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資料1

「情報教育の目標で分類した学習活動一覧」等に関する各委員からの追加意見


  本資料は、現時点において、事務局に寄せられた各委員の意見をそのまま記したものであり、文部科学省としての考え方をまとめたものではない。今後、変更もありうる。

【全体について】

 前回会議で私が「プログラミング」という用語はアルゴリズム/論理学的なものに使用することとし、それとは別のコンピュータによる自動処理を体験的に学ぶ内容を「計算機の原理」などと銘して取り入れたいと発言したのに対し、座長から「具体的にどのような内容で」とのご質問があり即答できなかったので、その例示を以下に挙げる。
表計算ソフトの計算式による計算。合計など値が自動的に更新されるもの、階差式(複利計算など)により順次値が計算されるもの等を扱い、実際に計算の様子を観察し、計算式を手直しして類似の問題を解いてみる等。堂々めぐりになると正しく計算できないなどの体験。
タートルグラフィクスによる描画。プログラム言語的に扱うのではなく、「N歩進む」「N度曲がる」「N回繰り返す」などの少数の決まった書き方のみ用いて、自分で考えた絵を作画する。
音楽の自動演奏。音楽ソフトウェアを使ったり、必要な範囲でプログラム言語などの決まった記法を用いて演奏を作成する。旋律の繰り返し、和音、リズムなどの規則性を活用する工夫が入るようにする。
シミュレーションソフト。いくつかのパラメタを調整してシミュレーション結果がそれに応じて変化することを観察する。また「このような結果に終わるようなシミュレーション」という課題を与えそれに対応するようにパラメタを決定してみる等。

 このほか、学年に合った易しいプログラム言語を用いることも当然あってよいと考えるが、言語の学習が目的とならないように注意する。

 これらはいずれも、(1)自動的な処理のメカニズムを意識し、(2)メカニズムをどう設定すれば望む結果になるかを考え、(3)実際に構成して動かし、(4)結果を観察し正しくなければやり直す、という繰り返しが含まれる。

 題材は発達段階に応じてさまざまであってよいが、上記(1)〜(4)を含む題材を小学校〜高校までで複数回体験させたい。各回の時間数は数時限程度で、理科の実験のように「体験し観察する」ことを目的とする。

【学習活動一覧(小学校段階)(第7回資料4-1)に対する意見】

 全般にさまざまな制約があることは理解していますが、現在の枠内でももう少し、「計算機の原理」的色彩を入れて欲しいと感じます。また、情報倫理的部分は否定的色彩が強いので、もっと「プラス」と「マイナス」をバランスさせて取り入れるべきではないでしょうか。

 3,4年の「基礎的な操作」の「ファイルやフォルダの概念を知り」にいては、単独のファイルをコピーするとそれだけがコピーされるが、フォルダにまとめてフォルダをコピーすると中のファイルがまとめてコピーできる等の点に注目させたいです。

 3,4年の「社会生活の中で…」ですが、健康被害だけ取り上げるのは違和感があります。「もし情報技術がなかったらどうか」「あって便利だが反面注意すべきこと」という形で正負両面を入れて欲しいです。

 3,4年の「情報モラルの…」ですが、禁止事項の列挙のような印象があります。まず「モラルとは何か/なぜ必要か/モラルを守ることでどういうプラスが得られるか」という全体を扱い、それから個別事例に進みたいように思います。

 3,4年の「望ましい情報社会の…」ですが、受信側に限定されすぎていると思います。まず自分が情報発信するとしたらどのようなことを発信するか、それが社会にとってどういう価値を持ち得るかから始めて、メディアリテラシーも「発信者として」「受信者として」の両面から取り上げて欲しいです。

 5,6年の「基礎的な操作」の「ワープロなどで…」の部分ですが、写真や図よりも、ワープロであれば先頭から順番に書かなくても済む(アウトラインをまず書き、それからふくらませる)など、コンピュータの特性を十分活かしたものを取り上げて欲しいです。

 5,6年の「情報手段の特性」ですが、ファイルサイズなどより、たとえばワープロ文書である表記を別の表記に一括置換できるなど、コンピュータの自動的な処理ならではの部分に焦点を当てて欲しいです。

【学習活動一覧(中学校段階)(第7回資料4-3)に対する意見】

 「課題や目的に…」の「中1-1」の参考例ですが、基本操作としても「恒久的な情報はファイルの形で保管される」ことは特に意識させたいと思うのですがどうでしょうか。

 「課題や目的に…」の「中1-3」の参考例ですが、ソフトはどれでもよいのですが、表計算なら集計や複利計算、ワープロなら一括置換や索引など「自動処理」が意識できる題材を扱うようにできるとよいと思います。

 「必要な情報を…」の「中2-13」の参考例ですが、コンピュータならではの処理として音階やテンポの変更や反復などの処理を含めたものが体験できると望ましいです。

 「情報手段の基礎と…」の「中3-2」の参考例ですが、「ソフトウェアが必要であることを知る」に加え、「ソフトウェアはコンピュータによる自動的な処理によって動作する」ことを入れたいです。現状では何も「仕組み」的なものがなくて知識的すぎると思います。

【学習活動一覧(高等学校段階)(第7回資料4-4)に対する意見】

 「情報活用の基礎となる…」の「高4-14」の参考例ですが、「項目の設定や結果の入力」よりも、各種の具体的情報を取り出す手順を考えるといった内容にする方がよいと思います。「処理手順の工夫」の項ですので。

 「情報活用の基礎となる…」の「高4-15」参考例ですが、「計測・制御の仕組み」の項ですので、携帯電話では題材がよくないと思います。たとえばハイブリッドカーなどの仕組みではどうでしょうか。


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