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1.経緯

 学校教育において子どもが身に付けるべき力やその力を具体的にどのようにしてはぐくむかという道筋については、子どもや保護者、地域との間で必ずしも共通の認識がなされず、教育の成果や課題が不透明で見えにくいといった指摘がなされている。また、学校教育を支え、その成果に対して責任を負う教育行政についても、学校教育の現状や課題について十分にその現実を把握できているか、保護者をはじめとする国民や住民に対して十分に説明責任を果たしているか、学校を支えるための条件整備を十分に行っているかなど、改善すべき課題を抱えている。

 児童生徒の学力に関しては、
平成16年末に公表された国際学力調査(PISA2003、TIMSS2003)において、読解力が大幅に低下するとともに、我が国がこれまでトップクラスにあった数学や理科についても低下傾向が見られること
平成17年4月に公表された小中学校を対象とした教育課程実施状況調査において、全体としては学力の低下傾向に歯止めがかかったものの、国語の記述式問題や中学校数学などに課題があること
など、課題が生じている。

 児童生徒の学習意欲や生活習慣など、学力調査と併せて実施している調査結果については、若干の改善が見られるものの、「勉強が楽しいと思う児童生徒の割合」や「学校外での一日の過ごし方の宿題をする時間」などが必ずしも十分ではない状況にある。

 また、急速に変化する社会に即応しつつ、国民が一定水準の教育を等しく受けることができるよう、憲法に定められた教育の機会均等や水準確保など国の責務を果たすため、新たな義務教育の質を保証する仕組みを構築することが求められている。

 さらに、昨年に公表された「義務教育に関する意識調査」において、保護者の6割強が全国学力テストの実施に賛成するなど、児童生徒の学力水準の保証に対する社会的な関心や要請が高まっている。

 このような状況の中、
 昨年6月21日閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005について」において、「全国的な学力調査の実施など適切な方策について、速やかに検討を進め、実施する」と指摘されていること、
 昨年10月26日の中央教育審議会答申「新しい時代の義務教育を創造する」において、「子どもたちの学習到達度についての全国的な調査を実施することが適当である」と提言されていること
など、全国的な学力調査の実施の方向性が示されている。

 これらを踏まえ、文部科学省において、全国的な学力調査を平成19年度に実施すべく、その具体的実施方法の検討等、実施に向けた準備を進めているところである。

 一方、昨年10月の中央教育審議会答申においては、「実施に当たっては、子どもたちに学習意欲の向上に向けた動機付けを与える観点も考慮しながら、学校間の序列化や過度な競争等につながらないよう十分な配慮が必要である」、「具体的な実施の方法、実施体制、結果の扱い等について更に検討する必要がある」などの指摘がなされている。

 これを踏まえ、昨年11月に「全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議」が設置され、問題作成や調査結果の公表方法を含め、全国的な学力調査の具体的実施方法等について、10回にわたり議論を行い、今般、中間まとめを行ったものである。


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