もどる



第3章   環境を考慮した学校施設(エコスクール)整備の推進方策

第1節   基本的な考え方
   
   環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備を推進するに当たっては,施設計画策定の方法,施設運営・管理の方法について柔軟な発想のもとに新たな観点から創意工夫することが必要であり,地域の実情に応じて多様な方法を検討することが大切である。また,施設計画を進めるに当たっては,施設運営・管理や施設利用の形態等と一体的に考えていくことを始めとして総合的な観点から検討することが重要である。
       
    (ア) 計画的整備の推進
       21世紀に向け地域において環境への負荷の低減を目指した施設を整備していくためには,中・長期的な展望に立った段階的かつ計画的な整備の推進が大切である。また,この場合,地域の   特性を十分考慮することが重要である。
       
    (イ)施設運営・管理の方法
       環境を考慮して整備された学校施設を効果的に活用していくためには,施設運営・管理の工夫が求められる。
   
第2節   環境を考慮した学校施設(エコスクール)整備計画の策定
   
   21世紀に向けて,これまで述べてきた環境を考慮した学校施設(エコスクール)の内容を適切かつ効果的に実現する新たな見地からの学校施設整備計画を,各地域において策定し実施することが必要である。また,この場合,地域特性等を十分に活かすとともに施設運営・管理等にも配慮した計画とすることが大切である。
       
    (ア) 環境を考慮した学校施設(エコスクール)整備計画策定への指導・援助
       環境を考慮した学校施設(エコスクール)整備計画は,地域における環境を考慮した施設整備を行っていく上で重要な役割を果たすと考えられる。従って,市区町村等がこの計画を適切に策定できるよう,国及び都道府県が学識経験者等の協力を得ながら,市区町村等の主体性を尊重しつつ十分に指導することが望まれる。
   また,国及び都道府県は,市区町村等が策定する新たな学校施設整備計画のなかから先導的なものを選定し,その計画策定について必要な援助を行うことが望まれる。さらに,この成果を地方公共団体等が活用することによって,21世紀に向けた環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備を各地域において推進させていくことが期待される。
   
第3節   計画の実施段階における対応
   
   環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備を推進するに当たり,計画の実施段階において,補助制度の活用を図ることが望まれる。
       
    (ア) 補助制度の活用
       地方公共団体等は,関連する現行の補助制度等を積極的に活用することが大切である。また,国等は,環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備に関する補助制度の改善について,財政状況等を勘案しつつ今後検討していくとともに,市区町村等が環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備に関する計画を策定する場合,その円滑な実施が可能となるよう必要な財政上の措置,その他の措置を講ずるよう努めることが望まれる。
   
第4節   指導・普及等の実施
   
   環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備を積極的に推進するためには,国,地方公共団体,関連民間団体等において,次のような指導・普及等を幅広く実施する必要がある。
       
    (ア) 多様な指導・普及活動の実施
       設計指針,技術資料や解説書の作成,セミナーの開催等,環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備について,多様な指導,普及活動を実施することが望まれる。
       
    (イ)多角的な研修事業の実施
       地方公共団体や民間の学校施設の計画・設計に携わる者に対して,環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備に関する専門的知識習得のための研修事業を実施し,その資質向上に努めることが望まれる。
       
    (ウ)情報提供機能の充実
       先進事例や優秀事例の紹介・表彰,相談窓口の設置等,環境を考慮した学校施設整備(エコスクール)に関する最新かつ有益な情報の収集及び提供を可能とするため,情報提供機能を充実することが望まれる。


ページの先頭へ