学校施設評価システム検討部会(第9回) 議事録

1.日時

平成20年10月30日(木曜日)10時~12時

2.場所

旧文部省庁舎 2階 第2会議室

3.議題

  1. 幼稚園・高等学校及び特別支援学校の特性を踏まえた施設評価の在り方の検討

4.出席者

委員

(協力者)上野淳、海野剛志、小峯裕己、長者美里、檜山幸子、屋敷和佳、山重慎二(敬称略)
(特別協力者)岩井雄一、福本雄吉、松村和子(敬称略)

文部科学省

(文教施設企画部)岡技術参事官、長坂施設企画課長、森企画調整官、瀬戸専門官、木村指導第一係長、野口専門職

オブザーバー

(文教施設企画部)岡施設助成課長補佐

5.議事録

【議事】(○:委員の発言、●:事務局の発言)

(1)幼稚園・高等学校及び特別支援学校の特性を踏まえた施設評価の在り方
 1.特別支援学校
・事務局から資料2-3に基づき特別支援学校についての整理すべき主な論点を説明。

○ 特別支援学校の役割としては、在校する幼児、児童生徒の指導の機能とセンター的機能という2本立てになっている。このセンター的機能(相談機能)の役割を果たすための施設の有無などは、評価する際の視点になるのではないか。

○ バスによる送迎をすることが多い幼稚園と、センター的な機能を持ち、自家用車の出入りが多い特別支援学校については、駐車場スペースと子どもたちの動線の安全性についても触れるべき。

○ 普通校の学校施設評価に関して、特別支援を必要とする子どもたちへの配慮が適切に行われているかという評価項目があってもいいのではないか。

○ 普通高校においても、余裕教室等を活用し、特別支援学校として整備する動きがある。普通小、中学校の時と同様の課題があると思う。評価にどう含めていくか課題。

○ 障害が重度化、重複化しているなかで、特に、避難経路では、様々な障害に対しバリアフリー化されているかチェックすることは重要。

○ 特別支援教育の個別性を理解した上でどう評価していくかは、評価指標をつくるときに難しい問題。

○ 学校整備指針とこの評価の対応については整理する必要がある。学校施設整備指針で盛り込まれている以上のことをこの評価の項目の中に入れることがいいのか。これまで議論した評価の観点から学校施設整備指針をもう一回見直す必要があるのではないか。

○ 昨年の議論では、中間報告に示す参考例は、「学校施設整備指針において示されている学校施設整備の基本的方針を踏まえて、重要と考えられるものを示すもの」と整理しており、実際に評価項目を設定する際は、学校施設整備指針も参考としつつ、地域の実情等を踏まえ、必要な項目を設定することが重要としている。

○ 資料2-3の、下の枠の中に「障害者関係者」という記述があるが、特別支援関係では一般的に使われている言葉なのか。

○ 障害者関係団体という言葉はよく使われている。団体でなくても、障害者の施策にかかわる様々な関係者の意見を聞くという広い意味でとらえることは可能。

○ 公式の文書では、「障害」の「害」という字は使用していいのか。また、「障害がある児童生徒」と言っていいのか、「障害を持つ児童生徒」というべきなのではないか。基本的には、厚生労働省も文部科学省も含めてすべてこれが使われている。

○ 特別支援教育推進の協力者会議では、「障害のある児童生徒」と言っている。

○ 一般論として特別支援学校は小学部、中等部、高等部が併設する。建築基準法では小学校建築と中学校建築では階段の蹴上げ等が違う。学校種による寸法、部位についても気をつけるべき。

2.幼稚園
・事務局から資料2-1に基づき幼稚園についての整理すべき主な論点を説明。

○ 「教えるというよりも、遊びを通して成長を助けるという幼稚園の特性」というのは、園庭などの環境を評価する上で重要となるが、それは園の運営方針や教育方針によって随分違うのではないか。学校施設評価は、それぞれの学校、園独自の教育目標や運営目標に従って評価すればよいのではないか。

○ 私立幼稚園では園によって様々な教育方針があるが、「遊びを通して」というのは重要な視点。施設評価を行う際は、その園の教育目標に沿った環境設定がなされているか評価することが重要。

○ 設置者である理事長の評価によって抜け落ちてしまった箇所に対する対応も考慮する必要があるのでは。何か評価に関するマニュアル等が整備されていれば、どの幼稚園でも専門家の力を借りずに、一定の評価ができるのでは。

○ 小・中学校の私立に関しては、現在検討している公立小中のものがそのまま適用されるのか。私立学校で評価を行う際の留意点等について整理しておく必要があるのではないか。

● 中間報告は公立の小・中を念頭に置いてまとめられた。私立に適用する場合は、そぐわない部分は読みかえを行い活用することとなる。

 3.高等学校
・事務局から資料2-2に基づき高等学校についての整理すべき主な論点を説明。

○ 工業高校などでエネルギー消費が大きい実験施設や装置を有しているところは、エネルギー消費に対して配慮することを追記する必要があるのでは。

○ エネルギー効率がよく省エネにつながる最新の機器に交換したくても、財政的に厳しいために教育委員会のほうで対応できないという問題がある。

○ 東京都の場合、膨大な施設・設備の費用の削減のため、センター的な高校を設けて共同利用している。個々の学校で評価する場合と、センター的な学校で評価する場合で評価は異なる。

 4.学校施設評価全体の議論

○ 本来こういうのがあるとよいという未来的な部分の評価は盛り込まないのか。

● 学校施設整備指針は学校を新増築・改築する際の留意事項をまとめたものであり、これらを参考に評価できるのではないか。

○ 学校評価ガイドライン中に学校施設評価がきちんと位置づくのか。例えば、学校教育法の施行規則第66条では、「当該校の教育活動その他の学校運営の状況について」とあるが、「その他の学校運営の状況について」の中に学校施設が入るのかどうかがはっきりしていない。

○ 評価する側は、どこまで施設評価を重視し、各学校の学校評価の中に取り入れていく必要があるのかわからないのでは。今議論している施設評価システムの使われ方を整理する必要があるのでは。

● 学校評価との関係は、平成20年3月に中間報告をまとめる際にも何度も議論を行い、一定の整理のもとに中間報告が出て、小・中学校向けにはこれでスタートした。

● 学校評価というのは、その学校が持つ重点目標に対して項目を設定する。項目設定自体は重点目標をどうつくるかという学校の考え方によるものであるため、網羅的に評価項目が設定されるわけではない。ただ、学校評価のガイドライン中の評価項目例では、教育環境整備も項目の一つとなっており、学校の方針次第ではあるものの、考えられる評価項目の一つとして位置づけられているため、取り上げられることを想定しているものである。

● 学校評価で施設評価を行う場合には、施設・設備は重点目標に照らしてどうかという切り口で判断はされるが、それに対して今回この部会で作成した学校施設評価に関しては網羅的にやるものであるということで、「学校施設の評価の在り方について」の内容と学校評価とは、共有する部分があるという整理をしている。

○  学校評価において、第三者評価が10月から始まっているが、施設・設備の評価は学校施設評価で実施するということで、第三者評価からは外れた形で進められている状況がある。

○  学校評価は、重点事項について評価を行うものであり、1年のサイクルで行っていくが、網羅的に行う学校施設評価は、どういう形でリンクしていくことが想定されるのか。

● 学校評価と施設評価が同時に行われることは中間報告の際想定していなかった。設置者の考えや、施設の状態によって頻度、項目が変えられてくると考えている。すべてのケースを想定して、これでやればいいという一義的なものは示すことが難しく、各学校の判断にゆだねている。

○ 状態面と運用面で、例えば5年に1回網羅的な調査をする。しかし、毎年点検、安全性チェックを行う項目については、施設評価としても定期的にやり、それが学校評価のほうにも活用されるような仕組みは考えられる。

(2)その他
・事務局より資料3に基づき今後のスケジュールについて説明。

以上

お問合せ先

大臣官房文教施設企画部施設企画課

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(大臣官房文教施設企画部施設企画課)