幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議(第1回) 議事録

1.日時

平成24年10月24日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館5階 5F3会議室

3.議題

  1. 子ども・子育て支援新制度について
  2. 本検討会議の検討事項について
  3. 今後のスケジュールについて
  4. その他

4.出席者

委員

無藤主査、秋田委員、荒木委員、大森委員、砂上委員、田中委員、福井委員、若盛委員、渡邉委員

文部科学省

布村初等中等教育局長、関審議官、高橋審議官、藤原教職員課長、茂里教員免許企画室長、竹林幼児教育企画官 ほか関係者

5.議事録

【松本専門官】  
 定刻となりましたので、ただいまから第1回幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議を開催させていただきます。
 本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、初等中等教育局教職員課専門官の松本でございます。冒頭、主査の指名をいたしますが、それまでの間、便宜的に私が議事を進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、会議の開会に当たり、文部科学省初等中等教育局長・布村幸彦から御挨拶を申し上げます。

【布村初等中等教育局長】  
 おはようございます。初等中等教育局長の布村と申します。幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 御案内のとおり、平成24年8月に、社会保障・税一体改革関連法案として、その中で子ども・子育て関連3法案が成立いたしました。その一つとして認定こども園法案の改正も行われたところでございます。
 この認定こども園制度につきましては、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ、また、保護者への子育て支援を行う施設として、平成18年の制度化、法律が制定されましてスタートしたところでございますが、幼児期の教育・保育を総合的に提供する先駆的な施設という位置づけで、保護者の方々からは評価をいただいているものの、認定件数は今年の4月で911件ということで、現状としてはまだ伸び悩んでいるという状況でございます。
 この認定こども園につきましては、4つの類型がございますが、特に、幼稚園と保育所両方の認可をあわせ持つ「幼保連携型」につきましては、学校教育法の学校、あるいは児童福祉施設法上の保育所という形で、それぞれの法体系に基づく認可・指導監督を受けていること。また、財政措置が2つの省から講じられているという「二重行政」の指摘が、その弊害の一つとして挙げられてございます。
 この新しい制度におきましては、この二重行政という課題に対応するために、幼保連携型認定こども園については、「学校、児童福祉施設としての位置づけを持つ単一の施設」と制度化されました。具体的には、認可・指導監督権限を一元化、一本化し、財政措置も「施設型給付」に一本化し、「二重行政」の弊害を廃しつつ、できるだけ多くの設置を目指していこうという流れになってございます。
 その法律の成立を受けて、今後、具体的な制度設計をしていくということになりますが、この検討会議もその一つとして位置づけさせていただくものでございます。
 この幼保連携型認定こども園につきましては、幼稚園教諭の免許状と保育士資格の両方を併有するということを原則とする保育教諭を新たに置く制度となってございます。幼保連携型認定こども園制度の円滑な導入につなげていくために、まずは、法の施行後5年間は片方の免許・資格でも保育教諭になることを可能とするという弾力的な運用がなされつつ、同時に、法の施行後5年間に限り、現職の保育士又は幼稚園教諭に対しまして、現職経験を評価しつつ、幼稚園教諭免許状又は保育士資格を付与する要件の特例を設けることというふうに規定されているところでございまして、この検討会議では、この現職の保育士に対する勤務経験を評価した上で、幼稚園教諭免許状を授与するというのに必要な、最低限学んでいただくべき内容ですとか、単位数、年数といったものを、専門的な見地から御意見をいただきたいと考えております。
 委員の先生方には、ご多忙のところ恐縮でございますけれども、新たな幼保連携型認定こども園制度の円滑な導入、また量的な拡充にもつながりますよう、その制度設計に御協力をいただきますようよろしくお願い申し上げたいと思います。
 そういった面でこの検討会議をスタートさせていただくに当たりましての挨拶にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 続きまして、この検討会議の委員を御紹介いたします。机上に配付しております配付資料の資料1をご覧いただければと思います。
 資料1は、本検討会議の設置要綱でございますが、別紙として、本検討会議の10名の委員の名簿を添付させていただいております。ご着席順に紹介させていただきたいと思います。

東京大学大学院教育学研究科教授・秋田喜代美委員でございます。

【秋田委員】  
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

【松本専門官】  
 全国国公立幼稚園長会会長・荒木尚子委員でございます。

【荒木委員】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 白梅学園大学教授・無藤隆委員でございます。

【無藤委員】  
 よろしくお願いします。

【松本専門官】  
 椙山女学園大学教育学部長・大森隆子委員でございます。

【大森委員】  
 よろしくお願いします。

【松本専門官】  
 千葉大学教育学部准教授・砂上史子委員でございます。

【砂上委員】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 光明幼稚園長、全日本私立幼稚園幼児教育研究機構理事長・田中雅道委員でございます。

【田中委員】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 鎌倉女子大学・同短期大学部学長・福井一光委員でございます。

【福井委員】  
 福井でございます。おはようございます。

【松本専門官】  
 認定こども園こどものもり園長・若盛正城委員でございます。

【若盛委員】  
 若盛でございます。よろしく、どうぞお願い申し上げます。

【松本専門官】  
 認定こども園ゆうゆうのもり幼保園長・渡邉英則委員でございます。

【渡邉委員】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 また、本日はご欠席でございますが、鹿児島大学教育学部副学部長・大坪治彦委員が、本検討会議の委員に就任されております。

 次に、文部科学省からの出席者を紹介いたします。

 初等中等教育局長の布村でございます。

【布村初等中等教育局長】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 大臣官房審議官の関でございます。

【関審議官】  
 関でございます。よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 教職員課長の藤原でございます。

【藤原教職員課長】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 教員免許企画室長の茂里でございます。

【茂里教員免許企画室長】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 幼児教育課でございます。幼児教育企画官の竹林でございます。

【竹林幼児教育企画官】  
 よろしくお願いいたします。

【松本専門官】  
 そして、本日司会を務めさせていただきます教職員課専門官の松本でございます。よろしくお願いいたします。

 次に、本検討会議の主査についてでございますが、無藤委員にお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

 (「異議なし」の声あり)

【松本専門官】  
 ありがとうございます。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、無藤委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【無藤主査】  
 今、主査に指名されましたが、無藤でございます。非常に重要な会議の主査ということですが、よろしくお願いいたします。
 局長の御挨拶にもあったような趣旨であるわけですけれども、特に、8月からこの間、私は現場で幾つか研修講師などもいたしましたが、そのときにいろんな質問、疑問が出るわけですけれど、その一つが、この、保育士だけ、あるいは幼稚園教諭だけ持っている人間については、将来どうなるのかという不安でございます。もちろん、いろんな措置があるというのは書いてはありますけれど、難しい試験を受けるとなると、私は通るのかと、非常に現場できちっとやれている、特にベテランの先生方ですけれども、そういう御懸念に対して、その方々の経験、あるいは現在発揮されている専門性を十分評価できるような形で、何とかいいものにできればと願っております。
 非常に緊急を要するといいますか、来年度以降すぐに動くということですので、ぜひ皆様方の活発な御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、配付資料の確認ということでよろしいでしょうか。

【松本専門官】  
 それでは、お手元にある配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第がございます。その次に、資料1として、今、主査が御説明差し上げた設置要綱がございます。資料2が、子ども・子育て関連3法案についてという制度の説明、3法の制度の説明資料でございます。続きまして、資料3、幼保連携型認定こども園における保育教諭の資格の取り扱いについて、そして、参考として、本検討会議に係る関係条文を添付させていただいております。資料4、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に係る論点について、その資料4の別紙1として、教員免許状の取得方法、別紙2、保育士資格取得方法、別紙3、教育職員検定における在職年数の例、別紙4、保育士資格を有する者の配置を求めている児童福祉施設等、別紙5、幼稚園教諭免許状と保育士資格に係る資格要件の比較。そして、資料5として、検討会議の今後のスケジュールを配付させていただいております。過不足あれば、事務局にお知らせいただければと思います。

【無藤主査】  
 よろしいでしょうか。
 それでは、早速議事に入ります。
 まず最初に、子ども・子育て関連3法につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【竹林幼児教育企画官】  
 幼児教育企画官・竹林でございます。それでは、お手元にあります資料2に沿いまして、この検討会の前段にあります制度改正の内容について、簡単に説明させていただきます。恐縮ですが、座って説明をさせていただきます。
 この子ども・子育て関連3法でございますけれども、9ページのほうに、これまでの検討経緯が書いてございます。御案内のとおり、幼稚園と保育所の関係につきましては、古くから議論がありまして、少しでも一体的な取組を進めるようにということで、いろいろな工夫がされてきました。平成18年10月には、認定こども園制度ができて、幼稚園と保育所の一体化の取組が制度的にも進められておりましたが、さらに、平成22年、今の政権になって、検討会議を設けて、検討が始まったところでございます。関連法案を今年の3月30日に、社会保障・税の一体改革のその一環ということで、消費税関連法案などとともに国会に提出をしまして、6月15日に与党民主党と野党自民党・公明党の間で修正の合意ができまして、その合意内容が含まれた法案を、6月26日に衆議院で可決、8月10日に参議院で可決ということで、成立しております。既に8月22日に公布をされ、最終的にその施行の日というのは政令で決まりますが、本格施行につきましては、消費税の10%への引上げというものをにらみながら、今、平成27年4月を念頭に置いて、施行の準備作業に入っているところでございます。
 制度改正の中身につきましては、またもとに戻っていただきまして、最初の1ページ目でございますけれども、大きな趣旨といたしまして、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育てを総合的に推進するということでございます。ここで総合的にというふうに書いてありますのは、従来、幼稚園は幼稚園、保育所は保育所でとか、教育は教育で、福祉は福祉でという形で、いろいろ施策を推進してまいりましたけれども、今後の国民のニーズにこたえていくためには、できる限り、幼稚園、保育所その他の支援も含めまして、共通の枠組みのもとで施策を推進していくということが重要ではないか、そして、国民にご負担をお願いして、新しくそこに財源をつぎ込んでいく必要があるのではないかというようなことでございます。
 大きな柱といたしまして、3つのポイントがございます。後ほど詳しく申し上げますが、幼保一体化の先進的な制度でございました認定こども園制度につきまして、いろいろ課題を指摘されておりました点につきまして改善をしております。
 2点目の大きな柱といたしまして、これまでそれぞれ子育て支援に関わる財政措置が、いろいろ縦割り、ばらばらでございましたけれども、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の財政支援の仕組みとして、「施設型給付」というものを創設する。そして、従来財政支援の対象になっていなかった小規模な保育事業等につきましても、「地域型保育給付」ということで財政支援の対象にするというものでございます。
 それから、幼稚園、保育所以外の様々な地域の子ども・子育て支援の仕組みにつきましても、事業のメニューを増やしたり、財政支援を強化するということでございます。
 おめくりいただきまして、2ページになりますけれども、そのような大きな柱をどういった枠組みで進めていくかということでございますが、まず、住民に最も身近な自治体であります市町村が、この制度を推進する主体となります。市町村は、地域の教育も含めた、地域住民のニーズをそれぞれ把握し、それに基づいて計画をつくる。そして、様々な給付や事業を組み合わせて、その地域のニーズにこたえていく、このような役割を担っております。それを国や県が重層的に支える。県の役割といたしましては、広域調整的なものもありますし、この検討会にも絡むような、人材養成というところでも、県の役割というのはあるのだと考えております。
 それから、そういう制度設計につきまして、国民の皆様に御負担をお願いして、消費税を引き上げる。その財源の一部をこの分野につぎ込んでいって、恒久的な財源としていくということでございます。
 それから、政府の推進体制につきましても、なるべく内閣府のほうにこの仕組みについての権限を集めまして、一元的な推進体制を整備していく。
 それから、子ども・子育て会議というものを設置いたしまして、自治体の代表の方、労使の代表の方、子育ての当事者、それから、何よりも子育ての事業をされている方々、それから有識者、こういった方々が集まりまして、この制度が想定されたとおりにちゃんと進んでいるかどうか、常にそのプロセスに関与し、評価をして、そして、問題があれば直していく、このような運営をしていこうと。地方自治体にも、同様の合議体をつくっていただくことについて、これは法律は努力義務となっておりますが、要請をしておるところでございます。
 具体的な制度設計ですけれども、共通の財政支援の仕組みということでは、子ども・子育て支援法という新しい法律をつくりまして、その主たるものとして、施設型給付と地域型給付をつくるということになっております。3ページでございます。施設型給付につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の制度に当てはめると、認定こども園でありますとか、保育所、幼稚園に共通の給付ということでございますけれども、この制度の枠組みに入ることで、園児の選考だとか、あるいは保育のとり方に少し制約がかかるところもございますので、幼稚園につきましては、この資料の左のほうに表現しておりますけれども、この新制度に入らずに、子ども・子育て支援法の仕組みに入らずに、従来どおり、私学助成等によって運営をしていく、そのような選択肢も認められているところでございます。
 それから、4ページに入ります。いよいよ本題に入ってきましたけれども、認定こども園法の改正でございます。こちらにつきましては、もうご承知の方には釈迦に説法ですが、まず現行制度のポンチ絵が左のほうに描いてございまして、現行の認定こども園制度は、それぞれ幼稚園の認可、保育所の認可をベースにして、4つの類型に分かれております。
 最も典型的なものが幼保連携型でございますけれども、これは認可幼稚園と認可保育所の組み合わせでございます。当然、それぞれ学校教育法、児童福祉法に基づく認可と、それに伴う指導監督を受ける。そして、財政措置についても、幼稚園の部分については、私学助成や保護者に対する就園奨励金の補助、保育所の部分は、市町村から運営費の補助が出るという形で、財政支援の仕組みも違っております。
 その他、幼稚園の認可のみあって、保育所の部分は、それに匹敵する機能があるが認可はないという幼稚園型、その逆であります保育所型、そして、幼稚園、保育所の認可はないけれども、それぞれ機能があると自治体が認めた地方裁量型という3類型がございますけれども、こちらにつきましては、この機能の部分に対する財政支援が非常に弱いということで、幼稚園型、保育所型の黄色で塗っております保育所機能、幼稚園機能につきましては、一応安心こども基金というもので財政措置をしておりますけれども、額が十分でないとか、恒久措置でないといった点で、なかなか事業者が安心して取り組みにくいという御指摘を受けていますし、地方裁量型に至っては、地方財政措置はしておりますけれども、国からの補助制度はないというような状況でございます。
 このように、現行の認定こども園制度につきましては、いろいろアンケートとかをとりますと、通っておられる保護者の方とか、始められた事業者の方には、いい制度をつくった、大変いい取組であるという評価は極めて高いのでございますけれども、今申し上げましたような二重行政の課題であるとか、あるいは財政支援が不十分であるという課題が指摘されておりまして、件数としては、直近のデータで911件というところにとどまっております。
 今回の制度改正におきましては、まずこの幼保連携型につきまして、もう幼稚園と保育所の組み合わせではなく、「学校及び児童福祉施設としての法的な位置づけを持つ単一の施設」という位置づけをしようということになっております。それによりまして、改正認定こども園法に基づき、認可も一本化、指導監督も一本化ということになります。それから、財政措置につきましても、先ほど申し上げましたような「施設型給付」ということで一本化されますので、そういう意味では、二重行政の課題は概ね解消されるのではないかと考えております。
 ちなみに、政府で提案したときには、認定こども園法の改正ということではなくて、総合こども園という新しい仕組みをつくろうという提案をしておりましたけれども、基本的なコンセプトは、議院修正後の認定こども園法の改正の新たな幼保連携型認定こども園に引き継がれておりますが、上の四角で書かれている2点、当初の政府提案では、保育所から総合こども園には、期限を切って移行を義務づけるとしておりましたが、そこが、幼稚園、保育所ともに手挙げ方式になるということですので、制度的には、恒久的に幼稚園、保育所と認定こども園が並存する形になります。そこが修正点の一つです。
 もう一つは、それに伴いまして、設置主体につきましても、改正後の幼保連携型認定こども園については、国、自治体、学校法人、社会福祉法人のみということになっております。ただ、現在既に幼稚園を経営されている宗教法人や個人の方は、移ってこれるということにはなっております。
 それから、既存の3類型につきましても、財政措置につきましては、「施設型給付」ということで、恒久的な財政支援が図られることになっております。
 この検討会に関わるのは、この新たな幼保連携型認定こども園でございます。5ページに概念図を書いておりますけれども、もう詳しくは申し上げませんが、例えば、今、幼稚園で、現実には共働き家庭のお子さんなども預かって、預かり保育という形でされているところも多いかと思いますけれども、制度的には、ここに書いてありますように、あくまで夕方までお預かりをしても、学校教育でございますので、夕方までの部分に、例えば、福祉的な目での、例えば保育士の配置とか、そういうものはございませんし、財政的にも、保育所と同じようなことをしても保育所並みの財政支援はないという状況でございますが、その辺が、幼保連携型認定こども園になれば、標準時間を終えて夕方まで預かる時間帯につきましては、児童福祉としての保育という位置づけも与えられ、保育所と同じ財政支援も出てくるということになりますし、逆に、保育所のほうが幼保連携型認定こども園に移った場合には、3歳以上のお子さんについても、現在は学校教育としての位置づけはございませんけれども、改正後は、少なくとも2時ぐらいまでの共通の時間については、そこは学校教育としての教育をやっていただくと、当然、幼稚園教諭の免許を持った方にそこは担当していただくということになるわけでございます。
 このような制度を回すための具体的な仕組みが、6ページ、7ページに書いております。詳しくは申しませんが、この検討会との関係で申しますと、6ページの下から2つ目の箱でございます。配置職員ということで、園長に続いて、保育教諭と書いてございますが、米印がありまして、この保育教諭につきましては、幼稚園教諭の免許状と保育士資格の両方を持っておられるということを原則にしております。先ほど申し上げましたように、一体的に運営する中で、3歳以上のお子さんに学校教育までやっていただく必要があるし、それから、夕方までお預かりするお子さんについては、福祉としてのケアもしていただく必要があるということになりますと、このような併有ということが必要になってくると考えております。
 ただし、7ページの下の欄外にあります主な経過措置等の最初に書いておりますけれども、また、先ほど無藤主査からもお話がございましたけれども、現状では、統計的に見ますと、大体2割から3割の職員の方が片方の資格しか持っていらっしゃらないという状況でございますので、まず1つは、施行後5年間については、片方の資格を持っている状態で保育教諭になれるという経過措置を打っているのが1点と、それから、その5年間の間に、片方の資格を持っている方が、もう片方の資格を持てるような特例措置を講ずるということも法律に書いてありまして、まさにそれがこの検討会で御検討していただく内容でございます。
 8ページにつきましては、二重行政がどのように新制度で解消するかということをまとめておりますが、もう詳しくは申し上げないことにいたします。
 それで、先ほど申し上げましたけれども、この制度、こういう新しい仕組みに切り替わる本格的な施行は、今、平成27年4月を念頭に置いておりますが、結局、27年4月からこの仕組みが円滑に回るようにしようと思いますと、職員の方の併有の仕組みは、もう少し前にスタートしていないと、なかなか事業者の方も、そういう仕組みがもうあるかないかで、幼保連携型に移ろうかどうかという判断に影響を与えますので、そういう意味で、この資格の併有促進のための仕組みは、本体の施行と法律上も切り離して、前倒しで施行できるようになっております。我々としては、できる限り早くこの仕組みについて皆様方の御結論をいただきまして、できれば25年度の早い時期には、もう世の中に明らかにして、大学などにもいろいろ講座を組んでいただいたり、準備をしていただく必要がありますので、できる限り早く世の中に周知して。もちろん、皆様方の検討の中身を制約するつもりはございませんけれども、本体施行よりも早くこの姿を明らかにする必要があるということは、お願いを申し上げたいところでございます。
 私からの説明は、以上でございます。

【無藤主査】  
 ありがとうございました。
今の子ども・子育て関連3法ということですけれども、何か御質問などあればと思いますが、いかがでしょうか。特段よろしいですか。よろしいようですので、それでは、次にいきたいと思います。
 次に、今度は、本検討会議の検討事項というのがございますので、御説明を事務局からお願いいたします。

【松本専門官】  
 それでは、資料3をごらんいただければと思います。
 ただいま企画官からも説明がございました、新しい幼保連携型認定こども園については、学校教育と保育を一体的に提供する施設であるということから、幼稚園免許と保育士資格の両方を持つことを原則としております。根拠条文は、参考として付けさせていただいております。その両方を持つことについて、参考資料を見ていただければと思いますが、参考資料を1枚めくっていただいて、後ろの第15条でございます。これは、いわゆる認定こども園法の条文でございます。第15条に、職員の資格という条文がございまして、ここで新たな幼保連携型認定こども園に置かれる職についての資格について規定されているところでございます。
 条文は省略いたしますが、ここで両方の資格を持たなければならないとなっておるわけでございますが、この認定こども園法には附則がつけられております。それが下の附則第5条というところでございます。この法律の施行日から起算して5年間は、幼稚園教諭の普通免許状を有する者又は児童福祉法の登録を受けた者、これがいわゆる保育士資格を有するということでございますが、このどちらかを持っている者は、主幹保育教諭等になることができるという規定がございます。これがいわゆる保育教諭の特例でございます。
 それにあわせて、最後のページでございますが、教育職員免許法もあわせて改正をいたしました。そして、その教育職員免許法というのは、教員の資格要件を定める法律でございますが、この免許法の附則第19項として、保育士の登録をしている者についての授与要件は、文部科学省省令で定めるというように規定しているところでございます。少し条文が複雑なので読み上げはいたしませんが、具体的には省令で定めるということを書いておるところでございます。
 資料3に戻っていただきまして、現在の幼稚園・保育所の現職のうち2~3割が片方の免許・資格しか所持していないということになっておりますが、おおよその規模感を把握するために、別紙1というのをつけさせていただいております。2枚目をごらんいただければと思います。
 幼稚園の場合は、現職全体では75%の方が、幼稚園と保育士資格の両方を持っているということ、逆に言うと、25%、2万4,000人余りでございますけれども、その方々は片方の幼稚園免許しか持っていないという状況でございます。また、新卒については若干パーセンテージが上がっておりまして、8割の方が両方の資格を持っているということで、22年度で見ますと、1,920名の方が片方の資格しか持っていないということになっております。
 逆に、保育所のほうでございますが、現職で言えば、76%が両方持っております。保育士資格しか持っていない方は、29万人の保育士全体のうち、22万人両方持っている人を差し引いた7万2,000人余りが、保育士資格のみを有するということになっております。また、新卒では、87%ということで、4,637名が片方の保育士資格しか持っていないというのが現状でございます。
 今回は、この下の欄の保育所の保育士資格しか有していない方々が対象になるというわけでございますが、また、最大で7万人強の方が対象になるということでございますが、保育所から新たな認定こども園への移行というのは、すべてが移行するわけではございませんので、最大で7万人以上ということで、その一部が対象になるかと思われます。
 そのようなことで、5年間だけ特例を限って単位数を軽減することについて、その要件を本検討会議で検討していただく予定としております。
 資料3の最後の枠でございますが、あわせて、幼稚園教員免許しか持っていない者に対する「保育士資格」の取得の緩和については、同様のスケジュールで、厚生労働省の保育士養成課程等検討会において検討し、今後、あわせて関係告示等の改正・公布をする予定としております。第1回検討会議は、一昨日の10月22日に開催されたというところでございます。
 続きまして、資料4の説明に入らせていただきます。幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に係る論点ということで、本会議第1回のメインの資料になります。
 まず、議論いただく前提を整理させていただいております。今回の目的は、これまでも説明を差し上げましたが、幼保連携型認定こども園、新しいこの制度の円滑な導入を図るということが1つの目的でございます。そして、その観点から、保育士資格のみを有する保育士に対して、保育士としての勤務経験を評価して、幼稚園免許状の取得要件を軽減させるというものでございます。
 その取得のスキームでございまが、別紙1をご覧いただければと思います。
 実は、教員免許状の取得方法というのは、大きく分けて2パターンございます。別紙1、1つ目でございますが、大学の教職課程を履修して取得する場合でございますが、原則としては、教員免許を取得するためには、大学に入学し、またその大学を卒業して、学位を取得するということに加えて、大学における教職課程を履修し、普通免許状をもらえるということになっております。大学院を卒業して教職課程をとれば専修免許状、4年制大学であれば一種免許状、短大であれば二種免許状ということになります。
 もう一つの取得方法として、教育職員検定というものがございます。これは、いわゆる1枚目の免許状をもらうためではなくて、既に免許状を持っている人が、2枚目の免許状をもらう場合の枠組みでございます。もともと基礎となる免許状を持っている方が、特に現職教員でございますが、教員としての在職年数を経て、大学において通常とる単位よりも軽減された単位を修得した場合に、新たな免許状がもらえるということでございます。よく使われる例は、二種免許状のみを有する方が、一種免許状に上げる場合、これを上進と申しておりますが、こういう上進の場合、また、他の教科の免許状を取得する場合や、幼稚園の先生が小学校の免許を取る場合、また、小学校の先生が幼稚園の免許を取る場合など、隣接校種と言っておりますが、その免許状を取得する場合には、この教育職員検定という手法を使うことができます。
 例えば、真ん中の下のほうの点線の囲みでございますが、在職年数を加味しているために、通常なら、例えば専修免許状を取る場合は、修士の学位を有していることと24単位の修得が必要でございますが、教育職員検定でございましたら、3年働けば、それが15単位に軽減されるというふうになっております。
 今回の特例については、この教育職員検定という枠組みを使って免許状を授与するというものでございます。下に書いております保育士資格を持っていること、そして、基礎資格を有していること、そして、それに保育士としての在職年数と大学における単位を経て、免許状を授与するというものでございます。
 資料4に戻っていただきまして、2ページ目をごらんいただければと思います。
 まず基礎資格のところでございます。これはいわゆる特例の対象になり得る者の資格でございますが、まず条文では、保育士の登録をしている者、保育士資格を有する者であること、また、学士の学位又は短期大学士の学位その他文部科学省令で定める基礎資格を有する者となっております。
 基礎資格については、保育士資格を有していることに加えて、幼稚園教員のいわゆる大学における教員養成の原則、それと、幼保連携型認定こども園の円滑な導入と、この両方を両立させるという観点から、学士の学位を持っている者、そして短期大学士の学位を有する者、その他、いわゆる短大ではなくて、専修学校卒業者など学士や短大を有していない者、この3つの区分に分けて、それぞれの在職年数、要修得単位数、そして、その単位の中身を検討することとするという前提で議論をいただきたいと思っております。
 その基礎資格のそれぞれを有する者に対して、下の学力及び実務の検定とございますが、いわゆる何単位求めるか、そして、在職年数を何年求めるかということになろうかと思います。
 そして、3ページ、論点を挙げさせていただいております。
 まずは、実務の検定でございます。これは、いわゆる在職年数のことでございますが、それぞれの基礎資格を有する者に対して、どの程度の在職年数を求めることとするかということでございます。
 別紙の3をご覧いただければと思います。既存の教育職員検定における在職年数の例とございますが、既に教育職員検定という枠組みがございます。その場合に、大体どれほどの在職年数を求めているかという例を示させていただきました。
 まず上進と言われる、二種から一種に免許状を上げる場合でございます。幼稚園の教諭の場合を例示させていただいておりますが、まず、いわゆる二種免許状又は臨時免許状ですが、基礎となる免許状を取得した後、教員として勤務した年数については、一種免許状を取る場合は5年、また、臨免から二種免許状を取る場合は6年という在職年数を求めているところでございます。そして、それぞれ、基礎となる免許状を取得した後、大学で修得することを要する単位としては、45単位求めているところでございます。
 一方で、隣接校種免許状取得の場合ということでございます。これは平成14年に、学校間の接続の議論になりまして、教育職員免許法が改正されて設けられた要件でございます。このように、新たに学校間の接続が必要だというような目的でつくられた場合でございますが、例えば、小学校普通免許状を持っている方が幼稚園の免許状を取得する場合については、3年の在職年数と、6単位を取得すれば、小学校免許を持っている人は、幼稚園の二種免許状が取れるということになっております。また、幼稚園又は中学校の免許状を持っている方が小学校の免許状を取る場合は、3年と、それぞれ13単位、12単位と、特に指導法に関する科目を中心に修得すれば、隣接校種の免許状が取れるということになっております。
 めくっていただきまして、学校栄養職員の栄養教諭の免許状の特例の場合というのを載せさせていただいております。これは、平成18年に栄養教諭という制度が設けられました。学校栄養職員を栄養教諭に格上げしていこうというようなものでございます。その際に、基本的には学校栄養教諭の免許状の要件も定められておりますが、現在学校に勤務している学校栄養職員に対する特例というものを設けさせていただきました。その要件については、下の表に書いておりますように、3年の勤務経験、それは一種免許状を取る場合は、管理栄養士の免許を受けていること、または、管理栄養士施設の課程を修了して、栄養士資格を持っていること、その場合は、3年、10単位を取れば一種免許状が取れるということになっております。また、二種免許状は、栄養士の免許を受けている場合は、3年、8単位で二種免許状が取れるというような在職年数となっているものでございます。
 資料4に戻っていただけますでしょうか。論点の2つ目でございます。認可保育所は、現在、保育所保育指針に基づいて「教育」も行っているということで、その教育活動を評価して、在職年数を評価するということが適当と思われますが、その他の児童福祉施設における保育士としての勤務経験をどのように考えたらよいかという論点でございます。
 これも別紙4として資料を準備させていただいております。実は、保育士が勤務する場所というのは、認可保育所に限らず、児童福祉法に規定されている児童福祉施設の多くで保育士資格を有する者が働いているという状況になっております。それがこの一覧でございます。青のところが、必ず置くとされている施設でございます。例えば、保育所、認定こども園もそうでございますが、児童擁護施設や障害児入所施設、児童発達支援センターなども、保育士を置くということにされております。また、1歳未満の者を対象にする乳児院については、看護師に代えて保育士を置いてもいいということで、任意設置となっております。その他、母子生活支援施設、児童厚生施設、いわゆる児童館やそういうものについても、例えば、それぞれ置くこととされている母子指導員や児童の遊びを指導する者、そういう者に代えて保育士を置くということが可能となっているところでございます。
 このようなところで働いている保育士の勤務経験をどのように評価したらよいかということも、1つの論点になろうかと思います。
 続きまして、学力の検定でございます。学力の検定は、先ほど申し上げましたように、大学で取らなければいけない単位のことでございますが、それぞれの基礎資格を有する者に対して、そして、かつ勤務経験がある者に対して、大学等において、どのような内容を、どの程度修得することを求めることとするかということでございます。
 それに関連した資料が、別紙5でございます。別紙5をごらんください。このA3の大きな資料でございます。左側が幼稚園教諭免許状の取得要件を記しております。そして、右側が保育士資格の要件を記しているものでございます。
 幼稚園免許については、上に書いてございます、基礎資格としては、先ほど申し上げましたように、大学を卒業すること、すなわち学位を取得することと、大学それぞれ四大、短大でございましたら、四大、短大の修了要件を満たすということが、1つの要件になっております。それに加えて、教育職員免許法上、取らなければいけない単位というものがございます。それが教科に関する科目として、一種であれば6単位、2種であれば4単位、また、教職に関する科目として、例えば、教職の意義等に関する科目としてそれぞれ2単位、そして、教育の基礎理論に関する科目、これは教育原理や教育心理学、また、学校経営とか学級経営とか学校制度とか、そういうようなものでございますが、そういうものをそれぞれ6単位と4単位、そして、教育課程及び指導法に関する科目、いわゆるカリキュラム、教え方に関するものでございますが、それがそれぞれ18単位、12単位でございます。また、生徒指導、進路指導等に関する科目として、幼稚園教諭の場合は、幼児理解の理論及び方法、また、教育相談(カウンセリングに関する基礎的な知識)などについて2単位ずつ学ぶ、それに加え、教育実習と教職実践演習というような中身を学んでいくことになっております。更にそれに加え、大学としての独自の科目を修得するというような構造になっております。左下に合計の単位数が書いてございますが、免許法上必要とされる単位数については、一種免許状の場合は59単位、二種免許状の場合は39単位となっているところでございます。
 右側の保育士資格のほうでございます。保育士資格については、学歴要件というものはございません。修業年限2年以上の保育士養成施設ということになっております。それぞれ免許法に対応する内容、似たような内容について、右側にそれぞれ求められている科目について記載をしております。例えば、教科に関する科目相当のものとしては、保育の表現技術というようなものを4単位必修でございます。また、保育の本質・目的に関する科目として保育者論、また教育原理や保育原理、保育の心理学などを学ぶ、また、教育課程についても、保育課程論、保育内容総論等といった科目を学ぶこととなっております。その他、実習系の科目もございます。また、保育士のほうは、児童福祉法に規定されているということでもございますが、児童家庭福祉や社会福祉、また子どもの保健や乳児保育といった社会的養護の分野についても学ぶというような構造となっておりまして、合わせて68単位取得するということが要件となってございます。
 以上が、論点3の別紙5に係る資料でございますが、今回は、この論点1、論点2、そして、特に論点3の、どのような内容について学ぶ必要があるかということについて、御意見をいただければと思っております。
 以上になります。

【無藤主査】  
 ありがとうございました。
 今、幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関わる論点というのをお示しいただいたわけですけれども、この後、12時近くまでですけれども、御意見をちょうだいしたいと思います。多分、委員の皆様全員から御意見をちょうだいできると思いますので、ぜひどなたも御発言いただきたいと思います。
 先ほど、秋田委員と渡邉委員が少し早目に出ると伺いましたので、秋田委員と渡邉委員からいかがでしょうか。

【秋田委員、渡邉委員】  
 まだちょっと。

【無藤主査】  
 そうですか。  
 じゃ、どなたでもいいんですけど、いろいろ疑問もあると思いますし、、御質問なりご意見なりいかがでしょうか。多分、二度三度のチャンスがありますので、遠慮なく。どなたからでもどうでしょうか。

【大森委員】  
 じゃ、よろしいですか。
 論点1のほうの在職年数を何年にするかというのは、今、幾つか根拠の年数が出されておりましたが、現実的に児童福祉施設と保育所という違いはもちろんあります。それから、保育所であっても、0・1・2を担当する経験、それから、3・4・5歳を担当する経験というのが、かなり経験的に開きがあるので、その辺は加算というか、加味するか、全く関係ないのか、そこが1つあるかなと思います。

【無藤主査】  
 今の点はわりと微妙な問題がたくさんあるんですけど、大事な論点だと思います。
 ほかにいかがですか。今日はともかく自由に出していただきたいと思います。渡邉委員、どうぞ。

【渡邉委員】  
 これをここで議論するのがいいかどうかについてわからないですけど、子ども・子育て関連3法についての中で、新制度で学校教育と保育というのが入ってきて、それが認定こども園だという話になったときの、その学校教育というものがきちんと維持されるものなのかどうかというところがすごく大事で、例えば、ゆうゆうのもりだと、幼稚園という人たちのほか、保育園的な長期の人もいるという話の中で、預かり保育的なところが福祉的なところという形になるんですけど、例えば過疎地でいくと、保育園の人たちが主で、それで、幼稚園的な、例えば1日4時間の人は本当に少ない場合もあります。
 そこの中で、例えば学級担任制という話とか、教員という言い方について、小学校以上はちゃんと、教育課程、学級があって、学年もあってという形で、教員というものがきちんと保障されていますけれども、幼稚園と保育園が一緒になったというところの中で、運営上で話をしたときの教員というもののありようというのが、あまり今のところ見えていない。一応ここでは多分幼稚園教諭と保育士をどう取らせるかというところは議論ではあるんですけど。 ただ、認定こども園というものを想定していったときの保育のありようについて、例えば、保育園主体のところで認定こども園になると、実際上は学級担任制を持たないで、もう縦割りで運営するとかという話があったりとか、いろんな話がある中で、確かに教員という資格が、先ほどの説明でも、2時ぐらいまでを学校教育とするということ自体も、多分、本当はきちんとまだ議論されていない中で、僕個人としては、学校教育というところが3歳から5歳まできちっと保障されるがどうかということは、多分、法律の趣旨からすれば大事なことだろうと思っています。そのことがきちんと守られるために、どういうふうな単位が必要かという話になってくるのでないといけないと思っています。何となく雰囲気的には、ここは、申しわけないんですけど、保育士という資格は、0歳から18歳ぐらいまで全部見れて、全部資格がオーケーとなっていて、その中に、幼稚園教員免許を新たに取るということの意味を、きちんと、そこのところをある程度議論されていないと、中身としてどうするかとか、何時間単位を取るかとか、何年の経験かという前の、そこのところの本当に教育としての意味というものをどういうふうにきちんと押さえていくかということが必要と思っています。正確にとか、それから、認定子ども園の保育要領とかができていないので、そこは難しいんですけど。でも、本当に幼稚園教諭がいることの意味ってどういうことなんだろうというのを考えないと、現場的な意味でいけば、ずるずると保育園を主とする認定子ども園がたくさんできてくるというところで、それでいいのではないかというようなイメージを持っている方もいらっしゃったりするので、その辺はどうなのかというのは、本当はここで一回皆さんの意見を伺ったりできたらありがたいなと思ってはいるんですけれども。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 どうぞ、竹林さん。

【竹林幼児教育企画官】  
 大変貴重な御指摘ありがとうございました。
 少し先ほどの説明、時間がない関係で飛ばしたところもございますので、今の渡邉委員の御疑問について、少なくとも法律面で、これまで決着がついている話も幾つかございますので、その点、もう一度御説明させていただきたいと思います。
 資料2の6ページ目、7ページ目あたり、先ほど保育教諭のところ以外は飛ばして御説明したところでございますけれども、確かに、渡邉委員ご指摘のとおり、学校教育とは何か、学校という看板だけかけて、中身が変わっていないのであれば、何をやっているのかよくわからないことなので、実際、新しい幼保連携型認定こども園につきましては、幼稚園から移ってくるところも、保育所から移ってくるとこも、もっと言うと、全く新しくつくるところもあるでしょうから、もともとの出自が幼稚園であっても、保育所であっても、新規につくるものであっても、同じ内容の、ちゃんと学校教育にふさわしい教育ができていないと、看板倒れなわけですね。それをどうやって担保していくか。そのうちの多分1つは、今御検討いただいている職員の方に必ず幼稚園教員免許も持っていただく、保育所から移ってきたところについては持っていただくということが、その1つの担保だと思うんですが、資格の話だけでそれをクリアできるものではないと思います。
 この制度設計の中では、6ページ、先ほど飛ばしましたが、例えば、上から6番目のところで、教育・保育内容の基準ということにつきましては、新しく幼保連携型認定こども園の保育要領というものを定めることにしておりまして、これはまた別途の枠組みで、これから中身を決めていきますが、法律上、幼稚園教育要領と保育所保育指針と整合性のあるものにしなければいけないともう書いてあるんですね。ですから、まずは、少なくともこういう保育要領のようなものをつくって、そこにはしっかり幼稚園教育要領の内容を反映させるということがあります。
 それから、次の設置基準、これも具体的には省令レベルで決めることですので、具体的には今後の話なんですが、米印で書いているように、これまでの議論の蓄積として、学校としての基準――今、先生が御指摘のあった学級担任制であるとか、それから、もちろん編制基準、最高でも35人以下と今幼稚園はなっていますけど、要は、集団教育とはいっても、適正な集団規模があって、100人ごっちゃには教育は展開できないということで、そういうことは今後の議論ではありますが、これまでの蓄積は、ちゃんと基準の中に入れていこうと。保育所から移ってくるところについても、そういう学級の編制基準や、あるいは学級担任制というものは書いていくべきではないかという御議論でございました。
 それから、次の7ページの冒頭には、研修ということもございます。この研修につきましても、実態面ではいろいろ保育所でも工夫されながらやっておられると思いますが、制度的には、少なくとも教育のほうがしっかり制度的なものはございまして、こういうものも、やはり保育所から移ってくるところについても、ちゃんと制度的な研修というものを巻き込んでいくと。
 そのようなことと、ここで御検討いただくまさに免許の話とを全部相まって、さらに、もっと現場の方の視点も相まって、出自がどうであっても、同じ幼保連携型認定こども園であれば、ちゃんと学校教育のできる施設であるというところを担保していかなければいけないというふうに考えております。

【無藤主査】  
 今の企画官の御説明のとおりなんですけれど。ただ、渡邉委員の言われる筋はもっともなんですけど、1つは、こちらは極めて急ぐので、全部は議論できないですね。ただ、本筋は押さえなければいけないわけですけれど。多分、企画官が御説明になった部分というのは、来年度の別な会議での議論になるんだろうと思います。ですから、細かい点をここで了解するのは無理ですけれど、しかし、幼稚園教育として最小限押さえなければならないこと、そして、保育士の養成というふうに考えたときには、もしかすると十分でないところについて、やはり経験年数とともに、押さえるべき科目、それはあるだろうと。そこをぜひお考えいただく必要があるというふうに思っております。
 それでは、秋田委員、お願いします。

【秋田委員】  
 今、渡邉委員、竹林企画官、無藤主査の御議論につながって、少し意見が違って申しわけありません。本来的に、やはり幼保連携型認定こども園に関しましては、渡邉委員が言われましたように、どういうものを今後の幼保連携型認定こども園と位置して、そこでいう学校教育と児童福祉の在り方というのが、単に預かり部分を児童福祉なのだ、4時間が学校教育なのだという図柄で説明してよいのか、どういう専門性を幼保連携型認定こども園に求めるのかということは、どこかでは議論をすべきことであろうと私は考えております。
 また、細かな点で言えば、今日いただいた資料の資料3で、幼保連携型認定こども園の基本的な仕組みというところで、幼保連携型認定こども園は、学校教育と保育を一体的に提供する施設であるということは了解しておりますが、その中心職員と書かれおり、私のイメージしている認定こども園には、中心職員と周辺職員というようなものはなく、園全体が一体となって、みんなで職員がつくっていくという組織をイメージしておりますので、こうした用語によって職員の価値づけが行われるということは、大変遺憾に思うところでございます。
 今回の場合は、保育所の保育士の方が、学校教育法のものを学ぶとすれば何が必要かというところで言うならば、現在の幼稚園教育要領や、文部科学省の求めているところの、やはり学校教育としての体系、つまり、幼稚園教諭が幼小連携というものを見ることができる、それから、学級担任制というものが基本になっておりますので、やはりそこに関わる、小学校以上で言えば、生徒指導等の在り方に関わる内容というものや、教育公務員としての在り方というのは、必須のところではないかというふうに私は思っております。
 また、今回教職員課のほうから出されました「学び続ける教師像」というような報告書に基づくならば、やはり新たな認定こども園においては、そうした「学び方を学ぶ」ようなものに関わる科目というんでしょうか、そうしたものが本来的にこれからを見るならば必要であろうと考えます。
 これはあくまでも理想的な姿でございまして、実務的な論点で今日3点議論するようにということについて、論点1に関しては、どの程度の在職年数を求めるべきかということについて、上進ではなく隣接校種免許状と同等というふうに、ある種考えていく。ただし、今回も最低限学ぶと書かれているんですけれども、それだけではなく、園内研修等、免許を取ってからの在り方というところについて、あわせて議論をしていくということが必要であろうというのが、論点1の私の考え方です。
 それから、論点2に関しましては、少なくとも学校教育法上で言えば幼児の部分とか、初等であれば小学校免許であれば小学校という、対象を限定して、そこの専門家というものを考えておりますので、やはり幼児に関する勤務経験年数ということを求めていくことが必要ではないでしょうか。

【無藤主査】  
 乳幼児ですか。

【秋田委員】  
 乳幼児ですけれども、特に基本的な発想は、私は幼児を専門と考えるのだけれども、そこは乳幼児が連続をしているという意味で、保育指針では必置とされているような施設に関しては、その勤務経験年数ということを加味していくということが必要なのではないかと考えております。

【無藤主査】  
 ありがとうございました。
 じゃ、田中委員、お願いします。

【田中委員】  
 今のも少し関連するとは思うんですが、かつて保育所保育指針を厚生労働省で議論したときに、保育士という資格が余りにも広範囲をカバーしていて、専門性はどこをターゲットにするのかということに無理が出てきているであろうということがありました。ただ、それは保育所保育指針の検討会議での議題ではないということで、例えば、乳児保育士であるとか、幼児向けの保育士であるとか、施設保育士であるとか、そういうような、本来保育士という言葉が、教員免許で言えば教諭という、すべての年代を対象とした言葉になっていて、教諭であれば、小学校教諭であるとか、中学校教諭であるとか、年齢の発想があるわけですが、そこである意味では性格が違う言葉になってしまっている。それを、今回どう整理するのかということで、幼保の免許の一元化ということもそのときテーマになったとは思うんですけれども、まだ議論としては熟していないということだったと思います。
 そこで、少し文部科学省の方にお聞きしたいんですが、これを5年を目途にという形で当然いくわけですが、将来的に、例えば幼保、幼児期の子どもを育てる人の免許というものを、厚労等とも、施設も一元化していくのであれば、今回、保育教諭という名称は1つできたわけですけれども、基礎資格としては、幼稚園教諭免許であり、保育士資格という、2つのものが必要であるということは変わらないままいかれる。これは短期的には、この5年の目途の中で、すぐこれが変更可能かどうかというのは別の議論にはなると思いますけれども、ある程度の目途を持たれるつもりがあるのか。ここでご答弁できるかどうかわかりませんけれども、ぜひある程度のその方向を。――というのも、5年たったときに、じゃ、そこで両方の免許を取りきれなかった人はまたどうするんだという場合とかがもし出てきたときに、大体こういうのは一回起こると、何となく自動延長されていくということも起こってくる。とすると、例えば、あるところで保育士資格しか取らなかった新卒の人がもしこれから出てきた場合に、この救済措置でずっと繰り返していくのかという、ある程度長期的な展望というものも踏まえていかないと、この5年のとりあえずの幼保の問題、認定こども園の問題を解決するということは、これは法律で明記されましたから、しなければならない課題という部分と長期的な課題というものの両面があるだろうということは、保育士資格も含めて、当然あり得るというふうに考えています。

【無藤主査】  
 事務局からお答えいただける部分をお願いします。

【竹林幼児教育企画官】  
 田中委員、どうもありがとうございました。
 ここも少し説明をはしょりましたけれども、先ほどの資料2の7ページの枠外にあります主な経過措置等の3つ目のポツで、幼稚園の教諭の免許及び保育士の資格について、一本化も含め、その在り方について検討するというふうに書いています。実はこれは、先ほど国会で3党により修正が行われたという話がありましたが、その修正によって、法律に付け加えられた検討規定の部分でございます。当然、このような一体型施設をつくれば、免許の在り方についても、分かれたままをベースにして、その併有ということでいいのかどうか、もっと徹底して進めるべきではないかと、こういう議論もありまして、このような検討規定が入ったわけです。
 ただ、一方で、先ほどもご説明がありましたように、保育士の資格というものは、保育所だけではなくて、いろんな施設で必要とされている資格でもありますし、それから、教諭のほうでも、幼稚園と、むしろ幼小連携とかで、小学校と一緒に取るようにということも進めてきた経緯もございますので、そこら辺、多分、いろいろメリット、デメリット、検討すべき課題がたくさんあろうということで、わざわざ検討規定というものが設けられているところです。
 正直申しまして、今御検討いただいている省令の数字を決める作業、これは、もう法律で必ず施行しなければいけないと決まっておりまして、これは避けて通れないというか、喫緊の課題としてもあって、検討規定のほうは、一応期限を切られておりませんので、そういう意味で、順番から言うと、こちらのほうの検討会のほうが先行させていただいているというところでございますが、問題意識としては持っているところです。
 なお、先ほど田中委員のほうから、これ、5年たったときに取りきれなかった人がいたらどうなるのか、自動延長になるのかみたいなお話もありましたが、施行後5年間に限ってこの特例措置を講じるというのは、それ自体が、施行後5年間という言葉が法律に書いてあるので、まず自動延長はしないんですね。ただ、法律にあわせて、施行後5年たったら、いろんな施行状況を点検して、必要があれば制度を見直しましょうという、見直しのための検討規定というのも置かれていて、実際制度を始めてみたら想定外のことというのはいろいろ起きてくる可能性もありますので、制度全般の見直しをする。おそらく、その制度全般の見直しをするときに、5年たって全然予定どおり併有が進んでいないような状況があれば、また延長するのかとか、それとも、もういっそのこと資格を一本化するのかとか、いろんな議論があると思います。ですから、5年たったときにうまくいっていないことも想定したような検討規定があるのは確かなんですが、自動延長はしなくて、そこは法律ですから、国会の場でしっかり議論をしていただいて、その上で、5年再延長される可能性もありますけれども、自動延長にはならない、そういう仕組みになっております。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 ということで、幼保の免許資格等は、また来年度以降、別な会議できちっとやっていただけるということですよね。
 もう一つの点は、これは一員としていろいろ心配事で言えば、新卒者も2割弱片方のようですけれども、そうすると、多分、これからできるだけ幼保両方取れるような養成校に転換するとは思うけれど、いろいろな制限の中で、それができない養成校もあるんだろうと思うんですよね。そうすると、そういう方々を採用しているところについては、数年後に、この5年間の範囲で、経験年数が足りなくてやっぱり取れないというのは、それは具体的には多分困るケースですよね。もちろん、保育士試験とかいろいろあるので、幼稚園教諭にも試験はあるから、それを受けろというのもあるけど、なかなかハードルは高い話だろうと思いますね。
 それから、もう一つは、認定こども園にもうすぐなるつもり、あるいは既になっているところは絶対やると思うんですけど、多くの幼稚園、保育園は、必ずしもならなくてもいいと。今ならないつもりでいて、それでよいとなっていたのが、ある時期には、やっぱりこれはどうも転換しなきゃいけないみたいな、情勢が変わったときに、間に合わないということが出得るわけですよね。だから、そういうのは用心が悪いと言えばそうだけど、でも、現認世論としては結構ありそうなことなので、先のことはその場で先で考えるしかないとは思うんだけど、いろいろ考えると、結構難しいなとは。これは感想程度の話ですが。
 ほかにいかがですか。じゃ、順番にいきますから、荒木委員からどうぞ。

【荒木委員】  
 この会が保育教諭について、資格のことをお話ししているということで、まず絞りたいなという思いがあります。新しい法案のところでも、幼稚園という施設も残り、保育所という施設も残り、認定こども園と、3つの大きな施設があるということでは、幼稚園教諭という資格を持つ幼稚園に勤める人、保育士という資格を持つ保育所に勤める人、それから、両方持っていることを条件とする保育教諭という人が新たな認定こども園に入るという形で、そこの過渡期のところで、片方しかない人をどうするかということの議論でいくわけですよね。
 それと、また、今の段階では、その3つの大きな施設が残る状況であったら、その3つの資格というか、保育教諭というのは、2つを持っている人を保育教諭と呼ぶというふうに捉えるのでしょうか。
 それと、乳幼児期という、保育士の対象とする年齢期間が長いということ、幼稚園教諭が3歳から5歳という絞られたところの専門性という中で、認定こども園の中の乳幼児から就学前までのところの子どもを見る人の専門性として、保育教諭というふうに捉えるというところで絞っていけばいいのかなと、今お話を聞いていて感じているところです。
 それから、在職年数というところは、5年間の中でと今言っていることで、養成校としても、きっと両方の免許を取れるような方向に動いていくかなという思いもありますし、その5で区切る範囲内で漏れないような状況というのの計算も必要なのかなとは思いつつ、持っていない層はベテランが多いとなると、そのベテランがどうやって免許を取るための科目を何単位取るかというようなところの、現実に働きながら資格を取っていくというところの難しさというのもあると思います。年数としては、ベテランは経験の年数はクリアしていると思うんですけれども、新採を含めたところで、5年の範囲で漏れないようにということを考えていけばいいのかなと思います。

【無藤主査】  
 多少事務局から何かありますか。
 今のことで、荒木委員のご発言で、私も気になっているのは、保育教諭というのは、資格とは呼びませんよね。あれは何ですかというのは変ですね。あれは資格の位置ではないわけですよね。何というんですか、ああいうのは。

【松本専門官】  
 職といいます。

【無藤主査】  
 職というんですか。

【松本専門官】  
 学校教育法でも、幼稚園、小学校、中学校、高校で、それぞれ置かなければいけない職というのが決められています。教諭とか、助教諭とか、そういうものと同じです。

【無藤主査】  
 そういう意味での保育教諭というもの。なるほど。だそうです。

【荒木委員】  
 はい。失礼いたしました。

【無藤主査】  
 それから、私、これも余分な解説でもないんですけれど、養成校のほうの事情では、ここに詳しい方もいらっしゃるんですけれど、例えば、保育士養成をしている場合に、大学などでも、そこに教職課程設置ができるかというと、やはりいろんな制限といいますか、条件がありますので、簡単でない場合がありますね。それが1つと、それから、専門学校なども、やはり制限がありますので、申請すれば自動的に認められるというわけではないと思います。
 逆に、幼稚園教諭を出している場合には、保育士養成については、それなりの人員と設備を整えれば可能ですけど、これも学校によってはややハードルが高い。絶対不可能ではないけれど、いろんな実習整備その他大変なんですね。
 ですから、養成校が、こういう制度ができたから、2年後に全部幼保両方というのは、制度的に、あるいは実務的に難しい部分があるので、新卒の一部はやはり片方だけかもしれないとは思います。
 じゃ、福井委員、お願いしていいですか。

【福井委員】  
 この認定こども園は、ともかく動かさなくてはいけないわけでありますので、経過的な措置、また軽減措置を設けるというのは当然のことだと思いますし、また、無藤主査のほうから先ほど御発言がありましたとおり、速やかにそうした人材を我々は養成しなくてはいけないというために集まっているんだと思うんですね。
 そこで、事務局のほうで、論点として非常に的確にまとめていただいておりますとおり、この論点の問題について、当然、これから議論しなくてはいけませんし、また、その過程で、先ほど何人かの委員の方からのご発言がありましたとおり、例えば、学校教育とは何であるのかとか、あるいは、経験評価について、0・1・2歳児の問題、あるいは3年児以上の問題をどのように考えたらいいのか、これもまた当然出てくると思うんですね。
 ただ、それを議論する前提として、幾つか、私たちが大事に考えておく必要があろうというものがあるかと思います。
 1つは、先ほどもちょっと言葉が出ておりましたが、中教審でも、例の「学び続ける教師像」が強調されているわけでありまして、その意図は、保育士も含めて、教職というものは実践活動の中でその能力が開発されていくだろうと、そういうふうな趣旨。したがって、大学では基礎基本のみコンパクトに、またインテンシブに教えて、生涯学習過程を通じて実施される養成を図るべきであろうというふうな考え方にのっとって提案されているのではないかと私は想像するわけでありますが。
 この問題にはまた背景がありまして、現在、大学は、中教審でも、また、例の認証評価でも、単位の実質化、あるいはキャップ制の適用が非常にやかましく言われているわけで。ですから、私たちも、この点を見回しながら、尊重しながら議論をしなくてはいけないんじゃないかと私は思っております。
 また、現在、幼稚園教諭は5週間の実習が課せられているわけでありますが、現職の人に、現場を離れて5週間の実習を本当に課すことができるのかどうか。このあたりのことをどんなふうに考えるのかということもあろうかと思います。
 と申しますのは、この検討会は、もちろん当面の特例緩和措置に限って議論する会だと思いますけれども、将来的に計画されております保育教諭の完成型というものをやっぱりやや想像しながら、それと矛盾しない形で経過的な結論を出さなくてはいけないと思いますので、そのあたりのことを大事に考えながら議論を進めていただきたいと思っております。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 幼稚園教諭は、実習週数って何週間ぐらいでしたっけ。

【福井委員】  
 少なくとも5週間ぐらいです。

【大森委員】  
 事前・事後が1週で。

【無藤主査】  
 それを入れての話ですね。場合によっては3週というのもある……。4週なんでしたっけ、法律上。

【大森委員】  
 4週。

【無藤主査】  
 それから、最後の点で、非常に大事なところだと思いますので、時間が非常に厳しい中での議論だとは思いますけれども、つまり、経過的な措置で5年間だとはいっても、これが動き出すと、保育教諭なり幼保の免許資格の統合なりの議論が来年度以降やるにしても、それを妙な形で制約しちゃうかもしれないわけですよね。つまり、臨時措置にしても、これをやったら、これは否定できなくなっちゃいますから、それを入れた制度設計になるわけですので、そういう意味で、あまり安易にしちゃうと――安易というのか、ちょっとまずいので。

【福井委員】  
 安易もまずいし、逆もまずいですよ。

【無藤主査】  
 もちろん、厳しすぎて、現実的に取れなくても困るので、その辺、あるべき保育教諭の姿を、時間の許す範囲で、ぜひ御議論をお願いしたいと思います。

【大森委員】  
 今、本質論的なところに皆さん触れていらっしゃいますが、さっき発言しましたので、私はそれを飛ばして。
 私自身は、幼稚園と小学校の免許を持って、大学院も出て、現場に、幼稚園の教諭を2年間経験したことがあります。そのときに、25歳で幼稚園の教員になりました。短大を出て、保育士と幼稚園免許を取ってきた20歳の人と一緒に保育したんですね。すごく差が出たんです。そのときのその差というのは、短大から来た、保育士を持ってきた方というのは、ものすごく養護的な面で、本当によくケアの能力とか、子どもへの関わりの優しさとか、情緒的な感情とかが、個性の差というのもあると思うんですが、できているんですね。たった2年の教育で。私の場合は、かなり大学院でも学んだので、教育的な自負はあったんですが、かなわないなと思いました。子どもたちを学級経営的に指導したりする力は私のほうがあるというふうに勝手に思ったんですが、これは私の教育体系の中に欠けているものがあったということを、4歳児の保育を通じて感じました。
 それは、後から考えたら、やはり保育士の養成カリキュラムと幼稚園教諭の養成カリキュラムの違いというのが、そういう形でやっぱり出てきたのかな。そういう意味で、先ほど統一するとか言っていた保育教諭でありますが、やはり日本の養成システムの中で培ってきたすばらしい効果というか、そういうものを、ここで保育教諭として統一していくときに、そのエッセンスを残していくというか。そういうふうな意味から言うと、今、私たちの立場で言いますと、やはり学校の教員としての自覚とか、保育士のほうは健保が大体ないですよね。そういう意味で、幾つかあると思うので、何を科目として残し、どうするかというのは、とても大事なポイントになるんじゃないかなと思います。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 じゃ、砂上委員、お願いします。

【砂上委員】  
 これまでの先生方のご意見も踏まえまして、私として、今日論点として挙がっている点に関してお話ししたいと思います。
 論点1に関しましては、先ほど秋田先生もおっしゃられたように、教職員検定等との整合性も踏まえますと、おそらく隣接の免許取得のレベルになるのではないかなと感じました。ここのところはおそらくクリアされているところはあると思うんですが、おそらく論点2が非常に難しいなというふうに、先生方の議論を聞いていても思いました。
 大森先生がおっしゃった0・1・2と3・4・5の違いというところも大きくあるかとは思いますが、ここも地域的な差もありますし、全国的にどのように捉えていくかということもありますが、現在の状況を私が見聞きしている範囲ですと、地域によっては、品川区ですとか、連携推進等で、幼保統一の就学前カリキュラムの作成というのもかなり進んできております。その中で、0歳から6歳までの遊びを連続して捉えるということも反映されておりますので、おそらくその遊びを通しての指導というところが核にはなってくるかとは思うんですが、3歳未満で養護的な機能が強い場合であっても、おそらくそこで遊びを通しての教育的な働きかけというのも行われているという前提も加味できるかと考えております。
 あと、もう一つの論点として、論点2に関しまして、認可保育所以外で、非常に多様な児童福祉施設、保育士が置かれている児童福祉施設をどこまで勤務経験として考えるかということなんですが、先ほど秋田先生がおっしゃられた、主に3・4・5の幼児期を核としてというお話ももっともだなというふうに聞かせていただくと同時に、今日、別紙4を改めて拝見いたしまして、基本的に学校教育というのは、年齢で3・4・5、あるいは6から12、12から15というふうに、年齢で対象を決めているということがあると思うんですが、この別紙4を見ますと、児童福祉施設の対象範囲というのは、保育に欠けるですとか、保護者のいないですとか、身体に障害のあるという感じで、ニーズに対応した対象範囲の設定ということになっています。そこの整合性をどう捉えるかということがあります。おそらくは乳幼児期を、児童期も含めた、子どもを中心とした専門的なケアを行ってきたということが、1つ核にはあるかとは思うんですが、あまり年齢だけというふうに決めてしまいますと、保育士が持っているニーズに対応した専門性というところをすごく狭めてしまうというか、逆に生かしきれないという危険性も出てきますので、現在の学校教育でも、特別支援教育ですとか、そういうことの専門性というのが非常に重要になっておりますので、ここの勤務経験、どこの施設で働いてきたかということに関しては、多少年齢だけでなく、ニーズということも考慮して考えていくこともできるかと思いますし、あと、現在、教員の養成課程でも、義務教育の教員免許に関しては、養成課程で介護等体験実習が課されておりまして、やはり教職の現場だけでなくて、広く福祉施設等での経験ということも、教員の資質として重要視されておりますので、そこをうまく統合できるとよいのではないかなと思います。
 ですので、論点2に関しては、多少緩やかに捉えていくという可能性も、核のところは見失わずに経験を捉えていけるのではないかと。それはおそらく、他の現行の教職員検定が、在職年数で、特に校種を限定していないというのがあるかと思いますので、小中高等のどの在職年数であっても、幼稚園教諭の一種免許あるいは二種免許を取得するに当たって、中学校の教員免許等でも対応できるというような、他校種の在職年数を生かしているということもありますので、そことの整合性で、あまり今回の特例が狭くしてしまうと、整合性というところも少し問題が出てくるかと思います。
 学校教育としての幼児教育の幼稚園教諭の専門性、あるいは保育教諭が持つべき専門性ということに関しては、おそらく論点3の、いかなる内容を修得してもらうべきかというところで、より強く反映していくことができるのではないかと思っております。先生としては、いかなる単位数、いかなる内容をというところに関しては、やはり幼稚園教育の核となる、環境を通しての教育と、あと、遊びを通しての総合的指導というところの徹底ということがあるかと思っております。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 じゃ、若盛委員。

【若盛委員】  
 若盛でございます。
 現場というと言い方がおかしいのかもしれませんが、この席には、田中先生、渡邉先生、私、そして公立の荒木先生と、実際に保育をしている立場が4人でしょうか。基本的には、今回は資格取得についてを最優先ということですから、とても大事なことですし、今までの教育と保育の二極化ということを本当に一本化していかなければいけないことは、全くそのとおりだと思っております。
 現実として、私の園も、幼保連携型の認定こども園でございますけれども、全国に、先ほど911ですか、あると言われております。私の関係している幼稚園、保育園でも、たくさんの認定こども園がございます。現実としては、その認定こども園が、秋田先生がよくおっしゃられるんですけれども、質の高い教育、保育ということに向かって、本当に大丈夫なのかという事例等々がたくさん出ているんですね。その中で、私も何回か他のワーキングにも出させていただきましたけれども、子どもは国の財産であるという言い方がたくさん出てきております。ただ、その中で、本当に認定こども園を随分急いでこの制度を立ち上げてしまったのではないかというふうに、いたく思っております。
 なぜかと言いますと、本当に子どもの育ち、0歳から就学前までの子どもの育ちを丁寧に保障しながら、保育士も幼稚園教諭も取り組んできている園、もちろんそれが理想的だと思っております。当然だと思っておりますが。ところが、逆に、今までの幼稚園教育の私学の独自性、また、語弊があるかもしれませんが、公立の保育所等々も関連しておりますけれども、これは財政的な影響等々もかなりあるかと思っておりますが、正職だけではなくて、臨採ででも担当していかなければならないという姿もたくさん出ております。年々、その傾向が増えてきているように思います。
 ですから、幼保連携型の認定こども園という方向性は間違っていないと思っておりますけれども、今まで認定を受けてきている実際の園の保育士や幼稚園教諭も、本当の意味で質の高い教育、保育に向けていくためのリサーチというんでしょうか、今回はこれからの保育教諭に向かってということではありますけれども、今までの保育者のことについても非常に考えておいた上での、これからの望ましい保育教諭という視点が絶対必要ではないでしょうか。
 現実に、私もそうですけれども、二極化してき始めております。片や、極端な言い方をすれば、小学校に向かっての早期教育的な、まがいの保育や教育をしている保育所もあります。幼稚園もあります。この辺のところを、本当にこれから、日本人としてと言うとオーバーですけれども、本当にあるべき子ども像を、やはりこの検討会でもきちんと踏まえた上で、この資格の在り方を決めていく必要があるのではないかなと。
 この資格要件の比較の別紙5にありますけれども、何人かの先生方がおっしゃっておりました。幼稚園教諭の免許状では学歴があって、一般教養の中で日本国憲法というのが堂々と出ております。ところが、保育士のほうには、学歴資格がないという前提でございます。この文言であえて申し上げれば、保育の本質・目的という中に、おそらくこの日本国憲法が含まれているのではないかと思うんですね。そういう今までの保育士養成校の中で、どの程度の時間があるのかどうか、私はわからないんですけれども、やはりその辺は、一体化するという意味では、絶対最低必要な、必修義務というものがあってもしかるべきではないかなという思いもあります。
 それから、長くなって申しわけございません。子ども・子育て関連3法案の中の6ページのところに、配置職員の中に、園長、保育教諭、学校医、学校歯科医、学校薬剤師とございます。この学校というのは、教育法の中でいう学校ということではありますけれども、この言葉が出てくるということは、学校イコール小学校以降の義務教育という誤解もあるはずだと思っているんですね。私の誤解かもしれませんけれども。この辺の名称は、別件の認定こども園法については、それは出てきておりませんので、多分、この認定こども園法の中では、その辺の表現は違ってくるのではないかと思っておりますけれども、当初の中では、この学校ということなどが出てきてしまっているということも、ある意味、これからの課題の一つではないかと思っております。

【無藤主査】  
 最後のところは、学校教育法とその施行規則に基づく部分が学校という表現になるので、しょうがないと言えばしょうがないんですが、でも、それをもうちょっとわかるようにするということを考えましょう。その前段は、本当にご指摘のとおりだと思うのですが。
 ほかに、何度でもと思いますので、ぜひお願いします。

【秋田委員】  
 何度でもよいということで、また、すみません、本務があって、途中で退席させていただくので。
 先生方のご意見を伺っていて、やっぱりとりあえず特例の検討会議でございますが、望ましい今後の保育教諭の在り方というところとの関連で議論をしていくべきであろうというふうに考えております。
 その中で申し上げれば、OECDから保育の質レポートが先月出されましたが、その中で、職員に関して言えば、OECD諸国で、小学校以上の先生方の給与体系と幼児・乳幼児の専門家の給与体系が最も格差が大きいのが日本であります。社会的な地位を高めるということから申しても、幼保連携型認定こども園で保育教諭という言葉が初めて使われることによって、やはり今後の保育教諭というのが教諭として位置づけられていくということが極めて重要であると考えております。
 ですから、今回、保育士資格を持っていらっしゃる方が幼稚園教諭を取るときにどのようにするかという実務委員会ではございますけれども、やはりその一環として、どのように教諭として位置づけることが必要かというのを、さっき日本国憲法とか情報機器の操作とか、具体的に言えばいろいろなことがありますけれども、やっぱりほかの校種と相等しいという位置づけを持てるような形を考えていくことが必要であろうということがございます。
 もう1点は、先ほど若盛先生が言われましたが、在職年数というときに、今、常勤雇用だけではない職務形態、それから、今回、認可保育所ということが一応保育所保育指針に基づいているというふうに言われてございますけれども、東京都認証保育所であったり、様々な保育所で実際には子どもを保育している保育士さんたちがいるわけでございまして、次回以降の検討の中で、そうした方との間でできるだけ差別のないというんでしょうか、そういう勤務先の保育園の認可・無認可のあたりで、どのように線引きをするのかということも考えていくということが、今回の検討の中では重要なところではないかと考えておりますので、その点だけ今後ご議論いただければと思います。

【福井委員】  
 私もそのご指摘に賛成なんですが、勤務経験を評価してとありますが、この勤務経験を評価するという場合に、実質評価をするのか、単純評価にするのか。例えば、園によれば、あるいは保育所等によれば、0・1・2歳児とそれ以上とローテーションでやっているみたいなところもおありになるようですけれども、そういうふうなことも本当に線引きはできるのかとか、そういうことはどんなふうにお考えなのか。お考えがあれば、無藤先生にもお聞かせいただければと思うんですが。

【無藤主査】  
 事務局からも少し、正規・非正規の問題、認証保育所の問題について補足説明ありますか。 また、最後の問題について言うと、私の予想では、なかなか難しいのではないかと思います。乳児保育を担当しているとか、幼児を担当しているとかというときにも、現実には、例えば入りまじっているとか、いわゆる現場でいうフリーであるとか、いろいろありますので、5年間ときている中で、なかなか難しいのではないかなという感じはするんですけど。
 その前のところはいかがですか。幾つか、正規・非正規とか、認証その他をどうするという話は。

【松本専門官】  
 現状の教育職員検定での勤務経験はどう評価しているかというところでございますが、例えば、隣接校種の免許を取るときは、その基礎となる免許状を取って、その免許状に係る学校で、例えば、指導主幹教諭、指導教諭、教諭、また、講師として良好な勤務経験をした場合に、それが在職年数と加味できるということで、特に講師の場合は、常勤・非常勤と両方あるわけでございますが、両方合わせて、それは法令上講師でございまして、常勤に限るということにはしておりませんので、その職にあれば、勤務経験としては考慮できるということになっております。

【無藤主査】  
 それから、認証とか、いわゆる無認可保育所みたいな経験はどうなるんですか。

【竹林幼児教育企画官】  
 そこはまさに今後の検討会の議論だと思うんですね。それで、今、厚労省のほうでされている反対側の、幼稚園教諭を持っている方の在職経験を評価して保育士資格を与える、この場合にもどうするかということだと思います。
 結局、むしろ考え方によっては、違う年齢のお子さんを預かっている認可の児童福祉施設よりも、同じ年齢のお子さんを預かって、保育所保育指針に基づいてやっている東京都の認証保育所のほうが、国の認可ステータスはないけれども、幼稚園とのやっていることとの近さから言えば、同じ年齢の子どもに同じ指針という、そういう評価もあるかと思うんですね。
 ただ、そこは本当に、まさにその辺は委員の皆様のご意見を伺いながら、行政的に実務的に回せるものでないといけないというのもあるわけですね。無認可保育所と一口に言いましても、そういう自治体がしっかり監督していて質の高いものから、本当にベビーホテル的な、各年齢の子どもがごっちゃになって、事実上基準もないというところまで、かなりの幅広さがあって、ちゃんと線引きのできるものでないと行政的にワークしないというところもあるので、まさに皆様方のご意見を伺いながら、この辺で行政的に合えば、制度として仕組めるというラインを考えていきたいと思っております。
 全く排除するものでもないし、ただ、今の時点で、これならいけるというふうな事務的な感触を持っている線引きがあるわけでもございません。

【無藤主査】  
 今のことで、これも質問なんですけれども。幼稚園教諭の試験というのはあるんですよね。あれは、現職の方が受けられるみたいなものなんでしたっけ。細かいことがわかっていないんですけれど。

【松本専門官】  
 受験資格というものがございまして、その受験資格については、児童福祉施設、これは今、保育所だけではなくて、その他の施設も含めた児童福祉施設と、あと、へき地保育所というものと認定こども園、ここの施設に3年以上保育士として勤務した場合には、受験資格が得られるということになっております。

【無藤主査】  
 なるほど。わかりました。ありがとうございます。
 渡邉委員、どうぞ。

【渡邉委員】  
  そこの中で、190事業の中で勤めているとかなんかありましたよね。それ、特に時間の制限があった気がするんですけど。それはまた後で調べていただけたらと思います。
 私のほうで論点の話を全然していなかったので、論点1、論点2ということに関して言うと、皆さんの意見と同じようなところで、例えば、3年ぐらいという話の中で進んでいっていいと思うんですけど、できれば詰めたところの論点3のところで、どのくらいの単位を、どの程度履修するかというところがすごく大事だろうという気がしていて、やっぱり現場の人間が、現場としてちゃんと子どもに対して向き合っていくわけですから、保育園、乳児かもしれません、幼児かもしれませんけど、その人たちが保育園の枠の中で見ていたときに、改めて幼稚園資格を取ったときに、幼稚園の教育の中でどういう子どもを育てていくんだとか、例えば、卒業に向かって協働性みたいなところをきちんと育てていくとか、やっぱり現場の保育が高まっていくようなことをきちんと押さえるという、そのための単位は何が必要か。ただ、例えば養護的な部分だったりとか、保護者対応とかは、保育園の中でも結構いっぱいやられていて、逆に言うと、保育園のほうがやっているかもしれない。だけど、それも含めながら、幼稚園教育というところが何かというところは、学び続ける教師像というのも含めてですけれども、本当に学んでいったりとか、子どもから学んでいくとか、教師として研修を通してまた新たな世界を学んでいくというところでは大事かなと思っております。
 そのことを結構実感するのは、横浜市幼稚園協会とかでやっている免許更新が、やっぱり意味があるんですよ。15年とか、35歳ぐらいの方とか45歳ぐらいの方たちが来て、ほとんど幼稚園とかにいて、研修にも忙しいから出てこないとか、そういう方たちが出てくる。改めてそのことを聞いたりすると、それで自分の保育のもう一回振り返りができたとか、視野が広がったと言っていた。とりあえず5年間やらなければいけないところの中で、改めて保育の現場に出た人たちが、3年なり何年なり経験した人たちが、子どもにとってどういうことが大事かというのを考えるという、その研修というか、単位の取り方みたいなところが議論されるということがすごく大事なのではないかなというので、どちらかといったら論点3が結構大事になってくるかなという思いを持ってはいます
 すいません、私も所用があって、さっと出て申しわけありません。

【無藤主査】  
 ありがとうございました。
 ほかの委員の方、いかがでしょうか。もう少し時間がありそうですが。
  若盛委員、まずどうですか。

【若盛委員】  
 渡邉さんや大森委員もおっしゃっておられましたけれども、うちもそうですし、多くは、保育士はやはり養護や乳児に対しての関わり方が非常に丁寧でありたいし、一方、その他では丁寧でないところもいろいろ……。それは、だから、はっきり言えば、今、教員免許の更新のことも含めますけれども、田中先生いらっしゃるから、ちょっと気にしながら申し上げるんですけれども。園長、設置者の願いというか、何を子どもに身につけていきたいのか、どう育てたいかという原理原則からすると、そのことそのものもものすごく私は大きいと思っているんです。それはもうこの除外する、免除する中に入っておりますけれども。これからの園長先生、保育園長さんなどは、絶対に質のいい保育をしていってくれると思っています。
 実際に保育士会では、本当に職員研修をかなり積極的にやってきております。ところが、幼稚園の場合の園長研修等々については、全日私幼さんがいろいろ関わっていらっしゃいますけれども、本当の意味での子どもの育ちをどうあるべきかということについては、やはりこれからではないのかなというのが1つあります。
 もうぎりぎりですので、最終的ですが、実は、私と渡邉委員は、厚生省のほうからも呼ばれております。そこでもお話し申し上げたんですけれども、この認定こども園制度については、文科省と厚労省と内閣府が3省が一体になって進めてきております。それが非常に日本の今までの取組の中では、私は画期的だと思っております。なので、いい形になってきていると思っています。
 これがせっかく成立していて、肝心の保育教諭に対しては、それぞれが別個にこの検討会を取り組んでいるんですね。これは要望です。一委員ですが、厚労省のほうにも出させていただいていて、申し上げました。せっかく3省が一体になってこの制度をつくってきておりますので、今後、もし可能ならば、私はその辺大変かと思います。大勢の人数でまたやっていくことになると思いますし、厚労省のほうはシオミ先生が座長さんでございました。こちらは無藤先生でございます。その先生方の連携というのも、ものすごく大切だと思っております。でも、両方が相まってでなければ、本来の免許制度というものは成り立たないのではないのかなというふうに思っておりますので、ぜひ御検討いただければと思います。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。
 最後の論点はしっかりやりたいし、事務局にもやっていただきます。前半のほうのことは、研修等はこの会議そのものの議題ではないわけですけれども、ただ、念頭に置く必要はいろいろあると思うんですね。
 話のついでに、幾つか念頭に置くということを申し上げておくと、先ほどの認定こども園の保育要領は、当然、そこにいろいろ方針が出るので、それは大事なところですよね。
 それから、多分、認定こども園に関わっての研修の仕組みを、国がある程度関わって、自治体、あるいは、それぞれの団体がなさる部分もあると思うんで、それは当然必要になりますね。
 それから、ここに関わって言いますと、授業科目、単位を取りなさいというときに、どこがどういうことをやるのか。多分、想定されているのは、養成校にある程度頼るとか、もしかしたら放送大学とか、あるいはそれ以外もあるのかもしれませんけど、私は養成校が要るということを念頭に置くと、実は大変なことなんですね。だって、来年度からやりなさいと言われているのに、今、決まっていないということは、組めないわけですよ。養成校は、さすがにこの10月から12月までに学務日程で決めますので。だから、非常に困るんですけど。そういう意味では、相当また事務方のほうで、そちらの代表と詰めていただかないと、すごく大変なことになるというのが思うことなんですね。
 それから、もうちょっとプラクティカルな話で申し上げると、今までは保育士資格だけの方が幼稚園教諭免許を持つ場合、あるいは、両方持っているけど、とにかく認定こども園に新たに勤める場合に、例えば、初任者研修が幼稚園教諭としては入ってくるとか、それから、保育園として長く勤める場合に、免許更新講習を修了していない。前から幼稚園免許を持っているけれども、保育園に勤めている人は、今まで関係なかったんですけど、10年以上勤めている人は、急に免許更新講習をしなければいけなくなるといったこととか、文科省の方には、そういうのは当たり前に見えるかもしれないけど、現場の人はあまりわかっていないので、そういうこともきちっと広報して、実務的に可能にしていただかないと大変なことになるなというのは、いろいろ心配はしておりますけど。
 もう少し時間がありますので、どうでしょうか。

【福井委員】  
 ただ、その講習の件ですが、確かに今現在決まっていないわけですから、来年度すぐ始めろと言ったって、これはおそらくなかなか無理だと思いますけれども。しかし、将来的に考えると、大学で、例えば科目等履修生であるとか、夏休み研修みたいなものを企画した場合、それはやりようによっては可能になってくるのではないかと思いますし、例えば、ほかの大学はわかりませんが、鎌倉女子大学は、もしそういうふうな方向に結論が集約されれば、それは手伝ってやる用意はあるというふうに聞いております。
 それと、余談ですが、非常に大々的に行われた免許更新講習ですけれども、あれがいろんないきさつで初期の感じとは違ってしまって、非常に私は残念に思っているんですけれども。あれも、巷間言われていた、これまた余談ですけれども、政治的ないろいろな評価のあれが入るんじゃないかなんていうことが言われましたが、そんな小さな評価に入る可能性なんて全くないわけですよね。したがって、もう少しそこは柔軟に考えていいんじゃないかなというふうに、政治家の方にも思っていますけどね。

【無藤主査】  
 ありがとうございます。

【竹林幼児教育企画官】  
 スケジュールの件で、先ほど私が委員の皆様方に検討を急いでいただくことをわかっていただこうという気持ちが強すぎて、かなり強く言ってしまいましたけれども、結局、何かまず省令が出て、この最低在職年数が何年で、単位数が何単位とか、そういうルールが決まっていないと、まず動けないので、養成校の大学の先生とかが、大学のほうで教員の確保をしたり、講座を開けたりする、そういう検討がすぐできるように、ルールは明らかにする。ルールは早く決めて、できれば25年度の最初からでも、そういう準備に取りかかれるようにしようと。でも、実際、それを受けて、どういうカリキュラムを組んだり、場所を組んだり、人を組んだりに入るには、当然、時間がかかるでしょうから、実際の講習が25年度当初から始めていただくようなことというのは、もう現実的には無理だと思っていますので。
 例えば、27年度施行だとすると、その前年である26年度ぐらいには、もう本格的にそういう軽減のための受講ができるように、1年ぐらい前には最低限なっていなければいけないんだと。そうやって考えると、その26年度に本格的に動くためには、やっぱり25年度ぐらいには、こういう仕組みをつくりましたよというのを示しておく必要があるだろうということで、検討を急いでいただきたいと言ったのは、そういうルールを世の中に明らかにするのを早くやりたいと。実際の受講については、もう準備ができたところから、早いところは、福井委員のおっしゃるように、例えば夏休みとか冬休みを使ってやっていただくところも出てくるかもしれませんけれども、切りがいいところで、26年度からというのでも別に問題はありませんし。

【無藤主査】  
 そうですね。ただ、25年度の後半ぐらいから始められるところはというふうにしないと、多分、間に合わないかもしれないという懸念をしているわけなんですけれど。
 そろそろ時間ではありますけど、あと一言ぐらい何かございますか。
 じゃ、また次回以降、次回以降というほど何回もないんですけれども、今日はここまでにさせていただいて、今後のスケジュールにつきまして、よろしくお願いします。事務局よりお願いいたします。

【松本専門官】  
 ありがとうございました。
 資料5というものを一番最後に配付させていただいております。幼稚園教諭の特例に関する検討会議のスケジュールというものでございます。1枚物でございます。
 本日の会議を踏まえて、また11月中に一度会議を開催したいと思っております。また、1カ月ペースで、12月に開催を予定し、また、予備日として、また12月、もう一度入れさせていただいております。合計3回から4回の会議で、1つの結論を得ていただきたいなと思っている次第でございます。
 以上になります。

【無藤主査】  
 ということでございます。よろしゅうございましょうか。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

【松本専門官】  
 次回の日程について、机上に出欠の可否について確認する資料を配付させていただいております。皆様のご予定をそこにマルペケをつけていただければと思います。予定を確認の上、速やかに開催案内を送付させていただきます。

 本日はありがとうございました。

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