平成20年10月30日(木曜日)10時00分~12時00分
合同庁舎7号館東館3階 「3F2特別会議室」
福田委員、菅原委員、有村委員、梅野委員、金子委員、神野委員、神山委員、谷口委員、林委員、増田委員、森委員
磯谷児童生徒課長、岸田生徒指導室長、塩原児童生徒課課長補佐、他
【委員】
調査の対象として、国立と私立の学校、特別支援学校を省く案としているが、どのような理由からか。
【事務局】
調査のしやすさの観点から、まずは公立学校から調査を行う案としている。公立学校に対して一定数のサンプルを取れば、概ねの全体傾向について把握できると考えている。
【事務局】
特別支援学校については、他の校種にはない固有の教育目標があり、他の学校と同じアンケートで調査した場合、特別支援学校としての人権教育のねらいをどの程度把握できるか?ということを考えた。検討時間の制約もあり、今回の案では外しているが、その部分も含めて、議論して頂きたい。
【委員】
人権教育の実施について、特別支援学校についてのイメージが捉えにくいという指摘があった。そういうことも調査の過程で少し取り上げて頂きたい。
【委員】
幼小連携と言いながら、幼稚園については、第三次とりまとめが配布されていない。人権教育については、幼稚園・保育所の段階から取り組まないと遅いというのが、一般的な通念となっている。
【委員】
幼稚園でもとりまとめの趣旨に添った研究が行われようとしているが、幼稚園にまで冊子が行き渡ってない中で、人権教育の指導方法の在り方に沿った研究までは至らないという懸念がある。
【事務局】
文部科学省として、限られた予算の中で、何が可能なのかは検討したい。
【委員】
幼稚園を調査対象に入れるということは、有効なことだと考える。幼稚園は私立が多いという問題もある。情報を文部科学省のネットワークを使って出すことも考えられるのではないか。
【事務局】
幼稚園団体が持っている媒体を使って、全国の幼稚園向けに広報するといった方法はあるかと思う。
【委員】
第三次とりまとめをまとめるに当たってのもともとの議論が、幼児教育までを視野に入れて来たのか、という点も考える必要がある。事例もあまり掲載されておらず、幼稚園まで配るというと、心苦しいところもある。幼稚園への伝え方と、小・中学校への伝え方等については、分けて考える必要がある。
【委員】
幼児期を含め、発達段階に応じた指導の方法論とか、幼小連携という内容については、第三次とりまとめに入っている。
【委員】
特別支援学校についても、各都道府県教育委員会において、特別支援学校に対する人権教育の推進調査を行っているはずであり、今回の調査にも加えてほしい。
【委員】
調査は、どこの学校が答えたものかわかるような形式なのか、それとも匿名性が保たれるような形式なのか。
【事務局】
事例を集める際など、どこの学校かわかった方がいい調査もあるが、一方で、量的に把握したいといったような調査については、特定性が排除される場合もある。今回の調査は、後者に近いのではないかと考える。ただし、市町村の規模や学校の規模など、規模別の分析等々が必要になるかもしれないので、調査の際には、学校調査として、学級規模なども答えてもらい、クロス分析も可能とするような方法はあるかも知れない。
【委員】
第三次とりまとめの通知が出たのが4月で、現時点では、都道府県により取組に差があるのではないか。12月や1月の段階で調査して、国連に報告する内容として適切なのか。
【委員】
都道府県の実施する調査については、人権教育関係の調査は6月ぐらい、教育課程が8月ぐらいに行っている。少なくとも年度が終わってから調査をしている。年度末までの内容を調査するとすれば、不確実なことを内容として含むようになる。
【委員】
現場では、人権教育担当者によく読み込みをしろと言って、一般の職員への周知を図っているところ。すでに実践しているものもあるが、これからさらに再構築しようとしているところ。
【事務局】
調査時期を早めるか遅めるかは、分析の時間をどれだけ確保する必要があるかにもよる。第三次とりまとめに当たっては、少なくとも指導等の在り方の部分では、第二次とりまとめから「何も足さない・何も引かない」ことを原則としてまとめてきた経緯があり、基本的な考え方については第二次まとめで言い尽くされている。その意味では、第二次まとめ以降、調査研究の成果がどれほど行き渡ったかを見るということも、十分意義のあることであり、今回の調査はそうした目的も持っている。調査時期については、年度をまたぐと担当者が変わることもあり、そのあたりも考えなければならない。
【委員】
時期については、適切だと思う。項目については、さらに精査する必要がある。人権感覚あたりがどの程度身についているのか、児童生徒一人一人に人権に関する考え方や理解がどの程度指導されているのかということに落としていく必要がある。
【委員】
調査対象に教員を加えることを検討したのか。
【事務局】
学校・教育委員会で実際にどのように取り組まれているのかを把握することが調査の目的と考えていたので、個々の教員を調査対象に加えることまでは検討していなかった。児童生徒の意識については、調査の設計が難しい。
【委員】
年度途中に、年度内の取組を調査するのは異例なので、今回の調査の趣旨と第三次とりまとめとの関係については、より明確に示した方がいい。現場としては従来の取組を踏まえれば調査が行えるような中身にすると、スムーズに行く。
【委員】
国の「とりまとめ」を踏まえた調査研究等の実施に関する質問で、選択肢に調査研究等を「行う計画がある」「見通しがある」とかを入れた方がいい。
また、この前の段階で、「各都道府県の実態を踏まえて、第三次とりまとめの周知を図る資料を作成配布したか」という設問を作ってもいい。
【委員】
人権教育担当者向けの研修機会を設けているかの設問で、「設けている」「設けていない」の2つの選択肢しかないが、その前後を聞くような選択肢があってもいい。国の「とりまとめ」を踏まえ、研修の改善・見直しを「行った」か「特に行っていない」かの設問についても、同様に考える。
【委員】
調査は平成20年度の取組について答えるという形なのか。
【事務局】
必ずしも第3次取りまとめ以降の取組のみを対象としているわけではない。調査の年度区切りについて、厳密に考えているわけではない。
【委員】
学校で誰が記入するかが問題。教員一人一人の認識のもとに回答の作成がなされてほしいという願いがある。学校でこの調査が皆の先生の目に触れて、校長が指導した形で教育委員会に上げるようになればよい。
【事務局】
従来の調査では、誰が記入するかについては関与せず、文科省としては、上がってきたものが学校・教育委員会の総意であると受け取るというやり方をしてきたが、それだけでは調査の精度にばらつきが出るということで、一部の調査では、調査のやり方を提示するようにもなってきている。今回の取組状況調査についても、例えば、「学校全体の取組を俯瞰して記入せよ」というようなことを、記入要領中で書くというやり方もある。
【委員】
調査を実施するにあたっての趣旨のようなものを書くといいのではないか。
【委員】
校内における推進体制の整備に関する設問については、各選択肢が指すものの違いが、一般の教員が読んでもわからないのではないか。第三次とりまとめの「指導等の在り方編」で示した「校内推進体制の例」の図を一緒に示してやればわかりやすくなるのではないか。「協力的」「参加的」「体験的」な学習については、意識的に盛り込んだところであり、どの教科等の時間を使って実践しているのかがわかるような設問もあるといい。
【委員】
教育課程の編成だけではなく、学校づくりや生徒指導、学級経営、学力などという項目を入れて、人権教育が進むために望ましい環境を各学校でどのように工夫してやっているかわかるようにするべき。
【委員】
学校調査は、都道府県教育委員会が取りまとめて文部科学省に返すこととなるのか。その方が、県教委が実態を把握できていいのではないか。
【事務局】
文部科学省としても、都道府県の協力を得て行いたいと考えている。
【委員】
第3次取りまとめを受けて取り組んだ内容を、自由記述で書いてもらうと、次の調査を行う際の項目立てに使える。また、予備調査を行った方がいい。
【委員】
学校の要望を聞くような質問のスタイルがあってもいい。
【委員】
第3次取りまとめのポイントの一つが、指導方法なので、指導方法でどのような工夫をしているのかというような項目を設けるといい。
【委員】
指導内容に関する設問は、選択肢で、特に力を入れて身につけさせている資質・能力がどれなのかを選択させる形にしているが、これらについては、「指導等の在り方編」第1章「人権教育を通じて育てたい資質・能力」の図を見るとよくわかるので、その旨を書くといいのではないか。
【委員】
知識的側面、価値的・態度的側面、技能的側面について、その枠組みをそもそも意識しているのかという質問の仕方もあるのではないか。