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教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議

1999/04/27 議事録

教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議 (第8回)議事要旨


     教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議(第8回)議事要旨

1  日  時  平成11年4月27日(火)10:00〜12:30

2  場  所  文部省  5B会議室(5階)

3  出席者
  (協力者) 蓮見,中島,安彦,天笠,伊藤,小川,小澤,児島,染谷,高浦,永井,橋本,堀内,山極,渡辺の各氏
  (文部省) 加茂川財務課長,大槻教育助成局企画官,勝山財務課課長補佐,徳久初等中等教育局企画官 ほか関係官

4  議  事
(1)第6回の議事要旨案について修正意見等があれば5月7日までに事務局に連絡することとし,その後所要の修正を加えた上で公開の手続きをとることが了承された。

(2)平成11年4月26日に開催された第1回ワーキンググループの会合について,主査に選任された山極委員から報告された。

(3)事務局から配付資料の説明が行われた。

(4)「教員の持ち時間数と教員定数,非常勤講師の活用方法等」を論点に議論が行われ,概ね以下のような発言があった。(○は協力者,△は事務局の発言。)

○  持ち時間数をみる場合,実習を伴う教科とそうでない教科とは負担度がかなりの違いがある。

○  高校の実態としては,教員統計調査上の教科の平均持ち時間数14.5時間にロングホームルームの1時間,必修クラブの1時間を加えた数字が週の持ち時間数と考えてよい。
  現場では教科主義,平等主義が非常に強く,教科によって持ち時間数にばらつきがあって当然だという理屈は通らない。例えば理科は準備や片づけがあるから10時間とし,体育は20時間持てないかというと,うまくいかず,結局,教科間の平準化を図るということになる。また,例えば教務主任,生徒指導主事については業務の多忙性から持ち時間数を減らし,そういう業務に従事していない先生については増やしたらどうかという理屈も学校内では通らない。ただし,生徒指導主事等に関しては若干減らすことはある。教務主任でなくても教材研究等でいつも遅くまで勤務している教員もおり,特定の業務だからとか遅くまで残っているからとかの理屈で持ち時間数を減らせという論理は通らないのが実態である。つまり,全体の平等主義というのが非常に強く,持ち時間数は各教科及び各分掌全て平等ということになりやすい。
  このような考え方に対して学校内部にも問題があると感じている者もいるが,どう改善するのかという対案が出せないでいるというのが現状である。

○  中学校における教科の平均持ち時間数については,週16.2時間となっているが,実際は14時間の者もいれば,20時間の者もいるというように幅がある。これに道徳,学級活動等の時間を加え,その他の業務として生徒会や委員会活動,学校行事,各分掌部会,企画会,各主任会,学年会,生徒の各種ノートの点検記入等を含めると,60時間以上の勤務を行っていることになる。そのほか,部活動があり,さらに教材研究をしなければならない。学校では教材研究を行う時間がとれず,自宅に持ち帰っているのが現状である。
  週当たりの持ち時間数が16.2時間であっても,それ以外の仕事が相当にあり,今後,総合的な学習の時間への対応や特色ある学校作りに向けた実施計画の作成などにさらに時間が割かれることになる。

○  小学校の場合は,教科の平均持ち時間数21.7時間に道徳,学級活動の時間,クラブ活動等の時間等の3時間を加えて24.7時間となる。なお,校務分掌によって濃淡があるため,教務主任の持ち時間数はかなり軽減される。
  教材研究の時間については,小学校は部活動がないので放課後や空き時間となるが,現実には小学校の場合は,多くて3時間程度の空き時間しかない。
  将来,新教育課程となり総授業時間数が減ることにより1人当たりの持ち時間数は減るかもしれないが,様々なことに対応できる教員,いわゆる職員室にいる教員数は変わらない。総合的な学習の時間を含め,特色ある様々な教育活動を展開する際に,総授業時間数が減ったとしても対応できる人数は変わらないという課題が残る。

○  小中高共通であるが,持ち時間数の中には生徒指導の時間が入っていない。問題行動に係る生徒指導が毎日あるわけではないが,こういった時間が全く入っていないということも念頭に置かないといけない。

△  多忙な教員もいると認識しているが,聞いていると想像以上に忙しいと感じた。しかし,中学校においては週60時間勤務しているのが平均的な教員と捉えていいのか。すなわち,授業時間数が20時間で授業時間数以外の業務を時間数に換算すれば40時間程度あると理解していいのか。

○  そのように受け止めてよいと思う。ただ,部活動において文化部を持っている教員は多少マイナスになるので,平均としては50時間以上と捉えたらいいと考える。
  授業の持ち時間数については過去に調査されてきたが,教員がそのほかにどのような業務にかかわっているかということについては調査されていない。

○  教師の労働時間に何を組み込んで正規の労働時間とするかという整理をしなければならない。新しい教育課程の理念に対応して授業時間数はどう考えるべきかということは非常に難しいが,ある程度の理屈は必要である。
  また,例えば新学習指導要領で2時間の減というが,それを減らさないで授業時間数として維持した場合に,35人学級とか30人学級というのは学校内措置ですぐにできるのではないかと思うが,そのあたりは文部省としては試案はないか。

△  標準法が出来た時とだいぶ実態は変わってきているが,例えば,小学校の6学級規模の学校については小学校の第1学年が25時間,第2学年26時間,第3学年28時間,第4学年から29時間となり,合計で166時間になる。そこから学級担任は6人,担任外が1人で計7人分の定数を導き出している。
  一方,中学校は学年30時間あるから学年1学級ということになると,3学級規模の学校は90時間となる。教科担任制となるので9教科の教員をそろえなくてはならないので,校長,教頭,教科担当入れて9人は保証する。一人平均10時間ということになる。つまり,中学校,高校は教科毎の授業時間数を算出し,それに基づいて定数算定を行っているということである。

○  教員の持ち時間数等の問題に関しては,実態まで画一ということはないと考えられる。例えば,小中学校においては任命権者である都道府県あるいは服務監督を行う市町村教育委員会に全面的に委ねられているのか,あるいは学校に任されているのかは都道府県によってだいぶ違っている。例えば,小学校ではすべての教務主任は負担軽減のために学級担任から外すなどの措置が都道府県の判断で実施されているところもある。絶対数に限りがある中で,どこでどのような措置をしたら最もうまくいくかということを考えるべき。中教審の提言を踏まえて,各都道府県と市町村の協議からもう一歩学校まで降ろして,学校単位でどこまで何ができるかという論議も必要ではないか。

△  標準法上の定数算定についてはあくまでも積算の基礎であり,そのとおりに配置しなければならないわけではない。ただし,各都道府県とも実態からすれば,ほぼ画一的な配置になっていることは確かであり,例えば小規模校なら,近隣の学校と兼務を行うことも考えられるが,あまり工夫されていないというのが実態である。
  また,持ち時間については,何時間持たなければならないというのはない。例えば,ある国では27時間が基礎になって定数を積算しているので,27時間から1時間でも欠けると給料がカットされるという勤務形態になっている。日本の場合は,持ち時間によって給料がカットされることはない。いずれ,外国での調査結果をもとに諸外国との比較もしてもらいたい。  

○ 持ち時間数の中に準備等の時間は,全く入っていない。実技教科の理科,音楽,美術,保健体育,技術家庭の持ち時間数は17時間,それに道徳が1,学活が1,学校裁量の時間が2,選択教科の1のプラス5時間で22時間となる。実技教科以外の持ち時間数24時間と2時間差をつけてあるのは準備,片づけ等の時間にあると考えている。
  また,新教育課程になると,週2時間の減になるが,新たに総合的な学習の時間が週2時間入ってくることになる。

○  教員の持ち時間数については標準法制定時と現在を比べると減ってきているが,減ったことをどう分析するかというのは非常に難しい。持ち時間数が定数を算出するときの根拠として使えるかということが非常に問題という気がする。
  これからは,新教育課程で導入される総合的な学習の時間については,1時間の授業が2時間分になり,教員の側から見ると3倍かかるといわれている。授業の展開や個性化,個別化を図るための丁寧な教育を行うためには,授業だけの問題ではなく,周辺の仕事が重要になってくる。授業時間数にあまりとらわれずに,実際の学校における教員の仕事の内容を洗い出して,ワーキンググループで教員の授業以外の業務内容や今後の新しい指導要領で必要とされるような仕事を時間量で算出してはどうか。

○  教員の仕事を表す新しい指標を開発していく必要性が出てきているのではないか。持ち時間数が教員の仕事量を表した時代もあったが,中学校の実情を数字で表そうとすると実際の勤務状態と乖離してしまう。学級における生活の側面を指標でなかなか表しきれない。生徒指導上の問題,学校行事等企画運営に関わる指標,生活指導に係る指標及び学習指導に係る指標のそれぞれをいくつか示しながらあるいは開発しながら捉えていく必要性を感じる。

○  中学校においては,持ち時間数が減ってきたことのみを捉えるのではなく,中学校の背負っている仕事の中味が非常に大きく変わり,教科指導の比重がある程度減少し,生徒指導や部活等の比重が非常に大きくなってきたとみるべきである。
  現在の実態が,1日8時間,週40時間の勤務時間を大きく上回っているのであれば,その中に収めるようにしなければいけない。そのためには,中学校で担うべき仕事は何か,教科指導のほかに何があるのかという論議もしなければならない。

○  小学校や特殊教育諸学校の特別非常勤講師については全教科に対象を拡大したが,総合的な学習の時間についても,今後は対象の中に入れていく必要性を感じる。  

○  再任用制度については公務員全てに共通する問題として,雇用形態と身分保障,給与負担の在り方から論じられているが,教育職の特殊性についての論議には至っていない。
  非常勤講師については教員の持っている持ち時間をどう代替していくのかという問題もあるが,教員養成系大学の学生のインターンシップ制と非常勤講師制度をジョイントさせ,今学校で問題となっていることをサポートできるシステムを作ってはどうか。これは免許法改正の流れとも合致しているように思う。

○  小中学校にもこれまでにない非常勤講師の導入がなされ,必要に応じて来てもらえる先生というイメージが出来つつあるが,それでも小学校では授業以外の様々な教育活動も含めてすべての時間を通じて児童との関係づくりがなされ,その中で授業が展開されていくことを考えると,うちの学校だけの先生というイメージに固執する部分がある。
  都道府県によっては,いびつな年齢構成等も生じており,非常勤講師まで含めれば年齢構成を変えることができるが,非常勤講師を起用することにより新採の教員の確保が望めない部分が出てくる。いずれにしても,現在非常勤講師制度について研究されており,その中から見いだされたメリットを教員定数に反映させてほしい。

○  中学校では,ティームティーチングの加配に非常勤講師を大いに活用できるのではないか。教務主任を強化するための補充や総合的な学習の時間への活用も考えられる。また,部活動についても専任の教員が担当しなければならないことになっているが,非常勤講師を補佐として活用できればと思う。そのほか,学校の教育活動全般を通していろいろな役割が考えられる。  

○  教員は確かに忙しく,そのために教員を増やすということは非常に大事なことであるが,教員はややもすると自分で仕事を増やすことで安心感を持つ場合があると考えられる。むしろ,仕事を減らすことの勇気を持たないとならない。例えば,部活動の社会教育への転換,学校の行事等の精選並びに会議のスリム化を図る必要もあるのでないか。この財政の厳しいときに教員を増やせということに世論が納得するわけがない。

○  教員間で持ち時間数の平均化に流れ易いというような問題にメスを入れる必要がある。また,学校ではとかく何でも話し合いでやろうとし,そのために仕事がさらに忙しくなるというような傾向があるのではないか。意思決定の仕組みを整理すれば余分な会議がかなりスリム化されるのではないか。

○  高等学校の場合は,18時間で定数1人分という考え方で非常勤講師の活用を図っている。高等学校の実情は中学校と似た状況にあり,学校によって格差等があるものの,教員の仕事内容は生徒指導等授業以外の占める割合が年々増えている。そういった学校の実態から非常勤講師が18時間で授業の部分はカバーできるが,それ以外の業務については常勤の教員にしわ寄せがくるのではないのかという問題がある。
  特定の分野で非常勤講師を有効に活用するということはこれからもっと考えなくてはいけないことであり,例えば,高等学校も少子化の影響で規模が小さくなり兼務等で非常勤を用いるなどいろいろな使い方が考えられる。ただ,実習を伴う教科を非常勤が持つ場合に準備片づけ等に問題が出てきた例もある。
  したがって,非常勤ができる部分と非常勤では補えない教育活動をどうするのか整理する必要がある。
  また,再任用制度が導入され,再任用者を定数化して非常勤で任用した場合,授業以外の部分が抜け落ちてしまうおそれがある。

○  市町村が非常勤講師を活用している例の中で,特に小学校の第1学年に配慮した例が多くみられる。これらは非常勤講師による対応ではなく,第1学年については他の学年と異なった学級編制を可能とするように改正すべき問題である。
  また,面白い実践例として島根県出雲市のスクールヘルパー制度がある。学校と地域とを結んだり,親も含めた教育相談に応じるといった役割を担っている。地域や親との相談はベテラン教員がよいということで退職校長などが活用されている例だが,こういった形の再任用制度を広げてみてはどうか。
  総合的な学習の問題についても,現在実施している非常勤講師配置調査研究補助事業に位置づけて全体的な拡充を図ってみてはどうか。 

○  新学習指導要領のもとで教員の勤務形態は従来と大きく変わってくることには留意しても,それが持ち時間数を自動的に減らすという発想にはつながらない。これまで教員に専門的な仕事に専念してもらうために,教員の実践活動をサポートする専門職員の充実を図ってきた。事務職員や養護教諭の全校配置,さらにスクールカウンセラーの導入等が行われてきた。これと関連して,教員は授業に専念することができるようになり,持ち時間数を増やすことも可能となっているのではないか。このような考え方も一つの検討の視点として設定してはどうか。

○  再任用制度については,どのように運用するかによって教職員定数や学級編制の在り方を非常に大きく左右すると考えられる。運用の如何によっては,教職員定数の在り方や教職員構成が非常に硬直化するでのはないかと懸念される。学校現場の持っているいろいろな状況を勘案して,教育公務員についての例外的な運用は考えられないか。

△  文部省としても新採の枠の確保の問題や年齢構成の問題等については認識しており,退職者の再任用制度の構想が出た時点で教育公務員の例外的な扱いが出来ないか検討を申し入れたが,教育以外にも消防や警察といった特殊業務を抱えている職域でも基本的に例外を認めないという結論がでている。
  国家公務員,地方公務員についての退職者再任用制度は,今の定数の中で,短時間勤務者についても別途管理をして定数カウントすることになるが,例えば短時間勤務職員についてどのような形での勤務が現場にふさわしいか検討していただきたい。

○  最終的に15年かけて65歳まで任用ということになると,将来的には教員も65歳まで勤務することになるのか。

△  現時点では定年制度と切り離して年金の支給開始年齢が60歳から65歳まで伸びることに伴う調整措置という位置づけであり,今の60歳定年制とリンクさせた形の議論ではない。

○  高等学校の教員の配置では,一定数の教員を配置して持ち時間数にアンバランスが生じた場合は,その差を非常勤講師で埋めるといった措置がとられているが,問題のない中堅の学校では標準法で定める数より本務職員の数を減らして非常勤講師でカバーし,逆に困難校では本務職員をできるだけ手厚く配置するという運用もされている。
  ところが小中学校の場合には,標準法の考え方はあくまで標準であってこのとおりに配置する必要はないということだが,実際は最低基準として捉えられている。専科教員の充実を図るためには,小中学校について定数の非常勤講師への振替に伴う国庫負担制度を早急に取り入れる必要がある。また,小規模校の専科の教員は非常に持ち時間数が少ないため,非常勤講師に切り替え,浮いた正規の職員を別の学校へ持っていくといった措置はできないか。

○  再任用制度については,再任用者と定数を1対1で対応させるとすると,将来的に新規採用が出来なくなる年度が生じることも予想され,非常に厳しい対応を迫られるる。

○  非常勤講師の活用については,市町村において抱えている地域の課題に応じてアイディアを用いて進めているようであるが,どういう成果があるのかということを丁寧に検証しておく必要がある。非常に効果を生む場合もあれば,逆にマイナスの面が出てくる可能性もある。

○  非常勤講師の活用とリンクして再任用の問題については,教員養成の面から大変重大な問題である。教員養成系の大学では,4年後の各都道府県の新規採用を見通して,それに見合った定員を減らしているが,その際に再任用については見込んでいない。
  公務員一律の問題ではあるが,教育公務員というものの特殊性をどう捉えるか。例えば,60歳までの従来の定年制度は残し,55歳で辞めるメリットを今以上に整備し,フレキシブルな再任用制度を導入できないか。そういった余地を残さないと新規採用がゼロということになる。単なる数合わせではなく,小学校の場合には若手の教員の不足により教育活動に支障が生じるという問題や継続的な安定した人材供給の確保といった雇用政策上の問題もあり,学校教育の特殊性というものを斟酌する余地はないか。

△  能力と意欲があれば再任用の対象になるわけだが,フルタイム及び短時間勤務の二つの形態があり,短時間については16時間から32時間の中でどういう形態がいいのか,また,本人の意向に沿った形,若しくは都道府県や市町村のニーズにあった形について検討していかなければならない。60歳定年制のもとで勧奨退職についてもっと優遇措置を講じられないかということについては各任命権者が今工夫しているが,公務員制度全体の中で限界があり,特例的な制度を導入することは難しい。現行制度の中で工夫せざるを得ないと思われる。

○  60歳まで全員が同じパターンの雇用形態というのは柔軟性に欠けるのではないか。例えば,55歳から32時間勤務や16時間勤務を選択できるような制度の導入はできないか。いわゆる絶対的な給与総額というものを仮に前提とするならば,その枠の中で60歳以上の雇用と55歳から60歳までの雇用を同じような形にできないか。55歳で退職する者が相当あるならば,異なった雇用形態の選択を設け,60歳までは身分保証するといった制度変更はできないものか。

△  非常勤講師制度を活用できるのではないか。非常勤講師として,例えば週に2日程度の勤務とした場合,1つの定数を用いて2.5人の者を任用できることになり,学校にとっても相当のメリットが生じるのではないか。

△  今度の再任用制度というのは非常勤ではなくて,新しい雇用形態として制度を導入するもの。これを60歳以下にも拡大することについては,公務員制度における60歳定年の原則に関わる事柄であり,教育公務員だけ60歳定年とは別途の雇用形態を確保する必要があるという論理は非常に難しい。  
  また,非常勤講師については,学校や地域によってその必要度は異なっている。あまりにも多くの非常勤講師が学校に入ったとしても,授業以外の校務の分掌をどうするかといった問題点もある。非常勤講師制度を導入した場合のメリットやデメリットについてご議論願いたい。

○  今の教師の仕事は,ガイダンス的な機能が非常に強くなってきている。進路キャリアガイダンスがあり,生徒指導的なこともある。こういった仕事は非常勤では指導が行き届かない。また,もう一つ非常勤の場合はかなりルーティンな仕事はいいが,現在増えつつある企画立案といった仕事を担うことには向かない。

○ 非常勤の勤務形態については,授業だけを担当するのではなく,例えばパートタイム的に週に3日間24時間勤務し,その中で授業も担当するといった勤務形態をとれば,授業以外の校務も分担できるのではないか。
  しかしながら,授業以外の校務も担当することを前提としても,児童生徒の生活と関わりをもつ教育活動においては継続的な勤務が必要であり,断続的な勤務による問題点をクリアしていかなければならない。
  一般公務員と同様に再任用制度に教育公務員も組み入れられるならば,教員の1週間のうちの仕事を洗い出し,そのうちフルタイムでなければいけない業務,短時間勤務でもできる業務を整理し,短時間勤務者が関わり得る業務がどれほどあるかを確認する必要がある。さらに,学校運営上,学校の中にどれくらいの短時間勤務職員を受け入れられるのかといった点から具体的に検討していかなければならない。  

△  今までの学校で校務の分掌の仕方,処理の仕方というのはなかなかスムーズにいかないことは理解している。しかしながら,例えば,スクールカウンセラーは週2回8時間の勤務になっているが,指導については連絡がかなり密に行われているケースが少なくない。非常勤講師の活用については,受け入れ体制の充実と優秀な人材の確保といった配慮が必要と考えている。  

(5)次回のテーマ及び日程等
  次回は,『教員以外の専門的職員の配置の在り方』及び『学校経営スタッフ等の確保の方策』をテーマとすることが了承された。
  次回第9回は,平成11年5月11日(火)午前10時から国立教育会館203特別会議室において開催される旨事務局から説明があった。
  併せて,第10回及び第11回で実施する予定の教育関係団体ヒアリングについては,平成11年5月21日(金)午前及び5月24日(月)午前に行う旨事務局から説明があった。

(教育助成局財務課)

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