環境を考慮した学校づくり検討部会(第7回) 議事要旨

1.日時

平成22年11月29日(月曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

旧文部省庁舎4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 現地調査報告
  2. 環境教育に活用できる学校づくり実践事例集(骨子案)について
  3. その他

4.出席者

委員

[協力者]
有馬武裕、伊東友忠、海野剛志、押尾和子、小泉治、小澤紀美子、長澤悟(敬称略)
[特別協力者]
五島政一、新保幸一(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)辰野文教施設企画部長、岡技術参事官、長坂施設企画課長、野口企画調整官その他関係官

オブザーバー

(環境省)増井総合環境政策局環境教育推進室室長補佐
(生涯学習政策局)青山男女共同参画学習課消費者教育推進係
(初等中等教育局)佐瀬教育課程課教育課程第1係長
(施設助成課)都外川施設助成課長補佐

5.議事要旨

1)現地調査報告

・事務局より資料2に基づき現地調査報告について説明。その後、質疑応答と意見交換。

(三田市立武庫小学校)  
○ メダカを育て近隣の小学校や幼稚園に分けている。小学校と中学校、小学校同士など地域内の学校が連携していくことで地域の生態系を守ることにつながる。  

○ ビオトープや緑のカーテンなどについては生態系を学校だけで完結させるのではなく、地域へと展開させることが大事。

○ ビオトープを自分たちで管理するなど、直接関わることで子どもたちをどう育てるかが大切。そこから他の教科の学習につなげることも大切。

(神戸市立多聞東中学校) 
○ 田んぼや畑に来るスズメなど様々な生物を通して共存や共生を学んでいる。また、里山を地域の方と生徒が一緒に管理している。そのため手入れをしていないところとしているところができており、それらを比較し学習に活かしている。

○ 教室に外付けの斜めルーバーを設置することで、冬の間教室が暗くなってしまうという現象を、理科の太陽高度の学習に活かすことができる。環境対策の設備は科学的な実験の道具としても使えるのではないか。

(香南市立野市小学校)
○ 市民が通るところに見えるように太陽光発電パネルを設置することで、市民に対し環境の意識づけができる。

2)環境教育に活用できる学校づくり実践事例集(骨子案)について

・事務局より資料3、4、5に基づき実践事例集について説明。その後意見交換。

(環境教育に活用できる学校づくり実践事例集(骨子案)について)
・環境教育に活用できる学校づくりについて
○ 施設完成後の「継続につながる工夫」として、子ども向けの施設の使い方マニュアルを作ることで、設計側が想定した環境教育への活用方法や施設の工夫を子どもたちにも理解してもらうことができる。

○ 環境教育に関しても、教育の一環として基礎的なものを習得する力と、それを活用して、ある課題に対して問題を解決できる思考力、判断力や表現力といった力を求めていくことが大事。きちんと環境教育の意義を定義することによって、教育活動が展開できる。

○ 施設は完成すると、その環境が当たり前になってしまい、施設づくりの過程で工夫を施したことが、使われる中でどのように活かされていくのかがわからない。また、既存の施設にも働きかけをすることで環境教育などに活かす可能性が広がる。

・地域の環境・エネルギー教育の拠点について
○ 学校施設整備において、ある学校で教材として活かせる側面があれば、それを地域内で共有化していくことは可能ではないか。

○ 高学年の場合は、学習活動が学校の中だけではなく地域にも展開されていくこともある。環境教育から社会参画への意識に結びつけていくことも可能。

・実践事例集に掲載する事例について 
○ 一つの教科だけではなく、教科と総合的な学習との関わりがあったり、学校だけの学びではなくて、地域に展開していたりとさまざまなところと連携していけることが大切。そのような事例を実践事例集の中にも入れていただきたい。

○ 数多くの学校で実施してもらうためには、大がかりな施設改修をしなければできないものではなく、コストをかけず簡易なことで行える例を掲載した方が現実的。 

○ 荒川区立第七峡田小学校では、改修したときの外断熱の模型を譲り受け、子どもたちがエコ改修の効果を他の学年に発表するときに活用するなどして、役立っている。そのような事例を掲載してはどうか。

○ 事例の紹介は、授業と施設の関わりがいかにうまく表現できるかがポイント。太陽光パネルがなくても、太陽光の学習効果について伝えるにはこのような工夫がある、さらにパネルがあればより理解が深まるという形で紹介するのが良いのではないか。

(付録「学校施設を活用した環境教育の学習プログラム例」の作成について)
・環境教育に活用する施設設備例について
○ 環境教育の例1から17には、設置された後は子どもたちにとってそれが当たり前となり、発想が生まれないという点がある。帽子のひさしを利用して教室のルーバーの効果を実験するなど簡単なところから学習へ展開をしていくことで、施設活用の継続性につながる。

○ 学校のエコ改修を行う際に、太陽光発電の設置は、事例がたくさんあるが、断熱化や照明の関係は事例が少ないので、良い事例をたくさん集めてほしい。

・付録のまとめ方について
○ 衣装ケースをビオトープにしているなど身近なもので簡単にでき、多くの既存の学校がすぐに行える事例を掲載して欲しい。また、板橋区の小学校の緑のカーテンのように、地域の目が引きつけられると波及効果があるのではないか。 

○ 施設設備の項目ごとに作成する案が示されているが、例えば1つの学校で、複数の施設設備、あるいは施設環境の整備をしている学校もある。組み合わせによって、あるいはグループで選択することによって、さらに上位のプログラムも展開できるのではないか。

○ エコスクールとして整備された学校がどのような設備を導入し使っているかといった事例も入れて欲しい。様々な設備を組み合わせることによって、より体系的な環境教育プログラムができるということを紹介できたら良い。

○ 緑のカーテンの設置は、蒸散作用のことを、植物にビニールをかぶせて水滴を見るといったような簡単な実験で原理を学ぶ機会につながる。1から17までの例を活用してどのようなことを学べるかといった切り口で事例集をまとめるのも良い。

○ 太陽光発電の発電量を示すパネルを設置しても、何ワット発電しているということだけを見てそこから環境の学習に発展しないことが多いのではないか。

○ 施設設備ごとにまとめることで、一つしか設備を取り入れられない学校においても、学校施設を教材として活用するために最低限行うものを選択できる。

○ 数個しか設備を導入できない学校は多いため、うまく組み合わせられるような書き方をしてもらえれば、読んだ人が考えて選ぶことができる。

○ 省エネ活動のように、身近な取組を紹介し、それを施設整備でどのように支援できるかという観点で事例を紹介すると、実際に導入しやすくなる。

○ 文章をたくさん書いてしまうと、忙しい学校の先生方は読む時間がないので、まとめ方に配慮が必要。うまく施設を活かしてそこから子どもたちが発想できるようなヒントを示すような形が良いのではないか。

(エコスクールパイロット・モデル事業の取組事例(環境教育への活用の観点から)について)
○ 2ページ目に「わかりやすい表示パネル等の設置」というのがある。実際にこのような表示装置を導入している学校も多く、ほとんどが目に付きやすいように昇降口などに設置してあるが、環境教育の一環として表示を活用することはあるのか。学習活動が展開しやすいような場所に設置するともっと活かすことができるのではないか。

○ 生徒たちだけでなく、来校者にも理解できるようにすることが大事である。

3)その他 

  • 事務局から参考資料2に基づきCASBEE学校の公表等について説明。その後質疑応答。
  • 環境を考慮した学校づくり検討部会の今後のスケジュールについて説明。

以上

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

(大臣官房文教施設企画部施設企画課)