人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(第36回) 議事要旨

1.日時

平成21年9月29日(火曜日)13時00分~16時00分

2.場所

合同庁舎7号館旧文部省庁舎 「第2会議室」

3.議題

  1. ワーキンググループにおける審議の報告について
  2. その他

4.出席者

委員

福田委員、有村委員、梅野委員、神野委員、神山委員、谷口委員、林委員、平沢委員、増田委員、森委員

文部科学省

塩川児童生徒課課長補佐、小林指導調査係長、他

5.議事要旨

  •  事務局より、参考資料に基づき、報告の構成案、執筆要領及びスケジュール案等について説明があった。
  •  ワーキンググループのリーダーより、それぞれのグループにおける審議の結果について報告があった後、審議がなされた。

【調査分析の報告について】

(全体的な記述の方向性について)

【委員】
 調査分析報告の執筆に当たっては、どの程度の取組を求めるトーンで書くのか。少なくとも都道府県には計画や体制づくり、研修の実施についてリーダーシップを求め、市町村や学校まで届くような啓発的な記述にすべきと考えている。

【委員】
 第三次とりまとめで出したメッセージは、学校の教育活動にプラスアルファで人権教育をやるということではなく、人権という視点でカリキュラムや指導計画の立て方を見直して再構築すればよいということ。これを教育委員会や学校に改めて伝えることができればいいだろう。

【委員】
 人権教育に限らず、何か新しい課題に取り組もうとすると必ず、「時間がない」「人手がない」という声が上がる。その時に、具体的な工夫の方策や施策を挙げて呼び水とすることはいいが、いずれの課題を優先して取り組むのかという、行政的な新たな問題も生じる。

(報告の構成について)

【委員】
 調査の分析と第三次とりまとめを比較して読みやすいような工夫が必要。教員研修においても使用できるとよい。

【委員】
 調査の各問についての分析やコメントのフォーマットを統一しておくべき。スケジュールがタイトであるので、まとめやすくするためにも必要であろう。

【委員】
 都道府県教育委員会に対する調査の結果は、概ね取組が行われているが、市町村教育委員会はそこまでではない。しかし、市町村に対して都道府県と全く同じレベルを求めることは難しい。そのあたりのニュアンスを文章にまとめることについて方針を決めるべきではないか。

【委員】
 一般的に考えると、調査結果を分析する際には、あまりコメントを加えるのはかえって難しいのではないか。数字の事実を的確に評価することにより、本調査の使命は果たすことができると考える。

【委員】
 調査結果の分析を行った上で、その結果を踏まえた提言を盛り込むかどうかが問題。

【委員】
 自治体や学校に対して支援というか教育的な方向性で調査結果を示したいという議論は、会議内で共通していると思う。やはり、ただ数字だけを示すのではあまりに内容が薄い。分析というか解説的な内容を入れて、報告書全体を人権教育の推進に役立ててほしい。

【委員】
 今回は、調査結果の分析のみでまとめるとして、問題提起というか更に説明や解説を加えたまとめを今後行うような余地はあるのか。

【事務局】
 第三次とりまとめを踏まえた取組の把握としては、今回のまとめで完結であると考えている。ただ、今後、都道府県や市町村に対して提言を行っていくということについては、会議において議論していただくことも踏まえて柔軟に捉えている。いずれにしろ、今回の調査の結果は、一旦とりまとめて周知を図りたい。

【委員】
 政令市の扱いはどうするのか。市町村に含めるのか、取り出して政令市だけの結果をまとめるのか。また、教育委員会に対する調査は都道府県と市町村ともに同じ設問を用いている。結果とその分析は都道府県と市町村をまとめるのか、個別に行うのか。

【委員】
 調査の結果を事実として分析するという趣旨からすると、政令市も含めた市町村教育委員会に調査を行ったのであるから、政令市だけを取り出すべきではないだろう。

【委員】
 都道府県と市町村の結果分析を別の章にまとめるとすると、読み手としては同じ内容を2回見ることになり冗長に感じるかもしれない。都道府県と市町村をまとめて記述すると、すっきりはするが、それぞれの結果を比較するようなことになる。

【委員】
 市町村の結果が都道府県に比べて芳しくないとしても、すべてにおいて市町村の意識が低いような訳ではない。例えば、都道府県の取組に市町村が参加しているので、あえて市町村の事業としては取り組んでいない、というような場合もあるだろう。そこは、分析の文章の書き方によって、市町村に負荷がかかるようなことは防ぐことができるのではないか。

(調査結果のデータの取扱いについて)

【委員】
 分析のために配布された調査結果のデータは、回答数の実数がまとめられているものであったので、設問によっては分かりにくい場合もある。分析のために割合を出したデータもあるが、報告をまとめる際には、統一を図る必要がある。

【事務局】
 各委員が分析として出されている数字については、事務局で整理して調整を図る。

【委員】
 結果のデータのまとめは、委員が分析の原稿を作成するのと同時に事務局において行うのか。それとも、委員の原稿を見た上で、その内容に合わせてまとめていくのか。

【事務局】
 可能であれば、原稿を作成される際に、データのまとめ方のイメージも指示していただけるとありがたい。イメージの共有を図った上で事務局が作業を行うことができる。

【委員】
 調査結果を検討するためにデータを自分でグラフ化したが、設問の選択肢が長い場合は、グラフの凡例は選択肢の文章を縮めて作成した。しかし、文章の縮め方が適当であるのかが難しい。

【委員】
 或いは、グラフの凡例に選択肢を正確にすべて写すという方法もある。冗長になるとは思うが。

【委員】
 各設問を明記し、その後にデータをまとめた表やグラフを挿入すれば、凡例を選択肢の記号だけにすることも可能ではないか。または、各選択肢の省略した文章を注記しておくという方法もある。

(自由記述の取扱いについて)

【委員】
 自由記述による回答を求めている設問がいくつかあるが、回答数があまりにも多く、回答をそのまま報告に掲載するのは無理である。

【委員】
 しかし、自由記述について全く触れないわけにもいかない。例えば、自由記述を通して特徴的なことをいくつかピックアップするということはできないか。

【委員】
 自由記述の中でキーワードで検索をして何件あった、というふうにまとめることは可能であるが、その結果がどれほどの信頼性を持つのかということについては、少し難しいところがある。

【事務局】
 または、委員の知見というか主観でもって、どのような意見が多いという印象を受けたというような分析をしていただくということもあるかと。自由記述を機械的にソートするよりも、記述の全体を見て、その中で得られたものを記述する方が読み手にとってもわかりやすいと思う。

【委員】
 その場合も、代表的な記述を引用するというよりも、その内容を一般化して全体的な傾向を示すように工夫した方が良い。

  •  事務局より、委員からの原稿提出のスケジュール、提出方法等について説明した後、閉会。