人権とは何かについて明確に理解することは人権教育の第一歩である。人権に関する基本的理解が不十分であるために様々な誤解や曲解が生じ、それが社会問題や混乱の原因になる場合も少なくない。次に挙げるのは、人権とは何かについてわかりやすく理解できるための効果的な指導事例である。
人が「欲しいと思うもの」と「必要とする(大事な)もの」との関係を情緒と思考を働かせて理解し、さらにそれらと「人権」との関係について考え、理解することを目的とする。
短/特別活動 等
| 第1条 | 平等権 (平等の権利) |
| 第2条 | 差別からの自由 (差別されない権利) |
| 第3条 | 生命、自由、人間の安全保障の権利 (自由に、安心して生きる権利) |
| 第4条 | 奴隷からの自由 (奴隷にされない権利) |
| 第5条 | 拷問および品位を傷つける扱いからの自由 (苦痛を与えられたり、人間らしくないひどい扱いをされない権利) |
| 第6条 | 法のもとで人として認められる権利 (いつでもひとりの人間として認められる権利) |
| 第7条 | 法の前での平等の権利 (法律で平等に扱われる権利) |
| 第8条 | 権限を有する裁判所により救済される権利 (裁判で守られる権利) |
| 第9条 | 恣意的な逮捕や追放からの自由 (理由なく捕まえられたり、国から追い出されない権利) |
| 第10条 | 公正な公開審理を受ける権利 (公正な裁判を受ける権利) |
| 第11条 | 有罪が立証されるまで無罪と推定される権利 (裁判で有罪であることが証明されるまでは、無罪であるとみなされる権利) |
| 第12条 | プライバシー、家族、家庭および通信への干渉からの自由 (私生活の自由が守られる権利) |
| 第13条 | 国内外における居住の自由の権利 (住む場所を自由に選べる権利) |
| 第14条 | 迫害からの庇護を他国に求める権利 (自分の国でひどい扱いを受けるとき、他の国に守ってくれるように頼む権利) |
| 第15条 | 国籍を得、あるいは変更する権利 (ひとつの国の国民となる権利) |
| 第16条 | 婚姻し家族を持つ権利 (結婚して家庭を持つ権利) |
| 第17条 | 財産を所有する権利 (家や土地その他のものを自分のものとして持つ権利) |
| 第18条 | 思想と宗教の自由 (自由に考えたり、信じたい宗教を自由に選べる権利) |
| 第19条 | 意見と情報の権利 (意見を言葉や文字などであらわしたり、情報を受け取る権利) |
| 第20条 | 平和的な集会と結社の自由 (平和的な集まりに参加したり、仲間と団体をつくる権利) |
| 第21条 | 政治と自由な選挙に参加する権利 (政治や選挙に参加する権利) |
| 第22条 | 社会保障を受ける権利 (人間らしく生きることができるような保障を受ける権利) |
| 第23条 | 望ましい仕事を得、労働組合に加入する権利 (仕事を自由に選んで働いて給料を得、労働組合に入る権利) |
| 第24条 | 休暇と余暇を得る権利 (休暇をとったり、余暇を楽しめる権利) |
| 第25条 | 十分な生活水準を保持する権利 (人間らしい生活をするのに必要な一切のものを持つ権利) |
| 第26条 | 教育を受ける権利 (学校に通い、ただで義務教育を受ける権利) |
| 第27条 | 社会の文化的生活に参加する権利 |
| 第28条 | 世界人権宣言を実現させる社会秩序への権利 (権利や自由を受けられるための秩序を得る権利) |
| 第29条 | 自由で完全な発展に不可欠な社会への義務 (お互いに人間らしさを発展させることができるような社会に対する義務) |
| 第30条 | 上述の諸権利に対する国家ないしは個人の干渉からの自由 (様々な権利や自由を国や個人から無効にされない権利) |
人権に関する知識を深め、人権の尊重と実現のために必要な想像力や連帯の感情を高めるために、想像力と描写技能を活用させる指導事例である。
小グループに分かれ、1人が世界人権宣言に定める権利を絵で描き、他のメンバーは、その絵がどの権利を表したものであるかを当てるゲームを行う。言葉で示された人権の内容について、イメージをふくらませ、創造的に描画するもので、次のような目的を持つ。
短/特別活動 等
他者の感情をくみ取り、共感的に理解する技能は人権感覚を育成する上で不可欠である。相手の話をきちんと傾聴し、自分の意見を自信を持って発信する技能を育てるための指導事例である。
このアクティビティは聴く技能に焦点を当てるが、論理的思考及び意見を表明する自信を高める支援もすることができる。
短/特別活動 等
特になし
人の感情を読み取り、愛情と共感をもって対処する能力は人権感覚を高める一つの重要な技能である。様々な写真を読む能力を育てるための指導事例である。
人の痛みを理解し、共有するにはイマジネーションの力が必要であるが、この力を育てる一つの方法として、写真から人々の心を読み取るアクティビティがある。これは様々な場面での人物を写した写真を使って、人々の心を理解するイマジネーションの力や共感的理解力を高めることを目的とする。
短/特別活動 等
いろいろな国の人々の様々な状況を写した写真(人物の顔が写っているもの)を用意する。
他者の感情や望みを感じ取り、配慮できる能力は人権感覚を高めるための重要な要素の一つである。次の事例は、様々な問題状況に直面する体験やロールプレイングなどを活用し、感受性を育成しようとする指導事例である。
他の人々との関係において生じがちな様々な問題状況を提示し、学習者が自分の感じ方や行動の仕方などをそれぞれ率直に出し合ったり、ロールプレイングを交えるなどして、人の感情や思いや痛み、関心等を感受する能力(感受性)を高める。
短/特別活動 等
前もって、次のような問題場面を表す文章をそれぞれ厚紙等に書いておく。
対立や争いごとが全くない学級や集団をつくることは困難であるとしても、大切なのは、対立や争いごとが起きたときに、暴力や腕力によらず、お互いが納得のいくような建設的な問題解決を図っていくことである。そのための初歩的な指導事例である。
対立や争いごとの解決法がわからず、しばしば深刻な結果を生むことがある。児童に3つの解決法を示し、それぞれが関係者にどのような影響を与えるかを考えさせ、実際生活の中でその成果を生かせるようにする。
短/特別活動、社会 等
特になし