ここからサイトの主なメニューです
資料5−4

「スウェーデンのいじめ対策」

2006年11月21日(植山資料)

1. ファーシュタ・メソッド(緊急時の方法)
  「いじめ監視対策グループ」
・・・先生、心理学士、余暇リーダー、校内保健婦など2〜5人からなる
校内でいじめが発見された時には、このグループが中心になって「いじめ調査」を行う。行動の中で一番重要なのは、「いじめられっ子を裏切らないこと」
いじめっ子に対しては、対話(話し合い)から始める。いじめを発見した早期には、いじめっ子の両親には連絡を取らない。大変デリケートな問題なのでいきなり両親に伝えるのは適切ではない。
メソッド成功のポイントは、いじめっ子との対話を突然行うこと

ファーシュタ・メソッドの過程
1 学校内である生徒が多分いじめをされているということを発見した場合、いじめ監視・対策グループに直ちに連絡を取る。同時に「本当にいじめかな?」「いじめっ子はだれ?」について明確にする。

2 いじめられっことの注意深い対話;何回くらいの回数がどのくらいの期間続き、関係者は誰かなどの話し合いを進め、状況を明確にする。但し、充分にデータを取る必要のない場合は、この方法はとらないほうが良い。

3 いじめっ子の全員が登校したある朝、一人ひとり個別に対話の機会を設ける。

4 3の5分から15分対話を翌日にもう1回行い、いじめについて話し合う。対話内容としては、どうしたらいじめっ子がいじめられっこをヘルプできるかまで進める。

5 34に併行して、いじめに関係した両親に連絡を取る。このコンタクトも何日かフォローアップすると良い。また、いじめっ子自身に何らかのサポートが必要であればサポートする。いじめっ子の両親へのコンタクトは大変注意深くする必要がある。

6 15までの過程が済んだ数週間は、いじめっ子を監視する。その間、いじめられっこと注意深くコンタクトを取り、「その後、どうかな?」と対話を続ける。いじめっ子には、「2週間後追跡対話」をする。さらに必要であれば、その1〜2週間後に対話の機会を設けても良い。

2. エリックスダール基礎学校のいじめ対策
 
1) いじめ対策基盤
1 いじめ予防 友達関係、お互いへの態度、価値観などについて常に児童・生徒と対話をし、いじめ予防をする。学校は民主主義バランスの取れた考え方を発展させそれを確立するもの。
予防対策
・・・ 緊急フレンドサポート、フレンドサポート、家庭と学校との協力(クラス内で5〜6人の生徒とその両親からなる家族グループを作る。グループ全員で、今起こっていること、問題などを話し合う。例えば、クラスの雰囲気や様子など)、親たちの職場見学、クラスパーティ、クラス旅行、生徒間の民主主義の考え方を強めるための積極的な教育を行い、いじめに対して生徒が理解できるよう教育する。(自分と異なる相手にもっと忍耐を持って理解するように、物事の限界をきちんと示すことが出来るように・・・)そのためには、関係する本を読み、後で討論したり、作文、テーマデイ、ロールプレイなどを試みる。

2 緊急対策を持つこと; いじめを発見したらすぐに解決するために必要。解決はもちろん、担任の先生といじめ対策班とで話し合う。ファーシュタ・メソッドのアレンジ版を採用。併行して、態度や価値観を変えるようクラスを指導する。

3. 中央いじめアドバイスグループ(ソーダルテリア市)
 
各学校でいじめ対策に関わっている人へのアドバイスが主な仕事、どうしても学校で解決できなかったら個のグループが助けるという一種の保障組織。
構成員は、ソーシャルワーカー、校医、青少年指導部、副校長、PBU(子ども・青少年精神看護委員会)内のソーシャルワーカー、警察など。

「福祉先進国スウェーデンのいじめ対策」
 高橋たかこ著 コモンヒルズ(2000年)より



ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ