おわりに

  今日の社会構造全体の大きな変化は、元来、生活の基盤であるべき家庭や地域社会の在り様を変え、子どもたちが安心してのびのびと成長することができる環境を脅かしつつある。
  子どもたちが心身共に健やかに育つことができない社会に希望はない。
  いま、社会のあらゆる機関が真摯に子どもたちに関する状況を直視し、勇気を持って、子どもたちの切実な声や悩みに応えていかなければ、我が国に未来はない。
  社会の急激な変化の波は、学校という共同体の船を転覆させかねない勢いである。一方で、そうした波にさらされながらも、学校は子どもたちに「生きるための力」の基盤を培う重要な社会的機関として、大きな役割と期待が寄せられている。
  学校は、時代にかなう信頼を勝ち得ていくことができるよう、保護者や地域社会、また、関係機関や専門家としっかり連携して、子どもたちからのサインを見逃すことなく、子どもたちと向き合い、悩み一つ一つを受け止めてほしい。
  教員一人一人、学校、家庭、教育委員会、そして社会全体が教育相談の重要性を認識し、子どもたちの自立を助けていくことは、学校教育に求められている重要な課題である。

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初等中等教育局児童生徒課