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資料5 修士レベルの教員養成課程の改善に関するワーキンググループ(第1回)主な意見

【教職大学院の教育課程について】

○ 実践性、研究性、探究性を重視した新しい教職大学院の過去5年間の実績が、学校現場や教育委員会、保護者などに、 いい教員養成だと十分受けとめられているのかどうかというアウトプットについて、これからの教職大学院の在り方を議論するときに常に出発点として考えておかなければならない。

○ 自らの実践力と同時に、それを広めるためには、指導を助言する力も高めなければならず、自分ならできるのだけれども、相手のことを分析して伝えるというのは全く違った力が必要である。 

○ 修士レベル化にふさわしいカリキュラムイメージとは、実習経験を客観的に省察し、科学的観点から考察を行い、経験論ではなくて、経験を超えた理論として他者 に伝達・指導できる研究力を育成するものでなければいけない。 高度専門職としての教師というのは、実践をベースにした研究力を身に付けた人である。

○ 今まで教職大学院は、教職大学院の教育課程について、実習と共通科目の部分と、 分野別、コース別の選択科目の部分という大きな枠組みのなかでやってきた。その枠組みの中で、校種、ストレートマスターと現職教員の違いなどにあわせて、それぞれの教職大学院が工夫していけるようにする必要があると思う。

○ 今までの教職大学院のねらいは、いわゆるジェネラリストとしての即戦力となる新人教員、あるいは中堅教員、スクールリーダーの養成ということだったが、そこに今度は教科を入れるとか、特別支援を入れるとか、学校経営を入れるとか、情報教育を入れるとか、 いわゆるスペシャリストとしての能力を設置基準上、踏み込んで認めていくのかどうかが論点となる。

○ 教科教育、学校経営は、選択科目、専門科目として位置づけるべきと思う 。ただ、その際には共通に開設すべき授業科目と関連させることが必要である。学校経営コースについては、今の実態としては、完全な管理職養成であり、共通科目よりも実習や専門科目の方に重きを置くべきである。

 

【共通に開設すべき授業科目について】

○ 共通科目を2年間で、20単位の必修とし、実務家教員と研究者教員と 少人数学生のティームティーチングで実施することは、細やかな教育を実現している一方で、コストがかかりすぎるというのが率直なところであり、共通科目の見直しは、大きな論議の対象になる。

○ 5領域の共通科目については、ワン・オブ・ゼムで入っているのか。例えば開かれた学校づくりというのは、 学校を、これからは地域、社会とともに学校が動いていくのだという捉え方をした場合、何か単なる 担当教員が配置されていればいいものではなくて、本当にそういうスタンスで全てを動かしていくものと捉えることである。

○  共通科目は20単位以上、実習10単位という構造を見直し、 共通科目の単位数を柔軟化して、必要単位数は下げるという方向で検討してみたい。

○ 共通科目の中身についても、例えば、教育課程の編成についての科目をストレートマスターにやらせるのは無理があるなど、今までの5領域の設定そのものが一定の限界を持っており、枠組みも大幅に変えなければならない。 

 

【実習について】

○ ストレートマスターが、学校で実習を行う際、学校の課題を見つけて、「ここ、課題じゃないですか」なんて指摘したところで、学校としてそれを受け入れる土俵があるのかと言われると、むっとされたりもすることもあり、学校での実習のあり方も検討するべきである。

○  実習について、 実際に教職につく方は、その中のごく一部ということなので、いわゆる実習公害を引き起こさないよう、実際に教職につく方をちゃんと教育するのだということを念頭に置いて制度設計をしていかないと、どこかで破綻するのではないか。

 

【教職大学院の対象者について】  

○ ストレートマスター(学部卒生)と現職教員が同じカリキュラムというのは、現職教員を再教育してきた三十数年の経験からいっても問題がある。 背景と問題意識が全然違うためである。もちろん利点はあるが、デメリットのほうがもっと大きい。 必要に応じて一緒にすればいいのであって、基本は別にすべき。ただ、コストはかかる。よって、 現職教員、採用猶予者、未採用者、免許未取得者など、それぞれの者の準備段階に合わせて、 共通科目の5領域とか選択科目等を柔軟に見直したほうがよい。

○ ストレート(学部卒生)と現職教員を分けることは、すばらしいと思うが、ICTの活用等、ストレートのほうが詳しい点もあるので、全てを分けるというのではなくて、分ける点、分けない点というのがあってよい。

○ 共通科目は、ストレートマスターは全て必修で履修すべき。一方、現職教員は、それぞれの課題とか、そういうものに応じて選択できるようにすればよい。その場合、大学院が目指している人材像、あるいは個々人の状況に応じた履修指導が今以上に必要になる。

○ ストレートの院生と現職教員とは大分違うと思うが、混同されてしまっている。また、幼稚園、小学校の低学年と高学年、中学校、高校と全然違うと思う。これらのドメイン分けをして、マトリックスみたいなものを整理してはどうか。

○ 現職教員にも、バラエティーがあり、将来、校長や管理職になる人たちをはじめ、 教科の力をもっとつけたいという中堅の現職派遣の人もいっぱいいる。 

○ 小学校と中高をどういうふうに区別するか。あるいは、それをどういうふうに連関させるかは、なかなか難しい問題。日本の教員養成の大きな特徴は、小中をかなり統合的に養成しているということであり、そういう点も踏まえながら、どういうふうにカリキュラム、あるいは教育課程として整理していくかが必要である。

○ 教科の研究を一生懸命やっている人を、優秀な人材だと考えて教育委員会は教職大学院に行かせるが、彼らは教科を勉強したいと思って入るにもかかわらず、県教委のニーズはマネジメントであり、矛盾や抵抗感を持つというのが現実。本人の意識づけも大学院の中での整理が必要である。

○ 一般大学で将来教師を志望する学生を指導しているという立場から発言させていただくと、採用試験に合格しなくて、大学院進学を考える学生にとっては、専門職大学院と教育学研究科を比較すれば、ほとんど9割方、教育学研究科のほうを希望する。自分の教科の専門性がどれだけ磨けるか、その筋道が非常にわかりやすいためである。一方、専門職大学院は、教師に一度なってから必要な力は育てられるかもしれないが、今の自分にとってすぐに必要かが見えないからである。

○ 教職大学院では、 これからの時代において教師にとって必要な力は何か、それが明らかにされていく必要がある。それがあれば、学生たちも、教職大学院へ行くとこういう力がつくのだということが見えやすく、選択しやすい。今のままでは、率直に言えば敷居が高いという感じがするが、修士レベル化は、今度は全員が対象になるわけであり、修士レベル化する際の経験をぜひ明らかにしていただきたい。

 

【教育委員会との連携について】

○ 実践ベースの研究力を養成するためには、初任者研修のプログラム化、単位化など、大学・教育委員会の連携、学校現場との連携だが、 教育委員会側が乗ってこない。個々の大学、教育委員会だけでなく、文部科学省から強く働きかけていただく必要がある 。

○ 大学院に行った者は、大学院は大変勉強になり、理論的になるということを同僚に言っている。しかし、周囲は、 大学院に行ったらしいが、何をしに行っているのかよくわからないという現状もあるようであり、説明不足である県教委や市教委に責任がある。

○ 県教委や市教委としては、教職大学院をトップリーダーの育成に使おうと思っており、マネジメント能力を養成する場所にしてほしい。

○ 教職大学院ができる前の研修等定数の使い方は、 行きたい人と県が行かせたい人というのは全然違う人だということもあった。教職大学院ができたことによって、本当に行かせたい人を行かせることができるという県教委側の欲望も出てきた。

○ ストレートマスターと現職教員を分けて教育することも含めて、大学教員の配置がすごくコスト高になる。また、教育委員会にとっても、 無制限にたくさんの教員を出すわけには多分いかない。教職大学院を拡大する場合に、おのずから現職教員の方が今のような形で派遣されるということには、ある程度限界があるかなという気がする。

 

【教員養成系修士課程との整理について】  

○ 教職大学院を見直していくと、一般の修士課程との違いが分からなくなってしまう。

○ 教職大学院に教科を取り込んでいくような形に充実させていくと、従来の修士は何をするところになるのか。

○ マネジメントの力をつけること、教科の力をつけることという風に機能分化も一つの考え方としてあるが、 ジェネラルプラス教科の力という意味ではなくて、教科の指導力をつけるということは、研究指導のグループでリーダーシップを発揮できるなど、マネジメント力をつけることにもかかわる。教職大学院も一般の教育学研究科の専攻も養成する教員としては近くなってくるという考え方もある。

 

【その他】

○ 今、教職大学院自体が、現実問題としては、 辛うじて充足している、あるいは充足できないという状況の中で、今のままの形で拡充しても法科大学院の二の舞になるような危惧もあり、少し慎重に考えたほうがよい。

○ 大学全体で見ていると、 教育学部には、設置基準上、非常にたくさんの教員が配置されていて、そのわりに大学院生が何人いるかという話になってくると、コストパフォーマンスが悪いと考えられているなかで、さらにコストをかけるのかという論議が必ず出てくる。教員養成の中だけのサークルでベストを求めても現実にはなかなかそうはいかないので、もうちょっと高等教育全体の中で教員養成がどうあるべきかという視点も持たないといけない。

○ マネジメントという意識は管理職になってから突然考えるものではなく、新人の一年目から学校は組織であるということを知らなければならない。

 いわゆるマネジメント層になった時に、突然目覚めるというのでは遅いだろう。

 

以上

お問合せ先

高等教育局大学振興課教員養成企画室

(高等教育局大学振興課教員養成企画室)

-- 登録:平成24年12月 --