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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議 > (第3回)配布資料 > 参考資料1



参考資料1

学力調査における記述式問題とその採点について

1.SATScholastic Assessment Test

<概要>
米国の大学進学希望者を対象とした共通試験であり、College board(5,000以上の学校、大学等により組織された非利益協同体) が実施している
SATは、読解、数学、記述からなるReasoning Testと、歴史、物理、生物、化学など教科毎のSubject Testから構成され、Reasoning TestETSが全般的な管理運営を実施している
年間約350万人の生徒が受験
2005-06年においては、年7回、同日・同時間内に実施される

<記述式の問題割合など>
Reasoning Testの構成は以下の通り、このうち、記述式の問題は、筆記セクションにおけるEssayであり、1題(25分間)が割り当てられている
各セクション(読解、数学、筆記)は、各々200〜800点に換算される
筆記セクションにおいては、エッセイ30パーセント程度が配点される

Reasoning Testの構成
セクション 内容 質問数 時間
読解 Extended Reasoning 36-40 70分
Literal Comprehension 4-6
Vocabulary in Context 4-6
Sentence Completions 19
Total 67
数字 Number and Operations 11-14 70分
Algebra and Functions 19-22
Geometry and Measurement 14-16
Data Analysis, Statistics, and Probability 5-8
Total 54
筆記 Essay 1 Essay : 25分
その他 : 35分
Improving Sentences 25
Identifing Sentences Errors 18
Improving Paragraphs 6
Total 50
合計 171 200分


<採点の仕組み>
エッセイの採点は、登録された採点者が採点マニュアルに基づいて6点満点により実施される
採点マニュアルには、代表的な採点事例やエッセイの内容によらず一貫した客観的な採点を可能とする枠組みなどが示されている
エッセイは、独立した2人の採点者により採点がなされ(各々1〜6点をつける)、その合計点(2〜12点)が素点となる
ただし、独立した2人の得点が2点以上離れている場合は、3人目の採点者が採点(1〜6点)し、その倍が素点となる
3人目の採点を必要とするエッセイの数が全体の8パーセント未満となるよう、採点者のトレーニングやモニタリングなどが実施されている

エッセイにおける点数の基準と主な特徴
点数 特徴
6点 このカテゴリーのエッセイはすばらしい
明確で明確で一貫した主張が示されている
ごく少数の間違いを含んでいる
5点 このカテゴリーのエッセイは効果的である
説得性のある一貫した主張が示されている
まま間違いを含んでいたり質が若干劣る
4点 このカテゴリーのエッセイは有能である
適切な主張が示されている
質は劣る面がある
3点 このカテゴリーのエッセイは不適切である
しかし発展途上の主張が示されている
いくつかの欠点がある
2点 このカテゴリーのエッセイは相当限定的な内容である
あまり主張が示されていない
いくつかの欠点がある
1点 このカテゴリーのエッセイは基本的に欠けている
きちんとした主張はほとんど見られない
いくつかの決定的な欠点がある
0点 無解答


<採点の体制など>
記述式の問題の採点は、質の高い採点者が、スキャンされた答案用紙をオンラインで確認しながら採点する
質の高い採点者を確保するため、一定の条件(大学学卒(学士)以上、過去5年間に高校以上の学校で教えた経験がある等)を課した上で一般から申請を受けつけている
申請があった場合、オンラインによるトレーニングを経て資格試験に合格したものが採点者となる、ただし採点者は、採点リーダーによりオンラインで監督されている
給与を決定する際に、他の調査での採点実績などが考慮される(時給17〜22ドル程度)


2.PISA2003

<概要>
2003年調査では、15歳児を対象に41カ国・地域から約27万6千人が参加。わが国からは全国の高等学校等の144学科、約4,700人の生徒が参加。
読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決能力の4分野において、知識や技能等を実生活のさまざまな場面で活用するための力を評価。

<数学的リテラシーにおける記述式問題の割合など>
数学的リテラシーにおける記述式問題の構成は以下のとおり。ただし、調査で使用した数学的リテラシーを含む全問題は6.5時間分に相当する問題量であるが、実際には、この中から問題群を組み合わせて13種類の異なる問題冊子(各2時間分)を作成し、生徒はこのうちの1冊子に解答する方式となっている。

数学的リテラシーの構成
問題形式 問題の特徴 問題数
選択肢形式問題 選択肢から1つの答えを選択する問題 17
複合的選択肢
形式問題
選択肢の中から選択する問いが連続する問題 11
求答形式問題 答えが問題のある部分に含まれており、短い語句または数値で答える問題 13
短答形式問題 計算などが必要であり、短い語句または数値で答える問題 23
自由記述
形式問題
答えを導いた考え方や求め方、理由を説明するなど、長めの語句で答える問題 21
合計 85


<採点の体制など>
各国でそれぞれ採点し、国際センターへ提出。
2003年調査では、採点、入力、入力データの確認、データ提出を調査実施後12週間以内に行うことが決められていた。
採点の国際トレーニングを受けた各国の担当者が、それぞれの国において、採点マニュアル(各問のねらい、生徒の解答の採点方法、想定される生徒の解答などが記載)に沿って採点者の研修を実施。
日本は、16名で採点。(採点者は各国で書類、面接審査により採用。日本の場合、主に教職経験者や大学院生。)
自由記述形式の問題について、国内及び各国の採点者間の採点レベルが統一されたものかどうかを確認するため、各国ごとに採点済みの答案の一部(国内間:900冊分、各国間:180冊分)を国際センターが分析。
日本の場合は採点水準がOECD平均よりも高い。(2003年調査では、国際センターの採点者を基準として比較した場合、採点内容が一致する度合いは、OECD平均が91.5パーセント、日本が93.4パーセント)


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