人権教育の指導方法等に関する調査研究会議(第33回) 議事要旨

1.日時

平成20年12月4日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

合同庁舎7号館東館3階 「3F3特別会議室」

3.議題

  1. 人権教育の推進に関する取組状況調査について
  2. その他

4.出席者

委員

福田委員、菅原委員、有村委員、梅野委員、金子委員、神野委員、神山委員、林委員、増田委員

文部科学省

磯谷児童生徒課長、塩原児童生徒課課長補佐、他

5.議事要旨

  •  事務局より、資料2・3・4に基づき、取組状況調査の企画案及びスケジュール案等について説明があった後、審議がなされた。

【実施要項(案)について】

【委員】
 「3 調査対象「調査2 公立学校に対する調査」」に無作為抽出とあるが、具体的にはどのように行うのか。

【事務局】
 文部科学省であらかじめ調査対象校リストをつくり、県教育委員会に依頼することを考えている。

【委員】
 調査時期は、平成20年12月下旬~平成21年1月上旬とあるが、調査を終えて回収まで含めた期間なのか。

【事務局】
 教育委員会が調査票を配布・回収する期間が必要なので、12月の中旬の発注、下旬以降の調査票記入、1月中旬に文科省の締め切りとしたいが、今後具体に設定していきたい。

【委員】
 「調査結果の取扱い」には、この会議と、児童生徒課で協力して分析するとあるが、いつまでに行うのか。また、自由記述に関しては、例えばジャストシステムのトラスティアや、あるいはテキストマイニング・フォー・クレメンタイン、あとは数字のところに関しては、SPSSなどのソフトウエアが必要になってくるのではないか。

【事務局】
 児童生徒課が調査研究会議の協力を得ながらということで考えており、スケジュールについては資料4のとおりであるが、例えば国連人権教育世界計画へのいろいろな支援報告の提出を考慮しながら進めていく必要があるため、実施要項の中で道行きをきちんと示していない。いろいろ教えていただきながら、集計作業を進めていきたい。

【委員】
 全国の学校のことを知るためにサンプル調査をしているわけであり、国全体の学校の傾向を出すことがおそらく必要になってくる。分析に力を入れていかなければならない。

【調査票・回答用紙(案)について】

【委員】
 人権教育の推進にかかわる今回のとりまとめとの関係に限定するような部分と、限定しない部分と、判断がつきかねる部分がある。9ページの(4)は、とりまとめについて書いてあるからわかるが、その前の8ページの(2)は、ライフステージに応じた研修とあり、その内容が、人権教育一般のことなのか、とりまとめに沿ったものを想定しているのか、判断が難しい。
 とりまとめの内容の普及の調査なのか、そうではなくて、人権教育一般に進められているかどうかという調査なのか、それが回答ごとに判断がつきかねる場合にどう基準を持っていくのかというのは、結果をどう分析するのかということにはね返ってくるので、この点はどう考えるのか。

【事務局】
 基本的には、人権教育のとりまとめの中で求められている取り組みが、今回の調査の対象と考えている。求められている取り組みを、以前からやっている学校、これからやろうという学校もあると思うので、その両方も含めて、今実際にやられているのか、もしくは検討されているのかということを調査したい。ただし、一回性の調査では限界があるため、幾つかポイントになるところについては、とりまとめを踏まえた改善を行ったのか、といった観点からの調査項目をつけ足している。

【委員】
 8ページ、仮にライフステージに応じた研修で、年次研修の(1)と管理職研修の(2)を答える際には、とりまとめにかかわらず、人権教育をしているかどうかということで答えればいいということか。

【事務局】
 そのとおり。

【委員】
 4ページ、「人権教育に関する施策の推進方針・計画」の問に、例えば、「エ 策定の検討に入っていない」を選択した場合、なぜそうなっているかということを聞く必要があるのではないか。

【事務局】
 検討させていただきたい。

【委員】
 都道府県や市町村教委に対する調査項目については、「当てはまるものすべて」と書いてある質問項目と、例えば学校調査の20ページで、次のうち「力を入れているものを、3つまでの範囲で選び」という質問項目があるが、我々が三次まとめを検討する中ではどれも大事であり、例えば「3つまで」というのではなくて、「当てはまるものすべて」としたほうがいいのではないか。

【事務局】
 今までもどちらかというと知識偏重で、感覚の涵養にまで至っていないというのが課題としてあった。そういった中で現状として、学校がどこに力を入れているのか、もしかしたらまだまだ知識だけかもしれないとか、そういったものを見出すための調査のやり方として、あえて3つまで選ぶといったタイプの設問も幾つかは入れたということである。

【委員】
 ところどころに「とりまとめを踏まえて」とあるのは、この調査が国連への報告等と絡めて、一次から三次までのとりまとめを受けて、教育委員会や学校が何かのアクションを起こしたかということを知るためではないのか。また、「人権教育のための国連10年」から「人権教育のための世界計画」に流れてくる中でこの会議も開催してきているので、これまでの評価や反省が趣旨なのではないか。

【委員】
 2ページ、「調査へのご協力のお願い」の中に、「このため、同「とりまとめ」で求められている学校・教育委員会の取組について、その推進状況を把握するため」と書かれている。一方、9ページの(4)「国の調査研究「とりまとめ」を踏まえた研修の改善・見直し」では「「とりまとめ」を踏まえた」と限定した記述となっている。このとりまとめを踏まえるとは、全体に冠としてかかわってくるととらえていたが、そういう認識でいいのか。

【事務局】
 項目に挙がっているものが、第三次とりまとめの中で言及されており、選択肢で挙げられているものを実施している学校は、とりまとめを踏まえた取り組みが現時点において行われている学校ということである。

【委員】
 それを確認するためには、どの項目に「踏まえて」と入れるかということを、調査結果を想定しながら、厳密に見ていく必要がある。

【委員】
 同じ問題意識の一つで、例えばとりまとめを全体的に反映されているのか、もしくは一部反映されている、全く反映されていない、と実態をつかんで今後に生かしていくということであれば書きやすい。ほとんどの都道府県は「一部を踏まえている」となるのではないか。もしくは、今後、とりまとめを踏まえ、基本計画、基本計画よりも推進計画を変える予定の有無を聞くとはっきりするのではないか。

【委員】
 「その他 人権教育の推進に当たっての課題等」で、例えば我が県ではこういうところに力を入れてきたとか、入れているといったポジティブなものについて、学校も含め、記入できるようにしたらいいのではないか。

【委員】
 都道府県教育委員会の立場からすれば、「その他 人権教育の推進に当たっての課題等」に何を課題として書くのかということは、自分の教育委員会の人権教育に関するとらえ方そのものを問われているところだと思う。それが公表のときにどうなるかわからない段階で、ここに安易に書くことは難しいのではないか。

【委員】
 例えば「課題となっている事項や困難を感じている事項、また成果を上げている事項」について書いてもらうというのも一つの方法だと思う。どちらにしても課題や困難点も成果と裏返しになってくるので、両方書きやすいほうを選択して記入できるようにすれば、ポジティブな意見も吸い込めるのではないか。

【委員】
 課題は必要だが、自由記述を記入するのは難しいという場合だったら、4つか5つの例を出して、そこから主な課題について3つ丸をつけるようにすれば書きやすいのではないか。

【委員】
 基本的に全部とりまとめを踏まえてやっていくことを入れておけば、カバーできるのではないか。

【委員】
 教育委員会の調査内容の中には国の調査とりまとめを踏まえた質問事項があるが、学校の調査項目にはないのではないか。

【委員】
 32ページ、市区町村の人口については、詳細な数値のほうが傾向が図で見ることができるので、例えば何万人という規模ぐらいまで記入してもらってもいいのではないか。

【委員】
 25ページ、統計的な処理を考えると、「よく」、「どちらかといえば」、「あまり」、「全く」で、4件法で聞いているが、多分クロス集計したりして、有意さを求めることも考えられるので、5件法や7件法で、子どもの場合には3つに分けることは当然あるが、5件法にして、真ん中に「どちらとも言えない」を入れてもいいのではないか。

【委員】
 20ページ、最初の(1)で2行目の「効果を上げるためには、まずは、その基盤となる教育・学習の場の在り方(人間関係、雰囲気など)」とあるが、唐突な感じがするので、「人間関係」、「雰囲気」の後に「づくり」という言葉があったほうがいいのではないか。

【委員】
 もともとの最初の解釈は、一次とりまとめから三次とりまとめを含めてという意味だと説明していたが、それも含めてということか。一次から三次というとりまとめそのものにこだわらなくていいのか。

【委員】
 結局この調査というのは、人権教育の世界プログラムの第4段階のことに対応する調査だという認識でいいのか。

【まとめ】

  •  指摘を受けた点等を踏まえて事務局で修正等した実施要綱及び調査票についての最終的な取り扱いは座長一任の上、調査を実施することとされた。 
  •  次回の会議では、調査結果を回収し、一応の集計ができた段階で、来年度以降の進め方等について検討を行うこととされた。