全国的な学力調査の在り方等の検討に関する専門家会議(第5回) 議事要旨

1.日時

平成22年9月29日(水曜日)17時~19時

2.場所

旧文部省庁舎6階 第2講堂

3.出席者

委員

相川委員、天笠委員、小川委員、梶田座長、小宮委員、柴山委員、志水委員、清水(静)委員、清水(哲)委員、高木委員、土屋委員、耳塚委員

4.議事要旨

(1)事務局より資料1から資料3-3に基づき、中間まとめ、概算要求、平成22年度の調査結果についての説明があり、その後、これらに対する意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。

○全国の学校に周知する方法を考えていただきたい。

 新学習指導要領の全面実施とここでの調査、教科書についても検定が終わり、採択に入っており、教科書とここでの調査、学習指導要領が一体となって学校に浸透する必要がある。

 19年度調査の問題が引き続き課題となっていることが、中学校で数学については学び直しがあるので、そこで定着をはかることがある。言語能力の充実が掲げられている。これは子どもが人と関わる力を高めるという背景があるが、暴力行為の増加という課題もある。子どもが学び合うという学習を様々な活動で推奨する学習指導要領になっている。こういったことを調査に入れたり、場面を入れて一部記入させるなど工夫の仕方だと思う。こういった学習のしかたもあると気づかせることが大切。

 算数・数学でも多様な答えが出る場面があるので、子どもに考えさせることがあってもよい。様々な学びに気づかせることを、指導要領、調査、教科書が連携して浸透させるものになってほしい。

○ことばの力についてまだ誤解があり、コミュニケーションとればよいという受け止めがあるが、思考であり受け止めである。まだ現場への趣旨徹底が十分でない部分があれば考えなければならない。

○専門的研究については、一つ一つ大切な例であり課題である。

 学力調査と学校評価との関係も大切なテーマであり、学力調査が学校の実態として フィードバックされて、学校評価の取組として評価され、ガイドラインとしての取組の定着をはかることが大切。

 現実の実態は調査と評価が別になっている。一体的な扱いとしていくことが大切なことではないか。

 研究手法の例のところも、しっかりと学校評価、学校改善と学力調査を整合させる見取り図の明示を検討していただきたい。

 

(2)事務局より資料4に基づき教科追加の検討に関するワーキンググループの設置について説明があり、承認された。

 

(3)柴山委員より、資料5に基づき、今後の全国的な学力調査のための新しいタイプの調査方式に関して説明が行われ、意見交換が行われた。

○全国学力・学習状況調査はいろんな期待が入っている。抽出になってアセスメントの面が強くなった。アセスメントとするならいろんな仕組みを入れておかないとうまくいかない。

 日本では教育評価やテスト理論の研究が遅れている。

 素朴なテスト観で議論しがちだが、きちっとした物の見方をする意識になったのではないか。

 研究のレベルは進んでいるが、テストに対する受け止めは30年前から変わっていない。

 来年以降のことを考えると、お金がすくなくなるなか、効率よくしていくことを考える必要がある。

 これからWGで議論した結果も報告していただくが、全体的なテストの在り方も念頭に置いていただきたい。

 個々の問題を取り上げ、表面的な現れだけをみるのではなく、子どもにどういう反応があったのかを見て全体の設計をしていく。

 教科の専門家がいい問題といってもダメな場合がある。

○IRTのメリットをわかりやすく説明していただいてありがたい。デメリットはあるのか。

○テストは何のためのテストかを絞り込んでいく必要がある。

 メリットだけでなくデメリットも議論しないといけない。

○あまりに素朴なテスト観でやってきたというのは同感である。

 十分理解していないが、教育課程実施状況調査の経験から、データ収集デザインのところで、大変な労力が必要になる。3種類作ったがそれでも大変だった。考え方としては分かるが、実現可能性とのバランスを考えていただきたい。

 問題を伏せることになるだろうが、今回の調査については、教育課程の改変にあたり学校を変えることも目的にあった。教育課程実施状況調査で問題を伏せて継続することで目的を実現する。いまの全国学力・学習状況調査は問題を開示しないと何が大切か分からないので、問題を開示していく。一つの問題でも思考過程では深く見ないといけない。 指導事項との対応関係だけではなく、個々の問題についても思考過程の面からの分析も必要。

○思考力といっても何十種類もあり、それぞれ測定モデルが違う。論述ならいいという単純な話ではない。このように具体になれば考えていかなければならない面もある。

お問合せ先

初等中等教育局学力調査室