学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議(第57回) 議事録

1.日時

平成20年11月25日(火曜日) 13時半~15時半

2.場所

中央合同庁舎第7号館 西館14階 共用会議室1

3.議題

  1. 学校施設における事故防止に関する調査研究報告書について
  2. その他

4.出席者

委員

(協力者)伊藤惠津子、海野剛志、衞藤隆、長田美紀子、新保幸一、高際伊都子、辻村哲夫、長澤悟、中埜良昭、成田幸夫、福本雄吉、増谷信一、松村和子、屋敷和佳、柳澤要(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)布村文教施設企画部長、岡技術参事官、長坂施設企画課長、森企画調整官、瀬戸専門官、山本専門官、木村指導第一係長、栗本指導第二係長、野口専門職

オブザーバー

(文教施設企画部)岡施設助成課長補佐
(国土交通省)望月国土交通省公園緑地・景観課長補佐

5.議事録

【会議概要】

 1 開会

 2 議事

(1)学校施設における事故防止に関する調査研究報告書について

(2)その他

 3 閉会

 

【議 事】(○:委員の発言、●:事務局の発言)

(1)  学校施設における事故防止に関する調査研究報告書について

・  事務局、長澤委員より資料2について報告書(案)についての説明

 

○ 施設がたとえ完璧であったとしても、子ども特有の行動によって事故が誘発されるため、学校施設の事故防止というのは難しいテーマ。それを、協力者会議として、どのような形で関係者や社会にアピールすればよいのか考えていきたい。

 

(1)-1 全体として

  

○ 報道によると、6月の天窓からの転落事故が起きた学校では、教育委員会と学校の連携がなかったということである。教育委員会が、校長が代わる毎に危険な部分について、情報を提供しておけば、事故は防げたのではないか。

 

(1)-2 第1章について

  

○ 報告書の作成においては、日本スポーツ振興センターのデータが重要である。具体的な事故の種類、頻度、経年変化等の細かなデータを巻末に載せたらどうか。

  

○ 事故の要因は様々だが、具体的な数でみせたらインパクトがある。事故の実態について把握してアピールする必要がある。

  

○ 幼稚園児は医療費が無料のため、日本スポーツ振興センターに事故の届けをしていない園もあるのではないか。

  

○ 事故の実態をきちんと把握することは必要である。子どもの事故全体の発生件数は依然として多いが、近年の施設整備により、施設に関係する事故は、減少傾向にあるのではないか。

 

(1)-3 第2章について

  

○ 4ページに、「小中学校を中心として」という記述があるにもかかわらず、7ページの2行目に「演習」という言葉が使われている。高校や大学では使用するが、小・中学校では使用しないため、修正が必要である。「体験的な学習活動を展開している」という表現に変更してはどうか。

○ 9ページ目、「ア.関係者の役割」中の、「安全性の確保のためには・・・・十分な安全性を確保した計画とすることが重要だ」という表現は、内容が重複しているので修正が必要である。

○ 16ページに、階段の手すりから滑り降りることによる事故が多いので、転落事故の事例として記述を加えることを検討すべきである。

○ 17ページ7行目の、「衝突を認識しやすくすること」という表現を、「衝突対象や、動線の交差を認識しやすくするような」という表現に修正したほうがわかりやすい。

○ 18ページ、庇からのコンクリート塊りの落下について記述してはどうか。

  

○ 事故事例として、下駄箱が梯子のように登り、落下する事故事例も、小学校高学年や中学生に多いため、記述を加えてはどうか。

  

○ 7ページに、「一斉授業」という言葉が使われているが、どのような意味で使われているのか。4行目、「このような学校の特性」という言葉の意味が分かりづらい。また、2行目に、「放課後」という言葉が使われているが、部活動については記述しないのか。

○ 8ページの下から2行目、「明確な構造的な欠陥」の「構造的」という言葉は、建築構造の意味を表しているのか。言葉を補足する必要があるのではないか。

○ 17ページに、家具の転倒事故についても記述してはどうか。

  

○ 施設を安全や防犯のために閉鎖的な空間にすることで、学校の安全は守られるが、本来の学校としての環境を損ねては意味がないため、安全とのバランスが重要である。今回の報告書は学校施設における事故防止の留意点について、具体的に記述しなければならない。3章に具体的に書かれていない場合も、2章で原則や基本的な考え方を記述することで、安全への配慮ができるという整理になっている。

  

○ 報告書は、事故を防止するという視点で書くことになると思うが、危険を子どもたちに理解させる工夫についても書き込むのか。例えば素材(透明・不透明等にする)の工夫や位置関係(廊下に死角をつくると見えないから危険だが、逆に子どもは気をつけてゆっくり歩く)等をどこまで書き込むのか。

  

○ 多くの幼稚園の遊具は、教師がついていることで安全が確保されるという前提で作られていた。しかし教師が付いていない場合でも、安全に使うことができ、緩衝材などの使用により、万が一事故となっても、重大なものとならない配慮が必要ではないか。

 

(1)-4 第3章について

  

○ 21ページ、「理科教室等」という言葉は、施設整備指針中の「各種特別教室等」という表現に統一するべきではないか。

○ 27ページの26行目、「1枚あたりの面積を小さくすると」という表現が文章の頭に来ているが、新設する学校で、安全性を考慮し、大きなガラスの使用を控えてしまったら、必ずしも望ましいと言えない。そのため「ガラス面を格子で挟み割れにくくする」とう表現にし、順序を入れ替えてはどうか。

  

○ 記述してある内容について、設計段階のことと、運用上のことが混ざっているため、整理が必要である。設計段階の留意点と既存校の留意点のそれぞれが重要である。同じ情報であっても、設計者、設置者向けのものと、利用者向けのものが必要なのではないか。

  

○ 運用上の留意点と、設計時の留意点は切り離せない。設計時の留意点を示すことは、現状の施設のどこに事故の要素が潜んでいるかを見直す項目としての利用度があるのではないか。

  

○ ガラスばりの通路など、一般的な学校では用いない手法等を取り入れる場合は、その行為自体を抑制するのではなく、設計意図や利用時の注意点について、現場に理解してもらうことが重要である。

  

○ 事故が発生する場所は学校により決まっていることが多いにも関わらず、その情報が引き継がれないことが多い。情報の共有や理解、継続することの重大さについても記述する必要があるのではないか。

○ 安全ガラスが使用されているような、住宅環境が良いところに住んでいる子どもたちは、ガラスは割れないものだと思っている。ガラスが割れるという実体験が少ない子どもは、先生との間の危機意識に差があるので、事例が掲載されていることは参考になる。

  

○ 2章の5ページ、「生きる力」との連動や、安全教育との関係も分かるように記述するべきである。予算面で断られる現状があるので、設置者に対してもこの報告書を示すことが必要。

○ 26ページの開口部の「共通事項(ガラス部分)」について、等身大の鏡も危険であるため、記述を盛り込む必要があるのではないか。

 

(2)その他

(2)-1 学校施設評価システムについて

・  新保委員より資料3に沿って検討経過の説明

・  事務局より資料3に沿って検討経過の補足説明

  

○ 学校施設評価の中間報告を3月に公表したところだが、それに対する教育委員会や学校からの意見等も踏まえて最終報告にするのか。現段階では意見をいただいている段階なのか。

  

● 中間報告の手引きの中で、ご意見があればといった形でお願いはしている。ご意見をいただければ反映していく。

 

(2)-2 環境を考慮した学校づくりについて

・長澤委員より資料4について検討経過の説明

・事務局より資料4について検討経過の補足説明

 

○ 学習指導要領の改訂により環境教育に関する内容が充実されたとのことであるが、学習指導要領とエコスクールの推進についての関係を整理する必要があるのではないか。

 

○ 施設の環境の向上とエコの対策に関連で言うと、今の学校施設において保護者等から冷房化の要望が相当ある。冷房化すれば環境への負荷がどの程度で、それをエコ対策でどの程度カバーできるか、または相殺できるのか、このあたりを明らかにすれば冷房化を進める際の貴重な検討材料が得られるのではないか。

 

(2)-3 事務局より資料5に沿って今後のスケジュールの説明

以上

 

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