資料9 英語教育に関する目標設定の在り方(生徒)についての意見の概要

英語教育に関する目標設定の在り方(生徒)についての意見の概要

 

<目標設定について>

○実用英語技能検定(英検)は、学習指導要領の内容に基づき作成されている(中学校卒業程度:英検3級程度、高校卒業程度:英検2級程度)ため、生徒の英語力の向上を図る際の目安となると同時に、英検の指標に基づいた目標の設定は、英語学習の動機付けともなり、有効である。

○新学習指導要領の円滑な実施のため、各学校がそれぞれの実態に応じて英語教育に関する目標を設定を行うことは重要である。目標を設定する際は、各学校、地域の実情にあわせ、どのクラス、どの生徒も取り込めるものであることから、各学校等においていわゆる「Can-Doリスト」を作成することも考えられる。一方で、国が「Can-Doリスト」をリーダーシップをもって推し進めるべきで、「Can-Doリスト」への到達度を適切に把握できるようなテスト問題のモデルを国が作成し、教育委員会や学校に周知することはできないかという意見もあった。

○目標は、参考として扱うとともに、日本語の特性や、日本人のパーソナリティーを加味したものであることが望ましい。また、生徒の個性を活かすため、パーシャル・コンピテンス(部分的な能力)を重視して生徒の能力を複眼的に評価することが重要である。

○目標の達成状況を適切に検証していくことが重要であるという意見があった。

○「「英語が使える日本人」の育成のための行動計画」において示した英語力に達している生徒の割合は3割程度であり、半分程度の生徒が達成される必要があると考えるが、単純に目標を引き下げるのでは意味がない。英語をツールとしてコミュニケーションをとれるかどうかがポイントである。

<生徒に求められる資質・能力やそれを育むための取組について>

○生徒の英語への関心・意欲を育てることが重要である。

○間違えても下手でもいいから人前で積極的に英語でコミュニケーションを図ろうとする態度や、相手の意図を読み取って、自らの考えに理由や根拠などを付け加えて、論理的に説明できる力が重要である。また、話す力を育てるためには、まず聞く力の育成も必要である。

○このような能力を育成するためには、教師が一方的に話す形から生徒が授業中に英語を使ってコミュニケーションをはかる形へと授業の形態を転換していくことが必要であり、英語で議論するコマの設定などが大切である。また、英語に限らず、他の教科も含めトータルに育成していく視点が重要である。

○テストや入試において、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や話すこと・書くことなどの発表技能を積極的に評価していくことが重要である。このような試験問題を大学において作成するには、膨大な手間と時間がかかるため、国が資金援助をすることが考えられないか。

○学校における各教師の意見をまとめあげるためには、SELHi事業のように、学校に外部の専門家がアドバイザーとして入っていくことが必要であり、そのためには、国のサポート体制の構築が重要である。

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