参考資料  学校施設と他の公共施設等との複合化検討部会(第4回)議事要旨

参考資料

学校施設と他の公共施設等との複合化検討部会(第4回)議事要旨

■日時
平成27年6月5日(金曜日) 13時30分~15時30分
■場所
文部科学省旧庁舎4階 文教施設企画部会議室
■議題
(1)学校施設の複合化と公共施設マネジメントの取組について
   (委員からのプレゼンテーション)
(2)報告書(骨子案)の検討
(3)その他
■出席者
(委員等)
【委員】浅井経子,安間正伸,上野淳,斎尾直子,志村秀明,
     葉養正明,望月伸一,山崎敏,山重慎二(敬称略)
【特別協力者】磯山武司(敬称略)

(事務局)
【文教施設企画部】新保 文教施設企画部技術参事官,山下 施設企画課長,小林  施設企画課課長補佐,蝦名 施設助成課長
【生涯学習政策局】佐藤 社会教育課課長補佐


【議事要旨】
(○:委員の発言,●:事務局の発言)

・望月委員より,資料1に沿って,高浜小学校における公共施設複合化の取組みについて説明。

○財源確保のためにテナントを入れるという意見は出ているのか。

○周りにコンビニもないような立地なので、テナント等を入れるのは難しいという現状がある。

○検討の過程で、もともとあった既存学校施設等のストックがあると思うが、例えば、一つの拠点にまとめた方が効率が良いとか、全部は集約できないとかいろいろな考え方がある中で、どのような意見が出されたのか。

○地域として平坦な土地であり、津波対策の観点から防災拠点として体育館の防災機能を充実すること、隣接した敷地にある幼稚園を一体化すること、5つの小学校区の中で、この学校施設だけでも屋内プールにすることなどについて意見・要望がある。

○2点お聞きしたい。1つめは塾の扱いについて費用負担はどのような構想なのか、2つめは時間外・休日に音楽練習や稽古の場として活用するとは、部活の一部を外部委託するという発想の中で学校施設の複合化を推し進めようということなのか、教えてほしい。

○塾については、時間外に塾として学校施設を使えないかというニーズは出てきており、料金徴収をしてもいいから、塾を運営できないか、また、諸室の利用についても時間外は有料にして、収益を上げることができないかということを検討している。部活については、当然無料ということになる。有料化については、あくまでも時間外、特に休日にできないかと思っている。

○ワークショップ等を進める中で、キーマンであったり、情報の共有化であったり、気をつけて進めた方が良いことがあれば教えてほしい。

○学校施設は非常に老朽化しており、維持更新でこれまで年1校建て替えていたものが年4校くらい建て替えをしなければならないという状況にある。建て替えのための費用をどうするかというのは喫緊の課題である。一番の問題は、都心部のようにポテンシャルがある場所はテナントを入れるなど考えられるが、コンビニもないような地方都市でどのように実現するかということである。そうすると行政だけでなく、地域の事業者や地銀などにも理解してもらわないと動けないので、そのような話合いなどもやらざるを得ない。その辺りが一番のポイントである。

○必要経費をどのくらい民間から当てにしなければならないのか。
 また、土日の時間外・休日に公民館機能として活用するとは、既存の公民館とは別に新しい公民館を作るという考え方なのか、それとも、公民館ではない公民館機能をここに新しく作るということなのか。

○複合化する機能については、公民館機能というよりも、そういう機能の概念を取り払って地域の活動拠点を作っていくような従前の公民館とは違った形で作れないかと考えている。要望を全て入れると50億円くらいかかってしまう。その中で少なくとも、15億円くらい捻出出来ないかと考えている。

・事務局より、資料2,資料3-1に沿って、それぞれ「報告書 目次案」、「報告書 序章・第1章 骨子案」について説明

○(机上資料)現地視察報告書は良くまとまっているが、これは本文に入れるのか。

●(現地視察報告書に載っている)有用な写真や、ゾーニングの図を入れていくことを検討していただきたい。

○一つ一つの視察した学校施設にまとめた事例は非常に参考になると思う。紹介することを検討してほしい。

○4頁136行目、学校施設が公共施設の4割というのが床面積だと思うが、床面積比率ということをわかるように書いた方がよいのではないか。世田谷区でも学校施設の床面積は公共施設の約6割あって、予算的にもそのぐらいの比率になる。

●これは消防庁の資料を基に作成したものであり、棟数でカウントしている。出典と棟数であることを明記する。

○自治体ごとに、特に床面積で見ると、学校施設は公共施設ストックの6割程度を占めるケースもある。このことも一つの自治体の例でもよいので、この円グラフの横に載せるとわかりやすくなるかもしれない。

○第1章「1.学校施設の複合化が求められる社会的背景」のところに、学校施設の複合化は、今あるコミュニティの維持や伝統文化の継承に寄与するということも記載した方が良い。さいたま市のワークショップにおいて、小学校と地域資料室を複合化することにより、お祭りなどの伝統文化の継承がより図られるようになるという意見が出ている。

○学校施設の複合化の課題の一つに財源の問題がある。文部科学省の補助金以外に他省庁等の補助金を活用して整備した事例を紹介すると参考になると思う。

○7頁の234行目に「公立の小中学校は徒歩や自転車で通学できる場所に位置し」と書いてあるが、かなり広い圏域でバス通学をしているような事例もあるので、このような記述で良いか確認してほしい。
○人口減少・過疎化が進んでいく中で、コンパクトシティのような視点も含めて、通学路と公共施設の利用圏域について念頭に記述した方が良いと思う。


○1頁7行目で「複合化の需要が高まりつつある」との記述があるが、今急に高まりつつあるのではなく、実際に、1990年代から複合事例は増えており、複合化の際の課題や留意事項等は既に数多く挙がっている。また、複合化を他部局と連携して進めてきた前例も多く、既に全国で多数こなしてきている。要するに、「実例が増加した現在、改めて今、学校施設の複合化の留意事項について整理し、検討する必要がある。」というべきではないだろうか。

○学校施設の複合化にはどのようなパターンがあるのか。例えば、道路一つ隔てて社会教育施設と学校が隣り合っている場合に、陸橋を渡して交流させれば複合化と呼んでいいのかとか、パターンをできるだけわかりやすく示すことが重要ではないか。
○学校現場に、学校施設の複合化をやらされるという感覚で受け止められると、せっかくの良い取組もうまくいかなくなる。複合化した場合、教員にとって学校教育上でも、メリットがある記述とすることが重要であると思う。

○社会的背景の記述の中で、コミュニティシェルターとしての学校施設の役割は大事である。例えば、防災倉庫、マンホールトイレの設置、あるいは災害に備えた施設の配置計画など工夫することが大事であるため、その趣旨の記述を入れた方が良い。
○児童生徒数は減っているが学校建築ストックは高止まりしていることを示すグラフを、学校施設のストックに余裕があるはずだから、社会的ニーズに応えることができるという趣旨を示すために、載せておくことが、既存ストックの有効活用を読み手に理解しやすくする観点から、効果があるのではないか。
○平成2年3月に発表された「文教施設のインテリジェント化について」の中で、既に学校施設の高機能化については注目されていたということに触れても良いと思う。また、教員の視点についても記述してはどうか。

○学校施設の基本計画のためのワークショップを行った際には、複合化への反対意見が教員の方から出てくることが多い。教員に理解していただくものであることが重要である。

○6頁に長寿命化改修の記述があるが、このことと複合化との関係がわかるように記述を工夫することが必要だと思う。

○10頁「4.現地視察等から把握した取組状況や課題」の中で、既存の学校施設の複合化についてどのようにして実現したのかという過程についての記述もあると良いのではないか。また、PFIなどの事業方式についての記述もあると良いと思う。
○10頁「(1)施設機能の共有化による学校教育環境の向上」の中で、市川第七中学校の事例なども入れてはどうか。

○千代田区立昌平小学校では学校と地域が非常に密接であり、困ったときに地域が学校を助けている。教員の不安を少なくするためにも、地域が学校を支援するという可能性についても記述があると良いのではないか。
○公共施設の利用需要の変化などを考えると、将来、地域で必要とされる公共施設の予測が難しいと思う。そのため、複合化として各施設を整備し、数十年後にも活用できるようにすることが重要ではないか。

○14頁「(5)防犯上の工夫 施設や動線を明確に区分」の中では、防犯面だけでなく、各施設の動線の交錯を避けるという趣旨の記述を入れてはどうか。
○10頁「(1)施設機能の共有化による学校教育環境の質の向上」の中では、施設の高機能化や多機能化を図り、コミュニティ施設としても学校施設が使用できるといった記述があった方がわかりやすいと思う。

・事務局より,資料3-2に沿って,「報告書 第2章 骨子案」について説明。

○2頁「2.域内の学校施設の計画に関する留意事項」域内の学校施設の計画に関する留意事項の中で、都市マスタープランとの関係について記述してはどうか。
○3頁81行目「合意形成」の中では、各施設の関係者がしっかりと問題意識を持って、自ら主体的に考えていくことを促しつつ合意を図るという趣旨を記述した方が良い。また、公共施設の複合化について問題意識を持つ市民やNPO法人との連携なども記述した方が良い。

○第1章の最後で「複合化に関する課題や意見」という形でまとめられているが、第1章のまとめとして複合化のメリットと課題をもう一度整理し、第2章で、メリットを最大限活かし、デメリットを出来るだけ小さくする複合化の在り方をまとめるという流れにすると、わかりやすいのではないか。
○財政面のメリットについて、1頁「4効果的・効率的な学校施設の複合化」の中で記述しているが、学校施設を複合化すると予算が措置されやすいということになると、結果的に施設を増やす取組になってしまう懸念がある。
 そうではなくて、学校統廃合のときに他の公共施設との複合化も一緒に整備することが、魅力がある学校づくりに資することはもとより、効率性の観点からも望ましいのではないかと思う。
 統廃合や既存の施設を壊すことで効率化を図るためには、公共施設のマネジメントに関する基本的理念や考え方が明確で、その組合せの中で複合化を計画的に行うことが大事だと思うので、そういう視点も記述してはどうか。
○望月委員の話の中であった財源調達のための施設の有料化についてここではほとんど触れられていないが、必要な財源の一部を有料化し賄うことで公費負担を減らすということは、効率化の一つの視点ではないかと思う。この点についても検討してほしい。

○4頁「(2)施設管理上の留意事項」について、規模の大きい小中学校の場合に当てはまる事項が挙げられているが、小規模の学校や事情の異なる学校も多い中で、画一的ではないはずである。「教育委員会や自治体が、学校規模や地域の実情に応じて、施設の計画・設計や管理・運営を考えていくことが重要である」ことがわかる記述となるよう検討してほしい。

○1頁「1.基本的な考え方」の2段落目について、アクティブラーニングの導入等について、学習指導要領改訂を見据えて、中教審において検討が進められているが、アクティブラーニングの導入を進めていく場合に、学校施設の複合化というのは非常に便利なツールであるということが設置者に対して理解されるよう、学習指導要領改訂との関係を記述すると良いのではないか。

○学校施設の耐震化がほぼ終わりつつあり、更なる教育環境の向上という観点から、総合管理計画を無視してはいけないと思う。地方自治体による同計画の策定により、公共施設の複合化や多目的化に係る動きが出ており、その核になるのが学校施設である。それをうまく利用して、学校の施設環境を一気に向上できれば良いと思っている。
 そのため、学校施設の複合化により、出来るだけ施設の稼働率を上げ、多目的に利用できる施設として、施設環境を向上させるチャンスであり、これを機に学校施設に予算を投じないといけないんだという機運が高まるのではないか。


○2頁73行目の中で、具体的に学校施設の複合化を検討していくと、自治体の部局間の連携が必要であり、規模の大きな自治体であるとその連携が難しいので、各部局間の連携が重要であることを記述した方が良い。
○3頁に、小学校は景観樹木など大きな木があって、それが子供たちや近所の住民から親しまれているとか、学校特有の良い環境があるが、複合化することによって、木が切られてしまうとか景観的に悪くなることなどがないように、学校にふさわしい教育環境として良い景観を維持することについても記述してはどうか。
○学校づくりはまちづくりという言葉を、第1章の最後の「東日本大震災被災地における学校施設の複合化に関する取組」の記述の中で、事例と併せて記述してはどうか。

○学校施設複合化による整備の対象は、新築や全面的な建て替えの場合のことか、または、教室の改修による整備も含めるのか。

●新築も、建て替えも、既存校舎の余裕教室の活用による学校施設の複合化もある。

○いろいろな整備方法があることを柔軟に捉えられるように示した方が良いと思う。

○2頁68行目「学習環境の質の向上に寄与しない施設の合築」について、例えば、老人デイサービスセンターなど、これは寄与するのかと自治体を逡巡させる記述にならぬよう、工夫が必要である。

・事務局より,資料4に沿って,学校施設と他の公共施設等との複合化検討部会の今後の
スケジュール(案)について説明。
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