特別支援学校施設整備指針(平成23年3月) はじめに

 「学校施設整備指針」は,学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために,計画及び設計において必要となる留意事項を示したものである。

 障害のある幼児児童生徒のための学校については,これまで平成8年1月に「盲学校,聾学校及び養護学校施設整備指針」を策定し,その後,平成11年4月に用語に関わる改正を行っている。また,平成19年7月には「特別支援学校施設整備指針」として全面的に改訂し,特別支援教育を推進するための施設整備の基本的な考え方として,障害の重度・重複化などを踏まえた一人一人の教育的ニーズへの対応やセンター的機能の推進などの観点を記述するとともに,具体的な計画・設計上の留意事項を示した。さらに,学習指導要領等への対応に加え,耐震化の推進,防犯対策の推進などの学校施設を取り巻く今日的な課題への対応に関する記述を充実させている。また,平成21年3月には,学校施設を巡る事故が後を絶たない状況を踏まえ,事故防止対策に関する記述を充実させている。

 今般,特別支援教育制度への転換後の取組や,特別支援学校の学習指導要領等の改訂(平成21年3月公示)への対応,社会環境の変化への対応等を踏まえ,平成22年9月から,現行の特別支援学校施設整備指針について,改訂を行うための検討が実施され,その結果が報告書として取りまとめられた。

 今般改訂した「特別支援学校施設整備指針」では,この報告を基に,制度転換後の取組に伴う施設面の新たな課題への対応として,多様な学習・生活集団の編成等に対応できるフレキシブルな空間や,落ち着きを取り戻すための小空間等,一人一人の教育的ニーズに対応するための記述を充実させるとともに,外部の専門家との連携に配慮した職員室や,企業等との連携による職業教育に資する空間等について記述を追加している。
 また,学習指導要領等の改訂への対応として,理数教育環境や情報環境等の充実を図るために記述を充実させている。
 さらに,社会環境の変化への対応として,特別支援学校の幼児児童生徒数の増加や,環境面への配慮に対応するための記述を追加している。

 既存施設の改修を含めた学校施設の今後の整備に際し,この「特別支援学校施設整備指針」が活用され,設置者の創意工夫の下に,幼児児童生徒の教育の場にふさわしい豊かな環境が全国で形成されていくことを切に願う次第である。

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