平成22年6月14日(月曜日)15時~17時
中央合同庁舎第7号館西館(金融庁)9階 共用第1会議室(903)
【委員】 上野淳、海野剛志、釼持勉、杉山武彦、高際伊都子、長澤悟、中埜良昭、成田幸夫、増田道子、御手洗康、村山真由美、柳澤要、山西潤一、伊香賀俊治、湯澤正信(敬称略) 【特別協力者】新保幸一、屋敷和佳(敬称略)
【文教施設企画部】西阪文教施設企画部長、岡技術参事官、長坂施設企画課長、森企画調整官、瀬戸専門官、山本専門官ほか
【文教施設企画部】杉浦施設助成課長補佐 【初等中等教育局】(高校教育改革PT)小谷教育制度改革室長、天野教育制度改革室専門官、沓澤児童生徒課産業教育振興室産業教育調査官 (教育課程課)梶山教育課程企画室長 【高等教育局私学部】真野私学助成課専門官
(○:委員の発言、●:事務局の発言)
・杉山主査より挨拶、増田委員、村山委員の紹介
・事務局より資料3、4に基づき文部科学省の取組や当調査研究協力者会議について説明。
・事務局より資料5、12、13に基づき今年度の調査研究の予定について説明。
● (資料5について)今年度立ち上げる高等学校施設部会では、長澤副主査に部会長をお願いし、高等学校施設整備指針の改訂や施設整備の推進方策について検討いただきたいと考えている。部会長の人選については、事前に事務局から杉山主査にご相談させていただき、ご本人の了解も得た上で、このような形で発表させていただいている。
・事務局より資料6に基づき調査研究の趣旨等について説明。
・事務局(教育制度改革室)より資料7に基づき高校教育改革の推進について説明。
・事務局(教育課程課)より資料8に基づき高等学校学習指導要領の改訂について説明。
・湯澤教授より資料9に基づき福島県立いわき光洋高等学校について説明。その後質疑応答。
(湯澤教授より説明後の質疑応答)
○ 教科ブロック(特定教科の、教室やオープンスペースなどの関係諸室をまとめて配置した空間)にある普通教室は、教科教室のように使われているのか。例えば、理科ブロックの普通教室は、特定のクラスのホームルームの他に、他学年の理科の授業などが行われることがあるのか。
○ ホームルームのクラスが使用していないときには、理科の教室として使用している。他学年も使用する。理科の授業でも、練習問題を解く場合には実験室よりも普通教室の方が、黒板等が充実していて良い。
○ 教科教室型の校舎では、ホームベースのような生徒の居場所についての面積や家具の数・配置が重要と考えるが、現状は十分か。また、休み時間における移動の混乱はどの程度でおさまるのか。
○ いわき光洋高等学校には、1学年毎にフロアの中心に、生徒の居場所として講義室1つ半ほどの大きさのオープンな生徒ラウンジである「ハウス」があり、ベンチ等を設けているが、ここに全員が着席することは考えておらず、移動中に寄ることができる場所として位置づけている。他のオープンスペースとして「教科ホール」があり、そこにも椅子やベンチが置かれている。
また、移動については、廊下や階段の幅を広く設計したり、階段を3ヶ所に設けたりしていることで、今のところ問題は起きていないと聞いている。
○ 単位制の高等学校でも実態は学年制に近い運営を行う学校が多い。いわき光洋高等学校は、総合学科の単位制ということだが、実態はどのようになっているのか。学級関係なく授業を受ける時間数は一年生の時から相当程度あるのか。
○ おそらくほとんどの生徒の履修状況は学年制に近いと考えるが、例えば、芸術関係の科目の中で音楽を多く履修する生徒がいたりして、弾力的な運営を行っていると思う。
(自由討議)
○ 高等学校が多様化している中で、単に生徒が満足しているだけではなく、本当に生徒にとって有効でうまくいっている施設の例とはどのようなものか、把握することが重要。また、高等学校においても、特別な支援を必要とする生徒に対するケアをどのように行っているのかという視点は重要だと思う。この二点については、今後の現地調査の結果等を踏まえ、施設整備指針へどのように反映させていくか検討してはどうか。
○ 高等学校における教育の多様化に、施設整備が追いついていないケースも見られる。特に総合学科の学校において、施設整備が十分に対応できていない例がある。
○ 特別支援教育については、高校教育の中で特別支援対応の改革を進めようという動きや、高校の再編整備を行う中で再編整備された高校に特別支援学級を設けるという動きが、いくつかの県ですでに始まっていると聞いている。
○ 高等学校は、小・中学校に比べて、私立学校の数が非常に多い。地方によっては、施設面における公私の格差が問題になっており、耐震化について私立への補助が手薄いところがあると聞いている。様々な学科や形態の学校がある高等学校では、施設だけではなく、それをいかに使うのかという視点が重要だと思う。
・事務局より資料10に基づき調査研究の趣旨等について説明、伊香賀委員より資料11に基づき環境を考慮した学校づくりの取組について説明。その後質疑応答。
○ エコ改修を行うことによって、児童の学習に対する意欲の向上は見えるのか。
○ エコ改修を行った後、児童は自分たちの校舎に対して、科学的にものを見る目が養われている。身近なものが生きた教材になっている効果を通して、科学的にものを見る力を養う動機づけになっているのではないか。現場の先生方も、エコ改修後の子どもたちの目の輝きの違いを感じており、確実に効果は出ている。
○ エコ改修と耐震補強を同時に行うときに両立しない点や利点はあるのか。
○ 事例として取り上げた校舎は、木造であるが、エコ改修と同時に木造での耐震改修を行った。筋交いを入れた他、耐震部材を木の部材でさらに補強しており、柱が太くなってはいるが、自然光や通風など自然エネルギーをうまく取り入れることに問題はなく、耐震補強とエコ改修が両立している。
○ 学校種を問わず、地域内の他の学校にエコ改修をした学校の情報の普及などは行われているのか。
○ 小学校から中学校、さらに高等学校と子どもたちの成長を考えて、地域で学校の連続性や縦のつながりを持つということは、重要な視点である。
・事務局から今後のスケジュール案について説明。
指導第一係
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2291)、03-6734-2291(直通)