特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議高等学校WG(第5回) 議事要旨

1.日時

平成21年6月26日(金曜日)10時半~12時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館西館14階 金融庁共用会議室1

3.議題

  1. WG報告とりまとめに向けた検討課題について
  2. その他

4.議事要旨

(1)事務局より配付資料の確認が行われた。

(2)WG報告とりまとめに向けた検討課題(案)について、事務局より説明された後、質疑応答・討議となった。その概要は以下のとおり。

〔概要〕○:委員  △:事務局

(高等学校における特別支援教育体制の充実強化について)

○ コーディネーターの資質向上は大切だが、高校においてコーディネーター1人だけの技量が上がっても、高校の既存の体制の中で全体の機能を高めていかなければ意味がない。基本的に校内委員会の中でチームを組んで動く形にしないといけないと思う。

 特別支援学校のセンター的機能の活用については、特別支援学校の方は今まで高校の現状をあんまりご存知ないことが多いことから、支援が必要な生徒が受けている授業を、教員の公開授業の中で一緒に入ってもらい、どんな雰囲気かを見てもらったり、高校単位認定がどうなっているかという仕組みなどを理解してもらったりした上でないと、なかなか連携は進まないのではないか。

 また、コーディネーターと支援の対象となる生徒の関係が一番うまくいってないケースがあり、チームで動く中で、生徒とのつながりが一番うまくできている教員が複数で対応するという対応の仕方をしないといけないのだろうと思っている。

○ 私もコーディネーター1人が全部やればいいというのは間違っていると思う。私の学校では、学年に1人、コーディネーターを置き、養護教諭やスクールカウンセラー、生徒指導担当の責任者たちと週1回は話すようにしている。英語でオン・ザ・フライ・ミーティングという言い方があり、移動式の井戸端会議のような感じで、「あの子のこと気になったな」というのがあったら、話を聞いた人が養護教諭のところに行って、ちょっとまずいと思ったら、例えば校長のところに行くというようにして、その話が伝わっていくような仕組みができている。これを意図的にやっていくのがコーディネーターだという形にしている。

 コーディネーターの問題を考えるときには、コミュニケーションの網がどのように張り巡らされているかを管理職がよく把握している事が必要。また、特別支援学校のセンター的機能を活用する場合には、ケース会議のような場に参加してもらう形をとる必要がある。ただ上から知識を授けるだけではうまくいかない。両方の知恵を集める事が大事である。

○ 特別支援学校のセンター的機能の活用については、得意な分野から進んでいっている状況であり、高校においては、うまくいってない部分もあるので、これからお互いに協力し、お互いの状況を分かりながら、進めていくのが大事ではないか。

○ 支援員の配置については、私の県では、5~6年前から小中学校への支援員配置の働きかけを行っていたがあまり進まなかったため、県の単独予算で支援員を配置する事業を呼び水として実施した。その結果、支援員に対する理解が進み、小中学校ではかなりの市町村で独自の予算で配置されるようになったため、県立学校に支援員を配置するようにした。昨年度は5校くらいに支援員を配置したところ、非常に成果があることがわかり、今年度は希望が非常に多くなって13校に15名の支援員を配置している。なかなか財政的に厳しい状況でもあり、国からの支援があるとありがたい。

 現在、支援員を配置している高校では、学習面においては、ティームティーチング、別室における学習支援、職場体験学習の実習先に同行して支援、進学に関して面接の助言指導、小論文の指導などを行っている。授業中のノートの取り方について支援をしているという例もあった。生活面では、委員会活動における仕事への取組の支援、学校行事への参加の支援も行っており、小中学校と比べると支援の内容が多岐にわたっている。

 どのような方を支援員として希望するかについて校長に聞いたところ、できれば教員の経験があり、教育相談を担当したことがある方を望んでいるということであった。

○ 私の県では、例年、大体20人以上の支援員が高校に配置されている。支援の内容が学習支援なのか生活介助なのかは、学校によって相当違う。そのため、どこでどのような人が必要になるかも学校によって違うと思う。

 支援員という形で高校に入っていただく方は、教員の経験者や例えばコンピュータの達人など生徒が一目置ける人がいるとすごく効果的だ。現在、私の高校にもコンピュータ関係で、退職された方で本当の権威の方がいるが、特別支援の専門家でなくても、やっぱりこの腕前はすごいというのは生徒に響くものがあることから、効果があると思う。

 一斉の授業についていけないため放課後に残って補習を受けている生徒の中にはいろんな課題を持っている子がいる。そのため現在実験的に、点数がとれない、ペーパーテストに対応できにくい生徒に教育学部の大学院生に来てもらい、数学や化学を教えてもらっている。彼らの魅力は相当なものがあって、補習のために放課後に残ることに抵抗感がある場合にも、「今日は大学院生の何とかさんが来るよ」と言うと、それが動機につながって頑張っていける。この支援の方法は、選択科目の中に入れるのか、通級による指導的なものにするのか、勉強のサークル的なものを自分たちでつくって、それを大学院生が指導するという体制にするのか、いろいろな可能性があると思う。

○ これは私学の問題かもしれないが、ネットワークを作り、その中からいろんな問題を発信、あるいは聞き取り、質問、情報交換などいろんなことができるようなシステムが必要ではないかと思う。

 私学では私学教職員の10年研修というものがあり、その研修で取り扱ってほしい事項として、最近は非常に落ち着きがない生徒、学校行事に主体的に取り組まない生徒への対応がいくつか挙げられている。このようなことは今までなく、学校現場で戸惑っている状況がある。私学では特別支援が必要だとまではいかないが、ボーダー的な生徒が非常に増えているというのが実感。これらの生徒にとって、このWGで討議されていることが非常に有効な手だてになるのではないかと思う。

(発達障害のある生徒への指導・支援の充実について)

資料3について事務局より説明が行われた。

○ 発達障害のある方の中には、例えば字で書かせると「どこかへ行きました。楽しかったです。」のような文章しか書けないが、ワープロを使うと非常にうまく書ける人もおり、ICTを是非活用してほしい。あわせて著作権法の改正がされて、例えば視覚障害のある方のために教科書を音声化することが出来るようになろうとしている。この改正の対象範囲について、発達障害のある者の実態に合わせて、極力幅広くし、ICTの活用にも結びつくようお願いしたい。

○ 巡回相談などで学校に伺うときに、まず先生から質問されるのは、問題行動があるが、発達障害なのか生育歴の問題なのかということ。本来は精神科の先生が診たほうがよいのではないかと思うが、保護者に病院に行ってもらい、診断を受けてもらうのは大変なハードルであり、保護者が適切に医者に伝えられない場合、診断名はつかない。保護者に問題を意識してもらい、病院で診断を受けてもらうまで、学校が苦労するということがあると思う。そういうときに巡回相談も活用していただけるとありがたいと思っている。

○ 個別の指導計画は例えばLDと判断されないと作ってはいけないということではなく必要な生徒には作っていくというように、どういう場合に有効なのかという発想でやらないと形式的になってしまう恐れがある。

○ 今回の新学習指導要領で個別の指導計画や個別の教育支援計画について盛り込まれたことは画期的ではあるが、高校の現状からいくと、一足飛びに個別の指導計画をつくりましょう、個別の教育支援計画をつくりましょうというのは、全ての高校について考えるとかなりハードルが高いのではないかと思う。ほぼ全ての高校でシラバスは作っていると思うので、特別な配慮が必要な生徒について、シラバスを改善し個別の指導計画や個別の教育支援計画の内容も含めたような様式に変えていく。これならば進学校も含めて全ての先生方も納得できるのではないか。個別の指導計画をすぐ作りましょうといっても、その意図なり、どのように作ればいいのかというところで戸惑うのではないか。それが心理的に個別の指導計画や個別の教育支援計画の作成に対する拒絶感につながるのではないか。

○ 私の高校では大学生がボランティアとして20人ぐらい来てくれており、面接、小論文指導、あるいは定期試験の前の補習などでお世話になっている。将来、教職につきたい学生が来ており、学生にとっては教育実習よりも役に立っているかもしれない。何らかの形でお金がつけばよいなと思うが、全部の高校が手を挙げたら予算が足りなくなるので実際には厳しいだろう。高校生のプライドを踏まえ、自分自身が意欲的に補習を受けに行くという体制を作ることが必要である。

△ 学生支援員については、国としては47都道府県に委嘱して実施している「発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業」において約5億円を措置し、その中で学生支援員の活動を支援している。都道府県教育委員会は、教員志望の学生等を学生支援員として、幼小中高、特別支援学校に派遣し、発達障害を含む障害のある幼児、児童、生徒の支援に当たらせることができるとしており、その取り組みを進めていただいているところ。

△ 一般の支援員については、毎年公立高校における特別支援教育支援員の状況調査をしており、平成20年の数字になるが、16道府県で合計224名配置されている。これはすべて県単事業として実施しているもの。それぞれ自治体は財政も非常に厳しいということで、交付税措置での対応をお願いしたいという要望も数多くいただいているところ。

○ 私の高校ではニーズとしては毎年100名ぐらい特別支援を必要とする生徒の入学の希望があるが、3名から5名程度しか受入れられないのが現状。そのような中で数年前から私が考えていたのは、いわゆる情報機器、コンピュータを使った双方向型の通信制的なものができないだろうかということ。オン・デマンドであると非常にコスト的にかかるため、リアルタイムで例えば授業風景をそのまま出して、生徒との話し合いをする。あるいは学生支援員の方々がいれば、生徒たちに話しかけるなどができるのではないかと思っている。これは発達障害に限らず、下肢障害などで高校に通えないといった生徒にも使えるのではないかと思う。

 また高校に対し、パソコンや情報化教育に対する予算措置が盛り込まれれば非常に助かるというのが現場の意見。

△ 病弱の特別支援学校では既にICTの活用による双方向の情報機器、パソコンを活用した教育が進んでいる。病弱の生徒の中には入院のため、あるいは退院後も自宅からなかなか学校に通えないという生徒もおり、そのような場合にいろんなセキュリティをちゃんとかけた上で、先生1人に対して複数の生徒が授業を聞けるという仕組みもできている。

○ ICTに関しては、機器の開発が目まぐるしく進んできているが、発達障害の認知特性にかかわる部分と支援機器、情報機器の機能の部分とがあるが、私どもの研究所では、機能の部分についての研究を進めているほか、認知特性にかかわる部分については、発達障害教育情報センターにおいていろいろな教材・教科、支援機器を収集しているところ。

 認知特性に関して詳しい者とICTに詳しい者とが共同で研究を進めていければ有効性が高いものになるのではないか。

○ 高校における支援員については、このWGにおける報告において、必要であるということを是非謳っていただきたいと思う。

  個別の指導計画、個別の教育支援計画については、現在、小中学校において個に応じた指導として、発達障害を含めて障害のある子どもについては、内容はともかくとして、かなり定着しつつある。高校になったら急にそれがなくってよいという合理的な理由はない。高校になっても当然個に応じた指導が必要な子どもがいるのであるから、高校においても当然作る必要がある。

 通級による指導については、習熟度クラスを実施しているような学校では通級的な取組は可能ではないか。

 特別支援学級については、制度の改正も必要で難しいかもしれないが、現在では特別支援学校、高等特別支援学校があるが、いずれもIQの高い方、療育手帳のとれない方は対象となっていない。IQの高い子どもの中には特別の教育課程が必要な子どもがおり、高校の中で対応するとなると、ネーミングはともかく、特別支援学級のようなものが必要だと思う。できれば報告書の中で法制度の改定について検討をする。あるいは例えば研究開発事業のようなことを実施するなど、何らか前向きに報告の中で謳ってほしいと思う。

○ 私の高校では、大学院生である学生支援員自体が自分の研究と結びついて、子どもの認知特性についてアセスメントしながら、いろいろ教えていくという要素がある。教員がこの研究価値をきちんと確認していく作業が必要だということを感じている。学生支援員が入ってきて子どもたちが勉強するようになって、それはよかったという話で終わるのではなく、支援を通じて学習スタイルの違いや認知スタイルの違いがはっきり分かって、学生がある程度専門的な知識で見られるようになり、いずれ教員になっていく、ということになれば非常に大きな可能性があるのではないか。

 学生支援員の話を聞くと、教育実習よりも役に立つし、おもしろいと言っており、形式張った形ではなく、いろいろな形で教員の養成課程のカリキュラムの中に盛り込んでいくことも必要ではないか。

○ ICTについて、既にいろいろな機器があるが高価なものもあり、フル活用すればとても有効だなと思うものが使い切れてない学校が実際に非常に多い。パソコンルームにも鍵がかかっていて、それこそ全く使われていない状態というところが多い。先生の教えたいことに対して、活用の仕方をアドバイスする方を定期的に学校に派遣するなどしないと、たくさんの予算をつけてもそれが生かされないし、稼働率も高くならないと思う。

 個別の指導計画などについては、PDCAのサイクルを回すためにはデータベース化が必要。紙でファイルされているものではサイクルしない。データベース化すれば、セキュリティの範囲を先生が入力できるところ、外部の関係者が入力できるところというように自由自在に設定できる。そして一番大事だと思うのは、本人が進学や転校、あるいは就職や地域に出るときにも、そのデータベースを個人でも持っていけるということ。そうすれば、本人も含めて全部1つのシステムでできる。長期的に幼小中高、それから大学、地域へといったときに、文科省でシステムを1つ作っていただけるといいのかなと思う。

△ 個別の教育支援計画などのデータベース化については、私も理想だと思う。うまく活用すれば、中学から高校へ情報を引き継いだり、学校全体で情報を共有したり、見られるようになる。絶えず更新できるような仕組みについては、個人情報の管理とセキュリティについて留意する必要があり、特に外部への流出をいかにブロックするかという点を十分考える必要がある。公務用コンピュータはいずれ教員1人1台という体制が実現できる予定であり、後はいかに校内のネットワークをうまくつなぎ情報を共有したり、それが外部には流出しないような歯止めをかけたりしながら、みんなで更新をしていくという仕組みが整うだけの素地は出来てきていると思う。あとは学校側の取り組む意欲と、ICTに関するソフト面のスキルを高めていくことが必要。

△ 個別の指導計画については、教員が指導するための計画ということであり、共有化についてはセキュリティの問題以外にも少し課題があるのではないかと思う。

 個別の教育支援計画のついては、既に共有化、データベース化しているという事例がある。この間少し話を聞いたところでは、就労支援に向けて関係者だけが入力する形でデータベース化し、その子の情報を見ながら、就労支援に結びつけという取り組みをしているとのこと。

○ 高校に支援員は必要である。あわせて、発達障害のある生徒が在籍する高校には専門の教員が配置できるよう定数措置する必要がある。

 個別の指導計画、支援計画について、先ほどの私の意見は当面は要らないということではない。全部の高校ができるだけ取り組みやすい形で段階的にいくためには、シラバスなどを改善しながら日々取り組んでいるものを、さらに一人一人に応じたような形で段階的にやっていこうよという意図で申し上げた。

 高校には発達障害等の子どもに対する制度的な仕組みがない。その中で多様な取り組みを高校では行っているが、制度として考えた場合に通級による指導というのを考えてみてはどうかと思う。ただし、教育課程上の問題をクリアする必要がある。

○ いくつかの県の調査でこれだけ発達障害の子がいる、あるいは現場で困っている状況があるということが分かっているので、特別な教育課程について研究開発的な取り組みができたらいいのではないかと思う。

(入学試験における配慮や支援等について)

○ 大学のセンター試験においては、大学入試センターで配慮の必要の有無などに関する判定を行っていると聞いた。具体的な配慮の中身は、別室受験や問題用紙の拡大、時間延長などで高校での配慮の内容とほぼ同じ。どのような配慮をするかの判断基準についても診断の有無や高校で似たような試験を受けていたかなどでこちらもほぼ高校入試と一致していた。高校においても配慮は行われているが、地域差があり、指導主事のパーソナリティなどに左右される可能性もあるので、きちっと国レベルで最低ラインを整理しておいてほしい。

(就労支援・職業教育等について)

○ 私の県でもやはり企業の障害者の雇用率が低いという問題があり、企業の方々と話し合いの機会を設けているが、ある方から、「県や県教育委員会の障害者の雇用率はどうなっているか」と言われ調べたところ、法定雇用率を下回っていた。

 そのような状況では、企業側からするとまずは県が先ではないかと言われてしまうところがある。雇用者数としては圧倒的に県より企業に多くの雇用をしていただかなければならないが、足元のところをしっかり固める必要があるのではないかと思っている。

○ 障害者の法定雇用率の問題について、特にこの高校WGで検討しなければいけないのは、発達障害のある生徒の場合、手帳を持っていないタイプの人が圧倒的に多いわけで、このあたりをどうするかについては、課題が多いと思う。

○ 発達障害のある子どもの場合、普通の方が遊びの中で得た体験や学習を通じて自然に身につくことがついてないケースがある。そのため、通常の高校の中でソーシャル・スキルやコミュニケーションを補うのも一つの方法であるが、例えば半年から1年ぐらいの期間で日常生活や作業能力、コミュニケーションを補うための課程を作れたらよいのではないかと思う。

○ 就労支援コーディネーター(仮称)の配置とあるが、機能、役割について文科省のイメージを教えていただきたい。

△ 本WGにおける議論の中で、学校ごとにばらばらに実習や就業体験を企業側に働きかけると、企業側の負担にもなるため、商工会、経済団体と教育委員会で整理すればよいのではないか、年度の途中でもいろんな形で求人・採用があるため、在学中に就労が内定しなかった生徒、あるいは離職をしてしまった卒業生も卒業後1~2年程度支援を行う期間があるとよいのではないか、という指摘があった。従来は、ハローワークの仕事だったわけだが、厚労省側との連携のもと、学校側でもある程度フォローする仕組みがあっていいのかもしれないと考えている。

 我々の現段階でのイメージは、就労支援コーディネーターは当面は学校単位ではなく、教育委員会レベルに配置し、フルタイムで学校に張りつくのではなく、週に1日程度、いくつかの学校を見て回り、支援が必要な生徒の就労面でのサポートや実習先の調整、あるいは就労できなかった生徒に対する卒業後の継続的な支援などを考えている。

○ 卒業時に就職が決まっていない生徒に対し、1年間かけて学校が相談に応じているが不十分な状況。在学生への対応で目いっぱいなところがある。ハローワークが分室のような形で定期的に来るなど、高校1年からそういう存在を知っていると教育的に意味があると思うので、実際に就労支援コーディネーターを配置できれば就労支援に結びつく生徒は多いと思う。

○ 実習の受け入れについては、各学校からの要望以外に、福祉関係機関やハローワークからも依頼が重なり、採用する前提ではなく就業体験という意味では優先順位をつけにくいという声を企業から聞く。

○ 日本版デュアルシステムについては、その研究は主に専門高校の生徒たちを中心になされているが、これはある一定程度のスキルを持っている子どもが企業のほうに週に何日か通うシステムになっている。ヨーロッパのシステムを見ると、特に初めからスキルを身につけて企業に行っているわけではなく、本当に企業の側のほうで訓練機能を持っている。

 普通高校に在籍している特別な支援を要する子どもたちのいわゆるスキルの訓練などを考える中で、本来の意味でのデュアルシステムの取り組みができないものかということについても、少し話題にしていただければと思う。

(その他)

○ このWGでは高校における特別支援教育の推進体制の整備ということと、発達障害のある生徒への教育支援を中心に議論してきたが、これまでも高校の中で様々な障害の方々に対する対応は進めてきたことがあり、それらの成果が今回の発達障害の方への対応に結びつくようなこともあると思う。また、発達障害以外の障害についてもある程度報告で触れていく必要があるのではないかかと思う。

○ 今回の報告に入るかどうかわからないが、いわゆる中学校を卒業して高校にも行かないという発達障害の子どもが現実にいる。そういう子どもたちへの支援体制の中でICTの活用についても触れられるとよいのではないか。

(3)会議の運営について説明があり、閉会した。

 

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)