで見ますと、預かり保育は7割の方が両方の免許を持った方でされている。2割が幼稚園の免許だけの方でされている。7、8%が保育士資格の方でやっているんです。無資格者というのも数%あります。
その上で、県によっては、私学助成を出すときの要件として、それも幼稚園教諭免許状を少なくとも持っていることが必要だという県もあるし、幼稚園教諭免許状プラス保育士資格、つまり無資格者でやらせるところには出さないよという県もあるし、そういうことを言わずに、無資格者も含めて実態として預かり活動をやっていたら出すという県もあって、そこは県によって幾つかの流儀があるように承知をしております。

【無藤主査】
ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかに。もうよろしいですか。
では、幾つか修正の意見を頂きましたけれども、おおむね微細な修正の範囲で可能かと存じます。まだまだほかにも御意見あろうかとは思いますけれども、本検討会議といたしましては、今日を最後とさせていただきたいと思います。頂いた御意見等に基づいた修文については、事務局とも相談しながら、本検討会議の報告書を最終的に私の責任で取りまとめさせていただきたいと思います。ということで、修文につきましては、私に御一任いただけますでしょうか。

 (「はい」の声あり)

【無藤主査】
ありがとうございます。
それでは、最後、委員の皆様から感想とか、今後に向けて希望すること、何でもいいのですが、一言ずつお願いできますでしょうか。それでは、順番ということで、秋田委員からお願いできますか。

【秋田委員】
4回お世話になりました。ありがとうございます。この資格を併用促進することによって、新しい形の認定こども園が更に進むと同時に、先ほども申し上げましたように、やはり最低限の資質を確保するための単位というものと、それを更に高めて学び続ける教師像をどうやって実現していくのかというところにつきましては、今後も是非とも御検討いただきたいと考えております。以上でございます。

【無藤主査】
ありがとうございます。

【荒木委員】
4回の会、ありがとうございました。短期間でここまでまとめられて、皆さんのお知恵がすばらしいなということを感じております。そして、先ほどのことでもありますが、本当にこの新しい保育、教育ということを進めるためにも、中身をしっかり持っていくということで、質の高い教育・保育が進められることをこれからも願っております。

【大坪委員】
鹿児島大学の大坪です。地方の立場で発言ができればと思っていたのですけれども、この制度自体が非常にグローバルな内容でしたので、むしろ現時点での幼稚園の免許状との整合性というところをどこまで担当できるかなという視点でずっと考えさせていただきました。認定こども園の制度というのが鹿児島のような離島、へき地がたくさんあるようなところでもいろいろな議論を重ねながら、実は鹿児島県で、以前の認定こども園制度の第1号認可を受けた保育園の園長が私のところの卒業生でしたので、そういうとことやりとりしながら、地方でのそういうところでのニーズ、今後もいろいろ見ていきたいと思っております。どうもありがとうございました。

【大森委員】
大森でございます。まだまだ20代の若い保育関係の方は相当幼保一体化について柔軟に受け入れていると思うんですが、30代、40代、50代の方は、やはり長年一つの枠の中で保育しているものですから、どうしても殻が破れないという感じがありまして、ただ、こういう時代なので、持っていない資格、免許は取りたいという意識はありますので、今回講習を通じて意識の面で幼保一体化というのが進むといいかなと思っております。以上です。

【砂上委員】
砂上です。4回の会議、先生方、また事務局の皆様、大変お世話になりました。今回の特例の検討を通じまして、私自身もまた保育者の資質というところについて新たに勉強、学んだところも多くございますし、今回決まった特例を今後養成校において円滑に、また充実した形で実施できるように取り組んでまいりたいと思います。以上です。

【田中委員】
御苦労さまでした。ありがとうございました。実質的にこれが動き出したときに大学にどれだけの希望者があって、その希望者に応じた運営がどうできるのかなということだろうと思います。恐らく県によってかなりばらつきがあって、ほとんど希望者がない県であるとか、かなり大量に集まる県であるとか、こういう問題が出てくると思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

【若盛委員】
私は認定こども園を実際にやってきております。10年以上たちます。ここでも、現場で、両の保育士、教諭を預かりながら実践をしておりまして、ようやく日本も大きな意味でいえば一本化して、昨日保育士に関してのときに申し上げたのですけれども、これが30年、50年たったときに、そのときにも当然こども園という、もちろん幼稚園や保育という言葉は残るかもしれませんけれども、こども園という一本化した名前が当たり前になっていく時代に向かうのかなという気がするんですね。
そのときに、私もそもそもそうですけれども、幼稚園だから文科省で4時間でということでもないし、保育所だから就労証明がなければ駄目ということでなくて、次の時代の子供をきちんと育てていくための保育をしていこうということで取り組んできたつもりでおります。先ほどおっしゃっておりましたけれども、20代の方々はこだわらないのでしょうけれども、やはり背後霊のごとく幼稚園だから教育であるべきだ、保育所だから働いていることが当たり前でしょう、平日は出られませんよというようなこだわりでなくて、やはり子供をきちんと国として責任を持って育てていきましょうという共通理念が、やはり必要ではないかなと思います。
秋田先生もおっしゃる、グローバル化して、OECDも含めて、本当に諸外国では当たり前に子供をどう育てていこうか、国の責任、大人の責任においてきちんと育てていこうよということだと思っています。ですから、是非未来に向かってというよりも、27年度以降のこの制度が確立した以降は、もちろん、それぞれの既存の歴史はあるにしても、子供は同じゼロ歳から、養護も含めて学びながら育っていっているという一般的な認識を持っていってほしいなと思っております。いろいろ勉強させていただきました。ありがとうございました。

【渡邉委員】
昨日も保育士の検討会の方で話はしたのですけれども、平成17年に、幼保一体化の施設を開園するときから、厚労省と文科省とか、そういう壁を感じながら、やっぱり二つの検討会に出ると、ちょっと雰囲気が違うと思っています。幼稚園と保育園が本当に一緒にやっていけるのかなと思ったりするところはあって。ただ一緒になればいいという話ではないんです。現場は結構大変になってきていて、やっぱり二つ一緒になったら、預かる時間が長くなってきたり、親の対応もそれぞれだったりとか、いろいろなことが大変になってきている。例えば今日の話の中で、幼稚園教諭は「教育」の資格なんだということをきちっと言うという話であれば、本当に今の子供たちの環境でいいのかという思いがあります。
幼稚園教諭に「環境」は大事ですよとか、保育者の子どもとのかかわり大事ですよと言う。では、それの待遇はどうなっているのとか、環境が貧しくて遊びがないところで、例えば、外で遊べない福島の子供たちに何が起こっているかということが新聞に騒がれていたり、昨日は千代田区が公園で週に1回ボール遊びをしていい日をつくったというぐらいに、思い切り遊べていない子供たちがいる。そういう現状の中で、本当に乳幼児期の、特に3、4、5の育ちをどう保障するのというのが真剣に語られながら、幼稚園教育が担ってきたこととは、遊びの中で集団性とかをちゃんと育てていこうということです。それをこのような制度できちっと位置づけていくということを大事にするなら、今の保育園の人たちが認定こども園に移ろうとしたときに、そのことがきちっと保障されるというような制度。ある意味では、現場を支えてくれるという制度になって、日本の子供とか、横浜だったら、横浜の子供たちが幸せになっていくためには資格も必要だし、更にどういう制度が必要かということを考えていく。多分その発端のスタートの会議だとは思うんです。
現場とすれば結構危機感を持っていて、大学の4年生が卒論で園庭のない保育園に子供たちがどう過ごしているか、一生懸命調査して入ったら、近くの神社とか、いろいろなところに行きながら、また、町会長に怒られながら、それでも一生懸命園庭の代わりを見つけて使っているんです。でも、自由には使えない。そういう問題をいっぱい現場で抱えている中で、保育者に、資格はちゃんと取りなさい。それも今の働き方の中でプラスアルファで取りなさいって、言っても取れないですよね。
それから、横浜なんかは保育士を探そうとしてもなかなかいない。これから幼稚園とかが認定こども園になっていくときに、保育教諭というのがどのくらいいてくれるのかというような、いろいろな問題があったときに、やっぱり現場を支えながらいい保育ができるようにという形で制度設計をこれからしていただきたい。保育園と幼稚園一緒ということで両方の規制が入って、福祉と教育も大事ですよと言いながら、苦しくなってくるのは現場かなという思いは、両方の会議を聞きながら思っていましたそれでも、僕はどちらかといったら、今若盛委員も言われたみたいに、結果的には良いものができてくると思ってはいるのですけれども、そのいいものができてくるための産みの苦しみは、やっぱりみんなで考えながら、何が本当に大事かという議論を見失わないでやっていけたらいいなと思います。また、議論に関しては、どちらの委員会も一生懸命考えたので、この先のところで、本当に具体的な制度が、現場にとって、また子供にとって、より良いものになってほしいという願いも持ちながら、感想とさせていただきます。どうもありがとうございました。

【無藤主査】
ありがとうございました。それでは、座長をさせていただきましたので、一言私も御挨拶を申し上げます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席を頂きまして、本当に熱心な御審議を頂きましてありがとうございました。おかげさまで、幾つか細かい修正はございましたけれども、本日無事に報告書をまとめるという段取りまでたどり着いたわけでございます。
本報告を踏まえまして、今後、各大学等におきまして講座を開設するという段取りになるわけです。今後できる限り多く現職の保育士等の皆様方が大学などで単位を修得して、免許状取得の手続を行うだろうと予想されるわけです。この特例を実質的に機能させるためには、そういう意味では実務的なレベルに来年度移るわけですが、特に文部科学省におかれましては、各大学、自治体、また保育関係者等にしっかりと周知をしていただき、混乱がないようにこの制度の運用の準備を進めていただくようにお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、最後に布村局長においでいただいてございますので、御挨拶をお願いいたします。

【布村初等中等教育局長】
委員の先生方、本当にありがとうございました。今日、無事報告書の案を取りまとめていただきまして、厚くお礼を申し上げたいと思います。この検討会議は4回という回数ではございましたけれども、内容としては、質の高い学校教育の確保という側面と、円滑な移行、職員の方々の負担の軽減という両方の観点を念頭に置いていただくということ。
また、厚生労働省でも同じような形での検討を並行して審議を頂いたと、そういう大変難しい状況の中での御審議を頂いたと。結果としては、非常にバランスのとれた報告書の取りまとめにつなげていただいたということになりました。本当に心より感謝を申し上げたい思います。
今後、文科省としては、今無藤先生からもお話がございましたように、この報告書を踏まえまして教育職員免許法の施行規則の改正を行い、幼保連携型認定こども園に計画しておられる保育所の保育士さんなどの方々が円滑に単位の修得につながるようにと。そのためにも、各大学において授業科目を適切に開設をしていただいて、また、一方で特例の対象者に対する制度の周知、広報にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。その際には、本特例によって幼稚園教諭の免許状を取得しようとされる方々が学校教育を担う保育教育として必要な最低限の知識、技能というものが確実に修得いただけるようにといったところも、しっかりと確認をしていきたいと思います。
また、子ども・子育て支援の新制度がこの27年度からの本格的な施行に向け、この4月から国・内閣府の方にも子ども・子育て会議が設けられまして、幼保連携型認定こども園の基準、あるいは公定価格などの様々な論点について制度設計が詰められていくという予定になっております。認定こども園の保育要領の検討作業についても間もなく開始するという予定になってございます。こういう大きな節目の時期でございますので、文科省としても、この本日の検討会議の場合でも御指摘を頂いたところ、今日も率直なところを頂きましたけれども、それらをしっかりと受けとめまして、幼児教育、そして保育教諭のさらなる資質の向上という観点をしっかり持って、検討作業を進めてまいりたいと考えております。
改めまして、委員の先生方には、今後とも、子ども・子育て支援新制度の円滑な施行に向けまして、あるいは、また幼児教育のさらなる充実という方向で、引き続きの御理解、御支援、御指導をいただければということを最後にお願い申し上げまして、お礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

【無藤主査】
ありがとうございました。それでは、以上をもちまして本日の議題は全て終了となりました。どうもありがとうございました。

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