平成23年度学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究について

参考資料3

平成23年度 学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究

A.全国的な学力調査の調査手法における技術的課題に関する調査研究 【委託先:東北大学】

【趣旨】

 「平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方に関する検討のまとめ」(座長:梶田叡一環太平洋大学長「全国的な学力調査の調査手法の在り方等の検討に関する専門家会議」平成23年3月)にある新たな分析を可能とする調査研究を行い,全国的な学力調査へ適用した場合の問題点等について検討し,技術的課題を明らかにすることで,今後の学力調査への適用可能性を探る。

【内容】

 教育に関する継続的な検証サイクルを確立するに資する時系列による学力水準の比較のための調査研究を数学において実施する。あわせてリーディング・リテラシーの測定を中心とした国語の調査を試行し,同一学年における複数科目の実施に関するノウハウおよびその結果を学力の相関構造の分析に活かすためのノウハウを開発する。

【方法】

 数学に関しては計64個の項目を16のブロックに分け,さらに共通のブロックを互いに含むようにして8冊の分冊を準備し,国語についても計49個の項目を基本的に4項目ごと13のブロックに分け,数学と同様にして8冊の分冊を準備する(重複冊子分冊法)。これらを中学3年生1954名に実施し基礎データを得る。本調査研究のための学力測定技術としては,すでにPISAやPIAACなどの国際調査で採用されている項目反応理論によるものを基盤とする。

B.学力層に着目した教育委員会・学校等における取組に関する調査研究 【委託先:広島大学】

【趣旨】

 全国学力・学習状況調査と地方自治体が独自に実施している学力調査のデータを連結したパネルデータを作成し,統計的な手法によって分析することによって,児童生徒の学力や学習状況の違いの要因を詳細に分析するとともに,学力が伸びた児童生徒,低学力者を減少させ学力格差を縮小させた学校における学習指導上,学校経営上の要因を明らかにする。

【内容】

 同一の児童生徒,同一の学校の異時点間における学力の変化について多変量解析の手法を用いて分析し,学力向上に効果のある学校経営や指導方法を考察した。また,低い学年時での学習のつまずきとその後の学習との関係について異時点間の設問の相互依存関係によって分析する。さらに,学力に及ぼす家庭や学校等の要因の影響のしかたは,地域の社会構造や文化によって異なっていることから,全国学力・学習状況調査の都道府県別集計結果を用い,47都道府県の特性の類型化を行う。

【方法】

 広島県および沖縄県が実施している学力調査は,小学校が4年生(沖縄)と5年生(広島),中学校が2年生が対象,全国学力・学習状況調査は,小学校6年生と中学校3年生が対象であり,実施学年が1年ないし2年ずれている。これを生かして,国と県の学力調査のデータを同一の児童生徒あるいは学校について連結することにより,異時点間での学力の変化をとらえる。

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室学力調査推進係

(初等中等教育局参事官付学力調査室学力調査推進係)