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国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成29年2月1日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省5階 5F3会議室

3.議題

  1. ILC計画を巡る最近の状況(報告)((1)ILCに関する日米ディスカッショングループについて(2)コスト削減に向けた日米共同研究について(3)リニアコライダーワークショップについて)
  2. 今後の検討及び作業部会の設置について
  3. その他

4.出席者

委員

平野座長、岡村座長代理、伊地知委員、京藤委員、神余委員、徳宿委員、中野委員、観山委員、横山委員

文部科学省

関研究振興局長、板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、渡辺基礎研究振興課長、轟素粒子・原子核研究推進室長、吉居加速器科学専門官

オブザーバー

高エネルギー加速器研究機構 山内機構長、東京大学素粒子物理国際研究センター 駒宮センター長

5.議事録

【吉居加速器科学専門官】  失礼いたします。大町先生と横山先生が少し遅れていらっしゃるようですが、時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 開会に先立ちまして、まず事務局より御連絡をさせていただきます。
 本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。当会議は公開としておりますので、御承知おきをお願いいたします。本日は、プレス等3社から撮影の希望がございましたので、冒頭の撮影を許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【吉居加速器科学専門官】  ありがとうございます。
 それでは、撮影希望の方はお願いいたします。
 よろしいでしょうか。撮影につきましては、ここまでとさせていただきます。
 平野座長、よろしくお願いいたします。

【平野座長】  皆様、こんにちは。それでは、第6回の国際リニアコライダーに関する有識者会議を開かせていただきます。本日は、忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 では、本日の出席状況について、事務局から報告をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  本日の出席状況についてお知らせいたします。大町委員と横山委員が少し遅れていらっしゃるようですが、じきに来られると思います。
 本日は、梶田委員、熊谷委員、森委員が御欠席と伺っております。出席委員は10名でございますので、定足数7名、会議は有効に成立してございます。現状の人数でも会議は成立してございます。
 それから、本日は、議題(1)で御説明いただくため、高エネルギー加速器研究機構から山内機構長、東京大学素粒子物理国際研究センターから駒宮センター長にも御出席を頂いております。
 このほか、前回、昨年7月より事務局に異動がございましたので、紹介させていただきます。
 研究振興局長の関でございます。

【関研究振興局長】  関でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  研究振興局基礎研究振興課、素粒子・原子核研究推進室長の轟でございます。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  轟でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  事務局からは以上です。

【平野座長】  ありがとうございます。
 続いて、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  お手元の資料を御覧ください。
 本日の資料は、資料1から資料6となってございます。資料1がILCに関する日米ディスカッショングループについて、資料2が山内機構長提出資料のコスト削減に向けた日米共同研究、資料3が駒宮センター長提出資料のリニアコライダーワークショップ(LCWS2016)、資料4がこれまでの検討事項の整理と今後の検討について、資料5が新しい作業部会の設置について(案)、資料6が今後の検討スケジュール(予定)となってございます。
 このほか、机上配付しておりますドッチファイルには、これまでの関連資料がとじられておりますので、適宜、御覧いただければと思います。
 ドッチファイルの12番に、昨年7月におまとめいただきました、人材の確保・育成方策の検証に関する報告書を加えてございます。
 以上、不足の資料がありましたら、お知らせ願います。
 以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります。議題(1)は、前回が7月でありまして、昨年7月からのILC計画をめぐる状況について報告していただき、御意見を頂きたいと思います。
 まず、関係しておりますILCに関する日米ディスカッショングループと、コスト削減に向けた日米共同研究について、事務局と山内機構長より続けて説明を頂き、その後、質疑を得まして、リニアコライダーワークショップの方に移りたいと思います。
 では、まずILCに関する日米ディスカッショングループについて、事務局より説明をお願いします。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  それでは、御説明いたします。資料1を御覧ください。
 ILCに関する日米ディスカッショングループについてでございますが、まず概要についてです。ILC計画に関しまして、国際的にも重要なパートナーであるアメリカエネルギー省(DOE)と文部科学省の間で行政的事項について意見交換を行うため、昨年5月にディスカッショングループを設置することに合意いたしました。
 代表者は、文部科学省が研究振興局審議官、DOEが科学局長でございます。
 本ディスカッショングループにおける検討・調整事項ですが、そこに示してございますマル1からマル6、クリアすべき課題(技術的リスク、科学コミュニティ内のコンセンサス等)、それからコスト削減に向けた共同研究の可能性、マネジメントの枠組み、コスト分担の可能性、LHC実験の結果を踏まえたILC計画の見直しの必要性が生じる可能性の認識共有等、これらを軸に検討、調整を行うこととしております。
 このうち、特にマル2について、ILC計画の実現の可能性を高めるためにも大幅なコスト削減を目指すことが重要であるとの認識を文部科学省とDOEの間で共有いたしましたので、まずはこれを優先的に検討することとなりました。
 裏面に行っていただければと思います。これまでの開催概要ですが、第1回日米ディスカッショングループを昨年5月にワシントンD.C.で開催いたしました。そこでは、先ほど御説明しましたとおり、ディスカッショングループの設置、検討・調整事項等について合意いたしました。
 次に、昨年8月、課長級の事務レベル会合をシカゴで開催いたしました。そこでは、コスト削減のためのR&Dについて、高エネルギー加速器研究機構(KEK)及びフェルミ国立加速器研究所(FNAL)からヒアリングを行いました。
 そして、昨年10月ですが、これはテレビ会議ですけれども、第2回日米ディスカッショングループを開催いたしまして、前回ヒアリングをした課題のうち2課題を、KEKとFNALの両研究において本年4月から着手することに合意いたしております。
 以上が、これまでの日米ディスカッショングループの開催経緯でございます。

【平野座長】  続きまして、コスト削減に向けた日米共同研究について、山内機構長、よろしくお願いします。

【山内機構長】  今、轟室長の方から説明ありましたが、日米ディスカッショングループというところで、日米協力でもってILCのコストを低減するための努力を共同でしましょうという話になっておりまして、もう既に準備を始めておりますので、その件について御説明したいと思います。高エネルギー加速器研究機構の山内でございます。
 まず、これは申し上げるまでもないかもしれませんが、ILCの概要でございます。全長が31キロメートル、非常に細長いものでございます。主要な部分は、双方、電子と陽電子をそれぞれ250GeVまで加速するための加速管が並んでいるのが主なところでございます。このために、超伝導空洞、これは個数にして1万6,000個もあります。それに、高周波を供給するためのクライストロン等の設備からなります。
 この価格でございますが、ここにブレークダウンがあってちょっと見づらいかと思いますが、この青い部分が空洞の部分、あるいはそれを冷やすためのクライオスタット、これは魔法瓶ですが、そういったものからなります。したがいまして、コストを低減するためには、この部分を何とかして安くする方法を考えることが非常に効果的ということになります。
 このために、KEKにおきまして、これまでこういった検討をいたしてまいりました。短期的なR&Dといたしまして、数年程度で完成が見込まれるものといたしまして4項目。それから、非常に時間が掛かるもの、10年程度の時間が掛かるものとして2項目。それから、さらにその先のものを検討してまいりました。
 結論から申し上げますと、最初の二、三年でできる短期的なもののうち、A-1とA-2を日米の協力の下で実施したいという結論に至っておりますので、それについてお話ししたいと思います。
 まず、最初、A-1と書いていますが、ニオブ材料・加工の低価格化ということを挙げております。従来、超伝導空洞を作る際には非常に品質の高いニオブ材料を使いまして、それをたたいたり、伸ばしたり非常に複雑な工程を経て、こういった格好の空洞を作るということをこれまでやっておりましたが、この材料を一部、品質が若干落ちるものでいけないかと。
 超伝導材料の品質には、RRRと呼んでいるパラメーターがございます。これは、いかにして超伝導が低抵抗になるかといったパラメーターでございますが、主に不純物がどのぐらい混じっているかで決まります。今までは非常に純度の高いものを使うことにしておりましたが、この純度を若干落として、よりコストの安いものを使えないか。それから、製造方法も、できるだけ簡素化することによって低コストを実現したい。これが最初の項目でございます。
 加工方法の簡素化というのは、ニオブの塊をたたいたり、伸ばしたりするのではなくて、カット、スライスすることによってこういった円盤を作りまして、それをプレスでもってこんな格好、おわんを2個作って張り合わせると、そういう方法でやってみたいと思っております。
 ここにスケジュールを簡単に述べておりますが、まず3セルの空洞を作りまして、実現可能性を検討いたします。引き続きまして、材料を調達いたしまして、最終的に使える9セルという長い空洞を作って性能試験を行いたいと、こういうスケジュールで考えております。
 実際に高周波がためられる空洞の部分には、比較的RRRがよいものを使う必要があると思っておりますが、それ以外の部分に関してはかなり安いもので代用できるのではないかと期待しております。これが1点です。
 もう一つの項目でありますが、これはフェルミラボというアメリカの研究所でもって開発された方法です。超伝導キャビティーの内面に窒素を添加してやることによって、高い電場を得ることができる。あるいは、高Q、Qというのはどれぐらい鋭い共鳴が得られるかというパラメーターですが、この高いQを実現できるということが発見されまして、是非これを実用化することによって、高性能の超伝導空洞を作りたいと考えております。
 具体的には、技術移転、これはフェルミラボでもともと作られた技術ですので、これを頂いてきまして、まず1セル空洞から作る。それから、9セル空洞、最終的には9セル空洞を8個作製いたしまして、性能試験を行いたいという計画でございます。
 こういったことを日米共同で進めるわけですが、フェルミラボ側の中長期の開発計画が発表されておりますので、これに関しても若干御説明したいと思っております。
 まず、加速電場とQという2つのパラメーターが、今回、重要なパラメーターになってまいりますが、これまでTDRで述べられている設計では、加速電場が31.5メガボルト/メートル、Qの値が2×1010と述べられております。
 フェルミラボは、まず第1段階として、この加速電場は変えずに、窒素を添加していくことによってQを上げる。Qが上がりますと効率が上がりますので、冷凍システムが単純化できる、少し簡単になるということがありまして、若干のコスト低減が可能になるだろう。さらに、これを35メガボルトまで上げてやることによって、電場も上げられるということで、11%程度のコスト低減が可能になるだろう。こういったことを二、三年でやりたいというのがフェルミラボの提案です。
 フェルミラボは、それに引き続きまして、さらに加速電場を上げていくという長期的な計画を持っていまして、最終的には10年ぐらい掛けて非常に高い電場まで行きたいという計画をお持ちです。今回は、最初の2項目程度に限って、我々と共同研究しましょうということになっています。その先に関しましては、若干、方針が異なるところもございますが、二、三年に関してはこういった方向で一緒にやりましょうという話をしております。
 共同研究の具体的な内容ですが、この青い部分が私ども日本でやる部分です。緑の部分がフェルミラボですが、技術供与、あるいは作製した空洞を交換してお互いに試験し合うということもございますが、最も大事なのはA-1の項目、つまり安い素材を使うということと、A-2の高電場、高Qの実現は両立するかというところが、実は私どもも大変関心を持っているところでございまして、そこを一緒にやるというところがこの共同研究では一番大きなポイントになると思います。最終的には、2019年、再来年末までには9セル空洞の性能を完全に確認できるところまで作りたいと、スケジュールを組んでおります。
 コスト低減がうまくいけば、どこまで期待できるかということでございます。これも若干、不定性はございますが、A-1、A-2それぞれ2、3%、あるいは8ないし9%の低減が可能であると考えておりまして、これが両立するということであれば10%ないしは12%のコスト低減が可能である。このパーセントにしたときの分母はILCの建設費の総額です。それに対して、10ないしは12%のコスト低減が可能だろうと考えております。
 参考になりますが、これ以外の検討項目も少し御紹介したいと思います。
 まず、入力カプラーといいまして、高周波を空洞に入れてやるための装置です。これも実は非常に形状が複雑でありまして、コストは掛かるのですが、こういったものも簡素化することによって若干のコスト低減が可能であります。あるいは、空洞の内側を処理するために電解研磨という方法を使いますが、この方法を改善することによっても若干のコスト削減が可能であります。こういうことが実はあるのですが、一遍に全ては、何もかもやることはできないということもありまして、また、コスト低減効果がそれぞれ1%前後であるということもありますので、当面これはやらないと。先ほど御紹介しました2点に関して進めることにしております。
 それから、もっと長期的なところに関しましてもいろいろとアイデアがございまして、紙の上での検討は進めておりますが、例えば新しい超伝導素材を用いることによって更なる高電場を実現したい。あるいは、キャビティーの成型方法、今、これはおわんを作って張り合わせるという方法でやっていますが、そうではなくて筒を作って型にはめて圧力を掛けて一気にこんな格好ができないかとか、いろいろと考えておりますが、こういったことを長期計画としては進めてまいりたい。
 ILCに関しては、今、提案しているエネルギーというのはありますが、これを超えるところも将来的には実現したいということだろうと思いますので、そういった際には非常に効果的な方法になるというようなことをもくろみまして、引き続き研究開発を続けてまいりたいと考えております。
 それから、もう一点、ちょっと蛇足かもしれませんが、プラズマ加速というものがございます。これは高周波加速の一種ではあるんですが、高周波の作り方が全く違う方法であります。日本でも研究開発されている方もいらっしゃいまして、こういったことに成功、加速成功したというような報告もございます。中には、こういった新しいものを使ってILCを造った方がよいのではないかというご意見もあるように伺っておりますので、一言申し上げておきたいと思います。
 確かに、加速ができたという報告はございますが、加速の電場勾配としては、従来、ILC等で考えられているよりもはるかに高い、場合によっては100倍ぐらいの加速が可能になるということではございますが、こういった加速ができるということと衝突させられるということは、実はかなり違う問題であります。非常に高いビームの質が必要であるとか、コスト、あるいは電力効率が高くなければいけないとか、いろいろな研究を進めていく課題がございますが、やはり最も大事だと思っておりますのは陽電子の加速方法がないと。電子と陽電子というのは、プラズマの中心にあるのはプラスの電化を持った原子核ですので、マイナスの電気が加速できるからといって、即座にプラスができるというわけにはまいりません。現在、アイデアがあるようではございますが、この原理検証実験を始めようとしている段階と聞いております。
 したがいまして、こういったことがありますので、ILCクラスの大型衝突型加速器を造るためには、更に非常に長期にわたる研究開発が必要であると考えておりまして、当面、ILCのために用いることはできないと考えております。
 まとめますと、A-1とA-2という2項目に関しまして、KEKとフェルミラボの協力の下に研究開発を進めます。ILCの総建設費に対して、10ないし12%のコスト削減を目指してまいりたいと思っております。これは、めどとしては来年末を考えておりますが、最終的に試作品を含めた最終形は2019年末を目指したいと考えております。更なるコスト削減を目指しましたR&Dも、私ども、あるいはフェルミラボで検討されておりますが、これは中長期計画として、将来のエネルギーアップグレードを念頭に置いて進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございます。
 ただいま2件の説明に関しまして、何か御意見、御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。はい、どうぞ。

【中野委員】  フェルミとの共同研究に対する質問ですが、FNAL側の共同研究に対するモチベーションというのはILCだけでよろしいんでしょうか。

【山内機構長】  よろしいですか。

【平野座長】  どうぞ。

【山内機構長】  ILCだけというか、一般的に彼らは超伝導加速技術の開発というのをやっておりますので、そちらもにらんだ上で、主たる目的はILCであると理解しています。

【中野委員】  もう一つよろしいですか。

【平野座長】  どうぞ。

【中野委員】  長期的に、更なる削減を目指してR&Dが行われているということですけれども、例えば建設途中でも開発されれば利用可能な技術なのでしょうか。

【山内機構長】  先ほどはざっくりと10年と申し上げましたが、実際、何年掛かるかというのは、少しやってみなければ分からないところもありますので、ちょっと何とも申し上げようがないんですが、オーダー10年は掛かるのではないかと思います。ですから、建設時期がいつになるかによって、それが使えるかどうかは変わると思います。

【平野座長】  よろしいですか。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【中野委員】  プラズマ加速は、実現にかなり時間が掛かりそうだという御意見を伺ったのですけれども、これはクリアしなくてはいけないブレークスルーが余りにもたくさんあって、そういうものを一つ一つクリアしていくことを考えると、長期にならざるを得ないという意味で、長期とおっしゃっていると理解してよろしいのでしょうか。

【山内機構長】  はい。それが大半ではありますが、実はまだ電離が確立されていない陽電子の加速方法という問題もありますので、ここに関しては開発に時間が掛かるだけではなくて、それが本当にできるかどうかということも今後の課題だと思っております。

【中野委員】  ハイブリッドというか、電子だけプラズマ加速で、陽電子はコンベンショナルという方式は可能でしょうか。

【山内機構長】  片側という意味ですか。そういう可能性もないわけではないです。

【平野座長】  よろしいでしょうか。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。また関連する御報告も続いてきますので、それでは次の御報告も受けながら、振り返って御質問等ございましたら、よろしくお願いします。
 昨年12月に、リニアコライダーワークショップというILC計画に関する国際会議が、1週間の会期で盛岡市にて開催されました。研究者コミュニティーにおける活動の一環として、この会議でも御報告いただきたいと思っております。
 それでは、駒宮センター長、よろしくお願いします。

【駒宮センター長】  どうもありがとうございます。東京大学の駒宮でございます。 これは、リニアコライダーのワークショップの歴史です。このワークショップは、1991年にフィンランドのラップランドで最初の会合があってから四半世紀、次々にアジア、アメリカ、ヨーロッパの3極でずっとやってきたわけで、2016年の12月5日から9日に盛岡でやりました。以前にも1回、岩手県でやったことがございます。1995年の9月です。そのときは盛岡ではなくて安比高原でした。
 これは、昨年の会議のときの集合写真で、合計で350人ぐらい参加しまして、半数以上、外国からいらしてくださいました。
 まず、復習で、リニアコライダーの必要性について少し話したいと思います。
 ここにございますのは、上は電子・陽電子の衝突、ILCです。下は、陽子・陽子の衝突のLHCです。この両方が必要だと、相乗効果があるので両方必要だということなんですけれども、まず電子と陽電子というのは素粒子なので、その衝突は非常に単純で、バックグラウンドが低くて予言も非常に正確です。放射能もそれほど出ないので、非常に理想的な測定器を設計できて、非常に高精度の実験が可能です。しかしながら、丸いコライダーというのはシンクロトロンラディエーションという光を出して駄目だと。したがって、リニアコライダーが必須になるということで、こちらは実験は簡単だけれども、加速器を造るのは難しいです。
 一方、陽子・陽子の方は、陽子というのは非常に重いので、円形加速器で回して非常に大きなエネルギーに加速できまして、質量の非常に大きな新粒子が生成できます。特に、強い相互作用をする新粒子です。そういうものを生成できて、発見できるということが特徴です。しかしながら、陽子というのは複合粒子でもって相互作用が非常に複雑で、高い放射線下での実験、バックグラウンドが高いので、これに打ち勝つ高度な設計技術が必要であり、高度なデータ解析技術も必要です。したがって、加速器は比較的簡単だが、実験及びデータ解析が非常に難しい。
 丸いコライダーがどうしてできないかというのは単純で、電子というのは磁場で曲げられてぐるぐる回っていると、シンクロトロンラディエーションを出してエネルギーを急激に失ってしまいます。その1周当たりで失うエネルギーは、回っている粒子のエネルギーの4乗に比例して、マスのマイナス4乗に比例するという性質があるので、このエネルギーを倍にしようと思ったら16倍のエネルギーを失ってしまう。
 したがって、このエネルギーを補って、より高いエネルギーを得たいという場合には2つ方法がございます。まず1つは、質量を大きくする。そうすると、1周当たりに失うエネルギーは非常に少なくなるということで、陽子を回してしまえというのがLHCです。実験がそれほどきれいではないので、どうしても電子・陽電子衝突をやりたいということになりますと、今度、半径をべらぼうに大きくしなければいけない。最終的には、もう無限にしてしまう。そうすると、シンクロトロンラディエーションが出ないことになって、それがリニアコライダーなんです。
 このぐるぐる回す加速器では少しずつ加速すればよかったのですが、リニアコライダーではこれを一挙にゼロからフルエネルギーに加速してぶつけるので、1メートル当たりの加速勾配を大きくしないといけない。そうしないと、長くなって非常にお金が掛かってしまう。それから、運転時に余りぶつけると、やはり電力が掛かって運転経費が掛かるので、なるべくビームを絞ってぶつける。要するに、ナノスケールのビームサイズです。
 この2つが非常に難しくて、なかなかできなかった。しかしながら、2014年にTDR(テクニカル・デザイン・レポート)、技術設計書が出て、そこにはやはり2つの技術、1つはスーパーコンによるアクセレレーティング・テクノロジーです。もう一つはビームを小さくする。ナノビームということで、この2つが重要であることが分かっています。
 本ワークショップの主な課題は、大幅なコスト削減です。国際リニアコライダー(ILC)は、素粒子実験分野の次期国際的基幹プロジェクトとして、ICFA(国際将来加速器委員会)の議論を経て、認知、推進されてきました。何しろ建設費が1兆円近く掛かるということが、このプロジェクトの最大の問題でございます。
 したがって、研究者は、まず衝突エネルギーを約半分にする。我々はステージングと言っているんですが、ヒッグス粒子の性質の精密測定によって標準理論を超える方向を決定することにまずは集中すべきだと。そのコストは、現在のエネルギーの70%以下になっています。そのほか、先ほど山内機構長がお話になった、スーパーコンのRFなどでの技術開発によって10から12%のコスト削減。そのほかにも、トンネルの形を小さくしたり何なりということを様々いたしまして、全体のコストを半額近くに下げて、ヒッグスファクトリーとして提案できると考えております。(発言者注:ここで言及したエネルギー半分コスト半額近くとは一つの例を示したものであり、最も適切な衝突エネルギーとそれによるコスト削減効果は、これからLCC(国際組織)において半年程度をかけて検討される予定。)
 サイエンスとしては、何しろヒッグスができないとどうしようもない。ですから、240GeVとか250GeVがエネルギーの下限値になりまして、それ以下では意味はないと思います。
 これは、ステージングのポンチ絵です。今の加速器です。真ん中辺に収束制御部というものがございまして、ここは大体5キロで、この横にも共通の部分が2キロ、2キロぐらいありまして、9キロというのは加速器以外の部分です。加速部というのは、こちら側11キロ、こちら側11キロです。その両方を半分にするというと、これで11で、9ですから、20キロです。これからこれにして安くしようということです。
 日米協力を幾らやっても10%から十何%ぐらいの削減しかないので、やはりドラスティックに削減するためには、何しろエネルギーを必要最小限まで下げる以外にない。まず、ここで物理を出して、このプロジェクトをやって成果を上げて、その成果を見てから後ろに加速管をくっつけていって、高いエネルギーまで上げて行くというのが戦略です。
 この240から250GeVというのはヒッグスです。中国の丸い加速器は、50キロとか70キロとか非常に長い距離が必要です。トップクォークまでいくと350GeVで、これはILCではほんのちょっと、24キロです。こちらは100キロぐらい。ここから先は丸いものは不可能です。2つのヒッグスが同時にできると500GeV、30キロ、未知の領域では50キロぐらいまでできる施設を持つ。施設というよりは土地を持つ。今回のワークショップでは、ステージング案で、国際的なコンセンサスを取っていくということを確認いたしました。
 一方、先ほど述べたように、リニアコライダーの大きな利点というのは、長さを延ばせば衝突エネルギーはそれに比例して増強できる。また、技術開発によって加速勾配を上げられれば、更に効率的に衝突エネルギーを上げることができる。これが円形の加速器との決定的な違いです。
 リニアコライダーというのは、小さく産んで大きく育てることも可能でありまして、まずはヒッグスファクトリーの成果を得て、高エネルギーにアップデートするか否かを、将来、判断できるということです。ひとたびトンネルと施設ができれば、将来、長期にわたってサイエンスの成果を出すことも可能でございます。例えば、CERNはISR、SPS、LEP、LHCと、どんどん、どんどん大きな施設を次々と同じ場所に造ってきました。日本でも、KEKでTristan、KEKB、SuperKEKB、これは全部同じ場所です。こういうものを造ってきました。
 ステージングの戦略ですが、最低限の建設コストで大きな科学的成果を上げるということが非常に重要で、そのために国際的に人員、技術を集中させる。それから、最低限の規模でスタートするということで、人的資源の無理のない育成が可能となります。それから、運転経費、これは比較的低いエネルギーなので、オペレーションのお金も安く済むということです。
 将来としては、国際的なサイエンスの求心力は、次にもっとエネルギーを大きくできるという拡張性です。これが必須です。長期的な最先端研究のベースとして、人と技術がそれに集中するように、更なる技術開発、技術革新によってより安価に高い加速効果が得られ、より短距離で安価に高いエネルギーに達することができる。
 ここから先は、ちょっとサイエンスのお話をさせていただきたいと思います。
 まず、ILCのヒッグスの生成ですけれども、250GeVではヒッグスとZというのが同時にできるんです。このZというのは、我々、別途の実験で徹底的に研究してその性質を全部知っているんです。この場合、ヒッグスとZのエネルギーと、その出た方向が分かると、ヒッグスの質量が分かってしまうのです。ですから、ヒッグスを見なくても、これはヒッグスのピークを出すことができます。これは反跳マスというのですが、ですからヒッグスがもしかしてダークマターに崩壊して全く見えなくても、ヒッグス粒子は反跳質量のピークで見えるんです。これが電子・陽電子の特徴です。全てのものが見える。
 一方、CERNのLHCの場合、これはハドロンコライダーなので、作るのは結構難しいのですが、例えばこういうγγに崩壊してきれいなピークが見える。これはバックグラウンドが非常に高いです。従って、SNが非常に低いです。
 我々は、250GeVで十分な科学成果を担保できると考えています。まず、ILCはヒッグスファクトリーから始まって、ヒッグス粒子と、ほかのいろいろな素粒子等のカップリングを全部つぶさに研究しています。ヒッグス同士、これは250GeVでないといけませんが、そのほかは全部です。
 LHCの場合、LHCというのは一番高いエネルギーに行って、新粒子を発見するというのが非常に大きなテーマなので、ヒッグスのプリサイズメジャーメントというのは副次的な研究なんです。大体、ハイルミノシティーLHCで3,000fb-1という非常に大きなデータを取った場合、WとかZのカップリングの精度は3%から5%、それからtとかbとか、そこら辺は5%10%ぐらいになるということです。
 それに対して、250GeVのILCはどうかということです。これは250GeVなんですけれども、bとかτ、この辺が非常に重要です。ここでプロットしていますのは、そのカップリングの標準理論からのずれです。標準理論からどれだけずれているか。要するに、標準理論を超えて、新しい物理があったらどういう現象が起こって、どういうように見えるのかということを、このパターンだけで見ようと。そうしますと、例えばスーパーシンメトリーの場合、bとかτとか、こういうものが少し増えてくるんです。それから、複合ヒッグス、ヒッグス粒子が素粒子ではなく複合粒子だと、これと全く違うパターンになります。
 こういうものを見ると、次の素粒子物理がどういう方向に行くかが比較的明確に分かります。これだと若干エラーが大きいので、250GeVの場合はエラーがちょっと大きくなってしまうのですが、相対的な、例えばWのカップリングとbのカップリングの相対比を見るんです。そうしますと、両方でシステマティックエラーがキャンセルされて、かなりよくなる。これによって、次の素粒子物理学の方向が明確に分かってしまうというのが戦略です。
 リニアコライダープロジェクトのサポートの話ですが、ちょっと社会科の話なんですが、国際研究所建設推進議員連盟というものがあります。2008年に超党派議員連盟としてできまして、これが非常によく機能しております。それから、先端加速器科学技術推進協議会(AAA)、これは産業界のサポーターです。これも2008年にできて、2014年に一般社団法人となって寄附が受けられることになりました。三菱重工、東芝、日立、三菱電機、京セラなどの産業界と学界が一緒になってサポートしているということです。
 このワークショップに、超党派議員連盟会長の河村先生がいらっしゃって話したわけですが、「5月にはILCに関する議論を政府レベルで開始することを日米間で合意をいたしました。その後も我々は文部科学省から日米間での議論の報告を受けておりますが、皆さんも御存じのように、まずは実現に向けての課題として、コスト削減のための日米間の共同作業がスタートすることになりました。さて、日米だけでなく、欧州、そしてアジアに関しても動きが始めています。リニアコライダーは衝突を生む装置ですが、この装置は世界に融和をもたらすものであります。日本は「和をもって尊しとなせ」という言葉があります。この日出づる国・日本より、世界に向けてリニアコライダーという希望の光を世界に届けたい、これが私たちの願いです」とおっしゃって、スタンディングオベーションがありました。
 まとめでございます。
 まずは、エネルギーステージングによるILCのコスト削減です。2016年に盛岡で行われたリニアコライダーワークショップにおいて、500GeVから250GeVに衝突エネルギーを下げるなどによってコストを大幅に削減して、ILCの実現に向けた提案がなされました。中でパネルディスカッションがございまして、そこにおいても議論され、そこでのコミュニティーの賛同を得たので、この具体的な案を半年ぐらいで、技術的な検討を行って、国際的なコンセンサスまでに高めていくということが極めて重要です。
 ただ、科学的成果の担保としては、ヒッグス粒子の詳細研究というのは標準理論を超える突破口である。ヒッグス粒子と、そのほかの素粒子の結合を図ることによって、標準理論を超えて向かう方向を見極めることは可能です。この実験というのは、LHCやハイルミノシティーLHCでの研究とは相補的、要するにお互いがお互いを助け合う、できないところは反対側ではできる。それで、かつ相乗的――相乗的というのは、両方に成果が出たら両方の成果でもって、それ以上の成果が出るということです。
 以上です。

【平野座長】  ありがとうございます。
 ただいまの御説明に関して、何か御意見、御質問等ございましたら。
 それでは、まず中野委員、お願いします。

【中野委員】  まず、250GeV、ILCの到達点についてですけれども、これをすることによって次の素粒子物理の方向が分かるとおっしゃっていますが、ヒッグスのカップリングの精密測定のエラーが、この赤いところが1シグマだとしたら、たかだか2シグマ、1点について2シグマぐらいしか離れていなくて、3点全部ずれていても、多分、3シグマ行かないですよね。それで、モデルを分けるということは、このレベルでできるのでしょうか。

【駒宮センター長】  このリラティブにやったものは、これを合わせれば3シグマ以上です。

【中野委員】  一つ一つは1シグマですよね、赤いところは。

【駒宮センター長】  そうです、1シグマです。

【中野委員】  1シグマ、1シグマで、2シグマずれるだけですよね。

【駒宮センター長】  そうですね。2シグマ強です。

【中野委員】  2乗して、2乗して足して、2を取ったら。

【駒宮センター長】  そうですね。あと、ここにZがありますので、これが重要です。これがずれない。こちらはZがずれる。

【中野委員】  全部合わせると3シグマ。

【駒宮センター長】  全部合わせると、そういうことになるということです。

【中野委員】  たしかこれ、昔も……。

【駒宮センター長】  でも、多分、これはいろいろなパターンが出てくると思うんです。これは、ただ1つのパターンをやっただけで、何しろこれを精査して、どういうモデルが合っているかということをやらなければいけないわけです。多分、スーパーシンメトリーのモデルでも、もうちょっと違う変なパターンになるものもあるかもしれません。しかし、全体としての方向性は、スーパーシンメトリーの方に行くか、又は複合ビッグスの方に行くかというのは、非常に大きな分岐点なので、まずはそれを見るということです。

【中野委員】  もう一つ質問あるんですが、後でします。

【平野座長】  はい。
 では、どうぞ。

【神余委員】  コストダウンのところでちょっと質問なのですが、スライドがありましたね。何枚目のスライドになるのか知りませんけれども、建設予算について1兆円掛かるんだけれども、これを20キロにすることによって、ミニマム計画で約30%削減できると理解しております。他方で、10%から12%のコスト削減というのは、建設費ではなくて、いわゆる運転コストの削減ということですね。

【駒宮センター長】  いや、違います。

【神余委員】  違いますか。

【駒宮センター長】  建設コストです。10%から12%というのも建設です。

【神余委員】  建設コストですか。

【駒宮センター長】  はい。

【神余委員】  そうすると、全体のコストを半額近くに下げて云々とあるんですね。全体のコストというのは、何と何を足したコストなんですか。

【駒宮センター長】  加速器全体のコストです。

【神余委員】  加速器全体というのは、運転コストは入っていますか。

【駒宮センター長】  運転コストは入っていません。

【神余委員】  入ってないんですか。入っていないということは、これには日米協力で10%削減できると書いていますね。それから、ミニマム計画で距離を短くすることによって30%削減するということになりますよね。

【駒宮センター長】  そうです。

【神余委員】  合計40%の削減が、約半額だとおっしゃっているわけですか。

【駒宮センター長】  それだけではなくて、そのほかにトンネルのサイズを小さくしたり、その2つ要素のほかにあと幾つかあって、それで半額ぐらいまで下がるのではないか。半額とは言っていません。だから、50%から60%ということです。

【神余委員】  半額近く下げて、ヒッグスファクトリーとして提案できると書いていますよね。

【駒宮センター長】  はい。

【神余委員】  ですから、半額下げるということは、要するに建設コストを全部で半額にということですね。

【駒宮センター長】  そういうことです。

【神余委員】  なるほど。これは、運転コストはいずれにしても掛かるわけですね。

【駒宮センター長】  運転コストも安くなります。

【神余委員】  この部分の削減というのはできないんですか。

【駒宮センター長】  運転コストは、もっと安くなります。というのは、低いエネルギーなので、そこまでしか加速しなくて済むので、RFは圧倒的に安くなります。

【神余委員】  そうですか。なるほど。他方で、できることは限られているわけですよね。ヒッグスストーリーしかできないと。

【駒宮センター長】  ヒッグスストーリーだけではなくて、例えばWとかZの物理というのは全部できるわけです。

【神余委員】  できるんですか。

【駒宮センター長】  はい。

【神余委員】  なるほど。

【駒宮センター長】  だから、今は一番先端のところだけ言ったので、これはジェネラルパーパスディテクターなので、ほかのいろいろな物理は全部できます。

【神余委員】  できる。

【駒宮センター長】  はい。

【神余委員】  そうですか。
 他方で、下に書いていますけれども、要するに直線のILCだと、ヒッグス粒子は20キロ、トップクォークは24キロでできると書いていますよね。

【駒宮センター長】  はい。

【神余委員】  ということは、20キロにするとトップクォークの方はできないだろうと。しかし、それを延ばすことによってトップクォークから、あるいは、その他未知の領域のものも含めて将来的にはできるようになる。

【駒宮センター長】  そうです。

【神余委員】  とりあえずは、ヒッグス領域だけでまずやってみようと。

【駒宮センター長】  おっしゃるとおりです。

【神余委員】  そういう理解でよろしいですか。

【駒宮センター長】  そういう理解です。

【神余委員】  分かりました。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【中野委員】  素核の作業部会のときにもかなりやり合ったというか、その結果、ほとんどの論点で最終的に1つの意見にまとまったんですけれども、1点だけ意見がまとまらずに両論併記になっているところがあります。それはLHCで新粒子が見つかったときにILCの科学的意義は上がるか、下がるかという点で、一つの意見は、見つからなかった場合はILCの意義は上がる、見つからなかった場合は変わらない。もう一つの意見は、見つかった場合は変わらないが、見つからなかった場合は上がる。そういう両論併記でした。今、こういうワークショップがいろいろ開かれて、ILCを推進されている方々はどちらの意見の方が多いのでしょう。どちらが多いか分からなければ、駒宮先生のご意見を伺いたい。

【駒宮センター長】  LHCで新粒子が見つからなかったときに。

【中野委員】  例えば、250GeV、あるいは500GeVILC、このときは500GeVだったんですけれども、500GeVILCの科学的意義は上がるか、それとも変わらないか。

【駒宮センター長】  それは、当然、上がると思います。というのは、手段がほかにないから。要するに、次のエネルギーステップというか、次にどこに新物理のスレッショルドがあるか分からないわけです。それで、どちらの方向に行くかも分からないわけです。そういうときにやるプローブというのは、プリサイズメジャーメントでもってまず測ってみるということが最初のやり方です。だから、上がると思います。

【中野委員】  多分、これでやっと意見が一致したと思います。たしか上がらないとおっしゃっていたと思うんですが。

【駒宮センター長】  上がらない?

【中野委員】  そのときには。ところで、例えばLHCで新粒子が見つからなかったときに、ILCが進むべき方向は精密測定であるということは、高エネルギーコミュニティーの中でどれだけ認知されていて、どれだけサポートされているのか。そういうことに対して、どれだけ意見の統一が見られているのかということについてお尋ねします。

【駒宮センター長】  実は、それは既に、多分そこにはないと思いますが、2012年、ヒッグス粒子が見つかってすぐのときですね。高エネルギーのコミュニティーで、拡大高エネルギー委員会というものを開きまして、そこで議論したんです。これは、そのときの高エネルギー研究者会議が出した文書なんですけれども、そこにILCの第1期として250GeVのヒッグスファクトリーをまず建設する。これは、今、我々の合意に基づいたやり方でやっているということです。だから、何しろ世界をそちらの方向に持っていこうということをやっているわけです。
 ほかの国の人たちも、500GeVと言っていると1兆円で、全くもうにっちもさっちもいかないかもしれないというものを半分にして、何しろできるところまで下げるということが極めて重要なので、ですから我々の高エネルギーコミュニティーのコンセンサスはこういう形では一応取っております。もちろん、またやらなければいけないと思います。

【中野委員】  もう少しアップ・トゥ・デートというか、LHCの今の状況を見た上で、方向性として、ここはヒッグスの結合定数の精密測定に集中すべきだという意味で、今の状況を見てそういうコンセンサスが得られているのかという質問です。

【駒宮センター長】  それは、高エネルギー委員会というものがございまして、私は今、高エネルギー委員会に入っておりませんが、そこの相原委員長がそういうチームを作って、そういうコンセンサスをその中で持とうという努力をしておって、多分、次の学会のときにその発表があると思います。

【徳宿委員】  補足します。

【平野座長】  どうぞ。

【徳宿委員】  私は、高エネルギー委員会に、Ex-officio(エクス・オフィシオ)で出ていますのでコメントしますけれども、駒宮さんがおっしゃったように、今、お見せになったのはLHCの13TeV実験前の古いものなので、やはり現状を把握した上で、きちんと高エネルギーのコミュニティーとしてどういう方向に進めるべきかということを、まさに議論しているところで、委員会を立ち上げて議論しています。それは、多分、これから数か月の間にきちんとした結果が出てくると思っています。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【観山委員】  スライドのILCステージング型と書かれているところで、私、全然分野が違うので知らないんですが、一番下に書いてある円形(中国)というのはどういう計画なんですか。

【駒宮センター長】  これは、中国で、丸い加速器で電子・陽電子を衝突させるという計画が上がっているんです。それは、CERNのFCCというものに非常に似ているんですけれども、非常に大きな円形の加速器を造って、そこでヒッグスファクトリーを造るという計画がございます。今、R&Dをやっている最中です。

【観山委員】  電子の場合だと、先ほど言われたとおり、円形だとエネルギーロスが非常に大きくて、これは物理的に考えれば非常に簡単なことなので、中国は是非ILCに参加してという方向にはならないんですか。

【駒宮センター長】  こちらにも参加すると言っているんです。

【観山委員】  そうですか。

【駒宮センター長】  私は、ナチュラルに中国も丸ではなくて長いものをほしいといって両方で競争しようと言っているんですけれども、そうはならないんです。

【観山委員】  競争しなくても、是非一緒にやって。

【駒宮センター長】  もちろんそうです。

【観山委員】  天文でも、最初は各国いろいろな計画があったんだけれども、結局、融合して1つのものを造るということなので、これは相当のネゴシエーションが必要ですけれども、是非そういう円形とかは諦めて、一緒にILCに参加してもらうというネゴシエーションを是非するべきだと思います。

【駒宮センター長】  全くそう思います。彼らもやはり両股を掛けているんですね。

【観山委員】  電子を加速するのだったら、物理的には非常に明らかだと思います。
 もう一つ、最後に、シンポジウムをされて、たくさんの方々が海外から来られているのを見て、非常によろしいと思いますが、どうなんですか。各国、実際に国を巻き込んで、人員とか、経費とか、そういうものも一緒にILCでやろうという雰囲気にはなりつつあるんですか。

【駒宮センター長】  そこら辺のところを、これから徐々にやっていくということです。多分、急にはいかないと思います。ステージングという案が出たので、外国の方も、やはり自分たちが出す額がある程度限られるということになったので、より現実性を帯びたと考えます。

【観山委員】  そこら辺は重要なところですので、是非頑張っていただければと思います。

【駒宮センター長】  ありがとうございます。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【京藤委員】  ちょっと素朴な質問なんですけれども、今、言われたのはイニシャルコストなのですが、小さくすることでランニングコストはどの程度下がってくるんですか。前は400億円とか300億円と言われていたのですが、それが何年続くと積算数はかなりの数になるので、そこをどこまで落とすか。

【駒宮センター長】  すみません、ちょっと山内機構長に伺って……。
 多分、前は、500GeVのときは電気代は200億円ぐらいと言っていたんですが、その半額にはならないですね。半額にはならないけれども、例えば百何十億円とか。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  TDRの作業部会の方で年間運転経費を算出しておりまして、500GeVの場合は491億円という形で出ております。

【京藤委員】  それは何が入っているのですか。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  内訳は、光熱水料、保守390億円、労務費101億円という形でございます。

【京藤委員】  それから、もう一点いいですか。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【京藤委員】  距離を縮めるということを言われているんですけれども、立地条件を考えると、31キロから20キロに落としていくということは、要求費用が下がるはずなんですよね。立地条件もかなり緩和されてくるケースがあるんですけれども、これはやはり30キロを前提でやられるんですか。

【駒宮センター長】  もともとは50キロを前提です。

【京藤委員】  50キロね。だから、それは変わらないということですね。

【駒宮センター長】  はい。だから、50キロは取れる場所でないと。

【京藤委員】  駄目だということですね。

【駒宮センター長】  やはり将来性がないと駄目なので、50キロを取れる場所です。

【京藤委員】  目的志向で20キロまで持っていくということはないですね。

【駒宮センター長】  それはないです。

【京藤委員】  分かりました。

【平野座長】  ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【中野委員】  もう一度、科学的意義についてですが、ILCの500GeVのときに、ヒッグスの精密評価測定と同時に新粒子の探索もやはり重要であると。これについてもいろいろ検討を深めないといけないということで、特にLHCで見つかりにくい粒子であるとか、特にダークマター候補であるとか、そういうものに対する探索能力、可能性についてきちんと検討すべきであるということが出たと思うんですけれども、500GeVから250GeVにエネルギーを変えたときに、そういう探索能力はざっと何分の1になるんですか。精密測定については、統計制度が大体倍くらいになっているというのは分かるんですが、新粒子の探索能力という意味ではどういうことになるんでしょうか。

【駒宮センター長】  探索能力というのは、どうやってもペアクリエーションの場合は、そのエネルギーの半分のマスまでしか無理ですよね。

【中野委員】  というか、今ある、例えば理論的な制限とか、いろいろなことを考えると、ただ単に領域が半分になるよりも下がるような気がするんですけれども、そういうことはないでしょうか。

【駒宮センター長】  領域が半分に下がる。

【中野委員】  だから、どこにでもあるというわけではないんじゃないか。

【駒宮センター長】  それは難しいですね。

【中野委員】  難しい。

【駒宮センター長】  それは答えられません。というのは、ヒッグス粒子、要するにスーパーシンメトリーの場合はいろいろなパターンがあって、多分、ヒッグシーノが一番軽いというモデルが今のところ一番いいんですけれども、その場合というのは、マスが比較的どこにあるか、マスがどこにあるか全然分からないんです。だから、その場合は多分、スレッショルドの半分、多分、両方ともスレッショルドの半分だから、見つかる領域は半分になるということですよね。(発言者注:衝突エネルギーを下げることによって期待される物理成果がどのように損なわれるかについては前述のLCCにおいて今後慎重に評価する予定である。結果がでた段階であらためて有識者会議で報告したい。)

【中野委員】  もう一つよろしいですか。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【中野委員】  半分にしろ、下がるわけですので、250GeVのILCを造る際には科学的意義、精密測定の意義というものをきちんと説明しないといけないと思うのですが、多分、物理を専門とされている方以外には非常に分かりにくいと思います。特に、この図をぱっと見せて、これで素粒子の未来が大体分かりますと言っても、どうしてと思うのが自然だと思うのですが、そのことについて何か、もしこれをメインに売っていこうというなら、工夫というか、分かりやすいように説明していくという方向での努力はされているんでしょうか。

【駒宮センター長】  全くそのとおりだと思います。要するに、新粒子というのは比較的アピールするのは簡単なんです。やはりこのように測定をして、それに基づいて次の段階を見るというのは、説明としてそれほど簡単ではないです。でも、今までいろいろやってきた物理の中で新粒子以外、例えばCPバイオレーションとか、ニュートリノオシレーションとか、こういうものは新粒子の発見ではないわけです。そういう大きな成果というのは、今まで素粒子物理で幾らでもいっぱいあったんです。ですから、必ずしも新粒子というものにこだわらなくても、全く新しい、次のステップに行く何か証拠が得られれば、それでよろしいのではないかと思います。

【中野委員】  全く同意するのですが、例えば一般国民に対してそれを分かりやすく説明できるかというところが、やはり重要な感じがします。

【駒宮センター長】  全くそのとおりだと思います。これは、横山先生に是非ともお願いしたいです。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【横山委員】  振られてしまいましたので。
 半額に圧縮されるというのは、非常に大胆な御提案で、皆様の御努力を非常に感じるんです。中野先生の御指摘のとおり、やはりこの規模のものが基礎科学の提案として国民に受け入れられるのかというのは新たなチャレンジなので、十分に注意していく必要もあるかと思います。天文の先生が、よく、国民の皆様から400円ずつ御協力いただきましたというお言葉を使われます。400円ずつだったら、すばる望遠鏡はコーヒー1杯分の支援かと、ある程度納得を持って聞けるのですが、やはりこの規模だとお一人様5,000円とか、1万円とかいうクラスになるので、それが許容できる範囲なのかというのはやはり非常に厳しい、半額でもまだまだ厳しいというのが一般的な感じだと思います。しかも、今、中野先生が御指摘されたように、成果がぱっとは分からないので、なかなかハードルが高いなと感じます。
 そこで一つ質問するとすれば、推進されている先生方は、それを許容されるような国民的議論に発展させていく可能性がこれから十分あるとお考えなのかということが一つ。あと、たとえ高エネで意見をコンセンサスしていただいたとしても、周辺の原子核とか、天文とか、関連の物理系の先生方にも大きな影響が恐らく及ぶことですので、今後、その辺のことをどうお考えになるのかにも併せてお伺いできるといいなと思います。

【平野座長】  今、お答えできる範囲で、まずよろしく。

【駒宮センター長】  こういうベーシックサイエンスというのは、我々の質的範囲を広げるわけです。それは各国共通の宝になるわけです。そうかといって、掛かるお金が尋常ではないというのはよく分かります。しかしながら、今、この値段を半分にすることによって、日本が払うお金はJ-PARCプラスぐらいのお金になるわけです。(発言者注:この比較では外国が建設経費の半分程度を負担することを仮定。)そうすると、そこでのいろいろなサイエンスを比べてみたときに、リニアコライダーのサイエンスと、例えばJ-PARCとか、ほかのサイエンスを比較した場合、遜色ないのではないかと自信を持って言えるということです。
 そのほかに、周りの分野、とりわけ我々の分野に一番近いのは原子核の分野なんですが、原子核の分野とは、このILCを使ってどういう原子核の物理ができるのかというようなことも一緒に検討したり、これを使ってほかの原子核をやる、原子核というかハドロン物理も含めて、そういう検討も一部で行っております。
 あと、宇宙とか何とかは、まさにダークマターとか、その次の素粒子物理の方向にもろに寄るので、スーパーシンメトリーがいるか、いないかが分かるというのは極めて大きなことではないかと思います。

【岡村座長代理】  よろしいですか。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【岡村座長代理】  既にちょっと話が出たのですが、私、不勉強なので確認をしたいと思います。前から、高度化されたLHCの結果を見てから方針を考えるという話がありましたよね。今の状況を見ると、もはや高度化されたLHCの結果はもうはっきり出たから方向を決めようという段階にあるのか、いや、そうではなくて、まだもうちょっと様子を見ないと分からないという状況にあるのか、それはどちらなんでしょう。

【徳宿委員】  LHCの方でRun2実験というものが始まりまして、2年前と昨年とデータを取ってきまして、今、非常に順調にデータがたまっています。それで、今回はエネルギーをほぼ倍に上げるということをしましたので、新粒子等に関する探索ということを、最初の数でもかなり具体的に調べることができまして、昨年夏の国際会議で多くの発表がありました。それを見ると、やはりそう簡単に新粒子は発見されないということが分かりましたので、LHCをやっている側という意見としては、ILCに対するインパクトという意味では、大体もうLHCからのデータは出ているのではないかと思います。

【岡村座長代理】  決着はついたと。

【徳宿委員】  それをどう解釈するかというのは、やはりきちんとコミュニティーで議論した上で評価するべきだとは思いますけれども、もう評価できる時期に来ていると私は思います。

【岡村座長代理】  分かりました。

【平野座長】  ありがとうございます。
 そのほか、加えてご質問等がありますか。はい、どうぞ。

【中野委員】  ILCでの精密測定というのは、ずれのパターンで新しい物理を探すので非常にセンシティビティーがよくて、今までの1つの量だけでスタンダードモデルからの破れを探す実験とはもう根本的に違うとは思うんですが、一番ネガティブな場合を考えて、250GeVILCで、スタンダードモデルからのずれが全く見えない、見えなかったときのインパクトというのはどれぐらいあるんでしょうか。

【駒宮センター長】  全く見えない。要するに、これが全部ゼロのところに行ってしまったということですか。

【中野委員】  はい。それはそれで物すごい驚きなのか、それとも、それはあり得るものなのかというところです。

【駒宮センター長】  それは大変な驚きだと思います。というのは、この次の上の物理がどこにいるか全然分からないわけです。

【中野委員】  駒宮先生が驚きだというのは分かるんですが。
 それと、これはコメントなんですが、僕も、どう言ったらいいか、精密測定の方に焦点を持っていって、価格自体を下げるというのはいい方向だと思うのですが、やはり500GeVと言っていたところから250GeVと、半額になりましたということだけを伝えてしまうと、じゃあ200では駄目なのか、125とか、300はどうなんだと、いろいろ出てくると思うんです。なぜ250GeVを選んだかというところ、1兆円掛かるから、それが大き過ぎるからだけではやはり弱いのではないか。丁寧な説明が必要ではないかと思います。

【駒宮センター長】  ありがとうございます。そのとおりだと思います。
 まず、理由は、ヒッグスとZが同時に生成されるところの、断面積の一番ピークになっているところが250GeVなんです。そこら辺から10GeV違っても余り変わらないと思いますけれども、それよりうんと下がると、もうヒッグスはできないです。ですから、このピークのところに持っていくというのがポイントだと思います。

【中野委員】  上げても、余り得しないわけですね。

【駒宮センター長】  上げても得しないです。

【平野座長】  よろしいでしょうか。

【徳宿委員】  1つ。

【平野座長】  はい、どうぞ。

【徳宿委員】  駒宮センター長の発言の中で、今回、ステージングの議論をしまして、半額ぐらいにコストが下がるということが非常に印象的で、皆さんステージングで半額という形で言っていますけれども、このように非常に大きなプロジェクトのコストというのは、きちんとエスティメートをしてやるべきだとは思うのですが、この250GeVにしたときのコストでエスティメーションというのは、もう一度きちんとやるのでしょうか。やった結果が今、出ている、これはまだプレリミナリーなあれですよね。これからどういうぐあいにしてコストをエスティメートしていくのかということがありましたら、お願いします。

【駒宮センター長】  その70%というのは、もうTDRに載っている文言、数なんです。250GeVにしたら70%に削減されるという数は、もう既にTDRに載っている数なんです。それ以上やろうというのが、今、日米でやっているいろいろなスーパーコン、RFのいろいろなR&D、それに加えて10%強下げるということです。だから、70%というのはもう前から分かっていて、もう一回それを計算したら、多分、もう少し安くなる、もうちょっと下がると思いますけれども、70%はもうTDRに載っている数です。

【徳宿委員】  それは、もうやらないということですか。やるのですよね。きちんとした、ステージングした場合のコストエスティメーションというのは、今後、スタディーをすると思っていてよろしいんですか。

【駒宮センター長】  もちろん最終的には、造るときにはそれをしないとできません。やると思います。

【徳宿委員】  はい。

【平野座長】  ありがとうございました。
 それでは、最後。

【観山委員】  70%とか、半分とかというのはいい方向だと思うので、価値があるステージングということだけれども、そもそも1点、元々が非常に大きな額なので、先ほどちょっと、J-PARCだとか何とかと同じぐらいのレベルとおっしゃったけれども、それはやはり高エネルギー村のお話であって、先ほど横山委員が言われたように、これで日本の未来というか、科術の未来をどうするのか、世界的に集まってどうやるのかということもやはりアピールをしないと、あのオリンピックだって相当な議論をしているわけなので、そういうことが必要ではないかと思います。
 1つ機構長に尋ねたいんですが、我々の感覚から言うと、例えば空洞を1万6,000個作るとかいう形で言うと、このコストエスティメートに量産化の効果というのはもう入っているんですか。100個ぐらいだとなかなかあれでしょうけれども、1万6,000個作るんだったら、最初の試作からだんだん、だんだんコスト削減の効果が出てくるのではないかと思いますが。

【山内機構長】  それは、ある仮定をいたしまして入っておりますが、やってみなければ分からないというところも随分ありますので、今後さらには安くなると思いますが、そのある仮定の部分が入っております。

【観山委員】  なるほど。はい、ありがとうございました。

【平野座長】  どうもありがとうございます。
 まだ議論はあるかと思います。当初、議論をしておりましたところから、コストの関係もあり、今日は、規模を変更した検討を新たに頂いておりますので、委員の皆さんからいろいろな御質問がありましたようなところというのは、中間報告にも出しており、またTDRのお話も出ていますが、TDRでの検討も踏まえて、もう一度これまでの、この有識者会議で議論した内容を、是非、専門家の中でも検討して、反映していただくことが必要であると思っております。それが基礎物理に対するインパクトをどのように出し、国民の方々に理解していただけるのかというところにも関わってくる重要な課題だと思っております。これまでずっとここの会議において、基本の考え方に基づいて、物理的意味も含めて議論しておりますので、是非きょう委員の方から出た意見を踏まえて検討し、また、専門家の研究会において、数か月である回答が出るのではないかということでもありますので、そこ報告を参考にして、ここの有識者会議でも、また更に続いて議論をしていきたいと思っております。
 こういう訳で変えましたという物理的な意味というのは、この委員会の方々はその背景が分かってきておると思いますが、中間報告は出してありますので、それに対してどうなのかという内容を反映した形で見直していただきたい。特に、国民の方々に対して報告をするわけですから、その方々が納得をしていただけるような努力はしていかなければいけないと考えております。是非、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の議題に入っていこうと思います。今後の検討及び新しい作業部会の設置についてであります。これまでの会議においても、必要に応じて作業部会を設置してきて、検討いただいております。また、これまでの議論の方向を確認した上で、必要な場合には新しい作業部会の設置をするということも、ここで皆様方から同意を頂いておりますので、これまでの議論の方向性を確認し、次の作業部会についての提案を含めて、事務局から説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  御説明いたします。資料4を御覧ください。
 これまでの検討事項の整理と今後の検討についてでございますが、まず本会議におけるこれまでの議論の整理でございます。日本学術会議からの指摘、一番後ろに参考がついてございますが、それを踏まえて、第1回有識者会議において示された本会議における検討の論点、これは1枚めくった次の別紙を御参照ください。このうち、(1)(2)及び(3)についてはそれぞれ、素粒子原子核物理作業部会、TDR検証作業部会、人材の確保・育成方策検証作業部会を設置し、主要部分についてより詳細な議論を実施していただきました。それに基づき、2つの報告書を取りまとめていただいております。
 このほか、外部委託調査といたしまして、検討の論点別紙の(5)技術的・経済的波及効果についての調査、それからTDR検証作業部会における検討に関連した調査を実施しております。
 これらを踏まえまして、今後の検討についてでございますけれども、検討の論点別紙の(4)KEK、大学等の関連研究者を中心とする国内体制の在り方及び管理運営体制につきましては、これまで詳細な検討は行ってきておりません。これを主な対象として、体制及びマネジメントの在り方検証作業部会を設置して、御検討いただいてはいかがかと考えてございます。
 なお、検討に当たりましては、関連する外部委託調査として、現在、野村総研に委託をして実施中の大型国際共同プロジェクト等の国際協力事例、例えばCERN、ITER、ALMAといった施設等でございますが、こうしたものの調査分析を今、実施しておりまして、その結果が本年の3月にまとめられる予定でありますので、これも活用してまいりたいと思っております。また、先ほど資料1で御説明しましたが、日米ディスカッショングループにおいても、主な検討事項としてILCのマネジメントに関して関心が示されているところですので、新たな作業部会が設置されれば、そこでの議論は日米ディスカッショングループにもインプットしてまいりたいと考えております。
 続きまして、資料5をごらんください。新たな作業部会の設置についての案でございます。趣旨としましては、今、説明申し上げましが、日本学術会議の所見において示され、本有識者会議において検討することとされた事項のうち、関連研究者を中心とする国内体制の在り方及び管理運営体制について検証し、留意すべき点について専門的見地から検討を行うため、体制及びマネジメントの在り方検証作業部会を設置させていただきたいというものでございます。
 ここでの検討事項といたしまして、ILCに関して国際研究機関の体制及びマネジメントの在り方に関すること、国際研究機関の在り方を踏まえた周辺環境整備に関すること。国際研究機関を我が国に設置する場合の国内における実施体制に関すること等について、御議論を頂ければと考えてございます。
 以上、御検討をよろしくお願いいたします。

【平野座長】  ありがとうございます。
 ただいまの御説明、御提案について御意見ございましたら、どうぞお願いします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、体制及びマネジメントの在り方検証作業部会を設置させていただきます。この件につきましては、作業部会を構成して体制及びマネジメントについての専門的事項について議論を進めていただきたいと思っております。
 その作業部会の座長についてでありますが、この会議の議事運営規則第4条第2項によりますと、作業部会の組織及び運営に関し、必要事項は座長である私が定めるということになっております。提案させていただきたいと思っております。座長については、私といたしましては、元国立天文台長で、ALMA計画等の国際大型プロジェクトのマネジメントに大変御尽力され、貢献された観山委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、観山先生、よろしくお願いします。
 委員の人選や、今後の運営に関する部分については、私と観山座長で相談の上、進めさせていただきたいと思います。次の会議において、皆さん方に御報告できると思っております。よろしくお願いします。
 それでは、最後の議題(3)その他につきまして、事務局からよろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  今後の検討スケジュールについて御説明いたします。資料6を御覧ください。
 本日、2月1日が第6回の有識者会議でございます。今ほどお認めいただきました新しい体制及びマネジメントの在り方検証作業部会につきましては、まず3月頃を第1回開催のめどといたしまして、今後、調整を行いたいと思います。こちらの有識者会議の第7回以降の開催につきましては、新しい作業部会の議論の進展状況によりまして状況を見つつ、検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。

【平野座長】  ありがとうございました。
 あと、きょうの議論については、私の方で事務局にお願いして議事録を作っていただきます。その議事録は、委員の皆さん方にメールで内容確認をお願いするようにいたしますので、よろしくお願いします。その後で、文部科学省のホームページにて公表させていただきます。
 会議資料等について、事務局からよろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  ドッチファイルにつきましては、次回以降も使用いたしますので、そのまま残していただきますようお願いいたします。
 以上でございます。

【平野座長】  それでは、本日の会合をこれで終了いたします。御協力、真摯な御議論、どうもありがとうございました。



―― 了 ――

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-- 登録:平成29年03月 --