参考資料1

学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会(第1回)議事概要

1.日時

平成19年10月29日(月曜日)10時〜12時

2.場所

丸の内仲通りビル地下1階 K2会議室

3.議題

  1. 学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討について
  2. 委員等からの意見発表
    • 目黒区教育委員会統括指導主事 大塚昌志委員
    • アクティブブレインズ代表取締役社長 平山喬恵委員
    • 和歌山大学准教授 野中陽一委員
    • 社団法人日本教育工学振興会事務局長 森田和夫氏
  3. その他

4.配付資料

資料1
 学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会について(平成19年10月19日初等中等教育局長決定)
資料2
 学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討について(案)
資料3
 検討会における論点(討議用資料)
資料4−1
 目黒区教育委員会における取り組みについて(大塚委員提出資料)
資料4−2
 アクティブブレインズにおけるICT活用授業サポートに関する報告(平山委員提出資料)
資料4−3
 英国における学校ICT支援について(野中委員提出資料)
資料4−4
 教育情報化コーディネータ(ITCE)検定について(森田事務局長提出資料)
資料5
 今後の日程について
参考資料1
 「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果【速報値】について(平成19年6月12日プレス発表資料)
参考資料2
 「教室のICT環境の将来像について−地域・学校の特色等を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査研究報告書−」(平成19年6月4日プレス発表資料)
参考資料3
 「校務情報化と今後の在り方について−教員一人1台PCから、教育委員会・学校・家庭・地域等が一体となった校務情報化へ−」(平成19年6月11日プレス発表資料)

5.出席者

(委員等)

井上委員、岩原委員、大塚委員、梶本委員、齋藤委員、下田委員、中川委員、南部委員、野中委員、平山委員、藤村委員、宮田委員、山西委員、森田オブザーバー

(文部科学省)

金森初等中等教育局長、前川大臣官房審議官(初等中等教育担当)、安藤初等中等教育局参事官、中沢調整官その他

6.議事概要

(1)学校のICT化のサポート対の在り方について

  • 事務局より、資料1、資料2、資料3について説明があった。

(2)委員からの意見発表

  • 大塚委員より、『目黒区教育委員会における取り組み』について説明があった。

    (主な説明内容)

    • 情報教育指導員の派遣事業の概要や活動状況について
    • 同事業の成果について
    • 同事業の今後の課題と対応策について
  • 平山委員より、『アクティブブレインズにおけるICT活用授業サポートに関する報告』について説明があった。

    (主な説明内容)

    • ICT活用授業サポートの推移について
    • ICT活用授業の概要及び課題について
    • 学校現場で求められている人材とその役割、育成について
  • 野中委員より、『英国における学校ICT支援』について説明があった。

    (主な説明内容)

    • 英国における技術支援、授業支援、学校の情報化支援の状況について
    • BectaによるICT支援の枠組みについて
    • ICT支援の在り方、学校の情報化推進の在り方に関する意見について
  • 森田オブザーバーより、『教育情報化コーディネータ(ITCE)検定』について説明があった。

    (主な説明内容)

    • 「教育情報化コーディネータ(ITCE)検定」導入の経緯について
    • 同事業の概要と現状について
    • 同事業の課題と今後の展望について
  • その後、以下の質疑応答・意見交換が行われた。

    【山西座長】

     コーディネータが活かされていない現状が問題。これから活かされる場が作られようとしているのかとも思う。アクティブブレインズにおいてはビジネスモデルとしてよく成り立っているなと思う。ICT支援員というとボランティアの感じが強いが、専門職レベルの人材として雇えているのか。英国はプロとして組織的にやっている。
     日本は英国と教育の制度がずいぶん違うので、日本に合う形で組織化していく必要があると感じるが、目黒区はどういう人が非常勤職員として応募してくるのか、アクティブブレインズのビジネスモデルはどういう人が担っているのか。

    【大塚委員】

     目黒区の人材は大きく2つのパターンがある。企業等でインストラクタを経験してきた人と、教員を目指していてまだ合格できていないが情報に堪能な人。13年度当時と昨年度の採用の状況をみると、応募の人数が少なくなっている。

    【平山委員】

     初年度は、他社との差別化を図るために教育情報化コーディネーターをサービスの一環として配置していた。2年目は、初年度で実績がでたので各学校1年あたり1回の有償サービスに切り替えた。3年目は、有償になったにもかかわらずサポートの回数が倍になり、各学校1年あたり2回となった。需要は間違いなくある。
     現状では、ひとたびインストラクターがサポートに入ると、学校側はいろいろなことをインストラクターに要求してくる。インストラクターは要求に応じて、ICT活用授業のサポートをしたり、コーディネーター的な仕事(カリキュラム作成、教材作成など)をしたり、ヘルプデスク的なトラブル対応をしたりしている。
     このようなサービスを年間通して実施できる体制を作れば、ビジネスモデルが見えてくると思う。

    【山西座長】

     アクティブブレインズにおけるICT支援員に求められる資質に「人間力」とあるが、その育成のために具体的に何をやっているのか。

    【平山委員】

     コーディネーターやインストラクターには、定期的に弊社で実施している研修を受けてもらっている。インストラクション研修、マナー研修、コミュニケーション研修、価値観研修などどんな仕事にでも共通する基本的な内容の研修である。
     また学校に入るにあたって、心構えを伝達するプロジェクトミーティングを必ず年度の初めに実施している。学校が期待していること、インストラクターの役割、子どもたちの様子、学校の様子、学校のハード環境、ソフト環境などを詳しく半日かけて説明する。
     すべてのインストラクターが、共有の意識を持って仕事に臨むことができるようにしている。

    【下田委員】

     企業の勝ち残り生き残りにITの利活用は避けて通れない。経済環境はITによって大きく変わってきている。
     今回の検討会の目標は、「IT新改革戦略」にもあるとおり、ICT活用による学力向上、わかる授業の実現である。
     企業がIT利活用によりどう競争力を向上させるか。経営者の気づきが必要、そのための経営者研修が必要。さらに、来年度から実務レベルのIT経営推進者「マイスター」の人材育成の研修を経済産業省が実施する予定である。
     同じように、教育の情報化においても、まず取り組むべきことは「あるべき姿」を描き、それに基づく教育CIOや補佐官の研修プログラムの作成、研修実施が重要である。
     学力向上、わかる授業の実現のためにICT利活用の強化は必須と思う。

    【井上委員】

     ICT化は学校で温度差がある。使わない学校は環境がないからできないというが、そういう学校は環境があったとしても使わない。
     ボランティアでコーディネータに入ってもらっているが、学校から何を求められているかを分かっていない。教員は多忙さもあってICTに関われていない。教員が自分からやろうと思わなければ、研修を組んでもやらない。
     自分の学校では、最初の1、2年はほとんどICTを使った授業はやらず、徹底して教科書を使わせて、教科書の大事さが分かったときにはじめてICTの良さが分かったということがある。どちらを先にやらせるべきかは学校や地域の実状に応じて変わってくると思うが、本検討会におけるご意見を参考とさせていただきたい。

    【宮田委員】

     教育CIOの配置の工夫が必要。市町村の教育委員会が重要な役割を担うものと考える。市町村合併により自治体が大きくなり、規模の大きな自治体であれば容易に配置が可能だが、規模が小さい自治体は、一人の教育CIOが複数の市町村を担当するなどの工夫が必要であると思う。

    【野中委員】

     気になるのは支援員という人の立場の問題である。支援員がどういう立場で学校に入るかで役割がかなり変わってくる。ある程度の立場を作って上げないと能力を発揮できないと考える。その辺をどのように工夫するかはそれぞれの地域の課題であると思う。
     支援員が授業の支援をするときの授業形態は、コンピュータ教室など子どもが個々に機器を使っているケースが多いが、教科において普通教室で様々な形で使うときのサポートの課題が何処にあるのか考える必要がある。

    【山西座長】

     ICT支援員の役割、権限、責任の問題についてもっと議論を深める必要がある。

  • 事務局より、今後の日程について説明があった。
  • 関係する資料や研究などの情報について、委員より事務局に提供することとなった。

(以上)