資料1-4 第3部 推進方策

第1章 国に求められる役割

(1)学校施設整備指針における学校施設の津波対策や避難所機能関連規定の改正
 文部科学省は、学校施設の計画・設計上の留意事項を示した学校施設整備指針を学校種ごとに策定し、地方公共団体等の学校設置者に示している。
 本協力者会議としては、学校施設整備指針における学校施設の津波対策や避難所機能に係る規定の内容について、本報告を踏まえ、充実させる必要がある。

(2)学校施設の防災機能に関する実態の把握と優れた事例の普及啓発
 国は、学校施設の津波対策や防災施設・設備の整備状況等について実態を把握するとともに、防災機能の強化を図った学校施設に関する内外の優れた事例を収集し、研修会等を通じ、学校設置者等に対し広く普及を図っていく必要がある。

(3)関係府省との連携による防災部局への働きかけ
 文部科学省は、内閣府・消防庁等関係府省と一層の連携を図り、学校設置者及び学校における取組が円滑に行くよう、防災担当部局及び自主防災組織等に対し、率先的な防災機能の検討や対策の実施について要請していく必要がある。

(4)防災機能の強化推進のための財政措置の充実
 国は、津波被害の発生に備え、学校施設の高台への移転を始めとする津波対策に対し、財政支援を図る必要がある。また、学校設置者が、児童生徒等の円滑な避難のための避難経路や備蓄倉庫の整備など、学校施設の防災機能の強化を図ることができるよう、費用負担の更なる軽減を図る必要がある。

第2章 学校設置者に求められる役割

(1)設置する学校の立地を含めた施設の実態把握とその対策
 学校設置者は、「津波防災地域づくりに関する法律」第8条に基づき都道府県知事が設定した津波浸水想定の浸水区域内にある学校施設について、津波に対する安全性を適確に把握するとともに、防災担当部局における域内全体の津波対策の方針等を踏まえ、お互いの役割を明確にしながら、当該学校施設の津波対策を図っていくことが重要である。

(2)地域の避難所として指定された学校施設の防災機能の向上
 学校設置者は、学校が本来果たすべき役割を果たした上で、地域住民の避難所としての役割を担っていくために、防災担当部局における域内全体の避難所対策の方針等を踏まえ、お互いの役割を明確にしながら、地域の防災施設の整備等に関する国等の様々な財政支援を活用するなどして、地域の避難所となる学校施設の防災機能の向上を図っていくことが重要である。

(3)防災機能を備えた学校施設を使った防災教育等による防災対策の推進
 本報告は、学校の防災対策のうち主に施設・設備面を中心として取りまとめたものである。学校の防災対策等の安全管理は、防災教育や防災訓練などの取組と一体的に行われて、初めて効果を発揮するものであり、施設・設備面での対応のみでは万全とはいえない。
そのため、学校は、施設設備の整備を行った後も、防災教育のための実物大の教材や、地域住民も含めた継続的な防災訓練に活用していくことが重要であり、学校設置者は、そのように使われることも念頭に施設を整備することが求められる。

 特に、地域住民や児童生徒の意見を取り入れながら防災機能を備えた学校施設の整備を行った場合は、学校施設自体の防災機能の強化のみならず、地域住民の防災意識の向上や、地域コミュニティの強化にもなり、地域住民同士の共助による地域全体の防災力の向上にもつながる。
 つまり、学校の防災力強化が地域のコミュニティの強化へ、ひいては、地域の防災力強化へとつながるものである。

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