学校施設安全対策部会(第5回) 議事録

1.日時

平成20年12月4日(木曜日)17時~19時

2.場所

旧文部省庁舎 4階 文教施設企画部会議室

3.議題

  1. 学校施設における事故防止の留意点について(案)
  2. その他

4.出席者

委員

(協力者)石崎一記、海野剛志、杉本裕、長澤悟、福田卓司、吉村英祐、渡邉正樹(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)岡技術参事官、長坂施設企画課長、森企画調整官、瀬戸専門官、木村指導第一係長、野口専門職

オブザーバー

(スポーツ・青少年局)長岡学校健康教育課安全教育調査官
(文教施設企画部)岡施設助成課長補佐
(国土交通省)望月公園緑地・景観課長補佐

5.議事録

【議 事】(○:委員の発言、●:事務局の発言)

・資料2、3に沿って、主な意見と前回からの変更点について説明。

(1)学校施設における事故防止の留意点について(案)

(1)-1 第2章について

○ 10ページの2から3行目に、「併せて安全指導を行うことも」と書かれているが、安全指導において、家庭との連携の大切さについて書くことも大事なのではないか。

 

● 今回は学校施設における報告書ということを位置づけているので、家庭教育に踏み込んだ記述には、考えていない。

 

● 今回の報告書は、施設の安全管理により子供たちの安全を確保するということが目的である。安全管理と指導が一体となり取り組むことで効果が出るということに異論はない。しかし、学校施設における事故防止に関する報告書であれば、家庭の中における指導について記述する必要はないのではないか。内容を安全管理に限定したほうが、読み手にとってわかりやすい。

 

○ 7ページの26行目について、高所と階段は別物ではないか。高所は、物理的な立ち入りを制限することが可能だが、階段については安全性を高めるように改良する必要がある。分けたほうがいいのではないか。また、「高所」が何をイメージしているのかわかりにくい。

 

○ 16ページの26から27行目に、「特に階段等で発生する転倒事故は、転げ落ちることによる」という表現があるが、「転げ落ちる」事故と「転落」事故は意味が一緒ならば、書き分ける必要はないのではないか。建築業界では、「墜落」は自由落下のことで、「転落」は階段などに沿って落ちるというように、用語を区別している。言葉の定義について記述する必要があるのではないか。

○ 17ページの17行目の、「側溝の蓋や、重い防火シャッターや校門等で発生した」という記述について、防火シャッターのみに「重い」という修飾語が入っているが、防火シャッターは重いものであるため、「重い」という記述の必要はないのではないか。「側溝の蓋、防火シャッター、校門等」でよいのではないか。

  

○ 18ページの22から23行目に、「安全な使用方法についても適切な指導を行う」という記述があるが、「危険な使い方を禁止する」という表現のほうがよいのではないか。子供は実際には使い方を教えても、そのとおりには遊ばない。これだけはしてはいけないと禁止をする方が実態に沿っているのではないか。

 

(1)-2 第3章について

○ 21ページの写真「日常的に利用されている体育館脇の廊下(転落防止の対策がされている)」は、転落防止のためのネットではなく、上部の通路にボールが入るのを防ぐためのものなので不適である。

  

○ 24ページの写真は、手すりにやむを得ず、子どもが滑らないように突起物を取り付けた写真である。設計・計画時にもこのようにつくらなくてはいけないと誤解されてしまう。既存の学校の取組としては良い。しかし、もう少し幅が広い腰壁等において、後から滑れないように改善した事例を掲載することはできないか。

  

○ 階段の側壁の上端と手すりについては区別して記入すべきである。

  

○ 手すり壁は、墜落防止機能はあるが、握ることにより体を支えることは想定しておらず、転落防止機能は無いことから、分けて記述したほうがよい。

○ 26ページの20行目に、「法律で鉄線入り・網入りガラスを用いなければならない場合もある」という記述があるが、線入りガラスは防火設備用ガラスとして法律で許可されていない。

○ 外部と中部の床仕上げが同じ場合の境界や、階段の踊り場の先にあるガラスなど、衝突しやすい場所には、大きなガラスを用いないという大原則について記述する必要があるのではないか。

 

○ 外部と中部の床仕上げが同じではなくても、外部が明るい場合、ガラスがないように錯覚することもあるので注意する必要がある。

  

○ 27ページの写真、「錯覚して衝突することを防止するため工夫された事例」は、29ページの「参考」の記述によると「安全設計の必要度が高いガラス」であるため、参考事例として示すには注意が必要である。

  

○ ガラスがあると認識できれば良い場合と、そもそもガラスがあることが危険な場所について整理する必要がある。

  

○ 42ページで鏡について、「ステンレス製やアルミ製のものの採用を検討することが望ましい。」と記述されているが、ステンレス製やアルミ製の鏡は非常に高価なため、全ての場所で採用することは難しいのではないか。

  

○ 完全な平面を再現することは難しいという問題がある。ここの鏡とは、家具に付いている鏡に限定しているのか、一般的な鏡も含めているのか、表現を含め整理が必要である。

○ ガラスに関する記述と同様に、ガラスが無いと錯覚して衝突のおそれがある場所には、鏡を設置してはいけない。衝突のおそれがある場合は金属製の鏡を用いればよいという訳ではない。

  

○ 45ページの写真、「足がかりを排除してのぼれないようにしたバルコニー(もともと丸い穴が開いていたが児童が足をかけるためガラスをはめこんでいる)」は、児童が足をかけていたから、ガラスをはめこんだ訳ではない。開校前に校長になる方がチェックし、児童が足をかけるおそれがあるため、事前に危険を除外した事例。正確な文言へ修正をするべきである。

 

○ 45ページの9行目に、「吹き抜け等転落のおそれのある場所に設ける手すりについては、建築基準法施行令で高さは規定されていない」という記述があるが、吹抜けに設けるさくについては規定されているが、吹き抜けに面した階段の手すり高さは規定されていないため、転落防止の対策が必要である。

○ 48ページの9行目に、「鉄棒、朝礼台等に追突」という記述があるが、3行下には衝突と書いてあるため、そろえるべきである。

  

○ 48ページの15から17行目の「花壇や池の近くで」というところについて、16行目の「設置場所につき配慮するとともに」という表現の意図が分かりにくい。花壇のそばに遊具が設置してあり、衝突する危険性が高いということであれば、「離して設置する」など具体的に記述する必要がある。

  

○ 57ページで、移動式のサッカーゴールや、バスケットボールゴールについて、転倒防止のための記述があるが、そもそも移動式の器具の固定に対する基準はないのか。

  

○ 57ページに、「風害・水害」という表現があるが、水害のときに児童等がサッカーゴール等のそばにいる状況は考えにくいので、強風と書けばよいのではないか。

○ 54ページの21行目、「ブランコ等まわりを巻き込む可能性が高い固定施設等」という文中の、「周りを巻き込む」とはどのような状況かわかりにくい。

○ 報告書の配布先はどのような場所を想定しているのか。現状の危険箇所の点検や改善だけではなく、設計段階においても使用されるという理解でよいか。

  

● 今後、周知の仕方は検討するが、教育委員会の施設担当部局等だけでなく、学校現場や実際に設計が行われる現場で使われるように検討したい。

 

○  教育委員会の施設担当者の中には、学校施設の評価も実施しているところがある。学校施設の評価には施設の安全という項目もあり、危険な場所については想定できる。一方、想定された場所での児童生徒等の多様な行動に起因する事故、多様な行動により想定されていない場所に行くことに起因する事故など、事故原因は様々である。管理者が把握できることには限界があり、すべてハード的に対応しなければならなくなると負担が増すことになる。

  

○ 設計者の立場からすると、設計前に、学校を設計する際の留意点について、情報が提供されていればよいが、建物の完成後や事故が起きてから、その存在を知らされても困る。

 

(2)その他

・事務局より今後のスケジュールについて説明

・岡技術参事官より閉会のあいさつ                          以上

 

お問合せ先

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