資料7

「研究機関等主体型」の学校の第三者評価に関する実践研究について

小松郁夫(国立教育政策研究所)

1.実践研究の趣旨

2.実践研究の特色

3.実施方法

○実施校数

  • 8教育委員会内の25校(小学校13校、中学校12校)

○実施体制

  • 国立教育政策研究所の研究者21名と、所外の専門家、有識者24名から構成
  • 国立教育政策研究所の研究者が担当責任者となり、2名〜4名の所内外の評価委員で評価チームを構成。チーム内の評価委員の専門性にも一定の配慮をした。
  • 担当責任者が、事前訪問と事後訪問、学校や評価委員との連絡調整、報告書のとりまとめの責任を持つ。

○活動期間

  • 8月〜9月
    自己評価の実施
  • 10月〜11月
    事前訪問、学校訪問の実施
  • 12月
    事後訪問の実施と報告書のとりまとめ

○評価期間

  • 学校訪問
    2日〜3日間
  • 事前訪問、事後訪問
    数時間

4.評価方法

○評価項目

  • 文部科学省の試行内容と同一
  • 指標について解説した「視点」を新たに設定した

○評価基準

  • 新たに4段階を設定
    • A:申し分ない取り組みが行われ、顕著な成果を上げている
    • B:必要な取り組みが行われており、改善に向けた成果を上げているか、挙げつつある状況が見られる
    • C:改善に向けた取組が見られるが、成果が不十分である
    • D:直ちに改善を図らなければならない様子が見られるが、改善に向けた取り組みに着手できていないか、又はほとんど成果を上げていない状況が見られる

5.試行の成果と課題

○成果

  • 評価期間(2日〜3日)、評価時期(10月〜11月)に対する評価は高かった。
  • 網羅的で総合的な評価項目であることから、学校を俯瞰的で総合的に、かつ詳細に振り返ることに役立った。
  • 事前訪問、事後訪問に対しては、信頼関係を構築できる、評価結果について説明してもらえる等の点で、評価が高かった。
  • 学校の状況や課題を客観的に見ることができ、学校の内外に説明しやすくなった。

*アンケートにおいて指摘された成果

  • 学校の現状の把握、整理、振り返り、見直し、客観化
  • 教職員の意識改革、いい意味での緊張感
  • 自信を持てる、自負心が持てる
  • 多岐にわたる評価
  • 専門的な評価

○課題

  • 時期をずらした複数回の訪問の希望があった。
  • 評価項目数が多く、すべての根拠データを示さなければならず、負担感が大きかった。評価項目の重複を無くし、精選してほしい。
  • 評価だけでなく、コンサルティングやアドバイスがほしいという意見が多かった。

*アンケートにおいて指摘された課題

  • ヒアリングの対象者の人選と時間確保の問題
  • まだ第三者評価に対する啓蒙が不十分である
  • 学校だけの責任でない部分が学校に責任転嫁されるということへの危惧
  • 教職員、保護者、地域住民への評価結果の報告のやり方
  • 評価項目の精選と重点化の方法
  • 評価者の専門性の維持、向上のための研修の在り方
  • 評価者の構成(専門家だけでよいのか?ここでいう専門家とは?)
  • 評定を決定する際のルールづくり
  • 網羅的な評価か学校の特色に応じた重点的な評価かという点での意思統一が評価委員の中でできていなかった
  • 評価者がアドバイスやコンサルティングまでするべきなのか