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国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 体制及びマネジメントの在り方検証作業部会(第1回) 議事録

1.日時

平成29年3月9日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 本作業部会の議事運営等について
  2. 体制及びマネジメントの在り方に関する議論の進め方等について
  3. これまでの研究者コミュニティにおける検討状況について
  4. その他

4.出席者

委員

観山座長、徳宿座長代理、飯嶋委員、伊地知委員、市川委員、川越委員、佐藤委員、田中委員、中野委員、永宮委員、山本(明)委員、山本(均)委員、横山委員

文部科学省

関研究振興局長、板倉大臣官房審議官(研究振興局担当)、柿田振興企画課長、渡辺基礎研究振興課長、轟素粒子・原子核研究推進室長、吉居加速器科学専門官
三原科学官

オブザーバー

高エネルギー加速器研究機構 山内機構長、東京大学素粒子物理国際研究センター 駒宮センター長

5.議事録

【吉居加速器科学専門官】  それでは、定刻少し前ですが、全員そろわれましたので始めたいと思います。
 これから、国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議体制及びマネジメントの在り方検証作業部会を開催させていただきます。本日は第1回ですので、まず事務局から御説明をさせていただきます。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。この2月1日に開催されました第6回国際リニアコライダーに関する有識者会議におきまして、本作業部会の設置が承認されました。本日はその第1回の会合となりますが、まず、開会に先立ちまして、事務局より2つ連絡事項がございます。
 まず1点目、本会議の座長につきましては、2月1日の有識者会議で指名された広島大学の観山先生にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。委員の選考につきましても、有識者会議の平野座長、本作業部会の観山座長との相談の上でお願いをしたところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 2点目、後ほど本会議の議事運営でも説明させていただきますが、座長とも事前に相談の上、本日の会議は公開といたします。本日はプレス3社から写真とムービーによる撮影の希望がございましたので、冒頭の撮影を許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【吉居加速器科学専門官】  ありがとうございます。
 それでは、撮影希望の方はお願いいたします。
 そろそろよろしいでしょうか。撮影はここまでとさせていただきます。
 それでは、観山座長に進行をお渡しいたしますので、よろしくお願いいたします。

【観山座長】  それでは、国際リニアコライダーに関する有識者会議体制及びマネジメントの在り方検証作業部会第1回を開催いたします。本日は御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本会議の座長を務めます観山でございます。
 私は、分野としては天文学ですので、全然ILC加速器というのは関係ないんですが、国立天文台におりましたときに、アルマや今建設しておりますTMTなどに絡んでおりますので、国際的な学術的協力事業に参加したという経験を少し買われて、座長をやれということでございましょう。どうぞよろしく御協力いただければと思います。
 では、本日第1回目ということでありますので、出席者について事務局より紹介いただければと思います。委員の皆様は、紹介されましたら簡単に一言ずつ御挨拶いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  それでは、本日御出席いただいております委員の皆様を御紹介します。資料2に名簿がございますので、座席表とその資料2の名簿を併せてごらんいただければと思います。
 それでは、名古屋大学、飯嶋委員でございます。

【飯嶋委員】  名古屋大学の飯嶋でございます。今、Bell2実験をやっておりますので、その観点からも何か意見が出せればと思います。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  成城大学、伊地知委員でございます。

【伊地知委員】  伊地知でございます。どうぞよろしくお願いいたします。科学技術イノベーション政策論を専門にしておりまして、政策制度の在り方、あるいはマネジメント等の観点から貢献できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  京都大学、市川委員でございます。

【市川委員】  京都大学の市川と申します。J-PARCの加速器とスーパーカミオカンデを使ってニュートリノ実験等を行っています。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  九州大学、川越委員でございます。

【川越委員】  九州大学の川越です。ILCに関する研究活動並びにアトラス実験、また、J-PARCでの実験も参加しております。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  株式会社東芝、佐藤委員でございます。

【佐藤委員】  おはようございます。東芝の佐藤でございます。私は加速器の製造というか、加速器技術が専門なんですが、入社以来、SPring-8ですとかJ-PARCですとか、そういう大きなプロジェクトのもの作りにずっと携わってまいりました。現在はITERのTFコイル、それからリモートハンドリングシステム、これを現在、私の京浜事業所の方で製造を開始しております。こういった経験から、企業の立場として、こういった大きなプロジェクトがどういうふうに進むべきかということに少しでもお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  続いての量子科学技術研究開発機構の高津委員は、本日、急用で御欠席でございます。
 続きまして、理科学研究所の田中委員でございます。

【田中委員】  おはようございます。理研の田中でございます。播磨の方でSPring-8と日本のX線自由電子レーザー、SACLAの建設プロジェクトに携わってまいりましたので、その観点から貢献できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  高エネルギー加速器研究機構、徳宿委員でございます。

【徳宿委員】  徳宿でございます。よろしくお願いします。素粒子原子核研究所の所長を務めております。それから、実験という意味では、ドイツ及びCERNでの国際実験をこれまでやってきて、そういう経験からの意見を言えたらと思っております。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  大阪大学、中野委員でございます。

【中野委員】  大阪大学核物理研究センター、中野です。よろしくお願いいたします。隣の分野ということで参加させていただいていると思うのですが、ILCは非常に大きな計画で、隣といえども非常に大きな影響があるのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  理化学研究所、永宮委員でございます。

【永宮委員】  理研と高エネ研から来た永宮です。今回はもっと前のJ-PARCのセンター長の立場からということで、よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  高エネルギー加速器研究機構、山本明委員でございます。

【山本(明)委員】  おはようございます。山本明です。これまで約10年間、リニアコライダーについての準備研究、技術開発等を担当してまいりました。また国際協力等について取りまとめを努力してまいりました。そういった観点からお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  東北大学、山本均委員でございます。

【山本(均)委員】  東北大学の山本です。よろしくお願いいたします。リニアコライダーの、特に物理測定器の方に関わっていますけれども、それとは別にBelleの実験にも加わっています。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  東京大学、横山委員でございます。

【横山委員】  横山です。専門は現代科学論・科学コミュニケーションを行っております。出身がニュートリノ実験でございまして、先生方には大変お世話になっておりました。広報マネジメントなどもしておりますので、そうした観点から御協力できたらと思います。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  ありがとうございました。
 本日は13名の委員に御出席いただいており、当作業部会の定足数8名を満たしておりますので、会議は有効に成立しております。
 また、素粒子物理分野の文部科学省科学官、三原智先生にも御出席いただいております。

【三原科学官】  よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  そして、本日の議題3で御発表いただくため、高エネルギー加速器研究機構の山内機構長、それから東京大学の素粒子物理国際研究センターの駒宮センター長にも御出席いただいております。

【山内機構長】  山内でございます。よろしくお願いいたします。

【駒宮センター長】  駒宮です。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  続きまして、文部科学省からの出席者を紹介いたします。
 研究振興局長の関でございます。

【関研究振興局長】  よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  研究振興局担当大臣官房審議官の板倉でございます。

【板倉大臣官房審議官】  板倉でございます。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  振興企画課長の柿田でございます。

【柿田振興企画課長】  柿田でございます。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  基礎研究振興課長の渡辺でございます。

【渡辺基礎研究振興課長】  渡辺です。よろしくお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  基礎研究振興課素粒子・原子核研究推進室長の轟でございます。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  轟です。よろしくお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  私、同室専門官の吉居と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございます。
 それでは、第1回作業部会の開会に当たり、関研究振興局長より一言御挨拶いただきたいと思います。

【関研究振興局長】  このたびは、先生方にはこの作業部会に御参加いただきまして、お忙しいところ、本当にありがとうございます。
 御多忙の折、このILCの関係につきまして、体制及びマネジメントの在り方検証作業部会ということで、限られた時間の中で御議論をいただくことになりますけれども、よろしくお願い申し上げます。
 この場で御議論をいただきますILC計画につきましては、素粒子物理学研究の未知の領域を探る壮大な計画でございまして、その実施の可否の判断に当たりましては、諸課題につきましての慎重な検討が必要なものと認識しております。これまでも科学的意義やコスト・技術面の課題、また、人材の確保・育成につきまして、それぞれ作業部会等も設けて議論を重ねてきたわけでございますが、今回はこの計画を検討する上で重要な要素でございます体制及びマネジメントの在り方という観点で、諸課題につきまして検証を深めていきたいと考えております。
 特に、ILC計画につきましては国際的な協力が不可欠な大型の計画でございまして、各国が参加するプロジェクトとして、体制やマネジメントがどうあるべきか、また、そのためにはどういった課題があるかという検証は、この計画の実現性を具体的に検証する上で重要なポイントとなるものでございます。これらにつきまして、幅広い視点から御議論いただくために、観山座長と御相談いたしまして、この作業部会につきましては、ILC計画だけでなく、ほかの分野も含めた国際大型プロジェクトの事例も適宜取り上げながら、検証を進めてまいりたいと考えております。
 限られた期間の中で、先ほど申し上げましたように、多岐にわたる諸課題につきまして集中的に御議論をいただくことになりますが、よろしく御協力のほど、お願いいたします。

【観山座長】  ありがとうございました。
 それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【吉居加速器科学専門官】  お手元の資料をごらんください。本日の資料は8点となっております。
 資料1が本作業部会の設置について。資料2が委員名簿、資料3が本作業部会の運営規則(案)。資料4が有識者会議におけるこれまでの議論の流れ。資料5が本作業部会における論点イメージ。資料6が今後のスケジュール。資料7が、本日御発表いただく山内機構長の資料。資料8が、同じくプレゼンいただく駒宮センター長の資料となってございます。
 それから、参考資料としまして机上にドッチファイルを置かせていただいております。1ページ目に目次がございますので、ごらんいただければと思います。
 ドッチファイルには13点の資料がとじてございます。特に11番と12番は、有識者会議でこれまでまとめてきた報告書2点でございます。
 それから、13番目にILC Project Implementation Planningということで、後ほど駒宮センター長からの御発表でも触れていただく資料の原文がとじてございますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上、不足の資料がございましたらお知らせ願います。以上でございます。

【観山座長】  それでは、議事に入ります。議題1として、本作業部会の議事運営について、事務局から説明をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  資料1をごらんください。本作業部会の設置要項でございます。読み上げます。まず、本作業部会の趣旨でございますが、国際リニアコライダー計画に関する日本学術会議の所見において示され、国際リニアコライダーに関する有識者会議において検討することとされた事項のうち、関連研究者を中心とする国内体制の在り方及び管理運営体制について検証し、留意すべき点について専門的見地から検討を行うため、「体制及びマネジメントの在り方検証作業部会」を設置する。
 検討事項。1、国際研究機関の体制及びマネジメントの在り方に関すること。2、国際研究機関の在り方を踏まえた周辺環境の整備に関すること。3、国際研究機関を我が国に設置する場合の国内における実施体制に関すること。4、その他関連する事項。
 庶務につきましては、研究振興局基礎研究振興課素粒子・原子核研究推進室において処理するとなってございます。
 続きまして、資料3番をごらんください。資料3は本作業部会の運営規則(案)でございます。ここに書いてあるとおりでございますが、特に重要な部分のみ読み上げます。
 まず第2条第3項、座長が作業部会に出席できない場合は、あらかじめ座長の指名する委員がその職務を代理するとなってございます。
 それから、第3条第1項、作業部会は、作業部会委員の過半数が出席しなければ、作業部会を開くことはできない。本作業部会の委員は14名でございますので、定足数は8名となってございます。
 それから、第5条第1項、作業部会は原則として公開する。ただし、座長が会議を公開しないことが適当であるとしたときは、この限りではない。
 第6条、座長は、作業部会における審議の内容等を、議事概要の公表その他の適当な方法により公表する。会議が終わりましたら、毎回、委員の皆様にメールで議事録をお送りいたしますので、確認いただいた上、文科省のホームページで公表することとしてまいります。
 事務局からは以上でございます。

【観山座長】  ただいまの説明に関して、御意見、御質問は何かありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、この資料3については(案)となっておりますけれども、この形で進めさせていただくということで、(案)を取らせていただきます。
 また、先ほどありました運営規則第2条第3項に基づき、座長が指名することとなっております代理については、こういう観点に非常にお詳しい徳宿委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、先生、こちらに移っていただければと思います。

【徳宿座長代理】  よろしくお願いします。

【観山座長】  それでは、議題2、体制及びマネジメントの在り方に関する議論の進め方等についてということで、まず、第1回でありますので、この親委員会である有識者会議のこれまでの議論の流れと、それから、本作業部会でどのように議論やまとめを行うかについて、委員の間で共有しておいた方がいいと思いますので、これまでの議論の流れや本作業部会での論点、今後のスケジュール予定について、事務局から説明をお願いしたいと思いますので、轟さん、よろしくお願いします。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  御説明いたします。資料4をごらんください。
 まず、これまでの議論の流れですが、平成25年5月に、文部科学省から日本学術会議へILCに関する意義等の審議を依頼しております。同年9月に回答を頂いておりますが、その抜粋が次のページにございます。
 学術会議の総合的所見としましては、ILC計画の我が国における本格実施を現時点において認めることは時期尚早と言わざるを得ない。ILC計画の実施の可否判断に向けた諸課題の検討を行うため、二、三年をかけて集中的な調査・検討を進めること、こういうことが提言されました。
 これを受けまして、文部科学省はILCに関する有識者会議を設置し、平成26年5月に第1回を開催いたしました。
 次の3ページ目をごらんください。
 この資料は第1回有識者会議で示されたILCに関する検討の論点です。このうち、(1)から(3)については、素粒子原子核物理作業部会、TDR検証作業部会、人材の確保・育成方策検証作業部会を設置し、概ね議論がなされた上で報告書が取りまとめられております。
 次の検討課題につきましては、先月1日に行われた第6回有識者会議において議論がなされまして、(4)のKEK、大学等の関連研究者を中心とする国内体制の在り方及び管理運営体制、これについては国際研究機関の在り方と密接に関連するわけでありますが、これを主な対象として、体制及びマネジメントの在り方に関する作業部会、当部会の設置が決定された次第でございます。
 続きまして、資料5をごらんください。
 当部会における論点のイメージでございます。当作業部会では、ILCの国際的な研究コミュニティで作成されたProject Implementation Planning、PIPと略させていただきますが、それから、今年度、文部科学省が委託調査で実施中の「大型国際共同プロジェクト等の国際協力事例に関する調査分析」等を活用して、以下の論点について検証・検討を行ってまいりたいと考えております。
 1つ目の論点は、研究者コミュニティにおけるこれまでの検討、主にPIPですが、これを踏まえた体制及びマネジメントの在り方です。ILCの準備期間と建設及び運用段階では求められる体制及びマネジメントが異なってくると思われますので、それぞれについて御議論をいただきたいと思っております。
 2つ目の論点は、周辺環境の整備でございます。付帯家族等を含む人口規模の想定を検証しつつ、国際研究機関及び周辺環境に求められる住宅、教育、医療、生活支援等の生活環境要件、また、交通、情報通信等の社会基盤要件について御議論いただければと思っております。
 3つ目の論点ですが、仮に国際研究機関を我が国に設置する場合、国内における実施体制の在り方です。国際研究機関への国内研究機関、大学及び産業界等の共同参画の在り方、特にKEK、大学等の関連研究者を中心とする国内体制の在り方について御議論いただきたいと思っております。
 最後、4つ目につきましては、最初に御説明しましたが、現在、文部科学省で委託調査をやっておりまして、CERN、ITER、アルマ、ISS等の国際協力事例における組織体制や意思決定メカニズム、人的・物的・金銭的コストの分担コンセプト、諸リスクへの対処方針等について調査中ですので、これらと比較検証しつつ議論を深めてまいりたいと思っております。
 次ページに行っていただきますと、これは、これまでの報告書等における体制及びマネジメントに関する記述でございますので、今後の議論に当たって御参考いただきたいと思います。説明は割愛させていただきます。
 続きまして、資料6をごらんください。当作業部会のスケジュールでございます。ただいま御説明いたしました論点等について、第1回、本日この後は、これまでの研究者コミュニティーにおける検討状況について御議論をいただきます。第2回は4月7日に、国際研究機関への共同参画の在り方について議論をいただき、第3回は4月24日に周辺環境整備の在り方、それから国際協力事例の委託調査等の報告を予定しております。
 第4回以降は、これまでの大型国際共同プロジェクトの個別ヒアリングを通じて議論を深めていただいた上で、7月頃までに報告書を取りまとめていただくことを想定しております。
 以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございます。
 ただいまの資料4から6の論点について、質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 研究そのものは、ほかの作業部会でいろいろ検討されてきたところですが、私の経験では、この体制とかマネジメントというのは、国際事業になるとなかなか大変なところがありますので、十分な検討をして、もしも大きな計画を進めるということであれば、検討しておかなければならない、1つの大きなポイントではないかと思います。
 いかがでしょうか。どうぞ、佐藤さん。

【佐藤委員】  産業界の立場からということで、お話をさせていただきます。
 資料5の論点のイメージの中で、3番に大学及び産業界等の共同参画の在り方の検討と、ここに産業の文字が出てくるんですけれども、実際にもの作りとなりますと、これは日本の各企業への発注、そしてスケジュールの管理、コストの管理、納期の管理ということが発生するわけです。それで、しかも国際協力ですと、さらに他の国に対してどういうふうに発注というか、どう調達するのか、これは今やLHCのときもやっている、ITERでもいろいろな形があると思うのですが、そういうものがこの4番の人的・物的・金銭的コストの分担コンセプトですとか、諸リスクへの対処方法等と、こういうところに包括的に議論として含まれるというふうに理解してよろしいでしょうか。

【観山座長】  そうだと思いますが、そのときには是非、貴重な御意見を頂ければと思います。

【佐藤委員】  ありがとうございます。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  あと、PIPの方にも産業界に関する関わり方の記述がございますので、今回に限らず、今後の回で機会があれば取り上げてまいりたいと思っております。

【佐藤委員】  よろしくお願いいたします。

【観山座長】  よろしいでしょうか。
 どうぞ、永宮さん。

【永宮委員】  平成27年の、中野さんがやっておられた人材の確保とか育成方策検証作業部会というのは、この部会でやることとかなりオーバーラップしているのではないですか。違いますでしょうか。

【観山座長】  中野さん、何か。

【中野委員】  もちろん、関係するところはあると思いますけれど、ここでは、それより、そこに入る人をどう育てるかということよりも、体制そのものとかマネジメントとかについて議論するのだと思います。もちろん、そういう人材が要るということは前提だと思いますが。

【観山座長】  適宜、また人材作業部会での検討も御紹介いただければと思います。
 ほかによろしいですか。
 それでは、次の議題3番目、これまでの研究者コミュニティーにおける検討状況についてという議題に入りたいと思います。本作業部会における議論のスタートとして、ILC計画についてこれまで行われてきた体制及びマネジメントに関する議論についてお話を伺いまして、議論を行いたいと思います。
 まず、ILCの準備段階における組織の在り方とKEKの対応について高エネ機構の山内機構長より説明をいただき、質疑を挟んで、ILCの組織運営の在り方などに関するこれまでの国際コミュニティーでの検討について、東京大学の駒宮センター長より説明をいただきたいと思います。
 それでは、まず山内機構長、よろしくお願いいたします。

【山内機構長】  山内でございます。ILCを実施する場合の組織とか運営体制について、これまで、研究者サイドとしてどのような検討をしてきたかというのを御説明するのが、私と、隣にいらっしゃいます駒宮先生のきょうの役割だろうと思っております。特に私の方は、学術会議からの御質問といいますか宿題の中にもございましたように、KEK、あるいは国内大学がどのように関わっていくかというところについての検討についてお話ししたいということですが、ILCを実際に実現する場合というのは非常に大きな話でございまして、そこに対してKEKがどういうふうに関わっていくか、どういうふうにKEKの組織とILCの組織をつないでいくのかという検討に関しては、甚だ不十分でございます。
 ということで、きょうは準備段階、これはILCがゴーになったとしても、実際に建設を始めるまでには4年程度は必要であるという検討結果がございますので、その4年程度の間において、KEKがどういうふうにILCに対応していくのかというところにフォーカスいたしまして、説明をさせていただきたいと思っております。
 これからするお話というのは出典が幾つかございまして、ここに挙げられている3点に主に基づいております。特に3番目は、KEKの中でどのようにILCの実現につなげていくかということを検討するワーキンググループというのを一昨年の夏に立ち上げまして、去年の1月に答申を得ております。この答申に基づいてのお話というのが半分ぐらいの割合を占めます。
 まず、ILCに関する現在の組織とその発展の方向性ということを簡単に御紹介しておきたいと思いますが、この上にあります組織図は、現在のILCを進めている国際的なコミュニティー、研究者サイドのコミュニティーの組織図でございます。一番上にICFAというのがありまして、これはIUPAPという組織の中の1つのコミッティでございまして、加速器科学に関する将来計画に関するコミッティでありまして、これは高エネルギー物理学等の研究者の中では一番高いレベルにあるコミッティでございます。
 この下にLCBというのがあります。これはリニアコライダーボードと呼んでいますが、リニアコライダーを進めていくための委員会というのを設けまして、ここが中心となってリニアコライダー計画を進めていると。それから、その下にLCCと呼んでおりますが、実際にリニアコライダーに関する研究開発、あるいはプロジェクト推進を進めていく機関を設けておりまして、その下でILC――CLICというのはリニアコライダーでありますが、CERNが提案している別のリニアコライダーなんですが、これに関するもの、それから測定器物理といったことの検討を進めている組織がございます。それから、FALCといいまして、各国の財政支援機関が情報や意見を交換するためのミーティングというのが年2回ほど開催されておりまして、ここと連絡をとりながらやっているということなんですが、実は、これはあるところから借りてきた組織図なんですが、これは線が書いてあるのですが、恐らく、この線は正しくないだろうと思います。つまり、FALCというのはどこにもつながっていないものではないかと私は思っております。
 それから、この下には、今後どういうふうに発展していくだろうと期待しているかというのをまとめたものでございますが、実は、このLCBとかLCCと申しましたが、これには前身といいますか、以前の名前がございまして、ILCSC、ILCのステアリングコミッティ、あるいはGDEという言葉がございまして、ほぼ同じものだと思っていただいていいと思うんですが、名前が変わったということで、少し混乱があるかと思いますけれども、同じものだと思っていただいて結構です。
 今、リニアコライダーボードが中心となりまして進めているわけですが、ある時点、これは国際的にリニアコライダー計画の本準備を始めましょうという合意が出来上がった時点ということになろうかと思いますが、この段階でILC Pre-Labという何らかの組織を立ち上げたいと。ここでもってILCの本準備を進めると。その後、正式なILCラボラトリーというのを立ち上げるという二段構えで進めていくのがよろしかろうというふうに考えられております。
 次に、このILCの組織を検討していく上での指導原理というものを幾つも挙げておりますが、その中で重要なものをかいつまんで御紹介したいと思います。
 まず第1点目は、世界に開かれたものであること。ILCの学問的成果というのは人類共通の財産であるという観点で、ILCへの参加の機会というのは、関連する研究者全てに対等に与えられるべきであるという大前提を置いて考えましょうというのが指導原理の第一番になっています。
 それから、法的立場というのはなかなか難しいところもあろうかと思いますが、明確な法的立場というのを持ったような組織を作らなければいけない。どこまでかというのはこれから御紹介いたしますが、いろんなことがあるわけですけれども、明確であるということは非常に重要であると考えられております。
 それから、この計画というのは、一旦動き出しますと非常に長期間にわたる、20年ぐらいだと思いますが、非常に長期間にわたって、その期間の安定性というのが大変重要である。例えばどこかの国が抜けたから、そこで頓挫してしまうなんていうことがあっては困りますので、そういったことがないような長期安定性を保証しましょう。ある意味でこれと矛盾することかもしれませんが、短期的な機動性も同時に必要である。何らかの方針変更が必要になった場合において、それを参加国等できちんとサポートして正しい方に持っていけるということが、非常に機敏に動けるという仕組みが同時に必要であるということがありまして、これも指導原理の一つとして持っているべきであろうと。
 4点目といたしまして、ILC以外の高エネルギー物理学研究機関の健全性という問題がありまして、これは実は大変重要なことだと思っておりますが、大きな研究機関ができて、周りの国々から研究者が来て研究するのは結構なんですが、そうすることによって、ほかの国々の研究機関が成り立たなくなってしまうということが起こり得るとすると、全体としては非常に大きな損失だろうという考え方がございます。ですから、参加各国におきまして、科学を文化として尊重する姿勢というのをきちんと持ち続けてもらう、それから同時に、研究の活性や注目度を同時に維持する仕組みを持ち続けましょうと。これはILCができたときに、ほかの国でも同じように研究活動が続けられるというのはなかなか難しいとは思いますが、少なくともこういった文化としての科学、あるいは研究機関の活性や注目度をできるだけ維持する方向というのは、仕組みに組み込んでおく必要があろうというふうに議論されております。実はこれだけではありませんが、この4点ぐらいが非常に大きな指導原理として、組織、あるいは運営を考えていくのがよろしかろうと議論されております。
 もう少し具体的に、国際研究組織の運営を検討するに当たりまして、どういうアプローチをとるかということがございます。これは非常に重要な3項目、組織の法的な位置付け、それから物品調達方式、雇用形態という3項目について、それぞれどのようなやり方があり得るかということを考えた上で、それをどういうふうに組み合わせると理想的な組織ができるかというアプローチで議論をされております。
 ここに挙げましたのは、この3項目はほぼ独立であるというところから、三次元の空間であると思って見て、いろんなモデルというのがこの空間のどこに位置付けられるかということを議論していくのがよろしかろうというのがこの図なんですが、簡単に御説明いたしますと、まず、組織の法的位置付けです。これは非常に強いものから非常に弱いものまで何種類もございまして、一番強いのが条約に基づくような組織。これは長期安定性、予算の確保を保証する上では最も適したものですが、一方において、これを形作るまでにはやはり相当長い時間が掛かる場合があるだろうと。
 それから、その対極にありますのが研究機関間の協定。これは研究機関の間でMOUを交わしまして共同研究を進めましょうというのが日常的に現在でも進めておりますので、こういったものの延長としてやるという方法もあり得ると。ただ、この場合では短時間で設立できるというメリットはございますが、法的位置付けというのは全くないに等しいわけでございまして、弱いというのが欠点です。
 中間的なものとして有限責任会社という形態もあろうかと思いますが、この場合でも、短期間で設立が可能という長所は残したまま、こういった単なる協定によるものよりは少し強いものができるだろうと。ただ、その場合にはホスト国の法律によるものが、制約が非常に強くなってまいりますので、そういったところで問題が発生する可能性もあろうと。これが、X軸と書きましたが、この軸とお考えいただきたい。
 それから、Y軸と書きましたが物品の調達方式、これは大きく2つございまして、1つはお金を出し合ってもらって、集めたお金でもって物を買ってきましょうと。これはもちろんいい点もありまして、部品を1か所で調達するわけですから整合性が確保できます。あるいは価格も安くできますといういいところがあるんですが、一方、オンサイトで全てやるということになりますので、オンサイトの負担が非常に増えます。
 逆に、物的貢献、各国で作って持ってきてもらいましょうというやり方もありますが、これは各国にとって非常にメリットがありまして、もちろん各国の国内産業の育成につながりますし、技術の蓄積という点においても大変有用であるというメリットはございますが、各国で作ってきたものが本当にきちんとつながるんですかという懸念は残るというところで、こういったやり方を検討すべき必要がある。
 次にZ軸としまして、これも大事な点だと思いますが、人が非常にたくさん集まる場合に雇用形態をどうするかです。参加機関から派遣してもらうというスタイルがありますが、この場合、ホストが雇用に関する諸問題から解放されるのは大きなメリットでありますが、人事管理の二重化でありますとか、Maroon問題というのは、実は私の知らない語彙なんですが、辞書にも、実はGoogleを引いてもないんですが、どうも島流し問題ということのようです。つまり、雇われたところから実際にILCを作るところに人が来ていると、もちろん、給料は払い続けられるんだろうが、ほかに当然得られるべきであろう、人事上のいろんな配慮みたいなことはなくなるということではないかなと、これは想像が入りますけれども、そういった問題が起こり得るということです。
 それから、もう一方で直接雇用というのがありますが、十分な予算が確保されれば、これは理想的な方法ではありますが、一方、年金をはじめとする様々な雇用に関わる問題というのが、ホストで解決しなければいけない問題になりますので、ホスト側の負担というのは非常に大きくなるということがあります。また、雇用形態というのは各国のいろんなスタイルがありますので、特に日本のような終身雇用中心であるというのとどのようにマッチさせるかというのは、これは慎重な検討が必要だろうと思います。ということで、この3つの軸でもって、この空間でいろんなモデルがどこに来るかという議論ができますというのがこの図でございます。このM1からM5までの5つのモデルについて議論を進めてきたという経緯がございます。
 今、M1からM5というふうに申し上げましたけれども、M1というのはこれです。このモデルというのは、実は条約に基づいて国際組織を作りますと。しかもお金を集めて、それで物品や人的資源を確保しますという非常に強い組織のモデルでございまして、これはCERN様(よう)モデルというふうに申し上げていいと思うんですが、非常に強い運営の形式です。一緒にやるのが当たり前ですねみたいな国々が集まっているようなところではこういったものが成り立つんだと思うんですが、ILCでこういったものを成り立たせるというのは相当大変かなという印象はございます。
 それから2番目としまして、M2というのはここにあるモデルでございますが、これは有限責任会社を作りまして、それから財政的な貢献、in-kind貢献、これを適宜振り分けまして、物品や人材の確保を行っていくというモデルでございまして、これはヨーロッパのXFELのモデルに近いモデル、XFEL様モデルといっていいかと思います。
 それから、3番目というのはここです。条約に基づく国際組織を作るんですが、もう少しお金のことを緩めて、in-kind貢献による物品の確保を中心としまして、ただ、雇用に関しては直接雇用が中心ですよと。これはITER様モデルといっていいんだろうと思いますが、こういったようなものも実際に可能であろうと。この場合には、カウンシルというのが非常に強い決定権限を持っているものがあって、その下で、カウンシルの権限委譲を受けたディレクターとディレクトレートが運営していくというモデルになっているかと思います。
 それから、もう少し現実的なモデル4というものなんですが、ここにあるものです。これは多国籍ラボという名前で呼びたいと思いますが、中心となるホスト研究機関というのが1つありまして、参加研究機関がたくさん参加してくると。これらの間のMOUをベースにして運営していくという形態です。それから、ホスト機関に各研究参画機関が支所、支店を設置いたしまして、ここをベースにしまして、出向してきた方々が共同して活動しましょうと、こういうモデルになります。この場合でも、カウンシルというのはMOUに基づいて最終の意思決定を行いますというモデルです。この場合、さっきも申し上げましたけれども、二重人事管理とか島流し問題といったようなことをどう整理するかというのが課題になろうかと思います。あるいは、人の流動性をどういうふうに確保するかというのもやはり検討すべき課題だと思います。
 モデル5というのは、このモデル4の多国籍ラボをさらに発展させて、もう少し堅い、法律的な枠組みに持っていくというものでございます。といったようなものの中で、もしILCが実現する、特に準備段階についてどういうのが適当かという議論になろうかと思いますが、これは先ほどお見せしたものですが、この出発点というのが非常に重要だと思っておりまして、どの段階、何をもって出発点とするかというのは多少定義が難しいところがございますが、各国合意の下で本準備段階を開始しましょうというのがどこかに来ると。それをもって何らかの準備を行うものを発足させる。これはT=0、原点であるという考え方でよろしいかと思います。これはまた後で規模等についてもお話しいたしますが、この規模は、それほど大きくはない、数百人程度であるということですので、この各国合意を頂いた後では、しっかりした運営基盤を作るというよりは、まずは機動性を持ったものとして出発するのが適当だろうというふうに考えられております。したがいまして、先ほどのM4という多国籍ラボというモデルで始めるのが適切ではないかというふうに考えられております。
 これはM4ですが、このM4で発足した上でどういう形態をとるか、M3的なものに発展するのか、あるいはM5的なものに発展するのか、いずれにしてもより法的基盤の強いものに、どういう形態でもって持っていくのかという検討を、Pre-Labの中で行うということによって、最終的にはILCラボの性格を明確にしていくというやり方がどうかというのは検討されております。
 これから先、少しKEKのことをお話ししたいと思いますが、まずはKEK内でのILCの検討体制ですが、2つの側面がございます。1つは研究開発という側面がございまして、ここでは現在のKEKの、KEKというのは4つの研究所、研究施設からなっておりますが、そのうちの3つの中に、比較的小規模ではございますが、研究開発を進めていくグループというのがあります。こういったところが中心となってILCの研究開発の進めておりますが、一方、プロジェクト推進という立場では、私が室長を務めておりますが、ILC推進室というのがございます。ここではワーキンググループが6個できておりまして、有識者会議から頂いた様々な宿題に対応するということをしておりますが、このうちの1つにアクションプランワーキンググループというのを作りまして、ここではゴーサインを頂いたと仮定しまして、その場合、どういうふうにKEKが発展していって、ILCの準備を行っていくかということを主に検討したワーキンググループがございます。
 その答申の中から幾つか御紹介したいと思いますが、今ここにお見せしているのは、どういった項目の検討がさらに本準備期間に必要になるのかというのを整理したもので、このワーキンググループの提言では、現在は予備準備期間と定義しております。これでゴーサインをもらった段階で、本準備期間という、P1からP4とありますが、これは4年間という意味です。4年間でもって、こういった項目を実施していくと。そうすることによって、さらにこの後に建設期というのが進められますよというのが、このワーキンググループの提言の非常に大きなところでございます。加速器設計、超伝導空洞、ナノビーム、陽電子源、施設、共通技術といったものが検討項目なんですが、それに加えまして事務管理といいますか、管理部門の体制をどう整えていくかといったところも、実は本準備期間にやらなければいけない非常に大きな項目であろうと思っております。
 この本準備期間にどのくらいの人が必要なんだというのを見積もったものがこの表でございまして、これは見方が難しいんですけれども、加速器、施設、共通というふうに分けてあります。そのほかに管理部門的なところという分け方をしてありまして、上と下というのは、上が日本の人間の数です。下にあるのは外国から参加してくれている人の数という整理になっておりまして、現在は全部ひっくるめまして77人程度の人がいますという意味です。これを4年間の本準備期間ではこのように増やしていきまして、最終的には280人程度まで増やした上で、建設期、これはさらに人が必要になりますが、400人とか、あるいはもっと進みますと1,000人近い人が必要であるという格好になってくるというものです。それぞれどういった留意点があるかというのはここにまとめてありますので、後ほどごらんいただければと思います。
 これは、実は同じものをもう一度描いたものなんですが、横軸が年です。縦軸が建設準備に関わる研究者・技術者の数というものでございまして、ここが準備段階。グラフが2本ありますが、下が日本で雇用される研究者・技術者の数です。上が、海外からの者を含んだものという数字です。何か本準備期間の開始についての合意が頂ければ、ここから本準備期間を開始するということで人数を書いたものですが、これと比較したいのは、現在のKEKの加速器研究者・技術者の数です。これは現在190人おりまして、幾つかのプロジェクトに分かれているというのが現状なんですが、これは同じ高さと、スケールでもって書いてあります。
 実は、これはちょっとデリケートな話になってしまうんですが、本準備期間がいつ始まるかによっては事情が大分違うということがございます。つまり、今各プロジェクトを非常にかんかんになって皆さんやっていらっしゃるというところに、ILCに移りますなんていうことはできっこないわけでございまして、私がKEKの中で繰り返し申し上げているのは、現在のプロジェクトを止めるとか、あるいは中途半端にするというふうにしてILCに移すつもりはないと、これは明確にお伝えしております。ただ、どのプロジェクトも未来永劫続くわけではないので、次にどうしましょうかという議論が必ず出てくるという中で、ILCをどう入れていくかといいますか、どう移行していくかという議論がなされるべきであると考えておりまして、そのようにお伝えしていますので、ここでも同じスタンスでお話しさせていただきたいと思います。
 したがいまして、本準備期間がいつ始まるかというのが実は非常に重要な問題でございますが、時期によっては、KEKから、最終的には七、八十名の経験を積んだ研究者・技術者が参集する可能性がございます。その場合、これを見ていただくと、さらに五、六十名の研究者を業務委託も含めて確保することによって、KEKがPre-Labのホスト機関、中心機関になるということが可能になります。これを仮想的シナリオと呼ばせていただきます。仮想的というのは、本準備期間の開始時期によって事情が随分変わってきますということを暗に言って付けた名前だとお考えいただければと思います。
 では、これをどう実現するかということでございますが、私は、これは比較的見えているのではないかと思っています。KEKでは、現在多国籍ラボ事業というのを行っておりまして、これはKEKで行われている様々な研究活動に対していろんな国が参加してくださっていますが、これをいかに支援していくかという枠組み作りだというふうに申し上げていいと思うんですが、多国籍ラボ事業というのを既に始めておりまして、これは外のメジャーな研究機関と相互に、分室を設置いたしまして、そこでもって相互にサポートし合うと。KEKからも、例えばヨーロッパのいろんな研究に対して参加している人たちがいますが、そういったところと相互にサポートし合うという体制作りだとお考えいただければと思います。こういった基盤もございますので、これを拡張といいますか発展させる形でもって、多国籍ラボとしてのPre-Labを実現するということは、さほど大きな抵抗はないのではないか、バリアはないのではないかと思っております。
 その仕組みですが、KEKには既に大きな国際的な研究グループが幾つもございまして、例えばT2KとかあるいはBelle 2というのがございますが、こういったところでは既に数百人規模の研究者が参加するような国際コラボレーションというのが、比較的日常的に動いておりまして、このPre-Labの規模も、人数的にはこの程度でございますので、これが非常にいいモデルになろうと。これを拡張、あるいは発展させることによってPre-Labが実現できるというふうに考えております。
 財政支援機関レベルでの準備組織というのは当然必要になるんだろうと思いますが、Pre-Labの一部としまして、組織運営を検討する部門が必要になってくると思いますが、こういった部門が、財政支援機関レベルでの組織というのと協力しつつ、建設のヘッドクオーターの役割を担っていくんだというふうに考えております。
 組織の形態の例ですが、これはT2KとかBelle 2とか、現在やっております研究の例でございますが、代表者がいまして、これはお金を出してくださっている政府などの財政支援機関の代表者からなる監視委員会というのが必要だろうと。それから機関代表者会議、執行委員会というのがありまして、その下で技術検討開発をやっていく部門と、推進していく部分というもの活動すると。そういうシンプルな形態でもって数百人程度のPre-Labは十分運営していけるんじゃなかろうかというふうに考えております。
 ただ、これを実施していく場合にも、幾つも課題がございまして、これも全部尽くしているとは思いませんが、4点ばかり挙げさせていただきますと、現在の研究計画を、どの部分をどの時期に移行するのかというのは非常に大事な問題でありまして、もちろんKEKの研究者だけではなくて、国内外の研究者コミュニティー、それから海外からは随分財政的な支出もしていただいていますので、財政支援機関を含んだ、非常に大掛かりな議論が必要になります。
 この議論をいつ始めるかというのも実は大問題でありまして、ゴーサインを頂いてからやったのでは遅いと。ただ、それも2年も3年も前から始められますかというと非常に難しいです。ここもなかなか頭の痛い問題ではあります。
 それから2点目としまして、五、六十人の新人加速器研究者を一遍に育成するということをどうするかというのもなかなかの問題でありまして、本当は、増員が必要となる何年か前に採用して、既存の加速器施設でもって経験を積んでもらうということが大変有効なんですが、その場合には、ゴーサインを頂く数年前にはやるよと、ゴーサインの前にやると言ってもらうというのは矛盾していますけれども、そういったことがないと、これはできないわけなので、それもどういうふうにして進めるかというのは、なかなか頭の痛い問題です。
 3点目、管理部門、KEKでは管理局と呼んでいますが、この増強、それから多言語化への対応というのが必要になってまいりまして、広報、知財、輸出入管理、計算機関連資源等々の技術支援も含めたような支援体制、あるいは管理部門の体制というのを強化する必要があります。こういったものを強化して、それが将来のILCラボでもそっくり生かせるという仕組みを整備していく必要があろうかと思います。
 それから、これも非常に重要な問題の4点目なんですが、Pre-LabがILCラボに移行したという後にKEKは一体どうするんですかということがあります。これはKEKがILCラボの中でどういう役割を果たすかというのと同時に、現在のKEKキャンパスというのをどういうふうに活用して、新しい研究につなげていくんだということを検討しなければいけないということがあります。これ以外にも幾つも検討課題があろうかと思いますが、こういったことに関して、これから検討していくということでございます。
 私からの御説明は以上でございます。

【観山座長】  ありがとうございました。それでは、質問、御意見を頂ければと思います。どうぞ、中野さん。

【中野委員】  モデル4で始めて、それからモデル3、あるいはモデル5に強化されるということだったんですが、多分、7ページがいいかと思うんですけど、モデル4とモデル5の違いが余り分からなくて、どちらも物資の調達は現物支給で、雇用形態としては出向ということなんですが、条約で何を強化するのか、その条約の中身について、もう少し詳しくお伺いしたいのと、条約を結ぶ母体は何か。それは研究機関なのか、それとももっと大きな国のレベルなのかということについて、どういうイメージをお持ちかということを御説明いただきたいと思います。

【山内機構長】  条約は、当然国が結んでいただくものでありまして、M4というのは非常に身軽で出発しやすいというところで、準備段階ではこれでよろしいと思うのですが、実際に長期にわたってILCを運営していくというときには、やはり長期安定性というのは非常に重要だと思っております。ですから、それが保証されるような条約を交わしていただいた上での研究所を持つということが最適なのではないかとは思います。こちら、左に移行するというのは、法的基盤を強化するということですので。

【中野委員】  その中身としては、MOUで約束していた、約束の確度というか、約束の度合いを高めるということだけでいいんでしょうか。

【山内機構長】  このM4の段階での約束というのは、恐らくは準備をこのように進めましょうと、何年掛かりでこういうふうにして、お金をどういうふうに出し合って進めましょうというような合意だと思うんですが、このM5、あるいはM3に至っては、それは本番のILCの建設を含んでいますので、非常に大きなお金をどういうふうに分担し合いましょうかということから、運営をどうしましょうかということまで、非常に多岐にわたるきちんとした政府間合意というのが、M3、M5に関しては想定されているものです。

【観山座長】  ほかにいかがですか。

【佐藤委員】  質問というか、気付いたことなんですけれども、Pre-Labが立ち上がるということで、そのPre-Labに単位で五、六十人の新人加速器研究者の育成の問題というのがございます。Pre-Labが立ち上がって、これのアクティビティーが始まると、いろいろ企業との関わりも出てきて、そうすると、企業にとって研究者の方はカウンターパートが絶対必要になって、やはり基礎研究から実際の物作りまで物を流すときに、どうしてもあるレベルのカウンターパートナーがいないとなかなかうまくいかない。
 ですから、こういうものが立ち上がるということは、企業側もそういうカウンターパートを用意、それがいなければならなくて、それをどうやって企業にモチベーションをつけて、そういうカウンターパートを、しっかり育成して、そういう人たちの先ほどの評価、立ち位置を明確にしていくかということも実は重要だなと。逆に、これを見て、研究者側の組織が増えるということは、メーカー側もそれをしっかり受けとめられるようにならなきゃいけないということを改めて気付かされました。すみません、質問ではなくコメントです。

【観山座長】  御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
 はい、どうぞ。

【山本(明)委員】  今のに対しては、後で駒宮先生の方から出てくるかもしれないんですけれども、各国の研究機関という考え方に対して、産業界は世界共通であるという考え方もあると。そうすると、日本の企業と外国の企業のカウンターパートとか、そういうことよりは、コンソーシアムを組むということはあるかもしれないけれども、カウンターパート的というのではない考え方をした方が、より健全なのではないか。要するに、各国が分担した側においても、どこの世界の企業さんに対しても相談ができるし、入札があった場合に参加いただけるというモデルが一応検討はされていると思うので、後から説明があるんじゃないかと思うんですけど。

【佐藤委員】  分かりました。もちろん、世界どのメーカーも一緒だというのは理解していますけれども、カウンターパートと言っているのは、やはり対話をする人間、何というか、組織的とか、そういう話では余りなくて、やはり研究者の方と同じ土俵で話ができるレベルの企業の人間。いきなり全くほかのことをやっていた方が四、五十人、四、五十人じゃなくても何人か増やすということでぽんと来ても、そこはなかなかうまくスタートできないのかなということがございまして、それの準備は必要かなという意味で、今申し上げました。

【観山座長】  ありがとうございました。
 はい、中野さん。

【中野委員】  指導原理のところで質問なんですが、初めの3つはよく分かるんですけど、4つ目のILC以外の高エネルギー物理学研究機関の健全性の確保というところが少し分かりにくくて、具体的にどの研究機関を考えてらっしゃるか、もし名前を出していただけたら、名前を幾つか出していただきたいと。その中にKEKは含まれますかというのが質問です。

【山内機構長】  何か例があるといいんですけれども、特にヨーロッパはCERNという一番大きな研究所がありまして……。

【中野委員】  CERNは大丈夫なようが気がするんですよね。CERNはILCができても大丈夫なような気が。

【山内機構長】  違います、CERNができたときにですね。

【中野委員】  ああ、ごめんなさい。

【山内機構長】  周辺にもいろんな研究所があったわけですが、それぞれもきちんと独自の研究成果を出してやっていらして、それぞれにちゃんとアピールしているということになっていると思うんですよ。それと近いことやらないとだめだなというのが、この4点目の中身だと思います。

【中野委員】  例えば、核物理研究センターとか。

【山内機構長】  核物理研究センターは、ちょっと違った分野で、ちゃんと存在意義を出してらっしゃるので、この懸念の対象にはならないんじゃないかと思いますが。

【観山座長】  要するに、ILCができたとすると、日本もそうですが、参加する国が相当の拠出金を出すとすると、自国でやっているような高エネルギー関係のものに対して影響がないようにしたいということですね。

【山内機構長】  影響がないことはないことはないかもしれません。

【観山座長】  ないことはないと思いますけどね。

【山内機構長】  何らかのうまい方法で、ちゃんとそれぞれの研究機関というのも目立っていけるような方策を考える必要があろうということです。

【観山座長】  伊地知委員。

【伊地知委員】  ありがとうございます。1つはコメントで、2つは質問です。また、建設運用段階のお話があると思います。そこに関係するところは置いておきまして、まず1つは、資料の3ページで、関係する機関の組織図、線が正しくないとおっしゃっていたんですが、これはどちらかというと事務局で、これからの議論に向けて、ここに挙がっている機関のメンバーシップであるとかタームズ・オブ・リファレンスですとか、それを規定するドキュメンツだとか、ディシジョン・メーキング・プロセス、それを整理していただいた方がいいのかなと思います。
 それから、質問の1つ目は、5ページ目にありました軸で、それなりにいろいろ検討されていることが分かったんですが、組織の法的位置付けで有限責任会社とあるんですが、これはどちらかというとヨーロッパの大陸側の、恐らくドイツとかが背景にあるのかなと思ったんですが、例えば、我が国の状況に照らした場合に、社団法人、財団法人、そういうようなことも入り得るのか、それとも、それとは明確に民間の会計的な観点から、制約がより少ないであろうこととして、明確に有限責任会社となっているのか。そこのところがどういう議論であったのかというのがお伺いしたいところであります。
 それからもう1点目は、準備段階で、KEKの中で多国籍ラボ事業ということで、KEKがホストするような形の組織形態が構想されているんですが、それ以外に組合形式、関係する機関が寄り集まったようなところは想定されていないのか。それは別の言い方をすると、KEKがやるということは、何かがあった場合にはKEKの中で、全部ある種の有限責任ということになるわけですが、組合方式だと、参画している機関のそれぞれの無限責任という形になると思うんですね。そういったところで、そういうことも比較考量しつつ、やはり、まず準備段階はKEKの中で収まるような方がいいという案になっているのかどうか、その点についてお聞かせいただければと思います。

【山内機構長】  まずは御質問の第1点目ですが、大変申し訳ないですが、私は有限責任会社と社団法人と何とか法人が、法的な制約がどのように違うのかというのをちゃんと御説明できませんので、今、モデルとして出ているのは有限責任会社ですけれども、これが社団法人ではだめかという御質問に対しては、申し訳ございませんが、お答えできません。
 2つ目の点ですが、やっぱり機動性というのは準備段階で非常に重要であろうと思っておりまして、ですから、来るのも早くできなきゃいけない。それから、4年間でいろんな準備をやるためには、それを非常にうまく回転して、本準備期間の準備段階みたいなものはほぼないようにしなければいけないだろうと思いまして、そうしますと、やっぱり中心となって旗を振るような機関というのはあった方がいいのではないかと。もちろん、ILCというのは国際的に対等にやるものですから、ILC自身はどこかが旗を振ってやるというものではないと思いますが、準備期間においては、やはりどこかが旗を振ってやるというスタイルをとった方が機動性が優れていると思いまして、今おっしゃったような組合的なものよりは、誰かがホストとなってやるというやり方がよいのではないかと私は思っております。

【観山座長】  まだ質問続くと思いますが、田中先生に聞いて、駒宮先生のお話を聞いて、またもう一回、全体の話がありましたら。
 田中さん。

【田中委員】  2つお聞きしたいことがあります。1つは、11ページのPre-Lab実現の仮想的シナリオについてです。ここでも仮想的と書いてありますし、かなり言葉を選ばれていて、可能性があると、ならないかもしれませんよという書き方です。11ページの左の図にあるように、KEK約200名の陣容の中で、ILCの研究開発に携わっている人が意外と少ないという現状があって、それは今走っているいろいろなプロジェクトがパラレルにあるということにもよっているのかもしれませんが、私、加速器が専門なので感じるのですが、その辺の、実際のKEKの、現在働いている方々のコンセンサスといいますか、こういう方向性がどれだけ共有されているのか、現実としてこういうふうになる可能性がどの程度あるのかというのが1点。
 それと2点目ですけれども、前に戻りまして3ページの、ICFAの図をお示しになられていると思います。私の情報ソースが間違っているのかもしれませんけれども、CERNのCLIC、CERNで3TeVを目指して開発しているCLICの実際のテスト施設の運用が、私が聞いた限りでは今年で終了するというふうに聞いております。それはDESYの関係者とかCERNの関係者とかからも直接聞いているのですが、そういう状況で、まだCLICのR&Dというボードは残るんでしょうか。それとも私の聞いていることが間違っているのか、この2点でございます。

【山内機構長】  では、2点目からお答えしたいと思うんですが、CLICというのは幾つかのフェーズに分かれておりまして、今CTF3というフェーズをやっていると理解していますが、そのフェーズが終わるという意味だと思います。CLICそのものがなくなるというわけではなくて、ある1つのフェーズとして定義したものが終わりますということだろうと思います。ですから、CLIC自身がなくなるわけではありません。

【田中委員】  そういう理解ですね。

【山内機構長】  はい。

【田中委員】  今のフェーズが終了して、また次のフェーズがどこかから開始される可能性があると。

【山内機構長】  はい。
 それからもう1点ですが、今御質問のあった点は、実は非常に難しい点なんですが、それぞれのプロジェクトは、やっぱり非常に少ない人数の中で皆さんやっていただいていまして、それぞれに対して非常に強い思い入れを持ってやっていただいているという現状があります。ですから、その中で自分はここまでやったら次はILCだねという一般的なコンセンサスがあるわけではないと思います。ただ、さっきも申しましたけれども、プロジェクトというのはいつまでも続くものではない、必ずどこかで転機が訪れるんですということは繰り返し申し上げていまして、その中で次はどういう方向に進んでいくんだというのをちゃんと議論するのが、むしろ健全ですよということに関しては理解をされていると思います。

【田中委員】  ありがとうございました。

【観山座長】  それでは、まだ質問、コメントあると思いますけれども、ILCの組織運営の在り方などに関するこれまでの国際コミュニティーでの検討について、東京大学の駒宮センター長より説明を頂き、議論をしたいと思います。
 駒宮先生、議論の時間は十分とりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【駒宮センター長】  それでは、ILCの組織・運営の在り方などに関するこれまでの国際コミュニティーでの検討というお話をしたいと思います。東大の駒宮でございます。
 まず、我々の分野、素粒子物理学実験分野ですね。高エネルギー物理学の分野とも申しますが、それの最も高いレベルの国際委員会が、このICFA(International Committee for Future Accelerators)でございます。この組織は一番上にICSU(International Council for Science)というのがあります。その下にIUPAP(International Union of Pure and Applied Physics)があります。このIUPAPのコミッション11というのが実は素粒子の理論と実験のコミッションでございまして、これの11番目のコミッションですね。それのワーキンググループとしてICFAというのがございます。
 これは大研究所の所長と研究コミュニティーの代表の集まりでございまして、現在の委員長はヨアヒム・ムニックというDESYの方です。委員長はアジア、アメリカ、ヨーロッパで、3年ごとの交代でやっています。現在の日本の代表は、ここにいらっしゃいます山内さんと東京大学素粒子センターの森さんのお二人ですね。
 このICFAはILCに関する重要な提言を幾つか行ってまいりました。現在のICFAのメンバーは16名で、CERNのメンバー・ステートのヨーロッパから3人、アメリカから3人、ロシアから2人、中国1人、日本から2人、カナダ1人、それからIUPAPのコミッション11の議長、あとはそのほかの国というカテゴリーがありまして、そこから3人、合計16人ということです。それプラス、セクレタリーですね。ここには世界の大規模加速器研究所の所長が全員入っております。
 これが、ICFAがILCに関して最近出した提言ですね。これの訳が下にございます。訳を読みます。
「ICFAは、日本にリニアコライダーを建設することを実現するための国際コミュニティーの努力に大きな進展があったことを記録に留めることを喜ばしいことであると考える。世界の主たる加速器研究所の所長を含むICFAが、ILCを建設する世界的な技術力の評価を行っていく。」これはグーグルの訳みたいで下手ですが、私の訳なので失礼いたします。
 その次は、これは2014年6月、バレンシアでの国際学会のときの提言ですね。「ICFAはヨーロッパ、アジア、米国が作成した素粒子物理学の国際的に連動した戦略的計画を承認する。ILCは技術開発が成熟した段階にあり、新たに発見されたヒッグスボゾンを高い精度で研究する先例のない機会を提供する。ICFAは、ILCに対する支持をここに再確認する。加えて、ICFAは、LHCよりもさらに高いエネルギーの陽子・陽子衝突を究極の目的とした、円形コライダーの国際的な研究を引き続き奨励する」ということです。
 これは私のコメントとして、ICFAはILCをプロジェクトとして推奨しており、円形コライダーはまだ技術開発の段階で、それとは差別化しているということになります。
 現在のILCを実現するための国際組織というのはここにございまして、ここに今申し上げたICFAがございます。ICFAがこのリニアコライダー・ボードというのを立ち上げて、そのリニアコライダーの下に実働部隊であるリニアコライダー・コラボレーションというのがあります。これは、2013年にこの組織ができまして、今年の1月に新しい組織になりました。
 ここはもともと私が議長をやっていたんですけれども、現在の議長はローザンヌ大学の中田先生、それからリン・エバンス、このディレクターと副ディレクター、ここら辺は変わっていませんが、ILCの本設計はKEKの道園さんが中心になって、それからフィジックス&ディテクター、ここはもともとそこにいらっしゃる山本均先生がここをやっていたんですが、今はジム・ブラウという人がやっております。
 ILCに関する過去の歴史に関しては、2014年6月24日のILCに関する有識者会議の素粒子原子核作業部会で私が話したスライドのその前半をごらんください。これはILC MEXTとグーグルでやると、これに関するものが全部出てきますから、それのこの作業部会の資料というのに載っております。
 2013年6月に、GDE、これは前の組織ですね、がまとめたTDR(技術設計書)が出版されて、これにProject Implementation Planningというのがございます。これはガバナンスとかマネジメントに関するレポートでした。2014年にリニアコライダー・ボードが、これは私が議長だったときにTDRのPIPを見直して、日本がホストになった場合を想定して、それに特化した文書に更新するために小委員会を発足させました。その小委員会の委員長というのはブライアン・フォスターというオックスフォード大学の先生で、この下にはESSの所長だとか沖縄のOISTの学長、この人はもともとはSLACの所長だった人ですね。それから、元KEKの素核研所長などなどの研究者又は元研究者で構成された小委員会がこれを議論して、新しい文書を作りました。
 2015年4月のリニアコライダー・コラボレーションのPAC(Project Advisory Committee)、議長はSLACのホルトカンプという人です。PACでこの文書は正式に認められました。
 本作業部会の趣旨に照らして、本日はここに書かれている内容を主に御説明いたします。これがPIPの章立てでございます。本日お話しするのは、この2章で、これは立ち位置ですね。それから3章、ガバナンス。それからファンディング・モデル、それからプロジェクト・マネジメント、インカインド・コントリビューション・モデルですね。本当は、このIndustrialization and Mass Production of the SCRF Linac Components、ここも話したかったんですけど、ここはセンター・オブ・マス・エナジーが250GeVに特化しますと、いろんな数値が変わってまいりますので、ここは本日は話さないことにいたします。
 まず第2章ですね。これは、2013年に出版したTDRにはProject Implementation Planningが含まれておりましたが、これは日本がホストになることを仮定して書き直しました。多くが元のバージョンから変わりましたが、ILCの組織的な管理、ガバナンスの原則は変わっておりません。これは国際的に開かれた組織であり、法的に堅実な法的基盤を持っていて、長期的に安定であって、それから短期的には敏捷性を持って、知的財産の適切な割り当ての原理がございまして、これは先ほど機構長がおっしゃった素粒子物理学研究所の存続の担保ですね。これは、このリニアコライダーラボというのは非常に大きいので、ほかの研究所の研究員とか何とかをみんなここで雇ってしまったりしたら、それはまずいわけで、そのためには出向していただいたりして、元々の研究所はある程度きちんと担保されて、ILCラボを作るということですね。
 それから、次のPIPを書くに当たっての立ち位置というのが極めて重要で、これは世界の素粒子物理学者コミュニティーは、組織管理上若しくは政治的な知見を必要とする政府間の問題を審理する適切な組織が我々自身ではないということは十分に自覚しております。このPIPの目的というのは、したがって、素粒子物理学のコミュニティーが今までの経験に基づいて、実現性があって、許容できると考えられる解決法を提案して、新しいILC研究所の管理運営体制を打ち立てる役割を持つ政府であるとか行政機関が考えるときの参考にしていただきたいというものでございます。
 その次がガバナンスですね。これは管理体制。まず、ILC研究所の任務は、先例のない精度で物質や宇宙の構造を解き明かすための加速器と実験装置を提供することが任務であって、もちろん、ここにはセンター・オブ・マス・エナジー、ルミノシティなどなどの数字が入ります。ILCは完全に国際的な組織として、最も費用効果が高く、柔軟で、透明性の高い管理体制を目的とするということです。
 法的地位ですが、これはITERのような国際条約を基盤として、付加価値税ゼロ、輸入評定などの特権を持つホスト国の明確な曖昧さのない権利と義務を条約に書き込むということでございますが、ここでは条約をベースとするということを言っていますが、これが本当に可能かどうかというのは、実際はまだ分かりません。
 例えば、米国が条約に合意する場合の制約というのを考えますと、政府間の合意を得るということが非常に重要になってまいります。アメリカの場合は現在、DOEはマルチラテラルのMOUの締結さえも難しいという状態なので、それが条約というものをやるというのは結構難しいことではないかと思います。
 それから、ホスト国はほかに対して特別な役割がございます。すなわち、ある国の特殊な法的要求、それから税制、輸入関税などの免除を加えるような場合というのは、注意深く国家間の合意をまず明確化すべきだと。これが、ブルーの部分はPIPの中でのコメントで、緑の部分は私のコメントでございます。
 運営形態ですが、これはCERNが参考になると思いまして、まず評議会(カウンシル)というのがあります。これが最終決定機関であって、その評議会というのは、その役割は、任務(ミッション)や最終目標が、いかにどこまで財政計画に基づいて達成されたかをモニターすることでございます。カウンシルは自身の権威をもって規定時間内にその属する政府に尋ねるようなことをしないで、自分で判断できる十分な地位を与えられるべきであると。
 これはどういうことを言っているかというと、あまり細かい判断までそれぞれの政府に聞いて回っていると、それだけで時間がかかってしまって、政府からその答えが戻ってこない場合もございまして、そういう場合に非常に時間がかかるというので、そうではなくて、ある程度の権限を持って、ですから、結構高いレベルの人に出ていただきたいということですね。
 この機能が働くように、評議会は高い地位のサイエンス・ポリシー、加速器の設計、建設、運転の委員会の勧告を受けなければならない。ILCの執行部(マネジメント)に関しては、評議会が、所長(ディレクター・ジェネラル)と経営陣(ディレクトレート)、これを確定するということです。DGというのはこれのチーフ・エグゼクティブであって、評議会に対して組織全体の経営責任を持つ。DGは、評議会に戻さなくても決定ができる重要な権威をカウンシルから負託されるということです。それから、DGの選考はカウンシル議長が中心になって、サーチコミッティを作って、公募されて選考されるべきであるということです。
 それから、ILCのディレクトレート、これはお金と人員の担当のディレクター、加速器の専門家、物理・測定器の専門家、それから計算機や情報行政に精通した専門家が必要だろうと。これらのメンバーは、DGがカウンシルに提案してカウンシルが承諾する。合意できない場合はDGの案が優先されます。
 その次は、これ最近のいろいろなプロジェクトからの経験に基づいたコメントです。まず、ディレクター・ジェネラルの権限ですが、カウンシルからDGに対して十分な権限が付与されていない場合、DGが十分に統制することができないことが非常に大きな問題となっております。
 それから、ディレクトレート及び職員の人事なんですが、DGのすぐ下のディレクトレートの選考というのですが、これはただ単にメンバー国のバランスを取ることよりも、優秀な人材を採用するべきであると。もちろん、ただし、長い時間スケールでは各国のバランスというのは重要である。それより低い階層の人事は、各国の貢献度に比例してのバランスを取るべきでしょう。しかし、ここでも常に優秀な最適な人を雇うべきである。
 それからもう1つ重要な点は、カウンシルの多数決の原則です。これは、全会一致を要求するためにカウンシルが麻痺状態になってしまうことがある。全会一致というのはもちろん希望的な目的ではございますが、各国の意見というのは必ずしも一致しないで、有力な国の反対があったとしても、カウンシルがそのプロジェクトの進展を期すためには多数決が必要です。
 CERNは多数決で決した例が過去にあって、それがCERNが成功している要因になっている。もちろん多数決というのは、3分の2とか過半数とか、そういう数値的なディテールはあるかもしれませんが、何しろ全会一致ではなく、多数決でやるということです。
 それから次は財務モデルと財務協議会、ここは主に財務モデルの話です。財務カテゴリーは3つありまして、土木、インフラ整備、それから加速器、実験用測定器ですね。初めの土木、インフラというのは、大体これはホスト国が担う。あとの2つはほとんどメンバー国のインカインド、これは現物出資の貢献になります。現物出資のほかに現金が必要です。それはコンティンジェンシーとかコモンファンドが必要なためです。これはマネジメントがメンバー国に要求して管理する。
 コンティンジェンシーというのは、これは予期せぬ出費のための予備費、これは、もし必要なときはDGがカウンシルの了承を得て、プロジェクト開始時に取り決めた額、例えば全体コストの10%、これを要求する権利を持っている。これはもちろんマンダトリーじゃないですが、こういうのがあった方がよろしいだろうということです。
 次はコモンファンドです。これは、全てのプロジェクトでは中央の基金というのが非常に重要で、例えば、素粒子実験では大型のマグネットとか実験ホールの様々な設備、これはコモンファンドで普通払います。加盟国が、例えば技術的に魅力がないので、インカインドとして入札ができないものも多分コモンファンドにするということですね。ホスト国を含む加盟国からの独立性を保つために、例えば、トップマネジメントの給料や経費もコモンファンドから払うということが必要になります。
 それから、ホスト国の財政モデルですが、ホストには大型で長期のプロジェクトに対する相当な額の経済的な負担というのがございます。また、土地の確保とかインフラ整備とか中央研究所の土木工事等々にお金を支払うことを期待されております。なおかつ、ホスト国が超伝導空洞のような高度の技術に関しても、ほかの国と同等な貢献をしたいと考えるならば、その貢献というのは全体で50%になってしまう。ホストの貢献が何%になるかという数値はもちろん、政府間の交渉によって、財政当局がお決めになるものでございます。ホストもハイテクの機器をインカインドで負担したいという場合は、この土木工事なんかに使ういろんな負担を減らす。そのためには、可能であれば土木工事の機械なんかをインカインドにして分担することも考えられます。
 それから次はオペレーションの経費です。オペレーションの経費は、これは幾つか階層がございますが、もともとはICFAの原則というのがございまして、運転費はホストが負担するというのがもともとの原則でした。これはどうしてかというと、こういう加速器のようなものがございますと、ホストには大きなベネフィットがあるわけです。したがって、原則はホストが分担するということだったんですが、リニアコライダーのような超大型の計画に関しては、それは無理で、これはやっぱりメンバーが分担にするということがICFAで決定されております。
 それからプロジェクト・マネジメントなんですが、ここは3つございまして、セントラル・プロジェクト・チームとホストと、それからメンバー・ステートという3つがございます。このセントラル・プロジェクト・チームというのは、非常に重要でございまして、この役割が非常に大きい。これは先ほど申し上げましたように、インカインドのハードウエアと現金の両方を提供するというのがメンバー・ステートの役割でございます。
 ちょっと省略いたしますが、次はインカインド・コントリビューションです。これは、ハイテク機器なんかはほとんどインカインドでやるわけですが、現物供与でやるわけですが、世界のいろんな大型の計画では現在ほとんどこれでやっている。リニアコライダーは、このスーパーコンダクティング・システムというのは同じ部品が繰り返されているので、比較的インカインドにすることに向いています。
 インカインドに関しては、juste retourという原則ですね。これは要するに、お金を払った分だけその国の企業の割り当てとなるというものですが、それをすると、全体のコストが不可避的に上昇するということがございまして、何かそこに競争原理的なものを働かせるというようなことも大事かと思います。
 まとめでございます。ILCに関して、我が国の素粒子物理学研究実験の研究者コミュニティー(高エネルギー物理学研究者会議)が検討して、国際的にも研究者コミュニティーが検討を行って、ICFAがILCに関する提言を今まで幾つか出してまいりました。2015年には文部科学省のILCに関する有識者会議の中間答申というのが出まして、それに対する手紙をICFAの議長が有識者会議の議長に送って、これは有識者会議の方々に文部科学省から配付していただきました。
 ILCの体制及びマネジメントの在り方に関しては、Project Implementation Planningに書かれていまして、2015年には日本がホストになることを想定して、新しいものに書き直しました。
 ガバナンスやプロジェクト・マネジメントの形態は本来、政府や行政が決定するものでございますが、その参考にしていただくためにこういうものを作ったんですね。ガバナンスはCERNの組織をお手本として、最高決定機関カウンシル、それからディレクター・ジェネラルの関係を議論して、プロジェクト・マネジメントはこれを踏まえて、セントラル・プロジェクト・チーム、それからホスト、それからメンバー・ステートの関係を議論した。ここでは強力なセントラル・プロジェクト・チームが必要だということが結論です。
 それから、財務モデルに関しては、コンティンジェンシー、コモンファンドなどの現金が必要で、そのほか、みんなインカインド・コントリビューションによる。その基本というのはjuste retourでございますが、その原則に競争原理を加えて、コストを下げる工夫をすることも必要かもしれません。
 以上でございます。

【観山座長】  どうもありがとうございました。随分いろいろ具体的な面も含めて、よく検討されていると思いますが、まず私の方から。
 カウンシルというか、ボードというか、そういうものが最高意思決定機関になるんだと思いますが、多分、財政的な基盤というものに依存して、カウンシル並びにディレクター・ジェネラルとの関係というのはいろいろあると思うんですよね。例えば日本とかアメリカの場合には、毎年毎年、予算を獲得していって、ILCならILCの予算が決まってくるという状況と、ヨーロッパみたいに、ある程度各国の分担金で割と長期的なビジョンができるようなシステムでは、やっぱり現実的な問題はよく考えなきゃいけないと思いますし、あと、非常にいいことを書かれていると思いますが、今の予算の中ではコンティンジェンシーだとかという部分はなかなか日本の中では難しい面があります。非常に重要だと思いますけれども、そこら辺は今後、ここら辺も議論していかなきゃいけないことと思いますが、いかがでしょう。
 どうぞ。

【横山委員】  ありがとうございます。駒宮先生と山内先生、両方に非常にシンプルな質問なんですけれども、全ての議論の大前提が、今、座長もおっしゃられたように、国際条約がうまくいったことを前提にした議論となっていますが、ITERのような国際条約を基盤としてスタートするというのが、どれほど現実的なのかというところはよくよく御議論いただくことが必要だと思います。
 こういうのはコミュニケーションの問題や国民の理解というのとも直結する問題でございますが、ITERがたとえできたとしても、エネルギーミックスの中では勝ち残れず高くつくとか、サイエンスの魅力がどれくらい強いかという議論、また、アメリカのような国が大統領が代わるときに大掛かりに考え方を変える中で、どういうふうに取り込んでいくのか。ITERのようなモデルをモデルにしていいのかというところは、もう少し深めていただくといいのかなというふうに思います。
 以上です。

【観山座長】  では、永宮先生。

【永宮委員】  お二人からお聞きして、雑駁とした意見ですけれども、1兆円に上る計画をする場合には、物理のニーズというのが一番最初に来て、それがどういう風に定義されていっているのか。要するに、学術会議で見たときはまだちょっとLHCの結果を見ないといけないんじゃないかとか、そういう意見がたくさんあったわけですけれども、そういうことでもどうしてもすぐにやる価値があるのか。
 2番目に、価値があって、1兆円と言ったら失礼かもしれませんが、そのお金を出すとしたら、日本一国でできるわけはないので、少なくも何箇国か、2か国か、3か国か、そこはどういう風な人がどういう風に分担しているのか。というのは、僕はアメリカとかヨーロッパで1か国ずつぐらい、本当にやりたいという人が出てこないと、できないと思います。要するに、まずはお金ですね。マネジメントで一番重要なのは、やっぱりお金をどういうふうに采配するかということです。
 それから人ですね。僕は1,000人ぐらいはどうしても必要だと思うので、どういう風に供給されるのかとか、国際的にどうなっているのか。
これは天文の方なんかはうまくやっておられて、まず最初、国際的に何%か決めてしまうんです。私の国は30%やります、別の国は25%やる、それに向かって人や概算要求を、それが認められるかどうかは別としても、そういう目標を持ってやっておられます。そういう国際的な目標みたいなものをきちっと立てていかないとできないと思います。かなり進展はされているんだと思いますけど、昔、私が調べたときはリソースがそんなには豊富でなかったような気もしますので、その辺どういうふうに進展していくのか、そこら辺をちょっとお答えいただけませんか。

【観山座長】  今、重要なことを言われて、多分お答えもなかなか一言では難しいと思いますが、今までに学術会議から受けて、作業部会、先ほどの資料4にありますけれども、特に今、一番最初に聞かれたほかの加速器との関係については、素粒子原子核物理作業部会の報告書を読んでいただければ、少し学術会議のレベルから作業された部分もありますけれども、確かに先生言われるように、初めに何%かというのを各国が分担して、それで獲得していくというのは、我々の分野でもそんな形で進めてきたわけですが、何かお答えがありますか。今、永宮先生、3つ質問されましたけど。

【駒宮センター長】  何%を分担するというのは、それは研究者がやることじゃないんですよ。それは国際的な話し合いがあって、このぐらい大きいものだと、やはり政府間の話し合いが初めにあって、それで決まっていくものなので、そこを最初から研究者が何%って決めてしまうのは……。だから、我々はある程度50%とか言っていますが、それは研究者の立場でもって、本当に決めるのは政府です。

【永宮委員】  いや、僕の言っているのはちょっと違いまして、各国である程度お金を配分される額が分かっているわけじゃないですか。その中で、どれぐらいを目指すかということは、重要なことです。それをしないと、政府間の交渉で決まると言われると、多分できないと思います。これだけのことをやりたいというのを、例えばアメリカの研究者がDOEのファンディングの中でどれだけ自分たちは取ってこれるかとか、そういうことを目標に動かないと、国と国の間の関係だけでこれはできるものではないと思います。

【駒宮センター長】  もちろんそういう目標を持つことは大事かもしれませんが、そのあからさまな数を幾つかというのは、それは簡単に言ってもらっては困る、そういう数字だと思います。

【観山座長】  中野先生。

【中野委員】  ちょっと違う質問なんですが、会議の冒頭で永宮先生からも人材と体制についてかなり関連があるのかという御質問があって、実際あるんですけれども、今回お話を伺うと、一番大事なマネジメント、大規模プロジェクトのマネジメントができる層というのは、いい人を採る、国とか、そういうのにはかかわらず、いい人を採るというお話で。人材のところで、そこはホスト国がかなり面倒見なくちゃいけないんじゃないかということで、マネジメントができる人の育成と確保が重要であるという、そういう提言も書いているんですね。今、どういうふうにその辺のところをお考えか。
 どういう人を採るか、どういう体制を取るかというのは表裏一体なので、ここで世界各国からマネジメントのできる一番いい人を採っていくんだということを決めるということは、それで体制も決まってくる。ホストの役割もおのずとそこから変わってくると思うんですけれど、もうちょっと、体制あるいは人材に対して日本がどういう役割を果たすか、そういう点からお答えいただきたいんですけど。

【駒宮センター長】  これはホスト国だけがマネジするわけじゃない。

【中野委員】  いや、もちろんそうじゃないんですが、どれぐらいの役割をホスト国がその点で担うのか、体制あるいは人材の育成、確保の点。

【駒宮センター長】  それは、現在のいろんなリニアコライダー・ボードとかLCCと見ると、かなりの割合の人間が日本から入っているわけですね。だから、その程度の数だと思いますよ。我々はやはり相当できる人を引っ張ってくる。例えば、中野さんをヘッドハンティングで持ってくるとか、そういうことをするわけですよ、最終的に。

【観山座長】  今、中野さん言われていることはある意味で非常に重要な点で、山内先生が言われた作業的な部分からだんだん進めていくという中でも、これは国際的な機関を作るわけですので、国際的な人材の中から最適な人を選んで、なおかつその中に十分なホスト国のメンバー、日本のメンバーが入っていくというのが理想的な進み方だと思うんですが、ただ、それは育てていかないと、我々も非常に感じていますけれども、そういうマネジメントだとかリーダーとかという部分は国際的な中で獲得されるものでありますので、具体的な研究という部分も技術的な進展もあるでしょうけど、そういうことにも相当視点を置いて育てないと、組織を作った中で体制の中にどれぐらいのコントリビューションができるかというのは非常に重要な問題ですよね。

【駒宮センター長】  おっしゃるとおりだと思います。

【観山座長】  どうぞ。

【永宮委員】  何遍も言ってすいません。山内先生が書かれた資料がありますね。日本で雇用される研究者と海外からの雇用者。これぐらいの数で大体よろしいんですか。

【山内機構長】  準備期間に関してということですが、それでよろしいと思います。
 何点か御指摘にお答えしたいんですが、よろしいですか。

【観山座長】  いいですよ。どうぞ。

【山内機構長】  まず1つ、永宮委員の御質問の中で、学問的価値が十分にコンセンサスを得ていないんじゃないかという御指摘ありましたが、これに関しては、有識者会議とか作業部会が幾つかありまして、様々な側面から議論していただいているわけで、学問的価値に関してはまだ完全に結論が出ていないということは承知しております。ですが、今のちょっと別の側面からの議論という中ですので、申し上げているというふうに御理解いただきたいと思います。
 それから、お金に関して各国間の議論ですが、もちろん研究者レベルで議論ございます。どういう分担割合だったからいいのかという議論はさんざんありまして、やっております。ただ、それはこういうところになかなか上げられないというところもあって、あまり明確にはお見せしていないわけですけれども、研究者レベルではもちろんありまして、それぞれ各国の政府に何らかの格好で、内々ですが、お伝えするということも一部ではしております。ですから、研究者側に何もそういったことがなくて、政府レベルだけでやってくださいということを申し上げているわけではありません。

【伊地知委員】  今までの話と多少違ったことで3つコメント申し上げたいと思いますが、1つは訳語に関することで恐縮ですが、「ガバナンス」に関して「組織的管理」というふうにされているんですが、「組織的管理」という表現をすると、その機関内のマネジメントあるいはアドミニストレーションのことに受け取られるかと思うんです。
 ここではガバナンスで、その機関が社会あるいは各国との関係の中でどう位置付けられるか、そのために例えばカウンシルだとか、それを執行する者をどう位置付けるかというところかと思いますので、もし可能であれば、統治であるとか、そういうふうに機関内の管理とは違うところは明確に議論していった方がいいかなと思います。
 2点目は、先ほど横山委員がおっしゃったことと私も同じなんですが、今ここで示されているのは、国際条約に基づく機関ということが前提なんだけど、そうすると、実は、このプロジェクトをやった場合に非常に大きいのは、資産がすさまじい。つまり施設とか設備があって、それに対して各国がいろいろとインカインドを含めて提供する。
 そうすると、作られた資産に関して当然、それぞれ関与した国、機関がそれなりの権限を主張したいというふうに思うわけですが、ただ、国際条約であるとすると、そういう枠組があるので、そういった議論についてはその機関内のことで収まってしまうのかもしれないですが、もし国際条約に基づく機関でないということをしようとしたときに、ここのところは非常に詰めて考えておかないと、後で何か制度設計するときに非常に難しい点が出てくるのではないかというふうに思います。
 併せて、当然、使っている間に減価償却はするんだと思うんですが、例えば、実現して何十年後かたったとき、一体誰がどのように原状復帰をするのかとか、そういったところが考えられているのだろうかというのが2点目になります。
 それから3点目は、国際条約に基づく機関が日本に所在をするということを考えた場合に、恐らく今の場合だと、国際連合大学ぐらいしかないのではないかなと思います。あとは、日本がイニシアチブを取って国際的なことでやったとすれば、研究領域も違いますし、規模も全然違いますけど、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムがあって、これはストラスブールに本部があって、ただ、それもフランスに置かれているので、フランスの恐らくアソシアシオンって非常に組織を設立しやすい、そういった形態があったからこそできていると思うんですが、もし日本にこういった本部を置くというふうにした場合には、どんな課題があるのだろうかということも、恐らくもうちょっと考えていった方がいいのではないかなと思います。
 以上です。

【観山座長】  ありがとうございます。何か答えられますか。

【駒宮センター長】  まずガバナンスなんですけれども、これはもちろん辞書で引くと「統治」とか書いてあるんですけれども、研究所に対して統治という言葉があまりそぐわないんだと思って、こういういいかげんな訳にしてしまって申し訳ございませんでした。
 それから、条約によるガバナンス、非常に固いものなんですけれども、本当に条約が結べるかというのは、それはなかなか難しい問題だと思います。だから、条約じゃないと、どういうレベルのものがあって、どうなるかというのは、それは研究しなければいけない重要な問題だと思います。
 ですから、何が何でも条約だということは我々は言っていません。でも、法的に非常に固い組織にしておかないと、後々いろいろな問題が起こるということですね。
 以上です。

【観山座長】  時間が来てしまったんですが、確かに、条約というか、例えば、大量な電磁石とか何とかというものを輸入することになりますよね、インカインド。それに関税掛けられたら大変なことになりますし、そういう問題もありますし、さっき言われた物品の管理の問題だとか、それから紛争があった場合にどの法律で解決するかという問題、中に入った場合には国内法でしょうけれども、国際的にいろいろなことが起こるわけですよ。そういう場合に何を基準にしてやるかというのは、それは全部取り決めをしておかないといけない問題で、そこら辺は十分お考えになっているところもあると思いますけれども、ちょっと時間が来てしまいました。
 重要な問題をいろいろ指摘していただきましたので、今後のこの委員会でも重要なテーマとして、きょう指摘いただいたものを、更にまた新しい問題も含まれてくると思いますけれども、議論させていただきたいと思います。
 申し訳ありません、まだいろいろ御質問があったと思うんですけれども、お約束の時間がほぼ来てしまいましたので、本日の議題はこれで終了させていただきたいと思います。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いします。

【吉居加速器科学専門官】  御連絡いたします。本日の議事録につきましては、後日、出席委員の皆様にメールにて内容確認をお送りいたします。皆様から御了承いただきましたら、本省のホームページにて公表させていただきます。
 それから、次回第2回の日程につきましては、先ほどの資料6にもございますとおり、4月7日金曜日の13時からの予定でございます。場所は未定ですが、文科省内の会議室を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 ドッチファイルは次回以降も使用しますので、お持ち帰りにならない様にお願いします。
 以上でございます。

【徳宿座長代理】  1つだけよろしいですか。資料について、このPIPのドキュメントというのは非常に大事だと思うんですが、こちらに入っていますけれども、これは委員に配付とか、そういう可能性はあり得るんでしょうか。ここにだけ置いてあって、英語で50ページのものはなかなか読めないと思うんですが。

【轟素粒子・原子核研究推進室長】  今、紹介されたものはホームページに掲載されているとお聞きしていますので、何らかの形で委員の先生方に御連絡させていただきます。

【徳宿座長代理】  分かりました。

【観山座長】  よろしくお願いします。
 それでは、きょうはどうもお忙しい中ありがとうございました。またどうぞよろしくお願いいたします。

―― 了 ――

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