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情報活用能力の3観点の分類及び指導項目の整理

● 初等中等教育における情報教育の目標: 「情報活用能力」の育成

● 「情報活用能力」を構成する3観点

1 情報活用の実践力 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
2 情報の科学的な理解 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
3 情報社会に参画する態度 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

● 指導内容の体系化のための指導項目

情報活用能力の3観点 分類 指導項目
情報活用の実践力 「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用する」

【 下の2分類を包括 】

● 一連の情報伝達過程における適切な情報手段の活用に係る基礎知識
 ・ 一連の情報伝達過程(収集・判断・表現・処理・創造・発信・伝達)
 ・ 一連の情報伝達過程の各過程における多様な情報手段の存在
 ・ 課題や目的に応じた、各過程における情報手段の適切な活用の必要性
● 主要な情報手段の適切な活用に必要な基礎的な技能等
 ・「コンピュータ」や「携帯電話」の活用に必要な基礎的な技能等
「必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造する」 ● 情報を適切に収集、判断、処理(分類、加工、編集等)し、新たな情報を創造 し、表現するために必要な技能等
【収集】 幅広い、適切な収集を念頭に置いた情報手段選択のための知識と、実際に情報収集するための技能等
【判断】 収集した情報を「解釈」するための技能(グラフ化等)、「選択」するための知識(情報の信頼性、発信者の置かれた環境、意図、感情を理解した上での情報の解釈等)
【処理】 電子情報化、音声化,表、グラフ化等の利点や、これらを行うための技能等
【創造】 既存情報の内容を組合せるたり、形態の違う既存情報を統合する利点、統合するための技能等及び、既存情報を基とした新たな情報を導出するための知識、技能等(自分が創造する情報の内容を受け手の立場に立って検証する技能等)
【表現】 受け手、情報の特性等を念頭に置いた表現法選択のための知識や、選択した表現法により実際に表現を行うための技能等(自分が発信する情報の表現形態を受け手の立場に立って検証する技能等)
「受け手の状況などを踏まえて発信・伝達する」 ● 情報を発信・伝達するために必要な技能等
受け手、情報の特性等を念頭に置いた情報手段選択のための知識や、選択 した情報手段により実際に発信・伝達するための技能等(自分が発信する情報の発信手段を受け手の立場に立って判断するための知識等)
情報の科学的な理解 「情報活用の基礎となる情報手段の特性」

※ 本分類は、情報伝達を行うための前提となる様々な知識うち、各種情報手段に共通する特性(原理、仕組み等)について扱う分類。

  「コンピュータ」、「インターネット」、「モバイル(携帯電話等)」は、それぞれ、一連の情報伝達過程全てに関わりうる特徴的な情報手段として、特出しして扱う。
【総論】
● 一連の情報伝達過程の各過程における多様な情報手段の存在【再掲】
● 当該「多様な情報手段」に共通する、及び各々の一般的特性
 ・ 活用場面における機能的特性
 ・ 扱う情報の形態の特性(音声、書面、PC画面等)
 ・ 扱う情報の伝わり方の特性(電気、電波、光;アナログ/デジタル;暗号化等)
【各論】
● コンピュータの特性
 ○ コンピュータの基本的な仕組み(構造)
 ○ コンピュータが備える機能
  (プログラムに従い自動的に情報処理を行うこと等)
 ○ 一連の情報伝達過程の各過程でコンピュータが果たす機能の特性
  (情報の蓄積(D/B),再利用(共有化)等の特性、ディジタル情報を統一的に加工等できること等も含み得る。)
● インターネットを活用した通信(メール、掲示板等)の特性
 ○ インターネットの基本的な仕組み(コンピュータ間通信手段であること等)
 ○ インターネットを活用した多様な情報手段の存在
 ○ インターネットを活用した多用な情報手段の特性
  (機能的特性,扱う情報の形態の特性(音声、PC画面等)等)
● モバイル(携帯電話等)の特性
 ○ 携帯電話の基本的な仕組み(構造)
  (「コンピュータ+通信」という構成であること等も含み得る。)
 ○ 携帯電話が備える機能(個別の機能、時間、場所を問わない使用等)
 ○ 一連の情報伝達過程の各過程で携帯電話が果たす機能の特性
  (電話,インターネット機能,写真撮影)
  (情報の蓄積(D/B)、再利用(共有化)等の特性を含む。)


情報活用能力の3観点の分類及び指導項目の整理

別添1

情報活用能力の3観点 分類 指導項目
  「情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法」

※ 本分類は、情報伝達を行う経験と情報学の基礎的理論、方法とを結びつける指導について扱う分類。
「理論や方法」とは、「情報学の基礎的理論、方法」を念頭に置いている。

【情報伝達過程全体に関わるもの】
● 一連の情報伝達過程での誤りの発生原因と解消手法
● 一連の情報伝達過程における人間とコンピュータ等との活動特性の相違
【情報伝達過程中、特に「処理」及び「創造」に強く関わるもの】
● 問題解決(新たな情報の創造)のための多様な情報手段及びその特性
 →(特に)問題解決(新たな情報の創造)にコンピュータ等の機器を活用することの利点
● コンピュータの機能はプログラムやアルゴリズムが前提となっているこ と
 (↑「●コンピュータの特性」の「○コンピュータの基本的な仕組み」の一部)
 (コンピュータがプログラムに基づきデジタル情報を加工すること、プログラムによりアルゴリズムを実行すること等も含み得る。)
● 問題解決(新たな情報の創造)を効果的に行う手段である「モデル化」  、「シミュレーション」等の意味、特性及びその有効性
 (「特性」= 数学的,統計的見方が生かされること等)
● 問題解決(新たな情報の創造)に情報手段を活用した結果を客観的に評価することの必要性、その手法等
● コンピュータによる制御等
情報社会に参画する態度 「社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響」

※ 本分類は、情報伝達を行うための前提となる様々な知識のうち、情報、情報手段、情報技術が社会に果たす役割や及ぼす影響を特出しして扱う分類。

● 情報社会において情報、情報手段、情報技術が果たしている役割,社会に及 ぼしている良い影響
● 情報、情報手段、情報技術が社会に及ぼしている悪影響

「情報モラルの必要性や情報に対する責任」

※ 本分類は、情報伝達を行うための前提となる様々な知識のうち、「情報モラル」の習得を特出しして扱う分類。

(注)「情報に対する責任」は、「情報モラル」に含まれる。
   左では、念のため記されているもの。
● 「情報モラル」を身につける必要性及び身につけるために必要な知識
○ 適切な情報伝達の必要性と「情報モラル」の習得が情報伝達の前提となること
○ 違法行為についての知識とその回避必要性、回避策(著作権等)
○ 不適切な行為についての知識とその回避必要性、回避策
 (情報の発信伝達に伴う責任等)
○ 犯罪等に巻き込まれないための知識とその回避必要性、回避策
 (情報安全教育)
「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」

※ 本分類は、情報伝達を行うための前提として認識しておくべき根本的な考え方を扱う分類。

【 上の2分類を包括 】

● 情報化の適切な進展に寄与しようとする考え方
 ○ コミュニケーションを重視する考え方
 ○一連の情報伝達過程の各過程を適切に行おうとする考え方
  →(特に)情報手段を適切に活用しようとする考え方
  →(特に)情報の発信伝達に伴う責任を重視する考え方
  →(特に)情報セキュリティを重視する考え方
 ○ メディアから収集した情報を常に批判的に捕らえる考え方

注)この表は、情報活用能力の3観点をさらに合計8分類に整理し、それぞれの分類において具体的に指導すべきと考えられる項目を洗い出したものである。以下、別添2〜4において、これらの指導項目を参考に、各分類に対応すると考えられる指導内容等や学習活動例を抽出し、例示している。


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