学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議(平成28年度~)(第7回) 議事要旨

1.日時

平成31年2月18日(月曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 旧庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 報告書(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員) 五十嵐智浩,伊藤俊介,岩井雄一,岩﨑元,上野淳,片田敏孝,斎尾直子,志村秀明,高際伊都子,田原優子,長澤悟,野中陽一,樋口直宏,山重慎二,山下文一(敬称略)
(特別協力者)森政之,屋敷和佳(敬称略)

文部科学省

【大臣官房文教施設企画・防災部】山﨑技術参事官,山川施設企画課長,西村施設企画課企画調整官,木村施設助成課課長補佐
【初等中等教育局】教育課程課教育課程企画室田代専門職
【高等教育局私学部】私学助成課水澤専門官

5.議事要旨

・事務局より資料1-1~2-2に基づき,報告書(案)及び小・中学校施設整備指針の改訂案について説明。
・各委員による意見交換。

(○委員の発言,●事務局の発言)

○「ICT」については,言葉の定義を記載した方が良い。また「教育のICT化」は既に策定されている計画のタイトルであるものの,意味するところが分かりづらいので,何かしら追記した方が良いのではないか。

○学習指導要領で「コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段」と書かれているので,そのような文言が良いのではないか。

○「校務・指導者用コンピュータと学習用コンピュータをネットワーク上切り離す」ことについて「必要である」と書いて良いか。

○文部科学省が作成している「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」において,ネットワークは切り離すこととされているため,このような記載でよいのではないか。

○報告書案の「情報セキュリティ」と学校施設整備指針の「情報管理」は同義と考えられるので,標記を統一した方が良いのではないか。

●学校施設整備指針改訂案の「情報管理」は,ネットワーク上のセキュリティのみならず,紙の資料等も含めた幅広い情報の管理を意図しており,報告書の標記と使い分けている。

○学校施設整備指針改訂案の「専門スタッフ等のスペース」について,独立したスペースを確保することも重要だが,教職員との連携・交流も重要であるため,両方の要素が入る表現となると良い。

○専門スタッフや多様な人材の中に「特別支援教育支援員」も加えた方が良い。

○「インクルーシブ教育の構築」と「インクルーシブ教育システムの構築」が混在しているが,標記を「インクルーシブ教育システム」に統一した方が良い。

○施設のバリアフリー化に関連して,「合理的配慮」とともに「基礎的環境整備」という言葉も入れた方が良い。

○保健室の計画に関連して,近年,医療的ケアが必要な児童生徒が増加しているので,そのためのスペースの必要性についても言及できると良い。

○学校施設整備指針改訂案に追記された「対話による学習」は,一斉授業による学習や少人数指導による学習においても成り立っているもの。この学習方法が例示された文中に書き加えることには違和感がある。

○現行の学校施設整備指針の普通教室の部分に「展示台を窓側に計画することが望ましい」とあるが,普通教室の窓側は作品等の展示に適した場所とは思われず違和感がある。

○報告書案の「近年の学校規模の推移」について,グラフを見る限り,12~18学級の学級数が増加傾向,とは言えないのではないか。

○報告書案の第2章の冒頭で「児童生徒が長時間過ごす生活の場」という文章が削除されているが,小学校低学年では活動している時間の大半を学校で過ごしていることもあり,その長い時間を過ごす学校施設は重要である,ということを強調する意味でも記載した方が良い。

○快適性は,児童の健康や,学習効率・執務効率の向上にも関係がある,といったことも盛り込めると良い。

○新学習指導要領の重要な柱である「社会に開かれた教育課程」という言葉を報告書にもう少し盛り込めると良い。

○学校施設整備指針改訂案の「児童生徒地域交流施設」に,幼児との連携・交流という内容も盛り込めると良い。

○中学生ともなると性の自認に対して悩みを抱えた子供たちがいる。例えばトイレに関する何らかの配慮などについても考えていかなければならない。

○大阪北部地震でのブロック塀の倒壊事故も踏まえ,校内のみならず通学路も含めた安全確保が重要,という観点も盛り込めると良い。

○報告書案の「学校施設を活用・発展」という部分は,「不断に改善」や「維持」「向上」などの言葉に置き換え,わかりやすい表現とした方が良い。

○報告書の「教職員の働く場としての機能向上」に,「学校がチームとして体制を整えて対応する」「教員間の円滑な情報交換」「校内の協力支援体制の構築」といった観点も盛り込めると良い。

○学校のトイレは用を足すだけの場所ではなく,子供同士がコミュニケーションをとったり息抜きしたりする場所にもなっていることから,学校施設整備指針で使っている「便所」という文言を「トイレ」等,別の表現を検討するとよいのではないか。

○教育相談室は,機能的なことだけでなく,心をほぐして相談しやすい雰囲気の場所とすることが重要,という点も触れられると良い。

○現行の学校施設整備指針には「地震,津波等の災害に対する安全性の確保」という項目があるが,近年頻発している豪雨災害に伴う洪水や土石流等についても触れられると良い。

○報告書案の第3章の冒頭,学校施設整備指針改訂の方向性に「防災」の観点も盛り込めると良い。

○現行の学校施設整備指針における「ティームティーチング」というのは指導体制のことであり,学習指導要領では「個別学習やグループ別学習,繰り返し学習,学習内容の習熟の程度に応じた学習,生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや,教師間の協力による指導体制を確保することなど,指導方法や指導体制の工夫改善により,個に応じた指導の充実を図ること」とあることから,指導方法の一例である「対話による学習」が「ティームティーチング」より先に書かれていると違和感がある。

○学校施設整備指針改訂案における「図書室」に関して,「学習・メディアセンター」との記載があるが,文部科学省では,学校図書館に期待されている機能として「読書センター」「学習センター」「情報センター」の三機能を挙げているので,そのような文言とした方が良いのではないか。

○アクティブラーニングに関連して,例えばワークショップなど実施する際には壁に意見を貼り出したりする。子供たちの想像力や表現力を向上させるための家具や設備についても言及できると良い。

○報告書案のP20,「いかに活用し発展させるか」ということに関連して,学校運営協議会を活用することが重要ではないかと思われるので,その点言及できるとよい。

○学校施設整備指針改訂案の冒頭,第1章第1節の1は,学習環境のことを指していると思われるため,その点分かりやすい表記にしてはどうか。


・以上で,意見交換を終了。
・今後の修正については主査に一任された。

―了―

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大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

指導第一係

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)