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資料3:自由討議のための論点メモ

1.少人数学級など教職員配置改善の効果に関する以下のような指摘についてどのように考えるべきか。

全国規模で見ると少人数学級の導入と学力水準との相関関係は見出せないのではないか。費用対効果の面で考えても、少人数学級による教員の増員よりも優先すべき政策があるのではないか。

 (討議のポイント)

  1. 少人数学級の効果は、学力等についてのマクロ面での分析のみではなく教職員の実感、保護者等の納得性(満足度)の面からの検証が重要ではないか。(このことは少人数指導、チームティーチングにもあてはまる。)
  2. 各地方での取り組みが進展している事実が、少人数学級のプライオリティの高さを実証しているという見方ができないか。  

<主なご意見>

  • 少人数学級の効果は、学校現場では学力テストの点数以外の部分でも感じる面が多い。テストの点数は効果の一面であり、授業中の発言機会の増加などによる学習意欲の向上、コミュニケーション能力の向上なども評価すべき。
  • 少人数学級により教員の目が行き届くようになることで、欠席や不登校が減少していることも効果として重要。
  • 高校生や大学生にしっかりとした就業意識を持たせ、将来のより良き納税者を育むことは重要。まずは、学校にきちんと行くということが大切であり、少人数学級により「学校が楽しい」と感じる子どもが増えたというデータは非常に重要。
  • 厳しい財政状況の下で、効率的・効果的な予算の使い方が求められている中、教育の質の確保のため少人数学級の推進が有効な手段であることを示すことが求められる。
  • 地方の財政状況も厳しい中、小学校2年生の35人以下学級について、今年度の国の加配措置以前から23の県で先行して実施されていたことは、その効果が広く現場で認識されていることの一つの証拠。 

 

ピーク時と比べ、子どもの数は42%減少しているのに教職員は13%しか減っておらず、教育環境はかなり改善しているはずなのに、子どもの学力、意欲、生活習慣がよくなっているのか。(子どもは昭和57年、教職員は昭和58年と比較した平成23年の数の割合)

  (討議のポイント)

  1. 教育環境が向上した結果、学力面では都会とへき地の格差がほとんどなく、国際学力調査でも高位をキープ。学校に対する保護者の満足度も約80%(Benesse 教育研究開発センター 第4回子育て生活基本調査)で、非常に高い。これをどのように評価・分析するか。
  2. この3年間の定数改善によって、指導方法工夫改善(習熟度別指導、小学校における専科指導等)の浸透や子どもの学習時間の増など状況は改善しつつあるが、このような状況を維持・向上させることが必要ではないか。

        ※習熟度別少人数指導実施率
          中学校:70.5%(H21)→78.0%(H23)

       ※小学校専科指導実施状況(理科)
        小5:26.4%(H21)→31.8%(H23)
        小6:29.4%(H21)→34.2%(H23)

       ※ほとんど毎日勉強する子どもの割合
        小学生:40.2%(H19)→42.9%(H23)
        中学生:22.1%(H19)→26.3%(H23)
       (Benesse 教育研究開発センター 第4回子育て生活基本調査)

  1. 家庭の経済状況の格差が学力に影響を及ぼしているとの指摘がある。近年低収入世帯が増加している中、世代を超えた格差の再生産・固定化を招かないようにするため、とりわけ義務教育段階で一層きめ細やかな対応が必要ではないか。
  2. また、他に改善を示す指標として何が考えられるか。       

<主なご意見> 

  • 子どもの数に比べて教職員の数は減っていないと言っても、少子化の進展、家庭環境の変化、経済格差の拡大等によって、学校に対する保護者の期待や要望が一段と高まり、学校の教育活動は高度化・複雑化しているため、単純に教員と児童生徒の比率だけでは判断できないのではないか。
  • 消費者教育、環境教育、キャリア教育、防災教育などその時々の重要課題に応じて学校の教育内容は増加しており、これらに対応するためにも教員の数の充実が必要。
  • 日本の教員は欧米と違って教科指導以外の多くの役割を担っていることに留意が必要。
  • インクルーシブ教育の進展も念頭に置く必要がある。
  • 教員の時間外・休日勤務が増加している。(昭和41年8時間 →平成18年 42時間)
  • 教員の勤務負担について、何らかの実態把握を行うべきではないか。そのことが、定数改善の材料になるのではないか。また、教員以外の支援スタッフの強化などによる対応についても検討すべきではないか。
  • 中学校では今年度から教育内容も時数も増加。さらに、地域人材やスクールカウンセラーとの調整にも時間を費やしている状況の中で、教員が子どもに向き合う時間の確保が必要である。
  • 義務教育の趣旨に照らして、全ての子どもたちに学力や社会力、豊かな感性を育むために「学びのセーフティネット」を構築し、補充学習や習熟度別少人数指導等の取組を支援することは重要。

 

2.質の高い学びのための効果的な教職員配置の在り方についてどのように考えるか。

(討議のポイント)

  1. 子どもたちに自ら課題を発見し解決する力、コミュニケーション能力、物事を多角的・批判的な多様な観点から考察する力(クリティカルシンキング)、様々な情報を取捨選択できる力などを身につけさせるための双方向・協働型の新しい学びへと授業を変革するために求められる教職員配置の在り方をどう考えるか。
  2. 地方においては、学校の実情に応じて少人数学級か少人数指導等(習熟度別少人数指導、ティームティーチング等。以下同じ。)かの選択を認めている事例もあるが、より教育現場に近いところの裁量で教職員配置できるような仕組みの促進についてどう考えるか。
  3. 学校現場の実情に応じた学級編制の弾力化や教職員配置の工夫について、成果を検証し、さらに効果的な取組に繋げていくためのシステムをどのように確立していくか。

<主なご意見>                             

  • 今後の学校教育では、ICTも活用しながら、子どもたち一人一人が発表や議論に参加する学びが必要とされており、授業1時間あたりの活動を考えると1学級40人では多すぎるのではないか。
  • 電子黒板やインターネットの活用など授業が多メディア化してきており、教員が教材を作ったり、使いこなしたりするのをサポートする人材が必要。
  • 学級編制や教職員配置をどのように行うかについて、市町村教育委員会や学校現場が判断できるよう裁量を拡大すべき。   

 

3.個別の教育課題に対応するための教職員配置の在り方についてどう考えるか。

(討議のポイント)

  1. 発達障害など障害のある児童生徒の増加や、障害者基本法の改正など特別支援教育を取り巻く状況の変化に対応するための教職員配置についてどう考えるか。
  2. 複式学級における指導など小規模な学校における教育指導上の課題や、学校統廃合を支援するための教職員配置の在り方についてどう考えるか。
  3. そのほか、震災復興、地域連携、学校マネジメント体制整備、教員研修の改善、食育等の課題に対応するための教職員配置についてどう考えるか。
  4. これらの課題に対応するため、多様な経験・専門性をもつ地域人材を活用することについてどう考えるか。

<主なご意見> 

  • インクルーシブ教育の取組を進める上で、通級による指導のための体制整備や特別支援教育コーディネーターの配置促進が重要。
  • 特別支援教育支援員の配置は自治体ごとに対応が区々であり、配置充実が必要。看護師など専門家の活用も必要。
  • 特別支援学校では、小中学校との連携などコーディネーターの役割が重要。また、卒業生の職場開拓等については特別支援教育の専門性を有する外部コーディネーターの活用が考えられるが、教員との連携が課題。
  • 小学校における専科指導では、理科や外国語活動のみならず、豊かな感性を育む観点から芸術教育にも力を入れるべき。
  • 小規模校では免許外教科担任などの課題があり、小中学校間での教員の兼務などの工夫が行われている。教育の質の確保の観点から教職員配置上の配慮が必要。
  • 都市部においても学校統合は課題になっており、市町村合併を伴わない学校統合に対しても定数上の措置を講じることを検討することが必要。
  • 学校統廃合の支援のための定数措置は、子どもの教育環境の充実や将来の教職員定数の効率化につながるという点を打ち出すべき。
  • コミュニティスクールなど地域連携に取り組む上で、コーディネート機能を果たすマンパワーが必要。
  • 外国人児童生徒への対応も多言語化している中、自治体ごとに支 援体制が区々。体制充実が必要。
  • 今後の教員に求められる資質能力を踏まえ、研修等を支援するための加配措置の在り方の検討が必要。また、教員の修士レベル化に向けて、教職大学院への教員派遣に対する定数上の配慮が必要。
  • 子どもの健康を取り巻く問題を踏まえ、食育の充実を支援することが必要。
  • 各課題についてスクラップアンドビルドで対応できるもの、新たな財政措置が必要なものを整理することが必要。その上で、優先順位をつけて計画的に取り組むことが必要。
  • 加配定数の活用方法について、学校現場の実情に応じて校長や市区町村教育委員会が判断できる仕組みを検討するべきではないか。

 

4.「地方での取り組みの進展や公務員人件費改革を十分踏まえ、地方での自主的な取組みを支援するという視点が必要ではないか。」という指摘についてどのように考えるべきか。

(討議のポイント)

  1. 少人数学級・少人数指導等の進展状況や対象学年、学級規模の設定の仕方は、地方の取組みにより区々である。このことを踏まえ、どのような教職員配置改善を推進していくことが必要か。
  2. 地方においては、学校の実情に応じて少人数学級か少人数指導等かの選択を認めている事例もあるが、より教育現場に近いところの裁量で教職員配置できるような仕組みの促進についてどう考えるか。(再掲)
  3. 公務員人件費抑制が求められる財政状況下で、教職員配置改善をどのように進めるべきか。
  4. 一方、教育の機会均等の観点からの国の責任による定数改善の必要性をどう考えるか。

 

5.国として教職員定数改善を計画的に行うことの必要性・在り方についてどのように考えるか。

(討議のポイント)

  1. 計画の必要性についての理由は以下のような考え方でよいか。
  • 任命権者である教育委員会に、教職員定数についての将来にわたる予見可能性を持ってもらい、計画的な採用・人事配置を行いやすくするためには、国による計画的な定数改善が必要。このことは、ひいては学校現場での見通しを持った教育活動を展開しやすくなることにつながる。
  • 一定の計画期間があることにより、後年度に及ぼす財政負担を十分考慮しつつ、教職員定数の自然減や年齢構成の変化による給与減などの財源を活用して、計画的に定数改善を行うことが可能となる。
  1. 計画改善を進めるにあたって、地方での取組状況の進展や地域主権、現場主義の観点をどのように反映するか。
  1. また、計画改善を進めるに当たり、以下についてどう考えるか。
  • 基礎定数充実の進め方をどうするか。
  • 現在の加配定数の在り方に(地方の予見可能性の観点等から)改善の余地がないか。
  • 団塊の世代の大量退職により、新規採用者の増加が進む中で、教員の質確保の観点から、臨時的任用職員等の任用の在り方も含め、人事施策をどう考えるか。
  • 地方公務員に係る60歳定年後の再任用義務づけが検討されているが、そのことと今後の計画的な定数改善との関係をどう考えるか。

<主なご意見>                                          

  • 義務教育費国庫負担金の国の負担率が1/2から1/3になったことや近年の計画によらない定数改善が各都道府県での非正規教員の増加に繋がっているのではないか。教育の質の向上につながる正規教員の配置を進めるためには地方にとって予見可能性のある定数改善が必要。
  • 臨時的任用など非正規教員は、人事管理上、一定程度必要であり、人材の発掘・育成機能を果たすこともあるが、正規教員のような体系的な研修がないため、特別支援教育やICTなど現代的な教育課題などへの対応が困難。
  • 60歳定年後の再任用義務づけは、教員の新規採用に大きな影響がある。各都道府県が先を見通した採用ができるように、国として何らかの対応が必要ではないか。
  • 再任用の義務づけを踏まえ、今後、再任用教員を各学校でどのように学校で活用するかを検討しておくことも必要
  • 教員の仕事は子どもに与える影響が大きいため、再任用に当たっては、適正の判断も含め子どもの教育にマイナスにならないような的確な運用が必要。

 

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-- 登録:平成24年08月 --