参考:人権が尊重される授業づくりの視点例
人権教育の推進に当たり、日々の授業における活動の一つ一つが、人権尊重の雰囲気を醸成する上での重要な要素となる。授業の実施に際し、教員は、児童生徒の感情や考えをあせらず、あわてず、最後まで聴く姿勢を持つとともに、児童生徒の言葉や行動の内容の是非を性急に判断するのでなく、その背後にある心情や意味を理解するよう心がける必要がある。取り扱う学習内容や指導方法の特性については、予め十分把握するとともに、授業中には、児童生徒の発言や活動の様子を観察し、学習過程でのつまずきに伴う不安を受容して解決の見通しを示すなど、常に、受容的・共感的な姿勢・態度で接することが求められる。さらに、児童生徒が有用感・成就感を実感できるよう、互いのよさや可能性を認め合う活動を意図的に仕組んでいくことも大切である。
以下に示すのは、人権教育の視点に立った授業の工夫を進めていく際の、主な視点の例である。
○人権が尊重される授業づくりの視点例
| 視点 |
ねらい |
ポイント・留意点 |
| 自己存在感を持たせる支援を工夫する。 |
「授業に参加している」という実感を持たせる。 |
- 学習内容や活動に応じた座席の工夫や発問・応答のパターンの工夫を行う。
- 児童生徒の既習事項や生活体験、興味・関心等を把握し、様々な視点から解決できるように課題設定の工夫を行う。
- 児童生徒の学習意欲や習熟の度合いを把握し、課題(教材)を複数準備したり、ヒントカードを与えたりする。
- 結果にこだわらず、思考過程や学習過程を認める。
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| 「自分が必要とされている」という実感を持たせる。 |
- 意図的な指名等、一人一人が活躍する場や課題を工夫する。
- 自由な発想や方法が認められたり、自己選択できる場を工夫する。
- 互いの発言を最後まで聴く習慣や誤答を大切にする習慣を身に付けさせる。
- 協力して活動できる場を工夫し、互いの考えや方法のよさに気付かせる。
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| 教師自身が一人一人を大切にする姿勢を示す。 |
- 一人一人の名前を呼び、目を見て話す。話をよく聴く。
- 発言しない児童生徒に配慮するとともに、適切な支援を行う。
- 承認・賞賛・励ましの言葉をかけ、個に応じた改善課題や改善方法を示す。
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| 共感的人間関係を育成する支援を工夫する。 |
「自分が受け入れられている」と実感できる雰囲気をつくる。 |
- 「誰にでも失敗はある」、「誰もがよさや弱さを持っている」という認識に立って、互いを尊重し合う人間関係づくりを行う。
- 一人一人が自由に発言できる雰囲気づくりを行う。
- 教師の意図と異なる考えを抑圧したり切り捨てたりしない。
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| 「共に学び合う仲間だ」と実感できる雰囲気をつくる。 |
- 他者の発言や作品のよさに気付き、学ぼうとする態度を育てる。
- 自分の考えと異なる意見や感情を拒絶せず、それを理解する技能を育てる。
- 他者の気持ちや立場を考えて自分の言動を選択・構成する態度を育てる。
- 互いの役割や責任を認め合う態度を育てる。
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| 自己選択・決定の場を工夫して設定する。 |
学習課題や計画を選択する機会を提供する。 |
- 発達段階に応じて、複数の学習課題の中から自分にあった課題を選択する機会を設定する。
- 発達段階に応じて、学習の見通しをもって計画を立てるための支援を行う。
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| 学習内容、学習教材を選択する機会を提供する。 |
- 児童生徒の実態を踏まえて多様な教材・教具を準備し、選択の幅を与える。
- 自分の習熟の度合いや興味・関心に基づいて、教材・教具を選択できる場を設定する。
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| 学習方法を選択する機会を提供する。 |
- 児童生徒の実態を踏まえて児童生徒の実態や学習内容に応じた学習方法を提示し、選択の幅を与える。
- 課題解決のための情報や資料を準備し、その活用方法について適宜助言する。
- ワークシートやノート整理の方法、学習内容のファイルの仕方を助言する。
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| 表現方法を選択する機会を提供する。 |
- 児童生徒の実態を踏まえて多様な表現方法を提示し、選択の幅を与える。
- 考えをまとめるための多様な学習ノートを準備する。
- 相手や内容に応じた表現ができるよう、多様な表現スキルを提示する。
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| 学習形態や場を選択する機会を提供する。 |
- 児童生徒の実態や学習内容に応じた学習形態や活動の場を多様に提示し、選択の幅を与える。
- 自分の課題や方法に基づいて活動内容や場所を選択する機会を設定する。
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| 振り返りの方法を選択し、互いの学びを交流する機会を提供する。 |
- 児童生徒の実態や学習内容に応じた学習成果のまとめ方を多様に提示し、選択の幅を与える。
- 自他の学習課題や解決方法、学習の仕方やまとめ方等を振り返って交流する時間を設定し、他者の成果に学ぶとともに、今後の学習課題や方法について選択・決定できる場を工夫する。
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