資料2-6 幼稚園、特別支援学校における特有の配慮に関する論点整理

幼稚園、特別支援学校における特有の配慮に関する論点整理

 (※は参考とした資料等)

1.津波避難関係

 乳幼児や障害者である児童生徒は、障害者でない児童生徒に比べ、円滑な避難行動を取ることが困難であることから、確実に避難ができるよう、十分な対策を取ることが望ましい。

■幼稚園
・緊急避難場所までの避難経路として避難階段を設ける場合には、幼児でも上りやすいよう段差等を工夫することが重要である。
 ※しらはたこども園ヒアリング

・園児の状況に応じて、避難にあたって、おんぶひもや避難車※により対応することが望ましい。
(※)避難車:複数の子供の散歩や外出に使用する大型の乳母車。
 ※高知県保育所・幼稚園等防災マニュアル作成の手引き

・徒歩による避難が原則であるが、緊急避難場所が園から離れている場合は、通園バスなどにより避難することも考えられる。ただし、この場合は、安全かつ確実に避難できるよう、防災部局と事前に調整しておく必要がある。
 ※車による避難の場合の検討:防災基本計画

・避難にあたり、高等学校などの周辺施設と連携し、園児の円滑な避難に協力してもらうことも考えられる。
 ※高知県保育所・幼稚園等防災マニュアル作成の手引き

・保護者に引き渡した後の被災や、保護者が引き取りに園に向かう際の被災を防ぐため、安全な緊急避難場所に逃げた後は、津波警報・注意報が終わるまでは保護者への引き渡しをしないことが考えられる。また、このことについて、事前に保護者に説明し,共通理解を得ておく必要がある。
 ※しらはたこども園ヒアリング

■特別支援学校
・円滑な避難の実現のため、バリアフリー化を進めておくことが重要である。

・徒歩による避難が原則であるが、緊急避難場所が学校から離れている場合は、通学バスなどにより避難することも考えられる。ただし、この場合は、安全かつ確実に避難できるよう、防災部局と事前に調整しておく必要がある。
 ※車による避難の場合の検討:防災基本計画

・避難にあたり、周辺の施設と連携し、児童生徒の円滑な避難に協力してもらうことも考えられる。
 ※高知県保育所・幼稚園等防災マニュアル作成の手引き

・保護者に引き渡した後の被災や、保護者が引き取りに学校に向かう際の被災を防ぐため、安全な緊急避難場所に逃げた後は、津波警報・注意報が終わるまでは保護者への引き渡しをしないことが考えられる。また、このことについて、事前に保護者に説明し,共通理解を得ておく必要がある。
 ※しらはたこども園ヒアリング、学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き

■特別支援学級
・避難にあたり、障害者である児童生徒を障害者でない児童生徒が支援しながら逃げることが円滑な避難につながることから、避難訓練を一緒に行うことが重要である。

2.避難所関係

 特別支援学校が避難所又は福祉避難所となる場合においては、特別な対応が必要となることに留意する。

■特別支援学校
 災害発生時に、特別支援学校においてしばらくの間被災した児童生徒及びその家族が過ごすことが考えられる。
 また、市町村が、特別支援学校を一般の避難所として指定することも考えられる。
 さらに、市町村が、バリアフリーや職員の配置などの福祉避難所としての機能を評価し、特別支援学校を福祉避難所として指定することもある。

<児童生徒及びその家族が一定期間過ごす場合>
・円滑な避難所内の活動のため、バリアフリー化を進めておくことが重要である。

・トイレ対策のため、必要に応じ、紙おむつやおしりふきも備蓄しておくことが望ましい。
 ※学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き

・医療的ケアが必要な児童生徒が在籍している場合は、停電時にも医療器具が使えるよう発電機を設けておくことが望ましい。
 ※石巻支援学校ヒアリング、学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き

・痰の吸引器は、電動のものに加え、足踏み式のものも用意しておくことが望ましい。
 ※石巻支援学校ヒアリング

・児童生徒それぞれの状態に応じた非常食・常備薬等の準備が必要である。非常時用の必要物品の入ったリュックサックを保護者に依頼して学校に準備しておいてもらうことも考えられる。
 ※石巻支援学校ヒアリング、学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き

<一般の避難所となる場合>
 一般の避難所となる場合は、障害者である児童生徒が一般の避難者と同じ空間で過ごすことに困難が生じることが想定されるため、必要に応じ、障害者である児童生徒及びその家族の避難スペースと一般の避難者の避難スペースを分離することが考えられる。

<福祉避難所となる場合>
 福祉避難所とは、一般の避難所では生活することが困難な要配慮者のために、特別な配慮がなされた避難所のことを指す。要配慮者が、それぞれの状態に応じて安心な避難生活を送るための対策は以下の通りである。

・円滑な避難所内の活動のため、バリアフリー化を進めておくことが重要である。
 ※福祉避難所設置・運営に関するガイドライン、緊急提言

・トイレの環境を整備しておくことが重要である。
 (バリアフリー化されたトイレ、多機能トイレ、断水時も水を流せる仕組み、洋式の簡易トイレの備蓄)
 ※福祉避難所設置・運営に関するガイドライン、緊急提言

・医療的ケアを行うための非常用電源及び医療機器を確保することが望ましい。
 ※学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き

・想定される被災者数に応じた人材の確保(医師、看護師、役場職員、他の特別支援学校職員の派遣等)を行うことが望ましい。このため、地域の異なる特別支援学校間で事前に災害時に派遣を行うなどの相互協定を結んでおく等,非常時に共助できる体制を整えておくことが考えられる。
 ※石巻支援学校ヒアリング、福祉避難所設置・運営に関するガイドライン

・薬の確保

・コミュニケーションツールの確保(筆談用具、文字放送対応テレビ等)

・避難者を想定した食べやすい備蓄食料の備蓄

・介護用品(衣類、大人用おむつ、車いすなど)の備蓄

・病院等への移送手段、通信手段の確保

・ベッド、担架、パーティションの確保

・冷暖房設備,毛布など保温のための道具,扇風機・うちわ・保冷パックなど(停電時も使えるものが望ましい。)の整備

・事前に配備できない物資等については、災害後速やかに配備できるよう、関係団体・業者と事前に協定を結んでおくことが考えられる。

・多数の関係者が関わることとなることから、入念に避難所開設の訓練を行っておくことが重要である。
 ※以上、福祉避難所設置・運営に関するガイドライン

・多くの個別ケアが必要な避難者がおり,福祉避難所の運営に当たる職員も交代であるなどの状況が想定できる。声のかけ方などに必要な配慮を書いたカードなどを見えやすい場所に携帯してもらう(カードを首にかける,肩口に留めるなど)ことは、平時では失礼に当たるが、災害時には有効なこともある。特別なケアができる職員がわかるように,衣装やバッジをつけるなどの職員側からの情報発信も有効である。
 ※石巻支援学校ヒアリング

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