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国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議(第10回) 議事録

1.日時

平成30年6月19日(火曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 経済的波及効果の委託調査の再計算について
  2. 国際協力について
  3. ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ(骨子案)
  4. その他

4.出席者

委員

平野座長、岡村長代理、伊地知委員、京藤委員、熊谷委員、神余委員、徳宿委員、中野委員、観山委員、横溝委員、横山委員

文部科学省

磯谷研究振興局長、千原大臣官房審議官(研究振興局担当)、渡辺振興企画課長、岸本基礎研究振興課長、轟素粒子・原子核研究推進室長、山本加速器科学専門官、三原科学官

オブザーバー

LCCアソシエイトディレクター 道園教授、高エネルギー加速器研究機構 宮原特別技術専門職、株式会社野村総合研究所 神尾部長、株式会社野村総合研究所 佐竹上級コンサルタント

5.議事録

【平野座長】  皆さん、こんにちは。本日は大変お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。それでは、第10回国際リニアコライダーに関する有識者会議を開会したいと思います。
 きのう大変大きな地震が大阪の方でありました。私、愛知県の田舎に住んでおりますが、下からどんと突き上げられる地震でした。お亡くなりになった方々あるいはけがをされた方がたくさんみえます。哀悼、それから、お見舞いを申し上げたいと思います。
 きのうのきょうだと、西の方の先生方は御出席いただけないんじゃないかとふと夕方思いましたけれども、幸い、交通が回復しておりまして、皆さん御出席いただき、ありがとうございました。
 まず本日の出席状況について、事務局から報告をお願いします。

【山本加速器科学専門官】  本日の出席状況についてお知らせいたします。本日は、大町委員、梶田委員、森委員が所用により欠席でございます。なお、本日は、出席委員11名であり、定足数は8名でございますので、会議は有効に成立しております。
 また、本日は、前回の会議において経済的波及効果の再計算の結果を報告いただいた野村総合研究所から、神尾部長、佐竹上級コンサルタントに御出席を頂いております。
 なお、国際研究者コミュニティであるリニアコライダー・コラボレーションのプロジェクトリーダーである、高エネルギー加速器研究機構の道園教授にもオブザーバーとして御出席を頂いております。
 以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございました。
 それでは、事務局の方から配付資料の確認をお願いします。

【山本加速器科学専門官】  本日の資料につきまして御確認をお願いいたします。議事次第にありますとおり、資料1-1から資料3-6まで御用意させていただているところでございます。このほか、机上に、関連する資料をドッチファイルにまとめておりますので、議論に際しまして適宜御参照いただければと思います。過不足等ありましたら、事務局までお知らせ願います。

【平野座長】  よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入ります。前回のこの会議でILC計画の見直しに伴う経済的波及効果の再計算の結果につきまして報告を頂きましたけれども、幾つか御意見を頂きましたので、その点について野村総合研究所から説明を頂き、また議論いただきたいと思います。では、よろしくお願いします。

【佐竹上級コンサルタント】  野村総合研究所の佐竹でございます。本日は、前回に続きまして、またこの経済波及効果の再計算の結果というところの、前回議論をしていただいたところで積み残しがあったところに関しまして、こちらから見直し並びに修正あるいは対応の御提案をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料1-1並びに資料1-2、こちらの2つをまずお手元に置きながら御説明を聞いていただければと存じます。
 まずこちら、画面に出ておりますが、前回の有識者会議におきましては、2点貴重な御指摘を頂戴いたしました。まず1点目、技術開発の効果に関しまして、ビジネス拡大係数として適用しております3.0という値が適切かどうかという御意見が1つ目。それから、2点目と致しまして、建設期間の運営費、こちらについて、建設期間には試運転も含めて機器は動かないという前提のため、前回お示しした運用期間の50%と運営費を置くという想定が適切かどうかといったところ、この以上2点に関しまして貴重な御意見を頂戴いたしました。順に対応案を御提案申し上げたいと思います。
 まずビジネス拡大係数「3.0」という数値に関しましてでございます。前回引用いたしましたCERNの調査結果以外に、根拠とし得る数値とか資料は残念ながら確認できておりません。幾つか委員の先生にも御助言を頂戴しながら追加で資料を洗ってみたんですが、見つからなかったということでございます。幾つか、例えばOECDが2014年にCERNの開発のインパクトという報告書を出しておりますが、こちらでも実は3.0という数値がそのまま、参考情報としてではございますが、引用されております。それから、ITER計画並びに国立天文台のALMA計画等についても、波及効果に関する記述は出てくるんですけれども、残念ながらCERNの調査結果のように数値換算あるいは金額換算並びに係数「3.0」に相当する数値ないしそれを補正し得るような根拠が出ているものは特に見当たりませんでした。
 以上を踏まえまして、ビジネス拡大係数「3.0」とする原案そのものは維持させていただきながら、2014年度当時の検討の際と同様の注記を追記させていただくということで対応させていただきたいと存じます。
 では、その追記の内容でございます。こちら、資料1-1でいうと4ページにございます内容、これがちょうど、ビジネス拡大係数「3.0」をILCに適用する妥当性、必要条件及び限界ということで記述をしておりますので、ごらんいただければと思います。なお、同様の記載は、資料1-2、こちらの報告書案の11ページから13ページにも記載をしております。ここからのパワーポイントの方は抜粋という形になります。
 このビジネス拡大係数「3.0」という数字が誤解を呼ばないように注意書きということで書かせていただくということで、その内容に関して御紹介させていただきます。CERNのビジネス拡大係数「3.0」をILCに適用する妥当性、必要条件及び限界は、次のとおりである。
 (a)として、CERNのLHCとILCとでは、加速器の基本構造や導入される技術体系は異なっている部分があるものの、2014年度調査で明らかになったように、ILCにおいても超伝導加速技術、ナノ・ビーム発生・制御・収束技術、高周波/ハイパワー技術等を中心とした新規の技術開発や既存技術の改善は、ILC建設前の開発実証段階から建設段階に至る過程において不可欠となっている。したがって、設立が想定されるILC国際研究所による技術開発の成果が、民間へ技術移転されるというシステムが整っていれば、CERNのLHCと同様、大規模な物理研究プログラムによるイノベーションがILCにおいても、幾つかの条件を満たせば起こる可能性が高いと考えられる。
 その条件について、下の(b)のところに幾つか列挙しております。例えば技術移転がちゃんと行われる体制が整っているとか、契約サプライヤー企業の中に技術集約的な企業が多く含まれることとか、技術移転が大体年平均で15件から20件、これが建設期間の10年間継続的に実現すること、あるいは技術移転には特許がなくて、民間企業が自由に当該技術を活用ができること等が条件になると。これがCERNのLHC開発の際に実際に調査によって明らかにされた、ビジネス拡大係数「3.0」を実現するための条件ということで記載がございますので、そちらを注記としてこちらの報告書の方に追記させていただくという形で対応させていただければと考えております。
 これ、なかなか、3.0を減らすという対応をしようとしても、どんな補正を考えてもどうしても恣意的になってしまうというところもあることから、唯一文書として世に出ている3.0という数字を引用させていただいて、ただ、これが必ず実現するわけではない、その実現のためにはこういった条件が必要ですよということを追記させていただくという対応を取らせていただければという御提案でございます。
 1点目のビジネス拡大係数の適切性に関する御意見への御対応の案は以上でございます。
 続きまして、建設期間の運営費に関しまして、対応案を御紹介いたします。前回の有識者会議で、先ほども申し上げたとおり、建設期間には機器の運転はないということを御指摘されまして、推計条件を改めて再確認させていただきました。推計条件は、まず運営費として推計しているものの対象、内訳は水道光熱費と維持管理費と調達費であるということで、いずれも建設期間中にはいずれも発生するとは想定しにくいというものであることをまず確認しております。次に、TDRには、労務費を除いて建設期間中の運営費に関する記述がないということも改めて確認をしております。それから、今回分析対象とする波及効果はあくまでILCに直接ひもづく出費であるということを前提とするものだということから、改めまして推計方法を検討いたしましたが、対応案と致しましては、以上から、建設期間の労務費以外の運営費――水道光熱費、維持管理費、調達費についてはゼロとしてしまうというのが適当ではないかという結論に至っております。
 恐らく据付け等に必要になる、ILCに直接雇用される技術者の方あるいは研究者の方が実際に現地で使われる水道光熱費あるいは電気代というのは発生はするんだと思われるんですが、機器の運転と比較すると無視しても差し支えないぐらい小さいのではないかということ、かつ推計そのものも非常に難しいということで、ここではゼロということにさせていただいております。そういった処理をこちらの、このテーブル自体は前回掲載させていただいたものですが、このグレーで囲ったこの部分をゼロとすることで対応させていただいております。
 こちら、資料1-2の報告書でいいますと、6ページでございます。6ページにこちらに相当する表が図表6として入っておりまして、ILCの「活動」に伴う関連支出額の推計というところで御紹介しております。このグレーに相当する部分、最小・最大シナリオは同様ですが、建設期間の研究機関運営費支出という部分の箱、この部分に関しては、お手元の報告書では、年間支出額0、10年間累計額0という数字が建設期間のところに入っていることを御確認いただけるかと思います。
 以上の対応をいたしますと、全体の波及効果の推計結果が変わりまして、最終需要額は約1.22兆円~1.33兆円、経済波及額は約2.38兆円~2.61兆円というレンジになります。これは前回会議の御報告よりも、最終需要額で、ちょうど0になった部分、減った分だけ減っておりまして、約1,450億円~1,580億円が最終需要額から減り、経済波及効果でいくと、2,800億円~3,000億円減額となるという結果となっております。これを全体の生産誘発額を最終需要額で割った乗数というのは、1.95~1.96という数字になります。
 対応案については以上なんですが、加えまして、前回提示をさせていただいていなかった資料がございますので、こちらも御紹介したいと思います。資料1-3をごらんいただければと思います。こちらの資料が、「ILC計画に関する経済的波及効果の再計算結果」報告書に関する留意点ということで、第3回有識者会議でも提示のあった資料でございますが、それを改めてこちらに追加していただいているものでございます。
 構成としては実は第3回で提示したときと変わっておりません。1が経済波及効果推計の前提。これは前回御報告した内容と同様でございます。それから、2として、CERNのビジネス拡大係数「3.0」を適用する妥当性、必要条件及び限界。これは本日先ほど御紹介した内容が掲載されております。そして、3つ目として、ILCの経済波及効果推計結果のまとめ及び乗数の解釈。今、その結果として、乗数が1.95~1.96になりますということを御紹介申し上げましたが、その意味というか位置付けというか、こちらを御紹介しておるのがこの節でございます。
 めくっていただきまして、2ページ目の(2)をごらんいただきますと、1.95~1.96をどう解釈するかというところを御紹介しております。産業連関表上の最終需要項目別生産誘発係数を、民間最終消費、それから、国内総固定資本形成の民間及び公的なもの、そして、輸出と比較しますと、大体同水準から少し大きいような水準になっておりまして、通常の消費とか資本形成より大きいのかなと見えるような分析になっております。ただ、これも意味合いが100%合致しているものではございませんので、単純な比較をもって、ILCの方が大きいんだなというふうに御理解いただくのはちょっと誤解が生じてしまいますので、その点はここで御指摘させていただきますが、目安としてはこちらを見ていただくのでよろしいのかなということで、前回同様、こちらの数字を参考として掲載するものでございます。
 以上でございます。御清聴ありがとうございました。

【平野座長】  どうもありがとうございました。ただいま御説明いただいたことに関しまして、御意見等ございましたら、どうぞ御自由に御発言いただきたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【徳宿委員】  大変よろしいと思いますが、1つだけ、日本語の問題だけかもしれませんが、ちょっと確認です。1番のやつで、以上を踏まえということで、2014年当時の検討の際と同様の注記を追記したということなのですが、同様の追記ということは、少し変わったところがあるのでしょうか。もし変わったところがあるのだったらば、指摘しておいていただいた方がいいとは思います。

【佐竹上級コンサルタント】  こちらは変更はございません。資料1-3をごらんいただければと思います。資料1-3の2のところの、ビジネス拡大係数「3.0」を適用する妥当性というところと全く同じ内容になっております。こちら、見え消し版になっておりますので、修正した部分はこれでお分かりいただけると思うんですが、非常に軽微な修正を1か所だけしております。ビジネス拡大係数「3」というふうに表示されていたのを「3.0」に変更させていただいたという以外は変更を掛けておりません。

【平野座長】  よろしいでしょうか。3を3.0と。そういう意味では……、どうぞ。

【徳宿委員】  いや、追記はしたのですよね。資料1-2に追記をしているのかな。

【佐竹上級コンサルタント】  はい、資料1-2に追記させていただきました。大変失礼しました。

【徳宿委員】  その追記した内容というのは、2014年に追記した内容と同じだという?

【佐竹上級コンサルタント】  変わりません。

【徳宿委員】  同様ではなくて、全く変わってないと思っていてよろしいですね。

【佐竹上級コンサルタント】  さようです。

【徳宿委員】  分かりました。

【平野座長】  文面からすると全く同じとも言えないので、3と3.0ですから考え方の違いですが、皆様、文章はこれでよろしいですか。

【徳宿委員】  はい。

【平野座長】  そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【観山委員】  私にも誤解があって、例えば天文台で行ったALMAの国際事業の場合には、実は同じ野村総研に建設の前に経済波及効果について調査をしていただきました。今回の3.0というのは技術開発の効果という部分なので、もう一回古い書類を見直してみますと、これについてはALMAの場合には調査をしていただいていませんでした。私が覚えていたのは、経済波及効果でして、きょうの数字でいうと1.9とか1.96とかに当たるものでした。ALMAの場合は2.1とかというレベルで出していただいたのではなかったかと思います。経済波及効果とちょっと混同していた面があって、そういう面では、私が覚えていたものとは違うものについての話であったということです。ただ、そう聞いても、この3.0というのがどれだけ正しいのかというのは、なかなか難しいところですね。技術にどういうインパクトがあるのかについては、CERNの調査以外にはしっかりしたものがないということですね。
 以上です。

【平野座長】  恐らく、私も、難しいことではあるなとも思います。何年か前に出した効果から技術進歩があるわけで、技術に対してまたインパクトがそのままでいいのかどうかと精査すれば、やっぱり難しいので、それはここの文章の中に書いてくださっておりますから、甘く拡大をしているというわけではなくて、ここは要注意ですよという留意点として今後よく考えていただいた方がよろしいだろうと、判断しますが、観山先生、そういうような考えでよろしいでしょうか。

【観山委員】  はい。

【平野座長】  そのほかいかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【熊谷委員】  4ページに(a)と(b)という項目が2つ挙げられていますけれども、この(a)の下から2行目に、例えば「民間へ技術移転されるというシステムが整っていれば」という条件がありますよね。その後ろにもう一つ、CERNのLHCと同様な何とかかんとかがILCにおいても、幾つかの条件を満たせばという、この「幾つかの条件」というのと、その下の(b)のこととは関連しているんですか。もし関連していないのだとすると、この「幾つかの条件」というのは具体的にどんなことを指していらっしゃるのかという。

【佐竹上級コンサルタント】  お答え申し上げます。「幾つかの条件」の説明が(b)のこちらで列挙している6つの項目だというふうに御理解いただければと思います。関連はしております。

【熊谷委員】  だとすると、技術移転されるというシステムが整っていれば、下のことはほとんど成り立っているんじゃないんですか。

【佐竹上級コンサルタント】  ここは日本語の問題でございまして、恐らく文章がちょっと冗長になってしまったかなというところかなと思います。繰り返しになってしまっている部分があろうかと思います。

【熊谷委員】  だから、余計なことを加えると、そのことでまた臆測とか類推をしないといけないということなんだと思うんです。だから、殊更ここに、幾つかの条件を満たせばというところがあるとすると、それを具体的に言わないとね。もしそれが(b)だとすると、この「幾つかの条件」は要らないんだと私自身思いますということです。

【佐竹上級コンサルタント】  ありがとうございます。文章をよく精査いたしまして、事務局と相談しながらこちらの最終案ということで提示させていただきたいと思います。御指摘ありがとうございます。

【平野座長】  今御指摘があったところも重要なところですので、(b)なら(b)とはっきり言うか、あるいはそこの条件の中に入れ込むか、どちらかをきちんとしておいた方が分かりやすいというのが熊谷委員からの御指摘だと思うんですが、そういう意味でよろしいですね。

【熊谷委員】  はい。

【平野座長】  では、事務局の方とその表し方については誤解を生まないような形に整理をしていただきたいと。

【佐竹上級コンサルタント】  承知いたしました。

【平野座長】  そのほかいかがでしょう。はい、どうぞ。

【京藤委員】  この条件の中で、技術移転には特許がなく、民間が自由に使えると書いてあるんですけれども、この「特許がなく」というのは必ずしも必要じゃないんじゃないですか。特許を持っていても、それは経済効果はそこへ行くんだから。もっと拡散するという意味合いですか。

【佐竹上級コンサルタント】  はい。こちらはCERNの分析結果からの引用でございますので、100%こうだというふうに申し上げるのは難しいんですが、特許がないことで民間企業が自由に使えたと。特許があると、要は、使用料を払わなければいけませんよね。それで多分ちゅうちょする部分があるので、そういう理解ではないかと。

【京藤委員】  それはかなり枯れた技術に対しては言えるんですけれども、こういう枯れてない技術に特許のある・なしなんて経済効果に余り関係ないんじゃないですか。

【佐竹上級コンサルタント】  そうですね。

【平野座長】  企業の経験豊富な京藤委員からすると、逆に言えば、基本的に新たに出てくるようなものについては必ず企業は特許を持つんじゃないかということですよね。

【京藤委員】  そうですね。だから、ここでは、あっても経済効果はあるという方が正しいんです。これ、逆なんです。

【佐竹上級コンサルタント】  なるほど。

【京藤委員】  どういうロジックでヨーロッパは出してきたか分からないですけれども、議会とかを説得するために出したのかもしれないです。EU間の問題とか。だから、その辺はちょっとアンダーグラウンドに探ってみた方が。

【佐竹上級コンサルタント】  報告書の方は再度精査させていただきたいと思います。

【京藤委員】  これは非常に重要なことで、こういうところに参画する企業が独占できるというのがインセンティブになる可能性があるんです。そうしないと、ハイテクに持ってこられなくなる可能性があるんです。会社の中でも、企業の中でも、利益が出ますという説得の根拠に、特許を持っているとかそういうのは非常に重要なファクターなんです。そういうのもちょっと加味して、ヨーロッパはそうなんだけど、日本はそういうことをやるんだというぐらいの姿勢を示さないと、参画しないじゃないですか。ということです。

【佐竹上級コンサルタント】  御指摘ありがとうございます。こちらも事務局と御相談させていただきたいと思います。

【平野座長】  そうしてください。基本的には、今御指摘があったように、技術移転等については、モチベーションを持っていくには、企業は特許を持った上で、その特許を相互に提携あるいは買いながら更に次の製品に展開するというのは、ほかの企業との連携方法だと思うので、これは特許があるなしにかかわらず、いいものを出してくださいと奨励することだと思います。いい基本特許が出れば、それは特許を持って、買ってでも経済波及、技術展開しますよというつもりの御意見だと思います。そういうことですね。よろしいでしょうか。

【佐竹上級コンサルタント】  はい。ありがとうございます。

【平野座長】  そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございます。それでは、今御指摘頂いたところの御意見は大変重要ですので、精査して次の段階の資料にしておいていただければと思います。よろしくお願いします。

【佐竹上級コンサルタント】  承りました。

【平野座長】  次は、前回の会議において、ILC計画の国際協力の在り方について検討すべきとの大変重要な御意見を頂いております。きょうここで議論したいと思います。前回会議では、素粒子・原子核・物理作業部会の中野座長から資料2-2に基づいて、ILCと近い分野の最近の同様の国際プロジェクトの例として挙げられたXFELとFAIRの概要及びこれら2例をリニアコライダー国際推進委員会が示した理由について説明をしていただいております。
 今回は、最近の国際協力の状況に関して、まず欧州との意見交換について、千原審議官から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【千原大臣官房審議官】  恐れ入ります。そうしましたら、お手元の資料2-1をごらんください。ここの1ポツの概要にございますように、EU及びCERNの枠組みの中でも重要な役割を担っていると考えられますフランス及びドイツと、ILCにつきまして行政ベーシスで意見交換を過日させていただきました。当方は、文科省の研究振興局担当審議官、私のポスト、先方はそれぞれの部長級の者と関係課長等が参加して意見交換を行っております。
 2ポツのところ、フランスでございます。概要を説明申し上げます。主に先方の発言ということで、読ませていただくとおりですが、ヨーロッパにおいて、学術の大規模プロジェクトの実施の決定については、先方いわく、EUは判断する役割を持たずに、CERNにおける欧州戦略改定の議論が影響力があるのであると。※印は、下にありますように、欧州戦略改定とは、次期素粒子物理欧州戦略のことと理解されまして、2020年5月策定と承知しておりますが、これが影響力があるのであろうと。ただ、あくまでこれは科学的な答申でありますので、それによって決定されるわけではないというようなことをおっしゃっておりました。
 また、フランスの大規模プロジェクトの意思決定につきましては、ほかの科学的プライオリティ、あるいは技術的・社会経済的インパクトに関連した財政課題など、ほかのパラメータを考慮する必要があるんだということを言っておりました。
 それから、フランス国内の研究者の感触と致しまして、この分野、LHCでの結果を受けまして、500GeV ILCにおいても、標準模型を超える新粒子が見つかる兆候は得られないだろうという印象だということと、それから、250GeV ILCでは、ヒッグス粒子の精密測定がクリアにできるというところで意味があるというようなことでございました。また、一般的に、プロジェクトのコストと期待される科学的成果、そのバランスが取れている必要があるのではないかということを先方が述べておりました。
 裏に行っていただきまして、ドイツでございます。ドイツの方ですが、ILC計画が、先ほども出てまいりました、CERNの調整する素粒子物理の次期欧州戦略に掲載されるためには、国際的なコンセンサスとコミットメントが必要だということ、また、仮にその欧州戦略にILC計画が掲載されて推奨された場合であっても、第一義的にはCERNを通じて欧州からの貢献について検討すべきだというのがドイツの主張であります。その上で、ILC計画に更にドイツから貢献というものの可能性を決定するためには、ドイツのロードマッププロセスにおいて十分な時間を掛けて審議をする必要があるだろうと言っていました。
 そのドイツの大規模プロジェクトの意思決定プロセスについては、日本と同様の仕組みがあるということで、ドイツの科学審議会の科学的な評価に基づいて、ドイツ連邦教育研究省がロードマップを決定します。このプロセスは、全ての分野の大規模研究プロジェクトが、期待される科学的・技術的メリットだけでなく、社会経済的インパクトも考慮して優先付けをされるということでした。
 ILC計画についてドイツの研究者は科学的な関心を有しておって、500から250になったことによって、可能性が制限されるので、本当に新しい物理が開けるかどうかは慎重な意見を持っている人もあるということでございました。
 また、大規模プロジェクト、きょうもありますが、XFELとかFAIRにとか、ドイツはそういうことをやっている前例を持っておりまして、その方から、当初のコスト見積りというのは実際のコストと差があって、予想外の追加費用がしばしば発生することが問題だというようなアドバイスを頂いています。また、運営に当たっては、そういった大規模プロジェクトを立ち上げて運用した際の知識や経験に基づくプロフェッショナルなプロジェクトマネジメントが要求されるというようなことを指摘してくださいました。
 以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございます。
 続いて説明を頂いた上で議論をしようと思います。引き続き、米国とのコスト削減に向けた共同研究の状況について、高エネルギー加速器研究機構の道園教授より説明をお願いいたします。よろしく。

【道園教授】  それでは、ILCのコスト削減に向けた日米共同研究について御説明させていただきます。
 国際リニアコライダー計画に関して国際的にも重要なパートナーである米国エネルギー省と行政的な合意に基づいて意見交換を行うため、平成28年5月にディスカッショングループを設置することに合意されました。ILC計画について、特にILC計画の実現の可能性を高めるためにも大幅なコスト削減を目指すことが重要で、優先的に検討するとされております。
 本ディスカッショングループにおいて、大幅なコスト削減を目指すことが重要という共通認識から、その後数回の会合を経て、平成29年4月から高エネルギー加速器研究機構と米国フェルミ国立加速器研究所の間で、コスト削減に向けた日米共同研究を開始している。これは下の2点です。1つは、低コスト・ニオブ材料の活用による超伝導高周波空洞材料の低価格化、もう一つが、高電界・低損失実現のための超伝導高周波空洞の表面処理、この2つについて共同研究を開始するというものです。
 こちらが、ILC250GeVにおける超伝導加速器の模式図です。ILC250GeVでも、この空洞と呼ばれるものが9,000個。これは歩留りを90%としているために、実際にインストールする数は8,000ぐらいなんですけれども、約1割増しの9,000個ぐらいを製造する。それから、空洞には高周波を投入しますけれども、高周波を投入するための入力カプラ、これが8,000個ぐらい。それから、大電力高周波源であるクライストロン、これが240台ぐらい、それと、クライストロン用の電源も同じぐらいということで、依然として非常に大規模なものになっていて、ここでコスト削減の検討を行うというのは非常に意義があるということです。
 1つ目が、低コスト・ニオブ材料の活用による超伝導高周波空洞材料の低価格化というものです。ニオブの材料費というのは、TDRで見積もられた全体コストの5~6%を占めて、比較的高いものです。超伝導空洞の高性能化を堅持しつつ、材料費のコスト削減を実現する方策として、下にある2点に着目しています。1つは、ニオブ材料の精錬過程における純度及び残留抵抗比の最適化。つまり、ある程度低純度を許容して安くできないかということです。2番目が、ニオブ精錬後のインゴットからの直接切り出し法による空洞用ディスク材の製造。これらのことを行うことで、ILC250においては、1~2%のコスト削減が可能であると考えております。
 下の表が、従来のものとコスト削減のものを比較したものです。工程としては、一番最初のインゴット製造の部分ですけれども、従来のやり方というのは、いわゆる残留抵抗比が300以上の高純度のものだったんですが、これを今回は200程度、平均で250程度の低純度まで許容できないかと、そういう提案です。もう一つは、インゴットからのディスク成型のやり方です。これまでのやり方では、鍛造、圧延、機械研磨、シート・カートと、こういうプロセスを経ていたんですが、今回の提案は、インゴットから直接切り出すというものです。結果として出てくるもののシート、板材は、いわゆる従来のものはファイングレインと呼ばれているもので粒径が1ミリ以下のもの、インゴットから直接スライスしたものは、いわゆるラージグレインと呼ばれているもので、グレインサイズ、結晶のサイズが5~10センチぐらい、大きなものになります。
 このいわゆるラージグレインのものは、結晶の異方性があり加工が難しいという難点がありましたけれども、これは昨年度のKEKにおける成果ですけれども、途中のプロセスに熱処理を加えることによって、3セルの空洞を製造しております。実際にILCで使おうと思っているのは9セル、ここの山が9つあるものですけれども、ここでは3セルの空洞を試作しております。3セルの空洞についての性能がこの左下の図です。横軸が加速勾配、縦軸が高周波損失の逆数に相当するQ値です。ILCのスペックというのは、35メガボルト/メートルでQ値が0.8掛ける10の10乗というものですけれども、この試作した空洞は、このILCのスペックを超えることができたということです。
 2番目の課題が、高電界・低損失実現のための超伝導高周波空洞の表面処理です。これは窒素インフュージョンと呼ばれているものですけれども、米国のフェルミ研究所で開発されました。超伝導加速空洞の処理工程の1つに、真空炉における800度、3時間の高温熱処理による脱ガス・応力除去の工程があるんですけれども、この熱処理後の冷却中に120度で48時間窒素を導入するという工程を加えて、ニオブ空洞の表面に微量の窒素を拡散させて、加速勾配とQ値を向上させるというものです。ILCの標準的な表面処理を行ったものと比べて、加速勾配で10%、Q値で2倍の性能向上を示す実験結果が得られているというものです。これを使うと、ILC250において2~4%のコスト削減が可能と見積もっております。
 左下の方が性能の図ですけれども、これは先ほどと同じく、横軸が加速勾配、縦軸が高周波損失の逆数に相当するQ値です。従来のILCのやり方ですと、この下の曲線の部分なんですが、これが窒素インフュージョンを適用すると、Q値で2倍、電界で10%増という結果が、単セル空洞を使った結果ですけれども、フェルミ研究所で得られているというものです。
 その隣の部分が、いわゆる工程の比較をしたものです。左側がいわゆる標準レシピと呼んでいるものです。電解研磨で表面を滑らかにした後、熱処理を行って、各々9つのセルがありますけれども、そこの周波数を合わせた上で、もう一度電解研磨を行って、それから、高温超純水洗浄を行って、きれいな雰囲気の中で組立てを行って、再度ベーキングを行うと、こういったプロセスだったんですが、窒素インフュージョンですと、電解研磨を行った後、周波数調整を行って、熱処理中にガスを導入する。その後は、高圧超純水洗浄、クリーンルームアセンブリという工程になります。
 比較していただければ分かるんですけれども、電解研磨の工程が1回減るという利点があります。一方で、真空炉の熱処理で空洞の性能が決まる。通常のやり方ですと、もう一回電解研磨があって表面を削るために、いわゆる熱処理中の汚染は余り気にならなかったわけですけれども、この窒素インフュージョンの場合は、最後の電解研磨の工程がないものですから、非常にきれいな雰囲気でやる必要があるということは注意が必要です。
 これは昨年度のKEKにおける成果です。左側が最初の結果です。最初の窒素インフュージョンはうまくいかず、むしろ性能が劣化しております。この青い曲線の部分が、いわゆる一番最初のレファレンスと呼んでいる性能なんですけれども、この星のILCのターゲットを超えている結果は得られているんですが、これを窒素インフュージョンというプロセスを行った結果、赤い曲線の方になっていって、空洞の勾配もQ値も悪くなっている、いわゆる劣化が起こっているということが分かりました。
 プロセス中の残留ガスが問題となっている可能性があったために、真空の排気系などを変更しております。2回目のトライでは、性能の向上を確認できました。これも同じように青い部分がリファレンス、赤い部分が結果です。青と比べますと、Q値で35%増、電界でプラス5%ということで、目標とする電界でプラス10%までにはまだ行っておりませんので、更に処理のパラメータについて最適化が必要であると考えております。
 2018年度と19年度の計画です。真ん中の表が、いわゆる空洞の板材の購入から加速器への組み込みまでの流れを書いたものです。一番最初のところにあるのが、Nb-sheet purchasingとありますけれども、ここの部分の改良がいわゆるニオブ材料のダイレクトスライスのR&Dに相当するものです。その後、電子ビーム溶接を行った後、EPというのは電解研磨です。この電解研磨を行った後、超純水洗浄を行ったり、熱処理を行って、再度、電解研磨を行った後にベーキングを行うんですが、窒素インフュージョンの場合はこのベーキングのプロセスが変わっているということです。したがって、ニオブ材料のR&Dでは、最初の材料を変えますし、窒素インフュージョンのR&Dの場合は、プロセスの部分を変えているということになります。
 この後、コールドテストと呼ばれる、空洞単体のテストを行います。これは縦で試験をするので縦測定と呼びますけれども、この縦測定の試験を行った後、ジャケットとかチューナーという附属品を取り付けて、いわゆるモジュール化と言っていますけれども、モジュール化して、横にした状態で単体の横測定、あるいは加速器に組み込む場合にはSTF-2などの加速器に組み込むと、こういうプロセスになります。
 今年度2018年度については、空洞を製造したり、それから、窒素インフュージョンに関しては、パラメータの確立を目指す。あわせて、クリーンな雰囲気が性能の達成には欠かせませんので、STF-2の空洞の清浄化の確立を行う。それから、来年度については、縦測定、横測定を進めて、モジュール化空洞について評価を行う。さらには、STF-2への実装と冷却試験の準備を進めると、このようなことを考えております。
 以上です。

【平野座長】  ありがとうございます。ただいまお二人に御説明いただきましたが、前回中野座長から説明を頂いた国際研究者コミュニティの動き及び、きょうお二人から説明を頂いたことを含めて、ILCの国際協力の在り方に関して、御意見、御質問等ございましたら頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。どこからでも結構です。

【中野委員】  まず千原審議官の御説明への質問なんですが、フランス及びドイツの研究者の反応というところに非常に興味があります。フランスの方は、LHCの結果を受けて、500GeV ILCにおいても、標準模型を超える新粒子が見つかる兆候は得られないであろうという印象で、250GeV ILCでは、ヒッグス粒子の精密測定がクリアにできるという意味では意義があるという、これはかなり素核作業部会の意見と一致しています。
 一方、ドイツの方は、計画見直しで500GeVから250GeVになったことにより可能性が制限されることからとなっています。そこは作業部会での議論では、まずLHCの結果を受けて計画見直しがあり、それによって500GeVから250GeVになったという、そういう議論というか、そういう意見が主だったんですね。特にドイツの研究者が、500GeVから250GeVになったことによって可能性が制限されるという、その可能性の中身、どういうことが制限されると感じているかということについて、もう少し詳しい御説明が可能でしたらお願いいたします。

【千原大臣官房審議官】  恐れ入ります。実はこのことについて、どう可能性が制限されるんですかという突っ込んだ議論は、申し訳ありません、当日できておりません。なので、額面どおりでしか答えられないんですけれども、これは先生の方がよく御存じのとおり、新粒子の発見の可能性とかそういったところが制限されたということを念頭にしているのかなと勝手にそう思いましたが、先生の御質問に対しては、先方が何を考えてそう言ったかはこれ以上聴取できておりません。

【中野委員】  コメントですけれども、だとしたら、多分日本においてもいろいろな人に対してILCの250GeVについてはきちんと説明する必要があるんですけれども、ドイツの研究者に対しても、見直しが先であって、そのことによって250GeVになったということを、納得するかどうか分かりませんけれども、説明が必要ではないかなという感じがします。

【平野座長】  分かりました。これは今後どのように動くかによって、国際協力を得られるかどうか大変重要なポイントになるかもしれないので、クリアにしておかなければいけませんね。
 どうぞ。

【神余委員】  私も若干似たような感触を持っています。御説明を聞いただけでは、500GeVでも標準模型を超える新粒子が見つかる兆候はないだろうという、フランスの研究者の感触がある。ドイツもそれがあるように感じられるのですけれども、そのような中で、まして半分の250GeVにすると何ができるのか、社会的なインパクトはあるのかということが単純に問われているのではないかなと思うのです。そうすると、これはやっぱり二律背反的な話になっていて、アメリカとの関係では、コスト削減して250GeVで何とかできればという感じを受けるのですけれども、それをやると、今CERNでやっているLHC以上の成果が出るのかどうか分からないということで、二律背反的な感触を国際的には感じられるわけです。
 まして各国の予算状況ということを考えると、ヨーロッパの財政あるいは経済、貿易が今後よくなるのかといえば、それは非常に見通しが暗いわけです。ドイツでもそうですけれども、今、予算が足りない。足りない中でトランプ大統領の要求もあって国防費にもっと予算を回さなければいけないなんていうことを一生懸命議論しているのですね。このような中で果たして、欧州諸国が参加するとすれば、各国レベルで参加するのであって、CERNとして参加するのではないのだというのがフランスの意見ですね。ですから、イギリスやフランスやドイツが国別に参加を決めるということですので、各国は果たして個別に参加してくれるのだろうかという疑問が出てくるわけです。
 最後に、ドイツのこのコメントは若干意味深長なのですが、要するに、第1には、CERNを通じた貢献について検討すべきだと。つまり、参加するにしても、CERNとして参加した方がいいということであれば、CERNを通じてやるのだということになると、アディショナルな貢献が必ずしもその段階では得られないかもしれない。ドイツとしてそれを超えて参加する場合には慎重なプロセスが必要だということを言っていますので、そうしますと、ドイツがドイツとして、あるいはフランスがフランスとして参加してくる可能性は現実にはかなり少ないんじゃないかと思われます。
 それにもかかわらず国際協力を進めていくとするなら、一体日本としてはどこをカウントして、あるいはどこを当てにして協力を進めていったらいいのか。ヨーロッパがこういう状況だと、当てにできるのは、近隣の中国なんですか、あるいはアメリカなのですかということですが、そうであっても進めていくのだという固い決意を、50%以上の負担をしていくということも含めて日本として持てるのかということに掛かってくるのではないかと考えられます。以上が私の感触です。

【平野座長】  ありがとうございます。そのようなことも含めて大変重要なことだと思っております。これは当初からこのところで何ができるのか、なぜ日本に設置するのかということも含めて、最終の報告書にはきちんと説明ができる、理解をできる限りしていただけるようには書いておかなければいけないと、思っておりますので、是非またその意見も含めて関連意見がありましたらどうぞ。そのほかでも結構です。
 はい、どうぞ。

【徳宿委員】  やっぱりドイツで意見交換したところの雰囲気が知りたいのですが、本当に新しい物理を開けるのか慎重な意見があると書いてあるわけですが、これは慎重な意見しかなかったとか、慎重な意見がドイツではマジョリティーであるとか、そういう具合に言った形がこのような文章になっているんでしょうか。それとも、推進する人もいるが、逆にこういう人もいるというような形での例示として挙がったのがこの文章なんでしょうか。その辺がこの文章だけ抜き出してあると分からないので、お聞きしておきたいと思います。

【千原大臣官房審議官】  私の記憶では、当日、研究者の方はこの意見交換には出席していなかったと理解しておりまして、先方の行政官がこのことを言われたと。この部分については、別にほか、一生懸命やりたいとかそういう発言はなく、たしか、まさに先方の行政官がこのことだけをおっしゃったと理解しています。なので、委員御指摘のとおり、そういう印象を受けられたと思うんですが、私もそういう印象を受けました。

【徳宿委員】  分かりました。

【平野座長】  それ以上分からないのかもしれませんね。ドイツの行政官の方は、専門の研究者からのいろいろな意見を聞いて今のような発言をされたと、こう理解してよろしいかということがありますね。そこはどうなんですか。ちょっと背景が分からないですね。

【千原大臣官房審議官】  先方のBMBFの、ここにあります大型施設・基礎研究部長ということで、こういう大きいプロジェクトをドイツ側で担当するところの部長さんですが、ここから先は推測になりますが、私どもも当然、研究者コミュニティの先生方のお話とかを承って、そういうことも踏まえながら意見交換をするわけで、先方も恐らく同じような立場で、これまでにいろいろお聞きになられていることを踏まえての御発言だろうということが推測されます。

【平野座長】  ありがとうございます。
 はい、どうぞ。

【横山委員】  恐れ入ります。今とも少し関連するんですが、資料2-3の裏面、XFELとかFAIRが提案された理由についてなんですけれども、先日も中野委員から御説明がありましたように、リニアコライダー国際推進委員会、LCBからの回答ということで、専門の国際コミュニティから、日本のコミュニティがやりたいと手を挙げているので、それをするに当たっては専門の国際委員会としてはこういう提言をするということで、負担する割合が高く、国際協力のイニシアティブを取ってくれという回答があったという状況だと理解しております。そういう意味においては、恐らく素粒子の物理学者の先生方もいろいろなプロジェクトを持っておられて、一丸化というのはまたちょっと置いておくとしても、一応国際的なコミュニティとしては、研究者ベースでは合意をしているというのが表向きの状況であると理解しております。
 ただ、そうは言われても、今、千原さんから御報告があったように各国政府間の状況が整っていない中で、いきなり日本がやりますというふうに手を挙げて、しかも半数以上の予算を持ちますというふうに宣言するのはなかなか厳しい状況であるわけで、そこはもっと深く探っていただく必要が今後あるのかなというふうに拝聴いたしました。

【平野座長】  ありがとうございます。恐らくこれまでの議論でも、その辺りがクリアにもっとなればなとの思いがあると考えます。その前にドイツが進めるというときに最終的にはロシアがかなり出資されたという例もあるので、多分皆さんそこも心配をされるところかと、そういうように今までの議論では推察されますが、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【中野委員】  このフランスのサマリーのここのところに書いてある、「一般的には、プロジェクトのコストと期待される科学的成果のバランスが取れている必要がある」というのは、これは極めて重要で、これはどの作業部会でもやっぱり議論されていなかったので、ここのところはやっぱりクリアにする必要があるかと思います。
 それで、科学的意義に関しては、フランスの意見と同じで、新粒子というのはなかなかもう難しいので、精密測定をやるということに意義があるという、そういう結論になっておりますので、あとは、科学的意義と比較して、コストがバランスが取れているかどうかという議論、これはかなり難しい議論になると思いますけれども、それが必要ではないかなと感じます。また、そのことについて各国が同意するというか、協力する国が、科学者はもちろんですけれども、行政ベースでも同意するということが必須かなと思っています。

【平野座長】  ありがとうございます。前も御報告いただいたように、500GeVから250GeVにしたときに、単に半分だからと、予算だけで250GeVにしたのではなく、それなりの特徴があり、メリットも出せるところの値にあるんだという報告も頂いていますので、それも含めて入れ込む必要があろうかと思います。
 そのほか。はい、観山委員。

【観山委員】  私も今のところがちょっと気になります。これはステートメントなんですが、わざわざこれを付けているということがどういう意味なのかというのをやっぱり考えると、つまり、フランスの立場として、コストとアウトカムのバランスが取れている必要があるとわざわざ書いたことの意味を深読みしてしまうんですね。それから、ドイツの、先ほど神余委員が言われたとおり、やっぱり科学者の感触としても、それから、この前、中野委員から紹介があった最近の同様の国際プロジェクトの例ということでLCBからの回答という面でも、それぞれの立場の国が、それぞれの国の科学者たちも、やっぱり今の状況を考えると、先導したい日本がイニシアチブを取ってお金をたくさん出してくれれば、ドイツやフランスはコストと成果に見合ってくるという感じがどうも受け取られます。そこら辺は、後でももう一回強調したいと思いますが、マネジメントの面で議論したときも、国際協力事業というものであれば、やっぱり相当の分担はそれぞれの参加国が寄与しなければならないと思います。
 だから、私が前から言うように、ドイツの2つの計画がいい例だと言われると、本当にこれがいい例ですかねと疑問を持ちます。やはりボトムアップでやりたいという研究者がそれぞれ各国の政府を動かして、相当の寄与をしてILCを作るという立場でないと、なかなか難しいんじゃないかなと思います。

【平野座長】  ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

【岡村座長代理】  既に言われていることでもあるのですが、何となしに一般的に世の中では、LHCの結果を受けて、本当は500にしたかったんだけどできなくて、250でもいいやというような感じで物事が進んでいるような受け取り方がされているように感じています。実際の議論では現在の段階では250GeVのこれが一番よい選択結果になっているんだみたいなポジティブな発言でリーズニングが付いていたと思います。ポジティブな目標を掲げて、世界中の研究者が皆さん、そうだよねということになって、みんなでやろうみたいな動きができることが重要なんじゃないかなという気がしています。

【平野座長】  はい。中野座長のところの作業部会の議論を基にして、位置付けはこの前、きちっと説明はしてくれておりますが、その説明を皆さんが納得をして、各国がそれじゃやっぱり応分の負担をしながらやろうよというふうに行くかどうかということだと考えます。この会議は、最終的に各国に呼び掛けてどうですか動く会議ではありませんので、きちっと学術的にも経済等々のインパクトにおいても重要なものであるかどうか議論して、まとめていきます。あるいはこういう観点の検討が今後要るということは指摘すべきですが、そのあたりも含めての検討が要るだろうと思います。

【中野委員】  はい。そのとおりだと思います。やはり250GeVにしたということがコスト削減がメーンな理由だというふうにまだ報道とかそういうことでも捉えられているときが多々見受けられて、我々が提言を出しても、そういう報道がされるので、少し無力感を感じているんですけれども、やはり500から250になったので、可能性半減というのは数字的には分かりやすいというか、そうだと言ったら多分受け入れられるような説明だと思うんですね。
 でなくて、LHCの結果を受けた結果、その250GeVが今、ベストであると。コストパフォーマンス的にベストであるということをきちんと説明して、それがどう言ったらいいか、予算的にもバランスの取れたものであるということをまずは科学者レベルでコンセンサスが得られないといけない。その上で、各国で予算化するときに、そうはいってもなかなか一般の方々、あるいは政府を説得するのは難しいので、そこで日本がイニシアチブを取ってくださいというんだったら分かるんですけれども、科学者がまだ首をかしげているかもしれないというような記事が出てくると論点が正確に伝わっているか非常に心配になります。

【平野座長】  ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【京藤委員】  前回、中野委員から御説明を受けて、この250GeVにしたときの精密測定をされてきたと。ルミノシティーが非常に1.何倍、1.5倍になるというのを。

【中野委員】  生成断面積です。ヒッグス粒子の生成断面積は。

【京藤委員】  例えばその1.5倍がどれだけのインパクトがあるかというのをやっぱりうまく説明しないと、なかなかみんな納得しないんじゃないかと思うんですけれども。

【中野委員】  極端なことを言ったら、500GeVのILCを作って、250GeVでオペレートすれば、250GeV ILCの実験はできるわけで、そういう意味では、お金に糸目を付けなければ500GeV ILCの方がそれはいいと思います。ただし、今の状況を考えると、無理をして500GeVを作って500GeVでオペレートするよりもまず250GeVで走り続けて、精密測定の精度を上げていくというのが方針としては正しいと思われるので、我々の提言としてはそういうふうにまとめております。
 その1.5倍がどれだけインパクトがあるというよりは、今、素粒子物理学としてやるべきことは何かということを考えたときに、これであると。それをするためにやっぱり最適なエネルギーはどこでしょうという説明の仕方しか、今のところはできないと思います。

【平野座長】  きょう、審議官からドイツ、フランスの説明を頂きますけれども、背景は多分、ここで今議論しているようなところを考えながらの背景であったのかなと、推察いたしますが、この会議の報告としては、今のような背景も含めながら、どこかでそれはきちっと当たらなければいけないと、思っております。

【横溝委員】  別のことでいいですか。

【平野座長】  どうぞ。はい。

【横溝委員】  ちょうどこの絵が出ているんですけれども、これは今、R&Dをやろうとして、今年と来年でこういうことをやりますということですけれども、非常に極限状態でいい性能を実現した後に、取扱いによっては劣化してくるんじゃないかということが非常に気になっています。例えば長期間の運転中には、大気開放とかいろいろ起こる可能性があるわけで、そういうときにまたここまで性能が戻るのかという、そういう確認というのはできるのでしょうか。

【道園教授】  これ自身はフェルミ研究所で開発されたと申し上げましたけど、この一つ前の段階のブレークスルーが、窒素ドープという技術があります。これはアメリカのSLACで建設中のLCLS-2で既に採用されているものです。彼らが先行して、300台の空洞を組み付けたXFELの今現在建設中なんですけれども、彼らの考えは、恐らく窒素は表面の中にあるから安定であろうということなんですが、そういう意味では、LCLS-2の運転が始まっていく中で、多分我々が準備段階のうちにLCLS-2の結果は見えてくると思いますから、その時点では安定性も含めた評価はできているのではないかと思います。

【横溝委員】  準備段階というのはちょうどあるわけで、是非ともそこの間で確認できるといいですね。

【道園教授】  そうですね。御意見ありがとうございます。

【平野座長】  ありがとうございます。横山委員。

【横山委員】  先ほどのきちんと物理の意味を皆さんに分かっていただく努力が絶対的に必要だというふうに強く賛成します。その上でなんですけれども、コミュニティの間では、欧州の戦略の素粒子物理の今後の戦略に載せるために、時限があるということが言われて、皆様も御存じのことかと思います。
 そういう意味では、議論の猶予といいますか、時間というのがそれほど十分にあるわけではなく、今のタイミングで我々がきっちりとした回答を示し、そして、政府がある程度の判断を示すことが今後の素粒子物理の方向性を大きく決めるということで、皆さん、一生懸命に御議論してくださっていることと拝聴しています。
 そういうことと、プロジェクトをやるんだったら、日本が負担を大きく持ってくれという意思決定の早さに通ずるポイントというのが恐らく一緒にされて動いているのかなというふうに拝見しまして、丁寧に議論したら、国際分担がうまくばらついて、うまくスタートできるかというと、恐らく時限の問題もあってなかなか難しいというのが現状置かれている状況なのかなというふうに理解します。
 そうしたところで、我々としてどの程度のことを申し上げるのかはなかなか悩ましいところではあるんですけれども、もし今の段階で意思決定を政府がそれなりの時期にしなければ、そのILCの物理自体に意味が薄くなってしまうということをどこかに意識しながらの提案書になるとよろしいのかなというふうに拝聴しました。
 以上です。

【平野座長】  分かりました。そのあたりも背景にしながら、皆さん、御議論してくださっていると思います。少なくとも国内はもとより、国際的に意義を理解いただかないと動かないので、少なくともこの会議においては、きちっとその基礎の議論の報告ができるようにしておくようにしたいと思います。その後の最終判断は政府の決定になると思いますが、あとは、言われているように、国内のコミュニティの人たちにも理解を頂くというのが大変重要なことだと考えます。先に走って、海外を動きながらというわけにはいかないですよね。責任上は、やはりきちっとここで報告書としてまとめ、コミュニティの方々の賛同を得て、総合判断をした上で、政府が判断してくれるべきだ、と思っております。
 金の多寡を言うわけじゃないんですが、まあ、何とかなるような金だったら別なんですけれども、正直申し上げて、日本の大学の総合予算、科学技術投資の予算から見てどうなのかということも含めた判断を最終的にはトップの関係者は頭に入れて決断をしてくれると思っております。
 それとは別に、ここでは、きちっとした議論の結果を踏まえて、その内容を見た上で、皆さんが判断ができる、そういう資料にしたいと、思っております。よろしいでしょうか。
 そのほかよろしいですか。はい、どうぞ。

【三原科学官】  すみません。一つだけ。先ほどのドイツとの意見交換についていろいろ意見が出ましたので、コメントさせていただきたいんですけど、私、これ、科学官として傍聴しておりましたが、確かにBMBFの部長さんがこういうふうに可能性が制限されて、本当に新しい物理が開けるのか、慎重な意見があるというようなことをおっしゃったように私も記憶しているんですが、ただ、これは確かにこういうことも素粒子原子核作業部会の方で議論されて、測定した結果、全て標準模型の予想どおりだったというケースもちゃんと議論をされていて、その研究者の方、それは確かに新しい物理ではないんですけれども、250GeVで測定をしたら、やはりその標準模型どおりだったと、それも十分価値があることだということは研究者のレベルでは認識されている。それが全然意味のないことだというふうに捉えない方がいいのではないかなと思います。

【平野座長】  ありがとうございます。よろしいですか。
 また、この議論は今後も、先ほどの御意見のようにいつまでもずっと続けるという意味じゃありませんので、議論を踏まえて整理をしていきたいと思っております。ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめの骨子について、関連しますので、ここで事務局から説明を頂いて、そして、この取りまとめの方向に入っていきたいと思っております。
 有識者会議における議論の取りまとめに向けては、2つの作業部会の方々にお世話になります。報告書を作っていただいておりますが、これを参考にしつつ、今回の議論を踏まえて最終的な報告にしたい、と考えております。
 まずは前回の御意見を含めまして、ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめの骨子案を作っておりますので、事務局から説明を頂き、議論したいと思います。よろしくお願いします。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  資料3-1を御覧ください。「国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ(骨子案)」について御説明いたします。
 1枚めくっていただいて、目次の次ですね。2ページ。最初は、1ポツとして、検討経緯と本まとめの位置付けにつきましてです。これは有識者会議において、平成27年6月においておまとめいただいた、前のこれまでの議論のまとめですね。以降、「前回まとめ」と言わせていただきますが、それを踏まえまして、その後に国際研究者コミュニティで行われたILC計画の見直しと、それを受けた有識者会議の対応について記載しております。
 (1)の背景、それから、(2)の日本学術会議の所見を受けた文部科学省における検討経緯のところは、「前回まとめ」で書いている経緯と同じとなっております。
 次のページに行っていただきまして、3ページですが、(3)「前回まとめ」以降の検討経過。この部分が今回のまとめで追記される部分となります。
 1つ目の丸で、人材の確保・育成方策の検証に関する報告書を取りまとめたときの経緯について、記載をしております。また、2つ目の丸で、「体制及びマネジメントの在り方の検証に関する報告書」を取りまとめた際の経緯について記載をしております。
 3つ目の丸で、その後、国際研究者コミュニティにおいて、ILC計画の衝突エネルギーを500GeVから250GeVへ見直した提案に変更されたと。その際の経緯について記載をしております。
 4ページに行っていただいて、4ページ目の1つ目の丸ですが、国際研究者コミュニティにおけるILC計画の見直しを受けて、有識者会議において、素核部会とTDR部会を再設置しまして、250GeVのILC計画について再検証をしていただいた経緯について記載をしております。
 その次の丸、2つ目の丸ですが、このほか有識者会議及び作業部会における検証に資するという意味で行いました委託調査について紹介をしております。
 (4)に行きまして、本まとめの位置付けということで、上記の経緯を踏まえて、本まとめは「前回まとめ」以降、特に13TeV LHCの実験結果やILC計画の見直しを受け、科学的意義について再検証するための素核部会やコストの算出方法や技術的成立性などについて再検証するためのTDR部会における検証結果、それから、ILC計画に関する技術的・社会的波及効果等について、再検証の結果について有識者会議に報告がなされたことを受けまして、有識者会議として現時点でこれまでの議論を取りまとめたものである旨、位置付けとして記載をしております。
 続きまして、2ポツ、これまでの検討結果についてですが、(1)のILCの科学的意義と、(2)の技術設計報告書(TDR)の検証の部分については、ILC計画の見直しを受けて、それぞれの部会において「これまでの議論のまとめ」を踏まえた再検証を行い、第九回有識者会議、先日5月31日に行われた前回の有識者会議でございますが、そこに報告され、議論を頂きました。また、御意見を頂いたものを反映したものを後ほど資料3-2、3-3において御説明をさせていただきます。
 続きまして、次のページ、5ページへ行っていただきまして、(3)の人材の確保・育成方策の検証と、(4)の体制及びマネジメントの在り方の検証の部分につきましては、これはILC計画の見直しを受けて、それぞれの報告書におけるデータ等を更新しております。後ほど資料3-4、3-5において、更新部分について説明をさせていただきます。
 それから、(5)の国際協力と(6)のILC計画の社会的影響の部分につきましては、本日、議題1と議題2で御議論を頂いておりますので、その結果を踏まえまして、記載をさせていただきたいと考えております。
 続きまして、3ポツ、前回まとめにおける提言についてですが、前回まとめにおいては、提言を出していただいておりますので、それにつきまして、現状を簡潔に整理したいと思っております。
 本日までの議論を踏まえて、次回、案をお示しさせていただきたいと考えております。
 先ほど、後ほど説明すると申し上げておりました資料に行きたいと思います。資料3-2を御覧ください。資料3-2は、ILC計画の科学的意義に関する報告です。これにつきましては、4ページの一番上の段落で、中野委員からの御意見で、より分かりやすくするために、「標準理論からのズレに素粒子ごとのパターンが見いだされれば」と微修正をさせていただいております。
 科学的意義につきましては、意見を頂いたのはこれのみでございました。
 引き続きまして、資料3-3、技術的報告書(TDR)の検証に関する報告でございます。2ページ目を御覧ください。資料3-3の2ページですが、1ポツ、ILC計画の見直しの概要という部分の(3)に、土木・建築等についてという部分がありまして、ここにつきまして、岡村委員からの御意見を踏まえまして、遮蔽壁について、より分かりやすい説明を加えさせていただきまして、1つ目の丸のところですが、「電源側とビーム側を分けるトンネル中央の垂直遮蔽壁」という表現を入れて修正をしております。
 続きまして、次、6ページに行っていただきまして、6ページの4つ目の丸を追加しておりますが、これは京藤委員の御意見を踏まえまして、丸1、コスト面でのリスクに関する課題という部分に、「さらに、長期にわたる大型プロジェクトであるため、人材の高齢化に対するリスクや、関連する企業の事業撤退のリスク、これらに伴うコストアップについても留意が必要である」と追記させていただいております。
 次は8ページに行っていただきます。8ページの一番上の丸2、放射線防護につきまして、こちらも京藤委員の御意見を踏まえまして、2つ目の丸の部分です。「実験終了後も含めた長期にわたる維持管理方法の検討が必要である」というところに続けまして、「その際、廃棄物の処理を含め、より科学的な説明に努め、地域住民の理解を得ることが必要である」と追記をさせていただいております。
 次の9ページです。9ページの丸5、環境影響につきまして、これは横山委員の御意見を踏まえまして、2つ目の丸のところですね。「ILC施設の立地は、近傍に活断層がなく固い花崗岩が続いていることを条件として検討されている。しかし、」と追記をさせていただいた上で、残る地質条件次第では、地下水位の低下リスクがあるという形につなげたいと思っております。
 TDRの検証に関する報告についての変更点は以上でございます。
 続きまして、資料3-4、人材の確保・育成方策の検証に関する報告についてです。これは先ほども御説明をしましたとおり、ILC計画の見直しを受けて、データ等を更新しております。まず最初に一番後ろに付いている7ページの図表を御覧ください。これはもともと人材の報告書の方に添付していた500GeV ILCの建設に必要な人材見積りでございましたが、ILC計画の見直しを受けて、250GeV ILCのデータを用いて更新をしたものです。この図表を基に、本文の方も修正をさせていただいております。
 1ページに戻っていただきたいと思います。1ページの1ポツの丸の1つ目のポツです。建設期間9年間に必要となる人材数は、年平均として、建設関係が1,124人から830人に変更されて、据付関係が479人から378人に変更されています。
 また、4つ目のポツですけれども、TDR後の検討では、建設開始前の準備期間を4年と設定し、その間に282人、人材として養成することが必要であるというふうにされていましたが、この282人の割合が、母数が1,100人から830人になったことにより、25%から34%になっているという変更がなされています。
 続きまして、4ページを御覧ください。4ページの(3)ILCとの関係の2つ目の丸についてです。ILC計画の建設に必要な人員は、平均して年、約1,100人から830人に変更と。それからまた、ピーク時の必要な人員も1,600人から1,200人に変更ということにさせていただいております。
 以上が人材の報告に関する変更点です。
 なお、これらの変更点以外については、ILC計画の見直し後も引き続き有効であることを人材作業部会座長の中野委員にも御確認を頂いております。
 次の資料に行っていただいて、資料3-5でございます。資料3-5の体制及びマネジメントの在り方の検証に関する報告についてですが、こちらもILC計画の見直しを受けて、データ等を更新しているということでございます。3ページを御覧ください。
 丸2、ILC研究所についてですが、人材の報告書での更新を反映させて、1,100人から830人と修正をさせていただいております。
 次は5ページに行っていただいて、5ページの経費分担の3つ目のポツでございます。上記によるホスト国の負担分に加えて、超伝導高周波加速技術のような高度技術でもホスト国が相応の貢献をする場合、ホスト国の全貢献は50%程度になる。これは500GeV ILCにおけるプロジェクト実施計画においてはこのように書かれていたわけですが、先ほど来、国際協力のところで御議論ありましたとおり、ILC計画の見直しに関するLCB声明では、ILCと近い分野の最近の同様の国際プロジェクトの例として、ホスト国が主要な費用負担(majority contribution)と行っているとされていますので、その旨、注記をさせていただいております。
 1枚めくっていただき、6ページです。(2)周辺環境の整備の丸1、前提となる人口。ここの図表2つについて、これはKEK等が行った委託調査におけるILC研究所の立地地域におけるILC関連人口の推計データと推移です。これはKEKにおいて更新をしたものを記載しております。
 続きまして、8ページへ行っていただければと思います。8ページの2つ目の丸について、こちらは先ほどのKEK等による調査検討報告書に基づいて、盛岡市の方で実施した委託調査におけるILCより派生する建設費の図表となっております。ここについては、盛岡市で作成されているため、なかなか更新するというのが簡単にはいかないものですから、当初計画の500GeV ILCにより派生する建設費であることを明記するということにさせていただき、さらに、注を加えまして、注の4として、計画見直し後の250GeV ILCにより派生する建設費は縮小する可能性があるという点に留意が必要と。また、民間活力などによる整備の可能性も視野に入れるという形での注記を追加しております。
 続いて、13ページに飛んでいただきまして、13ページの丸4、国際的な経費分担の1つ目の丸について。当初計画の500GeV ILCに関して、国際研究者コミュニティが作成したプロジェクト実施計画、これはPIPですが、そこではやはり「50%程度まで」と書いてあったので、先ほどと同様ですけれども、LCB声明を注記として記載させていただいております。
 また、15ページに行っていただきまして、3ポツの(1)前提となる人口規模。ここの部分も先ほど御説明しました6ページの図表の更新に合わせて、それぞれの年次ですね。1年目、7年目等の人口の数を変更させていただいております。
 以上が体制マネジメント報告に関する変更点でございます。
 なお、これらの変更点以外については、やはりILC計画の見直し後も引き続き有効であるということを体制マネジメント作業部会座長の観山先生にも御確認を頂いております。
 最後、資料3-6について簡単に御説明します。資料3-6は参考資料の目次だけ示させていただいております。
 「議論のまとめ」本体の後ろに添付することを考えております。
 骨子案に関する説明は以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございました。平成27年度の前回のまとめ以降の経過及び今回の取りまとめの構成等について説明をしていただいております。
 この件について御意見、御質問等ございましたら、御自由にどうぞお願いします。はい、どうぞ。

【横山委員】  度々恐れ入ります。資料3-1の6ページ、提言が1、2、3と並んでいるところでございますが、前回、提言3において、「国民及び科学コミュニティの理解を得ることが必要」というふうにしていただいております。
 提案なんですけれども、提言1と2は、この会議らしい、「明確にすることが必要である」とか、「見通しを得るべき」というふうになっておりますが、提言3の方は、「理解を得ることが必要」ということで、実施を前提としたような書きぶりになってございます。
 あと、やはりこれまでの議論を踏まえて、最も重要なのは、科学的意義及びコストについて皆さんに知っていただくことというのが大きな重要なことだったのであります。したがって、この提言3の文章の最後の方、「国民及び科学コミュニティの理解を得ることが必要」ではなく、「国民及び科学コミュニティに科学的意義及びコストについて周知することが必要」というふうにしてはいかがでしょうか。

【平野座長】  ありがとうございます。
 いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  すみません。今回この提言自体は、既に前回まとめでもう示させていただいているので、その後の変化なり、状況を整理しようということですので、その下に今のような趣旨を丸で追加させていただくような形を取りたいと思うんですが、いかがでしょうか。

【平野座長】  どうでしょう。

【横山委員】  はい。今申し上げたことがちゃんと伝えるのが希望ですので、形式についてはお任せいたします。

【平野座長】  今御指摘頂いたところについては、この会議で議論したところの重点をきちっと入れ込むようにします。そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【徳宿委員】  資料について質問なのですが、今回の見直しを受けて変更したところで見え消しになっていますが、これは最終的には見え消しのまま残すということですか。それとも見え消しの引かれたところは消すということですか。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  見え消しを反映した形で報告書には記したいと思います。

【徳宿委員】  ということは二重線が引かれているところは消えるということですね。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  はい。そうですね。

【徳宿委員】  そうすると、資料3-5ですが、今の説明のところでも、250GeVへの変更を受けて、数字を入替えということで全部新しい250GeVの数字になると理解しますが、それですと、ここのこれからの議論でも重要なところですけれども、資料3-5の5ページのところですね。ここの50%程度になるというのは、先ほどの発表のときにも轟さんの方からおっしゃられたように、これは500GeV ILCでは50%程度だったので、それは明記した方がよいのではないかと思います。つまり、ホスト国が相応の貢献をする場合に、500GeV ILCでは、ホスト国全貢献は50%程度になる」と書いてあって、星印にするのが分かりやすいのではないかと。ほかのところは250GeVになったら変わりますので、それは同じことがまた50%がある13ページのところに関しても、500GeVのILCの建設に関してはという形が入るのがよいのではないかと。
 あともう一つ、それに関連しまして、非常に細かいフォーマットにはなりますが、今のところの岩手県の資料ですね。8ページですね。今の同じ資料3-5の8ページのところが、この今の話を聞きますと、(注1)から(注4)というのは出典にあったわけではなくて、出典に対するこちらのコメントであると。少なくとも最後のは。であるのであれば、出典というのは、その(注1)より上に来るべきであると思われます。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  承知いたしました。

【平野座長】  そこを踏まえて修正をしてください。
 どうぞ、観山委員。

【観山委員】  ちょっと前に言われた資料3-5の5ページと、13ページの50%の件は、私としては、これは別に250GeVとか500GeVとか関係なく、国際協力事業で行う超大型の計画を進める上において、何度も言いましたとおり、世界のコミュニティが一緒に参加して、応分のコントリビューションをするという計画にしないといけないと思います。建設に関してホスト国が例えば70%と寄与すると、国際的な運用の中でも、ホスト国に多くの分担を求められて、きりがなくなります。建設費の分担だって、歯止めがなくなって大変な状況になるので、この注記は、一応注記なんですけども、この黒字の本文は、私としては変わったとは思っておりません。もしも、これを変えるのであれば、もう一度マネージメントに関する部会を開いてもらって、もう一度議論しないと我々の了解と違ってきます。ここの部分が重要な点で、何度も言いましたように、国際的なコミュニティが本当にILCをやっていこうということであれば、相当の分担をしないと、やっぱり適切な形にならないと思います。
 特にその点は13ページに割と長く書いてあると思いますけれども、ホスト国に権限が、負担が過度に集中しないようにするためにバランスを取るような形にしてほしいということは、変わっていないと思っております。
 だから、何か250GeVになったからこの分担が多くてもいいとか、少なくてもいいとかということじゃなくて、これは私が座長をした部会のある種の立場だと思うんですけれども。

【平野座長】  ここで言う13ページの丸4、国際的な経費分担というところの文章には、ホスト国に権限と負担が過度に集中しないようにするためには、ホスト国とその他の参加国とのバランスに配慮した国際的な機関としての運用が必要であると、これが一番主であると思います。そこのところの部分において、以前の経費分担というところを見れば、ホスト国は、相応の貢献をする場合においても、権限と負担が集中しないような配慮が必要であるとか、何かそういうように書いて、ここの赤の500GeVというときの例を一々書かなくてもいいと、そういうふうに取ってよろしいですか。

【観山委員】  それでもいいですけども、だから、何ていうかな。5ページの方はニュアンスが、何ていいますかね。これは……。

【平野座長】  はい。

【徳宿委員】  おっしゃることは私も非常によく分かりますけど、5ページの方は、上のこういうこと、こういうことを考えるという形だから、このパターンのときには500GeVと言うべきなような気がちょっとします。観山先生のおっしゃることも非常によく分かりますので、13ページについて、今、座長さんの方からもありましたように、この上と下を分離した上で、後ろが重要なことであるということを言うというのがよく、私も多分それはそのとおりなのではないかと思います。

【観山委員】  要するに、この5ページの方は、計画書に基づいて計算するとという記述の部分なので、確かにこれは500GeVモデルのところであると、50%程度になるということでしょうか。ただ、13ページの方は、これはこの部会としての精神が書かれている部分なので、ほぼこのままでいいんじゃないかと思いますけどね。

【平野座長】  そうすると、今の5ページのところは、背景としてもうちょっと1行丁寧に書き込んだ方が良いですね。

【観山委員】  そうですね。はい。

【平野座長】  この計画において500GeVのところを例にとればというような文章をここに入れるとか。

【観山委員】  そうですね。はい。

【平野座長】  それを1行入れておくということでいいですか。はい。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  よろしいでしょうか。観山先生のおっしゃるとおりで、1つ目は、PIPという研究者コミュニティがまとめたものをそのまま書いています。13ページは、作業部会のまさに指摘ではあるんですが、丸4の国際的な経費分担というところがやはり最初はPIPにおいてはということで、PIPを引いてはいるんですね。PIPではこういう設定だけれども、部会としてはバランスを取ることが重要だという御指摘を頂いていると思います。
 ここの部分ですね。先ほど骨子で御説明をしましたが、国際協力の項目を別途立てて、本日頂いた御議論を報告書本文にしようと思っております。ですから、研究者コミュニティの見直しがあって、更に分担についても変更を提案する旨が出されておりますので、それに対する有識者会議としての御意見とか、観山先生の思いというものは、そちらの国際協力のところで反映いただくのが分かりやすいとかですね。よいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

【伊地知委員】  関連してよろしいでしょうか。

【平野座長】  関連で。はい。

【伊地知委員】  この部分については、この注記が本文に対して順接で掛かっているのか、逆接で掛かっているのかというところかとは思っています。そのときに、実はこの注記の原文では“majority contribution”とあるところが、資料2-4にあるように、既存の訳に照らして、「主要な」とあるのですが、ただ、「主要な」ということに対する自然な英語の形容詞というのは“major”かもしれなくて、やはり“majority”とあるとすると、より限定的に「過半の」という意味合いなのかとも思うのですが。ただ、ここの実際の声明の中で、どういう意図でこの“majority”という言葉が使われたのかというのはよく承知しておりませんので、それを含めて、引用元は「主要な」となっていたとしても、ここを本当に「主要な」と、ここの会議としてするのが適切かどうかというのは御検討いただいた方がよろしいかと思います。

【平野座長】  今御意見頂いているように、引用は引用としておいて、それから、轟さんがおっしゃった提案で、国際協力という項目を立てて、そこできちっとここに会議の意見を入れるということでいかがでしょうか。これはコミュニティの理解を得るということも含めてそこに書き込んでおく必要があると思います。
 そういう別項で入れ込むということはいかがでしょうか。それでよろしいですか。その方向で整理をもう一回していきましょう。
 そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【岡村座長代理】  資料3-1ですが、1ページめくって、目次が書いてありますよね。ここでは大きい章が1、2、3とあって、3章が「前回のまとめにおける提言について」という表現でおしまいになっています。それ以降、大きな変化があって、いろいろ議論をしてきたわけで、今回これが言ってみれば、ある種、最終報告的な感じになるんだとすれば、この次に4章として「今回のまとめ」というのがあるべきではないかという気がしています。先ほどの横山委員の質疑とも関連しますが、前回の提言、これは変えられないので、そのまま残るのはいいんですが、その下に丸々をくっつけただけでおしまいというのは、何か形としては尻切れトンボみたいです。今回はこういう提言なんですというふうに章を改めてまとめるのがよいのではないかという気がするんですけれども。

【平野座長】  例えば3-1の5ページ、最後のところ。

【岡村座長代理】  ああ、そうです。5ページから6ページにかけてです。

【平野座長】  いえ、5ページの3ポツから始まるんですが、前回まとめにおける提言についてということと、最後にもう一つ、6ページ以降になるんですが、新たに250GeVに変更されたことに関して、それを含めた今回の提言というのが、言ってみれば最終提言として、ここに最後に出ているわけです。

【岡村座長代理】  はい。そうです。

【平野座長】  忙しい人は、報告書の頭と最後だけ見られるかもしれないので、それでもきちっと通じるようにという意味でよろしいですか。

【岡村座長代理】  はい。そうです。

【平野座長】  事務局、まとめ方はいいでしょうか。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  1点、先ほど横山委員からも御指摘ありましたが、コミュニティの方では、この計画について、日本側の何らかのアクションを求めているという、時間的な問題があるという中で、どのように提言を、誰に向かってのどういう提言をするかというところがあろうかと思いまして、前回のまとめの時点では、まだLHCの実験結果も出ていないと。なので、LHCの実験結果を見て判断すべしとかですね。そういう時間的猶予がある中で御提言を頂いたと理解しているんですが、今回において、また新たな提言を作成するというのは、これはもう先生方で御意見頂いてということになろうかと思いますが、現実的かどうかというところも一つ観点としてあろうかと思います。

【平野座長】  多分それは皆さんは、ちょっと理解しにくいかもしれない、と危惧されているように思います。ということは、どういう話ですか。確認したいと思いますので、再度よろしく。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  すみません。なので、まさに提言の中身ですね。新たに提言をするにしても、どういう中身の提言をまとめるかというところによるかなということですね。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【観山委員】  関連しているのかどうか分かりませんけども、時間的な問題という観点から、この資料2-1の一番最後に、「次期素粒子物理欧州戦略は2020年5月策定」ということなので、巷間言われているのは、今年の末ぐらいまでに何らかのアクションが日本からあればということだとは思うんですけれども、私、国際協力事業をやった経験から言うと、非常に大変です。どこかが非常にクリアに言ってくれると、ほかも引きずられて、いろんな状況が成り立つということはよく分かるんですが、なかなかそういうふうに簡単に行かないのが国際協力事業です。ニワトリと卵の問題じゃないけども、これだけ大きな国際事業でありますので、時間を切っての議論はなじみません。欧州の科学研究者が是非ともILCをやりたいということであれば、欧州の次期計画案に適切な文章として記述されるのではないかと思います。米国のディケーダルサーベイなんかの状況を見ても、もしもアメリカの科学者が相当にボトムアップで、こういう計画について努力したいと意思表示するならば、ある程度の曖昧さを持ってディケーダルサーベイにも記述が載ることは可能と思われます。欧州とか米国の研究者がこのILCに対して非常にポジティブに働くかどうかというのが一番重要な観点であって、何かそこに時間的な制限があるから、それに対して結論を得ようとするのは難しいと思います。そして、何か日本のコミュニティにも相当しっかりと聞かなきゃいけないと思いますけれども。こういう部分で、国際協力事業というのは本当に大変ですが、そういう基盤の部分がしっかりしてないとよくないと思います。それに、彼らが言っているのは、科学者の作る次期計画案に認められたからといって、各国がお金を出すわけではないよ、簡単じゃないですよと言っているわけですよね。そこら辺を相当しっかりと押さえていかないと、我が国がこの大きな計画をホストする意味でもマネジメントをしっかりとやらないと、なかなかこういう大きな計画は進まないんじゃないかと思います。
 しかし、もちろん、いつまでたっても議論ばかりするということも非常にネガティブですけども。何かこの時間の打切りがあるので、それまでに何かしなきゃいけないという言い方で言われると、非常に大きな問題があると思います。

【平野座長】  この最後の、今、話になっています資料3-1の4ページ目。その前は、これまでの前回のまとめですから、これをきちっとまとめておき、2ポツで、これまでの検討結果ということで、今回、作業部会で検討していただいた資料も踏まえて、ここにアウトラインを入れながら出すわけでありますが、その後、前回まとめ、次に5ページ目、前回まとめにおける提言についてというのを、これは今度、言ってみれば新たな議論をしておると思ってもいいぐらいですから、そのことについてきちっとここの3ポツのところからまとめ上げて、皆さんの議論で出たところを要約してまとめた方がいいと思います。その方が、最後を見る人は、今回何がそれで新たな方向で提言ができているのかということが分かりやすくなる、と私は思うんですが、その辺についてはどうですか。どうぞ。

【神余委員】  私も座長の意見に賛成です。前回までの議論、非常に貴重なものがあって、これはいろんな確度から議論して、それなりのまとめもしたわけです。それは変わらないわけですが、他方、今回議論しているように、全体の予算が変わってきている状況の中で、500GeVから250GeVに減っている状況の中で、それでもこの有識者会議としては、これを支持するのか、しないのか。あるいはこれこれの問題点があるのか、ないのかといったようなことは、明らかにする必要があるのではないのかなと思います。
 したがって、3は3として、新たに4を設けて、それ以降の状況が変化した後の結論というものを、これは同じになるかもしれないし、違うかもしれないのですけれども、今日の議論を基にしてやるべきではないかなと思います。それは長いものである必要はないので、簡単に、簡潔に要点を記せばいいのだろうと思います。
 それから、タイムリミットがあるかどうかということは、私はよく分からないのですけれども、他方で、欧米の科学コミュニティ、研究者、あるいは国の参加を得るということになると、何かあるような気がするのです。これは早くやってくれというふうに研究者グループの方から言われているんじゃないのかと。つまり、日本としてはどうなのかということをはっきりと、日本としての意見を言ってくれということが要請されているのではないのかなと思われます。それからもう一つは、欧州の次期素粒子物理欧州戦略というのは2020年の5月に策定するということになっていますので、これは期限があるわけです。ヨーロッパを引き込もうと思うと、その前に日本の、あるいは日本政府の態度がはっきりしないと、欧州は欧州で勝手に決めてしまい、それを2020年に発表すれば、もう欧州は動かないという話になるわけですから、それが決まる前に、こういう問題点はあるけれども、これはやるべきだとか、あるいはどうだということはやはりホスト国候補である日本が発表していないと、欧州ではやっぱり検討が進まないのではないかなと思います。そういう意味でのタイムリミットがあるのだろうと思っております。以上です。

【平野座長】  今の御意見について、どうぞ。

【岸本基礎研究振興課長】  すみません。事務局の説明、十分でない部分があって、少し誤解を生んでしまっているんじゃないかと思う部分もございますので、少し補足的に御説明させていただければと思いますけれども、御承知のように、これは5ページの3番目のところの「前回まとめにおける提言」についてというタイトルは、これは確かに適切ではなかったというふうに思っております。
 もともとの趣旨として、この3番目は、これまでの各部会での議論を踏まえて、この親会議で皆様から御議論を頂いた内容をまとめる部分という意味で、これは作っていきたいと思っておりましたので、このタイトルはまずそういう趣旨のタイトルに変更させていただくのが適切かなというふうに思っております。
 ここで前回の提言、3つを引かせていただいておりますのは、これは前回、学術会議からのお話を受けて、この親会議の場におきまして、検討すべき、考えるべき課題として、当時おまとめいただいた内容でございます。ですので、その内容を軸として、その後の様々な検討、状況の変化ということを踏まえて、今回の親会議で、これに対して、今どういうふうに我々は考えるのかということをここにまとめる、いわばその軸として、これは引かせていただいているところでございますので、四角囲いを付けて、何かこれが金科玉条のような印象になっておるので、誤解を生んでいるかと思うんですけれども、メーンは、その下の丸の部分であるということでございますので、きょうの御議論を踏まえて、ここは誤解を生まないような形で、きちんと表記できるように工夫させていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。

【平野座長】  今、発言があったように、皆さん御存じですが、学術会議の方から、諮問といいますか、ここで検討していただきたいということでありますので、その提言、1、2、3とあるわけですが、一番大事なのは、前回の出した中間報告から、どう条件が変わって、その条件においてもどういう内容としてきちっと説明ができるのか、理解していただけるのかというふうに、この中にまとめて、最後3ポツでいいんですが、題目も修正して、皆さんの議論の基にするようにできれば、ここを見てもらえば、500GeVが250GeVになって云々というのは、250GeVでの検討結果をきちっと位置付けして、きちっと理解を頂けるような説明をした方がいい、と私は思っておりますけど、いかがでしょうか。
 いかがですか。中野委員。

【中野委員】  素核の作業部会でも報告をまとめるに当たって、前回の報告を転記する形で、それだけ見ると冗長になるんですが、しております。それで、今回の提言もやはり前回との比較というのも、これは欠くことができないと思うので、前回の提言を書いた上で、今回の我々のまとめを、誤解を受けないようなタイトルで記していくのがいいかなというふうに思います。

【熊谷委員】  よろしいですか。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【熊谷委員】  これは全体を読んで、やっぱり4ページの(4)のところをきちっと、もう少し分かりやすくすれば、おのずとこれは答えが出てくるんじゃないかなという印象を私は持っているんですが。

【平野座長】  ここの文面からそのように理解してくださるだろうと、そう思っておりますが、本まとめの位置付けというのが、これまでの部分と後の部分、ここの委員は全部分かって動いていますからいいんですが、これだけを見た場合に分からないといけないので、なぜ500GeVから議論が始まり、それが250GeVになった場合の意味は何であるかということは当然触れていただいていますから、経緯と背景は理解していただけるであろうと思います。その250GeVにおける特徴が何であるか、それがどのように学術界あるいは社会に貢献できるのか、更にこういう問題がまだ残っておるということも含めて、最後のところの項目で説明するという流れが分かりやすいと思います。そのような流れで、この全体のまとめの項目にしていったらどうかなと、こう考えますが、事務局、どうですかね。多分言っていることは同じだと思うんですけどね。区切りの背景がちょっと違うだけで。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  承知いたしました。次回また案を提案させていただきたいと思います。

【平野座長】  そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。はい。ありがとうございます。
 それでは、今、大変貴重なまとめの方向の議論を頂きましたが、この線に沿って、次回ではまとめの議論をしていきたいと思いますが、事務局にはちょっと御苦労を頂いて、これまでの御意見を入れながら原案を作っていただきたいと思います。その素案を委員の皆様方にお送りして、御案内しますので、忙しいとは思いますが、是非意見を寄せていただいて、それを踏まえて修正をし、次回の委員会に提出をして、それを基に最終まとめに入っていきたいと、こう考えておりますが、よろしいでしょうか。
 きちっと意見を反映していただいておけば、整理が大変しやすいと思います。そうすると、時間、時間というわけじゃありませんが、まとめができ、あと、また次のステップへ入っていけるだろうと思っておりますので、是非事務局からお願いが行ったら、御意見をお寄せいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 じゃ、あと、事務局の方からよろしく。

【山本加速器科学専門官】  それでは、本日につきましては、今、座長からございましたとおり、取りまとめ案につきましては、事務局より案としてお示しを事前にさせていただきますので、御協力いただければと思います。
 本日の議事録につきましては、後日、出席委員の皆様にメールにて内容確認をお願いし、御連絡をさせていただきます。
 皆様から御了承頂けましたら、当省のホームページで議事録を公開したいと思いますが、よろしいでしょうか。はい。ありがとうございます。
 また、次回の日程につきましては、調整の上、御連絡をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 机上資料につきましては、次回も使用いたしますので、そのまま残していただければと思います。
 以上でございます。

【平野座長】  次回の日程は皆さんの方にもう一度確認をしていただいた上で、御用意いただければと思います。
 どうもきょうはありがとうございました。これで閉会にいたします。

―― 了 ――

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-- 登録:平成30年08月 --