特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議(第20回) 議事要旨

1.日時

平成22年1月18日(月曜日)13時30分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎第4号館123会議室

3.議題

  1. これまでの主な論点について
  2. 自由討議
  3. その他

4.議事要旨

(1)髙倉座長より挨拶が行われた。

(2)事務局より配布資料の確認が行われた後、説明が行われた。

(3)事務局より資料に基づき説明が行われた後、自由討議となった。討議等の概要は以下のとおり。

〔概要〕○:委員 △:事務局

△資料4の論点整理(案)について説明すると、P1以降の「1.特別支援学校における現状と課題」は、前回の配布資料の課題整理メモの中で示した事項を文章化したものである。P7の「2.早期からの教育支援、就学指導」は、昨年2月に本協力者会議の審議の中間とりまとめ「早期からの教育支援の在り方について」において6項目について提言がなされたものである。P8以降の「3.小・中学校における特別支援教育の現状と課題」は、前回、論点整理(素案)として示したものであるが、今回はその際の意見を反映させて追加した。P18の「4.高等学校における特別支援教育」は、昨年8月に高等学校ワーキング・グループ報告において、5項目について提言がなされたものである。P19以降の「5.特別支援教育担当教員の専門性に関する現状と課題」は、項目3と同様に、前回の論点整理(素案)に対する意見を追記したものである。P26以降の「6.外部人材や関係機関、民間団体等の連携協力」は、前回の課題整理メモで「その他の課題」という項目の中で唐突にNPOについて記載していたところ、違和感があるとの意見をいただき、大項目6として「外部人材や関係機関、民間団体等の連携協力」として整理したものである。

○職業教育や就労支援に関して、現在の経済情勢が不安定な中で家庭状況も厳しいという状況が多く見受けられる。生活支援が充実すれば就労も進むと思うので、直接的には教育ということではないかもしれないが、生活支援を就労支援と並ぶ課題として論点整理でも示し、解決の方向を探っても良いのではないか。

○センター的機能については、今後取組が拡大した際にどうなるかという課題がある。センター的機能が位置付けられ、小・中学校等を中心にしながら特別支援教育が広がっていく中で、センター的機能の取組も一層拡大している。教育委員会等を中心とした巡回指導や専門家の支援が必要になると思っている。

○小・中学校の新学習指導要領においては、ニーズのある子どもについては個別の指導計画や個別の教育支援計画に類したものを作成して指導するように示されており、また障害のある子どもを指導する際は、特別支援学校の学習指導要領を参考にするよう示されている。センター的機能の中には、そのような小・中学校における指導方法の支援も含まれているのではないか。そうであれば、センター的機能の項目には、新学習指導要領の趣旨を踏まえて「新学習指導要領にも示されているように」などの文言を示すべきである。

○センター的機能の内容には、組織的に行う小・中学校への支援や高等学校との連携などが含まれており、特別支援学校では個別の指導計画や個別の教育支援計画に関係するものなど、既に多岐にわたる支援が行われているが、今後を考慮すると、心にかかわる部分が重要となる。このため、障害のある子どもを障害のない子どもがどう受けとめるのか、その辺の仕組みを整備しないとインクルーシブな教育は進まない。そのためには、交流及び共同学習の仕組みをどの程度充実させるかが非常に重要である。その点を踏まえ、論点整理(案)P2からP4までに示されている交流及び共同学習の内容をもう少し考えていく必要があると思っている。新学習指導要領に示されているように、交流及び共同学習の積極的な推進は非常に重要であるが、その際の相互理解の仕組みは十分にできていない。現在の状況を見ると、行事や学習に如何にして参加させるかという点に終始している。このため、さらに踏み込んだ内容の仕組みが求められており、積極的に子どもの相互の理解を進めていく必要性を示す必要がある。

○資料2の「制度改革推進会議の進め方(大枠の議論のための論点表)たたき台」のP5に、「特別支援教育の評価と今後のあり方についてどう考えるか」と記載されているが、交流及び共同学習は心にかかわる問題などとつなげた表現にしないと、何のための交流及び共同学習なのか分からなくなり、単に機会を設ければ良いとなってしまう。

○障がい者制度改革推進会議について、教育関係者がほとんど関与していないが、教育の分野は必ず関係する。さらに、教育は福祉とは異なる要素もある。その点が抜けているのはいかがなものか。この会議では障害者基本法を適切に捉え、交流及び共同学習の意義を加える必要があるのではないか。

○交流及び共同学習の取組に際し、心のバリアフリーが確立していないため、特に地方においては、交流や共同学習が非常に難しくなっている。地方では、特別支援学校と子どもの居住地にある学校との距離が非常に離れているため、交流すること自体が非常に困難である。また、交流が進まない大きな理由として、交流が少ないために障害のある子どもを理解する子どもの数が少ないということがある。つまり、理解するシステムが全く機能していない。先駆的な事例は発表いただいたが、山間地などの地方で推進する方法を考えないと交流は進んでいかない。学校自身は交流及び共同学習を進めたいと考えているが、具体的な方策が見つからないのが実情である。

○就労促進に向けた取組は、その背景にある生活が崩れたら元も子もない。障害者就業・就労生活支援センターやハローワークなどとの連携が謳われているものの、実態として学校がどこまで連携して取り組んでいるのか分からない。このため、卒業しても社会性がまったく備わっていない実態がある。確かに学校には就労を意識した作業学習の場はあるが、その取組のみでは卒業後の社会性に結びつけることはできない。もっと就労と地域における生活支援との関係を位置付けて考えるべきであり、その点も学校教育の中で適切に位置付けていくべきと思う。

○障がい者制度改革推進会議の構成員について教育関係では、「全日本手をつなぐ育成会」しか含まれていない。構成員名簿を見た際に、教育の今後に対して非常に不安を感じた。これまで協力者会議で議論されたことや積み重ねが、障がい者制度改革推進会議において、どのように反映されていくのか非常に不安である。現状では、内閣府の担当室長の考え方だけで進んでいるように思える。さらに、障がい者制度改革推進会議そのものが、障害者権利条約の批准や新年度の予算要求をある程度議論しなければならないということで、何らかの数字をそろえなければいけないところもあるような感じもある。特に教育は一番大切なところなので、対応方法を考える必要がある。

○論点整理(案)の「1.特別支援学校における現状と課題」の(1)(2)という構成に関係して、特別支援学校においては在籍する子どもへの教育という目的と、いわゆるセンター的機能があると思うが、論点整理(案)ではセンター的機能についてはかなり触れられているものの、在籍する子どもの教育の問題があまり触れられていない。これまで、特別支援学校に在籍する子どもへの教育については当然のこととしてほとんど議論してこなかった点は、反省するところである。先ほどの障がい者制度改革推進会議などでアピールする際、その反省も踏まえなければならない。その上で、センター的機能についても、これがインクルーシブ教育を推進する上で非常に重要なポイントになるという整理により位置付けを行うべきと思う。

○障がい者制度改革推進会議の流れを見ると、障害者権利条約の批准が第一にあるように思える。条約の第24条では教育についても触れられており、日本語仮訳では、「障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこと」となっている。インクルージョンの考え方には、障害のある子どももすべて通常の学級で教育を受けるというフルインクルージョンの考え方と、原則は地域の学校に在籍するものの必要に応じて特別支援学級や特別支援学校に通うというモデレートな考え方があると思う。障がい者制度改革推進会議としては、前者の考え方の結論を出すことになるだろう。そうなると、現在、交流及び共同学習のようなすばらしい取組が行われているが、そのような取組はおそらく無くなり、在籍のみの問題になる。モデレートなインクルージョンが良いと考える者もいるので、そのような意見を論点整理(案)で触れるべき。

○論点整理(案)P3の交流及び共同学習の「課題」の「受け入れ側」との表現について、「受け入れる」などと表現すると、特別支援学校が小・中学校に頼み込むというように捉えられてしまうこともある。記載方法としては、単に「小・中学校のバリアフリー化」との表現で良いのではないか。

○インクルーシブという言葉を説明することは非常に難しいが、教育委員会など公の機関で使用するからには、ある程度適切なものを示すべきであり、明確さも必要である。

○昨年の第7回会議で、東俊裕氏に日本障害フォーラム(JDF)代表の1人として参加いただいた際、資料中では「交流及び共同学習というような対応にとどまらず」と触れていた。この部分について再度精査することが必要ではないか。

△障害者権利条約について条文を確認すると、教育に関しては第24条に規定され、原文では、「Persons with disabilities are not excluded from the general education system on the basis of disability」となっている。まだ条約の批准が国会にかかっておらず、日本政府の提案はまだないが、仮訳では「障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこと及び障害のある児童が障害を理由として無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないこと」となっている。また、障がい者制度改革推進会議や民主党他連立政権が、具体的にどのようなインクルーシブシステムを目指しているかについては、マニフェストにも詳細は示されていない。しかし、これから検討に際してベースにできると思われるものとして、民主党が昨年の国会に提出した障がい者制度改革推進法案がある。第9条に教育の条文があり、「義務教育制度について、障がい者が障がい者以外の者と共に教育を受ける機会を確保することを基本とし、障がい者又はその保護者が希望するときは、特別支援学校又は特別支援学級における教育を受けることができるようにする」と示されている。当然ながら、そのことに伴う義務教育段階での障害者や障害者以外の者の意思疎通を仲介する者の配置や、専門知識を有する教員の充実、学校施設整備の充実、教材の普及等といった財政負担を伴う条件が規定されている。現在の交流及び共同学習は平成16年の障害者基本法の改正により、障害のある子どもと障害のない子どもの相互理解が目的として明確に規定されたが、交流及び共同学習の位置付けや目的そのものも検討が必要であると考えている。

○”the general education”あるいは”inclusive”ということについては、以前にもヒアリング、あるいはその前後に、障害者権利条約の関係で議論したことがあるが、ワーキング・グループ等の条約の文章がつくられるプロセスについて議事録などに目を通しておかないと、”the general education”という言葉の背景や意味、内容をとらえることは難しい。これまでも、”vocational education”や特殊教育、専門教育との関係で、”the general education”と言う言葉を一般に使用してきた。そのような使われ方、ターミノロジーと一体どう違うのかというのは、これまでの議論のプロセス、あるいは原案がつくられるプロセスの議事録等を確認しないと、思いつきを発言してもおさまらない。議事録や言葉のテキストをきちんと読み比べるということが必要である。

○非常に重要である交流及び共同学習については、これまでの歴史的な背景を踏まえながら、到達点と今後の方向を適切に位置付けておくべき。交流及び共同学習がこれまで様々な形態で取り組まれてきて、現在ではどのようになっているのか、また、何故必要とされているのか、という点を位置付けないと本来の目的とは反対の方向へ進んでしまう。そのような反対の部分がインクルーシブという形の中に表れてしまうことを懸念している。このため、「1.特別支援学校における現状と課題」については、現状と課題がどのような歴史的背景・実績を踏まえているのかというあたりを適切に位置付けていくべき。

○「外部人材や関係機関、民間団体との連携協力」について、論点整理(案)の中で示すこと自体は大変重要であるし、賛成であるが、外部人材や関係機関、民間団体との連携協力という点が、何故位置付けとして必要なのかという点を適切に示すべき。学校教育の中だけで考えていくのではなく、連携という形態をどうしていくのかなど、表現を工夫しなければならない。

○論点整理(案)P26の「6.外部人材や関係機関、民間団体との連携協力」について、学校教育法改正の際の国会審議では、特別支援学校が本当に専門機関として整備されるよう、外部の専門家等をもっと導入しても良いとの意見が多かった。特別支援学校で障害に応じた支援を行うため、教員が中心となって教育活動を行うが、その後ろでは多方面の専門機関が連携して支援にあたるという仕組みを整備するという点や、また、特別支援学校固有の課題に対応するために外部人材の活用などの支援体制を整備するという点をはっきり示して良いのではないか。

○文部科学省における外部専門家活用の実践研究事業などが全国展開されてきている実態があると思うが、このような仕組みにより専門家が連携しながら特別支援学校に在籍する子どもを支援するということを、この部分で示しても良いのではないか。これは、先ほど発言のあったような在籍する子どもへの対応と関係がある。

○「専門家と連携しながら」という部分は、一貫した支援体制ということで考えれば、特別支援学校と同様に、通常の小・中学校の支援の中でも方法論を模索すべきであるが、この書き分けが非常に難しい。結果的には両論併記になると思うが、特別支援学校の支援体制の在り方と小・中学校支援との問題が出てくるのかなと思う。

○学校は多くの関係機関との連携協力の下に、特別支援教育は今後、特別支援学校に在籍する重度、重複、多様化した子どもの支援を行うということだと思う。そして次に、民間の支援も受け入れ、あるいは、これまで発言のあったアイデアなどに対応する仕組みを一層推進していきたいということだろうと思う。

○論点整理(案)のP27の「協力者会議における主な意見」NPO法人の法人名が示されているが、多くの団体が学校支援を行っているので、具体的な名称は挙げるべきではない。

○論点整理(案)P27「(2)親の会、学校支援ボランティアやNPO等との連携協力」の学校支援ボランティアは、個人ボランティアのことを表現していると思うが、そうであれば、親の会やNPOは団体としての連携になるので、言葉の順番としては、学校支援ボランティアを真ん中に入れるのは、続きとしては良くないのではないか。

○現場からすると、保護者に子どもの障害の有無を納得させようとしても、保護者はなかなか納得をしない。保護者からすると、自分の子どもを見ている教員が一番よく理解しているので、その障害の有無について教員の生の声を聞きたいと思うので、やはり教員が根拠のある説明ができるよう専門性を高める必要があると感じている。子どもの障害の有無を決定する場合、それに対して教員は非常に戸惑いを感じているので、そういう意味でもしっかりとした判定ができるよう、目安となる基準ももちろんのこと、専門家集団の制度づくりが必要になってくると感じている。

○基本的なところだが、特別支援教育の中では、どうしても障害の有無という二項対立的な概念でもって議論がなされるが、先ほどの交流及び共同学習等の場合に、どうして特別支援学校間の交流や理解をもっと進めないのか。例えば、聴覚障害と知的障害を対象とした新しい特別支援学校を設置するといった場合には、その前段階で保護者同士の対立が必ず生じる。特に聴覚障害のある子どもの保護者などからすると、知的障害のある子どもと一緒にされるのは困ると主張される。そのような意味では、障害の有無のみではなくて、特別支援学校同士が互いに理解していくという意味で交流を進めていくべき。

○論点整理(案)P14「(6)特別支援学級、通級による指導」の「特別支援学級」の箇所であるが、特別支援学級においても通常の学級との交流及び共同学習が非常にクローズアップされてきているので、学校活動の中にそのような交流及び共同学習を位置付け、人権や道徳、生活指導、理解教育などの心のバリアフリーに対して学校全体で取り組んでいくべきである。特に、特別支援学級の担当教員に求められる専門性では、理解教育の年間指導計画や具体的な内容を考えていくための専門性が求められるようになっているので、例えば、通常の学級へ特別支援学級担任が出向いて、LDやADHDについて体験してもらったり、命の大切を講義したりというような取組も、今後は専門性向上として取り組まれるものと思う。

○「通級による指導」の箇所について、通級による指導では毎日子どもが入れかわり立ちかわりで通ってくるが、今後は、通級による指導を受けに来た日の指導も、これまで以上に在籍する学級の担任教員との個別の指導計画を中心とした綿密な連携が必要となる。補助の立場として通級指導の担任教員が教室へ入って一緒に授業を行うというようなことも、今後は求められていくと思う。

○通常の学級における発達障害の子どもを抱えた学校の課題ということで、最近の全国連合小学校長会のデータを見ると在籍率が2割ほど高くなっており、その内容においては学級内でのトラブル、あるいは学級経営上の困難の比率がかなり高まっている。その中で、多くの場合は担任教員が個別的な指導や配慮によって対処しているのが実情である。そうした担任の個別的な配慮については、新しい教育課程の移行による週時程増加の中で、多くの場合、放課後や休み時間等に個別的な指導が行われている。論点整理(案)の各所にそのような教員の配置の問題や支援員の配置、あるいは担任の指導力の向上という点が課題などで触れられているので、論点整理(案)を読み込むとその方向性は把握できるとは思うが、そうした通常の学級における特別な支援の必要な子どもの実態や課題がより明確に示されされば、今後の方向性もより明確に見えてくるのではないか。

○義務教育における特別支援教育の進み方については、小・中学校の教育の要である校長の経営方針が大きく左右すると思う。このため、就学相談、体験学習、教員の専門性、教員の意識改革、人材育成、センター的機能、特別支援教育コーディネーターなどの議論がなされているが、その学校の校長自身に資質やリーダー性がなければ、前進することはない。平成19年の4月の文部科学省の通知に示されているように、校長のリーダーシップを論点整理でも示すべき。

○特別支援学校に対するニーズは非常に高まっている。特に高等部等の生徒の増加は著しい。そういう意味で、まずは特別支援学校に対するニーズが非常に高いということを明確に示すべき。その上で、複数の障害種に対応した学校や、地域のニーズに対応するということで分校あるいは分教室など、そういった学校のあり方自体も変わってきているので、そのところを示し、さらにその中で、外部専門家の問題や専門性の問題などの課題を付加すべき。これによって、まずは特別支援学校の必要性がまずは位置付けられ、その上でのセンター的機能ということが明確になるものと思う。

○論点整理(案)P26の外部の専門家について、PT、OT、STなどの外部専門家活用事業を委嘱されていたが、これについては外部のPT、OT、STが直接指導するということではなくて、そういった専門家のノウハウをいかに生かしていくかという点がポイントである。実際に子どもと関わるのはやはり教員であるので、その教員の専門性を高めていくということが非常に重要である。そういう意味で、P26の課題の3番目の「外部専門家を活用した校内研修による専門性の向上」に「教員の」ということを含めても良いと思う。

○特別支援教育支援員や外部専門家の現状として、高齢者などの途中障害に対するノウハウはあるのだが、生まれたときから不自由がある者に対する専門性がある者は非常に少ない。このため、予算はあっても人の確保ができないというのが現状である。特に重度・重複化が進んでいるが、専門家のほうが理解できず、指導に困惑しているのが実情である。また、支援員の導入が始まったものの人数不足のままスタートし、未だ確保ができていないという現状も聞こえている。そのような現状を理解しないと、特別支援学校は良いと説明されても、保護者からすると専門性は足りていないと感じる。

○論点整理の冒頭に在籍する子どもの現状を入れるべきである。また、P2の課題にあるような適正な配置や交流及び共同学習の推進に関連して、特別支援学校の設置者と小・中学校の設置者が別であることが課題としてあるのではないか。市町村合併が進む中、例えば、市町村立で特別支援学校を1校設置することにすれば、適正な配置も進むだろし、交流及び共同学習などでも同じ設置者ということで、校長会を通じて進展するのではないか。これまでの意見とはかけ離れているので、論点に含めるべきなどということではないが、そのように感じている。

○交流及び共同学習に関して、希望しない保護者の意見や理由を聞くと、兄弟の関係であったり、また中学部の生徒の保護者は小学部で経験済みなのでよいということであったりする。それは、やはり障害理解教育やいわゆる親の啓発にも関わってくるものと感じた。

○特別支援学校の現状と課題の中で、先ほど発言のあった在籍する子どもへの対応という基本的なスタンスはやはり整理して対応しなければならない。関係者の間では当たり前のように通ってきたが、その部分にセンター的機能が付加された意味を整理しなければならない。センター的機能が付加されたのは、この機能を広げていくことこそが特別支援教育を推進することにもなるので、このあたりの表現は難しいとは思うが整理すべき点である。

○論点整理(案)P19の「特別支援学校教員の専門性」で、現状の免許制度について触れられており、P20からP21においても教員免許のことが記載されているが、免許については、特別支援教育特別委員会で整理の上、免許の改正が行われて、大学での教員養成が広がった。約90大学が旧の特殊学校免許状を出していたが、現在では140大学にまで拡大しており、これは大きな成果だと思う。充実させたい内容、さらに各大学においては努力いただきたいという点を強調しても良いのではないか。特に、現状で認定課程を有する大学は約900大学あるので、その中でさらに特別支援学校教諭免許状の取得が進むことの期待、また先に述べた140大学においても、シラバスの改正や免許にかかわる学生の実習等などの免許状取得にかかわる仕組みについて教育改革を進めてもらいたい。

(4)事務局より今後の会議の運営について説明があり、閉会した。

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)