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5 地域における外国人児童生徒等の教育の推進

  •  子どもの教育にあたっては、学校のみならず地域や家庭など学校外における教育主体が担うべき役割は大きい。外国人の子どもの教育においても同様に、地域や家庭における教育機能を高め、地域ぐるみで子どもを守り育てるための体制作りが重要である。
  •  また、様々な文化的、社会的背景を持つ外国人の子どもの就学支援や教育にあたっては、きめ細やかな対応が必要になることから、学校や教育委員会等においては、地域のボランティア団体や社会教育団体、大学等の教育機関、さらには企業との連携を図りながら、その教育機能を活用した取組を行うことが効果的である。
  •  さらに、近年、日系ブラジル人などニューカマーの外国人について、我が国への定住化や滞在期間の長期化の傾向が見られることが指摘されているが(注1)、そのような中で外国人の保護者や公立学校に在籍していない外国人の子どもに対する日本語教育や我が国社会への適応のための教育が重要となってくるものと考える。

    • (注1) 法務省の統計によれば、一般永住者数は平成14年には223,875人であったところ、平成18年には394,477人(76.2パーセント増)となっている。
  •  これらの状況を考慮し、市町村等においては、次のような地域の教育力を活用した取組を推進すべきであると考える。
    • ア 学校や地域のボランティア団体と連携しながら、外国人児童生徒も含めた放課後等の日本語指導や学習支援等のための居場所づくりを推進すること。
    • イ 地域住民やNPO・ボランティア団体、大学等の教育機関、企業等と学校の連携協力による地域をあげた外国人児童生徒教育等を含む学校支援体制を構築していくこと。
    • ウ 外国人の保護者や外国人学校在籍者、不就学により公立学校に在籍していない外国人の子ども等を対象とした地域の日本語教育の取組を推進していくこと。
  •  また、市町村等において、こうした取組を進めるにあたっては、国が実施する「放課後子ども教室推進事業(「放課後子どもプラン(注2)」)」や「学校支援地域本部事業」(注3)、「「生活者としての外国人」のための日本語教育事業」(注4)等の施策を活用することが適当である。

    • (注2) 放課後子どもプラン
      文部科学省と厚生労働省の共同事業として平成19年度より事業を開始。各市町村において教育委員会が主導して、福祉部局とも連携しながら、原則として全ての小学校区において放課後等の子どもの安全で健やかな活動場所を確保し、地域のボランティア等の協力を得つつ、勉強、スポーツ・文化芸術活動等を行うことを主な内容とする。
    • (注3) 学校支援地域本部事業
      地域全体で学校教育を支援するため、学校と地域との連携体制の構築を図ることを目的に平成20年度から開始された事業。学校支援地域本部に地域コーディネーターを配置し、その企画調整のもと、地域住民等による学校支援ボランティアが、学習支援活動等学校の諸活動の支援に当たることを主な内容とする。
    • (注4) 「生活者としての外国人」のための日本語教育事業
      我が国に居住する外国人が円滑に日本社会の一員として生活を送ることができるよう地域における日本語教育の取組を進める事業。日系人を活用した日本語教室の開催や、退職教員・日本語能力を有する外国人を対象とした日本語指導者養成等の取組をモデル的に実施している。