資料1 教員養成課程のグローバル化対応に関する検討事項について

 

〈中教審答申での記述〉

6.グローバル化への対応
○ グローバル化に対応した人材育成が求められる中、教員自身もグローバルなものの見方や考え方などを身に付ける必要がある。このため、例えば教職課程を置く大学において、教職課程の質の維持・向上を図りつつ、要件を満たせば学生が海外に留学した際に取得した単位を教職課程に係る単位として認めていくことなどにより、教員を志望する学生の海外留学を促進していく必要がある。    

 1 教員養成課程におけるグローバル化対応の方法

    教員自身がグローバルなものの見方や考え方などを身に付ける方法としては、以下のような方法が考えられる。
(例) ・留学生との交流事業への参加
      ・地域に在住する外国人との交流事業への参加
      ・国内で行われる国際交流事業への参加
      ・外国の大学との交換留学
      ・長期休業期間などを活用した海外留学  など
    このうち、教員免許状取得に際しては、外国の大学で取得した単位の取扱いを改善にする必要がある。

2 外国の大学で取得した単位の取扱いの現状について

    外国の大学で取得した単位については、教育職員免許法施行規則第10条の7第2項では、免許状の授与を受けるための科目の単位に含めることができることが明示されているが、同条第1項では明示されていない。(第1項の場合も運用解釈により、免許状の授与を受けるための科目の単位に含めることができる。)

3 改善の検討点

  ア 外国の大学で取得した単位の取扱いについて、規則の文言が異なるため、課程認定大学の解釈にバラツキがあるとの指摘があることについて、どのように改善するか。
  イ 留学した場合に、教育実習の実施の時期に影響が生じるため、大学の工夫とともに、教育委員会・学校との協力どのように行うか。
 

 教育職員免許法施行規則(昭和29年文部省令第26号)(抄)   
第十条の七 認定課程を有する大学に入学した者は、当該大学の認めるところにより、当該大学に入学する前(認定課程を有する大学に限る。)において修得した科目の単位のうち、大学設置基準第三十条第一項(大学院設置基準第十五条において準用する場合を含む。)、短期大学設置基準第十六条第一項又は専門職大学院設置基準(平成十五年文部科学省令第十六号)第二十二条第一項若しくは第二十八条第一項の規定により当該大学における授業科目の履修により修得したものとみなされるものについては、当該大学が有する認定課程に係る免許状の授与を受けるための科目の単位に含めることができる。この場合において、当該大学に入学する前の大学が短期大学である場合にあっては、第二条から第六条、第七条、第九条、第十条、第十条の三及び第十条の四に規定する二種免許状(高等学校教諭の普通免許状の授与を受ける場合にあっては、中学校教諭の二種免許状)に係る科目の単位数を上限とする。
2 免許法別表第一、別表第二又は別表第二の二の規定により普通免許状の授与を受けようとする者は、認定課程を有する大学の認めるところにより、認定課程を有する他の大学(授与を受けようとする普通免許状に係る学校に相当する学校の教員を養成する外国の大学を含む。)において修得した科目の単位のうち、大学設置基準第二十八条(大学院設置基準第十五条において準用する場合を含む。)、短期大学設置基準第十四条又は専門職大学院設置基準第二十一条若しくは第二十七条の規定により当該大学における授業科目の履修より修得したものと見なされるものについては、当該大学が有する認定課程に係る免許状の授与を受けるための科目の単位に含めることができる。

 

4 第3回WGでの「教職課程のグローバル化対応について」の主な意見

  ○ グローバル化対応について、様々なプログラムを用意し、どんなプログラムが教員養成課程では有効かということを、議論をしながら、その中で留学をさせた場合に何が壁になっているのかという問題点を洗い出してから議論をした方がよい。
  ○ 教育実習の時期をフレキシブルにすることを考える必要があると思う。今の仕組みだと、大学の4年間の単位で見ると、非常に窮屈なので、どこかを弾力化する必要がある。
  ○ 単位の問題ではないと思う。一般の留学をしたときに教職に関係する単位は、外国の大学では取れないと思う。教育学が専門ではない学生たちが教育心理学というのを英語で取るというのは、あまりイメージができない。物理を専門としている学生が、自分の専門外の科目を他の言語で取得するのはほとんど無理だと思うので、そこは単位の互換というよりは留学のタイミングの問題ではないか。
  ○ グローバル化対応で単位の互換とか留学促進とか、それは必要なこと。
  ○ 教員のグローバル化というのは、日本人の学生にグローバルな視点からものを教えられる人材を教員のグローバル化と言っているのか。それとも今後増えるであろう日本への留学生の対応とか、学校の経営とかでグローバルな視点を持っていることを言っているのか。どちらのグローバル化を言っているのか。
  ○ 教員養成のグローバル化でもいろいろな方法だとか手段があって、留学だけに議論を絞らず、その他にも方法がたくさんあるのではないか。単位互換だけでなく、ほかの方法もあると思う。
  ○ 留学の説明会をすると多数の学生が来る。だから、関心はある。その関心をうまく留学に結びつける制度化が大学の方でなかなかできていないのではないか。

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