参考資料1 調査の公表等の改善に関する専門家検討会議(委員の主な意見)(未定稿)

【公表の在り方】

  •  市町村や学校が主体性をもって、調査結果の公表に関する判断を行うという現行の実施要領の枠組みは引き続き維持するべきである。
  •  市町村教育委員会や各学校が適切に説明責任を果たし理解を得ることにより、地域住民や保護者との連携して学校運営を改善していくことの重要性を明確にするべきである。
  •  現行の実施要領は、公表することの意義が不明確で、あたかも非公表が原則であるかのように受け取られかねない。表現を工夫する必要がある。
  •  現在の実施要領は調査結果を積極的に公表して地域や保護者に対する説明責任を果たしていきたいという自治体にとって窮屈となっている。基本はブレずにそのような自治体の自由度をもう少し与えることを検討するべきである。
  •  子ども達にしっかりと力をつける仕組みや、数字の一人歩きがおさえられる対応が担保されていれば結果を正直に出していく方向がよい。
  •  この調査は他人と比べる競争ではなく、自分自身と比べる競争であるべきである。

 

【都道府県教委と市町村教委の連携】

  •  都道府県教委と市町村教委の間に軋轢が生じないような方向で改善を図るべきである。
  •  実施要領の趣旨に反して、教科の調査結果の数値が一方的に公表されて、調査に不参加の市町村が広がり、その結果調査の意味がなくなることを懸念する。
  •  県教育委員会として、域内の小中学校に対する施策や応援をしやすくするために、事前に市町村教育委員会が公表してよいとした場合には、県教育委員会として市町村名を明らかにした公表を認めてはどうか。

 

【小規模校等への配慮】

  •  公表等にあたって気をつけなければならないのは、小規模の教育委員会が非常に多いことである。規模の大きい学校を想定すると議論が間違った方向にいくおそれもある。離島や小規模の教育委員会に対する配慮をどうするかはポイントである。
  •  地域的、経済的、社会的課題が大きい地域では、調査結果が低い原因を教師や学校に求めてくるおそれがある。一律に数値を公表する方向に途を開くことは困難である。

 

【学校における取組等】

  •  調査結果を公表する意義は、授業改善や学校改善に生かしていくことである。
     授業改善につながるかという点では、平均正答率はほとんど無意味である。誤答類型や学力層ごとの特性など、授業改善につながる情報の公表を進めるべきである。
  • 学校現場では地道に調査結果を生かし授業改善に向けた取組みを進めている。その矢先に公表・非公表ばかりが議論になるのはいかがなものか。
     一部の保護者は、マスコミ等で知らされている公表・非公表の問題だけしか知らない。全国学力・学習状況調査の本来のねらい・趣旨が十分理解できていない。
  •  各学校の改善プラン、実施状況、改善状況など学校の改善への取組状況は公開を促進していくべきである。
  •  「全国学力・学習状況調査結果チャート」のような情報は、学校として公表していく必要がある。
  •  学校質問紙の調査結果をもっと地域に発信し、学校改善に役立てるという考えもある。そのような幅の広い視点からデータを地域や保護者に公表することは推進してもよい。

 

【国の提供資料の充実】

  •  アンケート調査結果では、都道府県教育委員会等の約20%が、文部科学省に対し提供資料以外に必要な資料があると答えている。市町村教育委員会と情報を共有できるよう、都道府県教委に提供する資料等を拡充すべきである。
  •  学校現場のために、教科の指導に役立つ資料を充実するべきである。
  •  「全国学力・学習状況調査結果チャート」は、学校が自校の状況を公表する際のスタイルの一つとなる。

 

【実施要領の実効性の確保】

  •  調査をする際には、調査対象者に調査目的やデータの活用方法、公表範囲をあらかじめ説明し理解を得ることは大原則である。その意味では調査後に約束した取扱いと異なる公表が問題となることは論外である。
  •  実施要領に反して、教科の調査結果の数値が一方的に公表されたら、調査に不参加の市町村が出てくることを懸念する声がある。不参加が広がれば調査の意味がなくなる。
  •  学力調査の意義、効用、目的を周知するとともに、弊害を防ぐため実施要領が守られる具体方策を検討するべきである。

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初等中等教育局学力調査室