今後のHPCI計画推進のあり方に関する検討ワーキンググループ(第16回) 議事録

1.日時

平成25年5月8日(水曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省 3階 3F1特別会議室

3.出席者

委員

小柳主査,青木委員,秋山委員,天野委員,石川委員,宇川委員,加藤委員,喜連川委員,小林委員,関口(智)委員,高田委員,常行委員,富田委員,中島委員,中村委員,牧野委員,村上委員,室井委員,渡邉委員
(HPCI計画推進委員会)土居主査
(高度情報科学技術研究機構)平山専務理事・センター長

文部科学省

田中総括審議官,吉田研究振興局長,下間情報課長,林計算科学技術推進室長,村松計算科学技術推進室長補佐

4.議事録

(1)中間報告(案)の取りまとめについて

資料1に基づき林計算科学技術推進室長より説明。質疑応答は以下のとおり。

【林計算科学技術推進室長】  今後の予定については,今回中間報告案をワーキンググループとして認めていただければ,パブリックコメントを行い,その意見を踏まえて6月中には中間報告を取りまとめていただくように考えている。また日程は調整中ではあるが,この中間報告案の中でも,開発主体候補からのヒアリングを踏まえて今後更に検討していくというように書かれているので,6月上旬にワーキンググループを開催してヒアリング行い,開発主体や具体的なスペック,スケジュール,コスト等について議論いただきたいと考えている。そのときのワーキンググループは,企業機密等の議論も出てくる可能性があるので非公開で行うことも検討している。
 このようなスケジュールで中間報告が取りまとまれば,7月以降は第4章に書かれたような部分を中心に更に検討を行い,25年度末を目途に最終報告を取りまとめることになる。
【小柳主査】  中間報告案は大変長い資料なので,幾つかに分けて意見を伺いたいと思う。最初に第1章の1から4までの部分についてはどうか。
【富田委員】  12ページについては,今後解決が期待される社会的・科学的課題がこの節のメインだと思うが,利用の状況という言い方をすると,現在の説明をしているようで少し違和感がある。また,内容についてはアプリFSから拾っていると思うが,例えば,エネルギー・環境問題のところでは自然エネルギー,風力発電の利用の話が抜けていたり,あるいは,環境との調和が大きなキーワードになっているが,地球環境モニタリングの話が載っていないのが気になる。この部分は必ずしもFSの議論と整合させる必要がないと考えてよいか。
【林計算科学技術推進室長】  基本的にはFSの結果を踏まえつつ,ワーキンググループの先生の意見も聞きながら書いているが,FS全体を書ききれるわけではないので,その中からピックアップして書いたものになる。
【小柳主査】  節の名称については,いいものがあれば変えていきたい。目次の前の二つの状況というのは,いわば本当の状況だが,ここは今後のことも書いてあるというのが富田さんの指摘になる,そのようなニュアンスを入れるように考えていただきたい。
【石川委員】  6ページの3行目にIESP2が継続するように書いてあるが,私の知る限りIESP2というのはないので括弧を削った方がいいと思う。IESPはもともと2009年からDOEがスポンサーになって始めており,その後NSFも予算をだしてはいるが,DOEのファンディングが終わって終了している。ここに書くとするとBDECになるが,ビッグデータのBDと,エクストリーム・コンピューティングのECということでビッグデータとスパコン関係のワークショップになる。5月はNSFがスポンサーになったが,この後はスポンサーがなく,来年の2月末に日本で開催することが決まっている。
【小柳主査】  IESPは2009年に開始されて,2012年までだというように修正したいと思う。
【常行委員】  先ほど富田委員が言われたエネルギーのところで,発電機やモータの磁石の開発等は既に「京」で計算が始められている。私が書いた文章にはそれを入れてあったが,どこかの段階で消えてしまったので入れていただいてもいいと思う。
【小柳主査】  いろいろなアプリがあるので全てを入れるわけにはいかないが,うまく入るようだったら考えたい。
 引き続いて,1章の後半について意見を頂きたい。
【牧野委員】  全体によく書けているが,細かいところで24ページのプロセッサ技術のパラグラフに,「メモリ階層制御の更なる多層化と高効率化」とある。多層化したからといって省電力になるとは限らないので,単に「メモリ階層制御の効率化」の方がいいのではないか。
【小柳主査】  多層化することが目的ではなく,多層化したものをどう効率化するかということなので,そのように修正したい。また,書き方の問題ではあるが,IntelMICはコードネームだと思うのでXeon Phiのように書いた方がいいのではないか。この辺は詳しい委員の意見を聞きたい。
【石川委員】  MICはアーキテクチャ全体の開発コード名のような感じで使っているので,Xeon Phiと書いた方がいいと思う。ただ,いろいろと商品名が出てくるのは若干気にはなる。
【小柳主査】  GPUであれば一般名詞のニュアンスで使えると思う。
【石川委員】  技術動向のところはテクニカルタームが多いが,アプリケーションはそこまで深い内容になっているようには見えない。この報告書を読む人を考えたとき,技術動向のところがわかる人がどれだけいるのかが気になる。最終的には用語集をつけることになるのか。
【小柳主査】  付けるとしても最終版のときだと思う。このワーキンググループの意思を出すという意味では技術的なことを書かざるを得ないし,次世代スパコンとしても重要なポイントではあると思う。
【石川委員】  ほかにも,トーラスとかCrayとか製品名が出ているところもある。
【小柳主査】  製品名を排除することはないと思うが,取扱いには不公平がないようにしないといけない。ただ,この辺を書かないと技術的な報告にならないので難しい。
【石川委員】  プレス発表のときには必ず技術的な用語説明を入れるので,そのようなものをつけてはどうか。別にやるべきだと言っているわけではないが,皆さんがどう感じているのかが気になった。
【土居計画推進委員会主査】  主査がおっしゃるように,ここは割愛するわけにはいかないと思う。ただ,グローサリーまでいくのは大変なので,もう少し簡潔な言い回しで,例えば脚注みたいなものを付けるわけにはいかないか。
【小柳主査】  最終報告までには,説明を加えるように考えた方がいいと思う。
【石川委員】  パブリックコメントのときに言葉がわからないと言われない限りは,このままでもいいかもしれないが,聞かれたときには対処しなければいけないと思う。
【林計算科学技術推進室長】  用語集をなるべく早く作って,パブリックコメントの途中からでも中間報告案に載せていくようにしたい。
【小柳主査】  関係の皆様も,この件で依頼が来たら協力をお願いします。
【室井委員】  26ページ,ソフトウェア技術の下に「わずかな性能バグであっても並列性が低下し」という部分があるが,意味はわかるが,表現がほかの文章とあっていない気がする。また,その後ろに「広大なプロセッサ・メモリ空間の中で,従来のツールを用いた手作業のデバッグ」とあるが,自分でやっている人は手作業のデバッグの意味はわかるが,ほかの言い方にした方がいいと思う。
 それから,28ページの最後に,スパコンが「研究開発の基盤」から「社会の基盤」へ発展していくことが期待されているとなっているが,研究開発は重要な要素であり,その役割は今後のリーディングマシンでも変わらないと思う。それをもっと国民に見える形で社会に役立てていきたいという意味だとは思うが,研究開発も含めて役立っていくように書いた方が,税金を投入して最先端のマシンをつくることの説明としてはいいと思う。大学も含めて,研究開発は重要な役割を果たしていると思うので,その重要性をわかってもらうのは必要だと思う。
【小林委員】  今の意見について,最後のパラグラフはペタスケールで実用化したものの展開を示しているので,社会基盤というのはそのようなものだと理解した。エクサは研究基盤かもしれないが,その辺はどうなのか。
【林計算科学技術推進室長】  両方の意味があり,スパコンの能力が上がることによって,今までばらばらにやっていたシミュレーションが統合化し,いろいろな社会的課題にも役立っていくし,スパコンの能力が上がることによって,ペタスケールのシミュレーションが実際に社会に入っていくようになるという意味でこのように書いている。もちろん,社会基盤になったからといって研究基盤がなくなるということではないと考えている。
【小柳主査】  「から」ではなく「とともに」にして,研究基盤が入っているようにするのがいいと思う。
 26ページの下の説明については,言いたいことはわかるが,少し変な感じがするので修正したいと思う。また,「性能バグ」というのも表現を工夫したいと思う。
【高田委員】  5のタイトルが「技術動向」となっているが,何の技術動向なのかがはっきりしない。25ページはシステムソフトの話なので,後で出てくるアプリケーションと区別するためにシステムソフトウェア技術と書いた方がいいのではないか。
 技術動向についても,第1章では計算科学技術を,計算科学と計算機科学の両方を含んでいるが,5の技術動向では計算機科学だけになっている。タイトルを計算機科学の部分だということが分かるようにして,全体の用語を統一した方がいいのではないか。
【小柳主査】  23ページの技術動向は,ソフトとハードを含めたものとして,システム技術の動向にしたいと思う。
【林計算科学技術推進室長】  高田委員がおっしゃるように,利用の状況は基本的にアプリケーションの動向になっており,その後に計算機科学のことが書いてあるという整理になる。技術動向の表題をもう少し限定した形に修正したいと思う。
【小柳主査】  その意味では,利用の状況も違った言い方をした方がいいかもしれない。ここも広い意味での技術であり,利用技術の動向とシステム技術の動向のようにすることも考えられると思う。
【喜連川委員】  初めてなので素人発言をお許しいただきたいが,全体を通して,ここの場の意思をあらわすチャプタと,ファクトを述べるところを分離した方が読みやすいと思う。先ほどの指摘にあった,社会の基盤へ発展していくことが期待されるというのは,そのようなウィルなのか,世の中の動向なのかがわからない。
 チャプタ1が状況を述べているだけにするのであれば,例えば,25ページの「光による信号伝送も重要な技術になってくると考えられる」というのは,誰が考えているのかがわからない。どこで何を述べるのかと,文体の止め方を整理した方がいいと思う。
【小柳主査】  ファクトと今後の方向性,我々の意思を述べるところの整理が十分でないという指摘だが,できる範囲で整理したいと思う。
【林計算科学技術推進室長】  基本的には第2章,第3章が第1章の事実関係を踏まえての政策の方向性になるが,事実関係だけをこれだけ長く書いていくと全体のつながりが良くないため,このような構成にしている。
【喜連川委員】  リーダビリティという意味ではそのとおりだと思うが,石川先生もおっしゃるようにパブコメというスタンスに立つと,サーベイの部分に意見をもらいたいわけではなく,あくまでも,このワーキンググループのウィルに対してコメントをもらいたいので,ここに対して意見が欲しいというのがわかった方がいいと思う。長い文章なので,読んでいる人はどこに意見を言えばいいのかがわかりづらくいのではないかと思う。
【小柳主査】  意思を言うには,それによって立つ事実関係があるわけなので,章を分けなくても,その段落ではっきりするように書けばいいと思う。
【喜連川委員】  そうなっていても,第1章は状況というタイトルになっているので,ぱっと見た人は飛ばしてしまうかもしれない。
【村上委員】  喜連川委員の意見はもっともだと思う。ここには分析が入っているので単なる状況で終わっていない。ファクトと,それに対して我々はどう認識しているのかがあり,その上で将来の方向性が出てくるので,最終的にはその3段階でまとめる必要があると思う。
【石川委員】  パブコメでどのような意見を期待しているかという話だが,結局,エグゼクティブサマリーが最初にないのが良くないと思う。参考資料1に中間報告案の概要があるが,これがエグゼクティブサマリー的なものになっていると思うので,これを見た上で本文を読めばクリアになるのではないか。
【小柳主査】  これの位置付けはどういうものなのか。
【林計算科学技術推進室長】  この中間報告案を受けて,文科省で取りまとめた資料になる。説明用に使うことをイメージして作っているが,パブリックコメントのときに一緒に付けるように考えている。
【喜連川委員】  これは説明の資料であって,エグゼクティブサマリーは誤解のないように文章で書くものだと思う。それでないとミスアンダースタンディングが出ることがあるので,これでリプレースするのは少し冒険ではないかと思う。
【宇川委員】  大分話が広がりつつあるような気がする。最終報告ではエグゼクティブサマリーがあった方がいいのかもしれないが,今は中間報告案をまとめようとしている。確かに,第1章にある種意思も入っているという議論はあるが,章立てから見れば第1章は状況であり,第2章,第3章で政策的な意思を書き込もうとしていることは明らかだと思う。喜連川先生,村上先生の意見はもっともだと思うが,今の時点でこれを余りいじるのは,かえって逆効果だと思う。
【小柳主査】  最終報告では,今までに出た幾つかの意見は考慮したいと思うが,現段階では,全体の構成はこのまま中間報告案とさせていただきたいと思う。
【喜連川委員】  パブリックコメントをするということは,聞く人にとって聞きやすいものにすることが必要で,中間報告案であっても,何を聞いているのかがある程度クリアでないと聞かれる側もしんどいと思うし,中途半端な意見が出てきても,受け取る方もしんどくなる。その意味でも,何をコメントしてほしいのかをはっきりさせた方がいいのではないか。
【小柳主査】  基本的な研究開発の方向性は前書きにも書いてあると思う。
 次に第2章について議論を頂きたいと思う。
【中村委員】  全体にスケジュールがはっきりしていないと思う。今後10年程度を見据えていることと,2020年にエクサをつくることは書いてあるが,それ以上のことはパブコメには出てこない。実際には,以前の加藤さんのときの議論や,親委員会で進んでいることはわかるが,世界がすごい勢いで進んでいる中,日本は10年先を見据えて検討するだけで具体性がないように見える。
 また,34ページには定期的に見直しをすることしか書いておらず,それが1年ごとなのか,2年ごとなのか,5年ごとなのかがわからない。例えば2~3年ごととか,そのような文言がないと曖昧であり,非常にのんびりした計画に思われてしまう可能性がある。具体的な時間軸が書かれるべきだと思う。
【小柳主査】  10年後に初めてつくるとはどこにも書いておらず,10年間の視野で計画を考えているという意味である。
【中村委員】  そう書いてはあるが,いつ何をつくるかということはほとんど書かれていない。そうすると,具体性がないような印象を持たれることになる。
【石川委員】  今の話に関係するかもしれないが,31ページの5行目に具体的に検討していくと書いてある。これは最終報告のときには検討した結果が入るのか,来年度以降検討していくのか,また,このWGが検討するのか,主語と時期が書いていない。中間報告案の最後の方には,最終報告ではこれは埋め込みますと書いてあるが,それ以外のところがどうなのかがよくわからない。
【林計算科学技術推進室長】  今後の状況変化を踏まえて変わっていくとは思うが,今の段階では,今後開発主体候補からヒアリングをして検討するようになっているので,まだ具体的ではなくこのような記載になっている。
【石川委員】  検討するのはこのWGということか。
【林計算科学技術推進室長】  国や開発主体候補が検討し,その結果も踏まえてこのWGで具体的なところを決めて,報告書を書いていくことになる。
【小柳主査】  続いて3章の研究開発の方向性に議論を移したいと思う。
 本日欠席の松岡委員から,3章36ページの(1)の最後の段落について,Linpackドリブンでなく,サイエンスドリブンであるということをもう少し明確にした方がいいのではないかとの意見があった。具体的には,「その際,開発主体候補において,開発するシステムによってどのような社会的・科学的課題を解決するのか,どのような成果が期待されるのか,それを実現するために必要なスペック,スケジュール,要素技術,コストはどのようなものか等に関するイメージを明らかにした上で,具体的な方向性について検討を行うことが有効である」ということになる。
【林計算科学技術推進室長】  補足させていただくと,小柳主査から話があったように,36ページのリーディングマシンの研究開発の方向性の(1)のところで,2段落目に,「2020年頃までにエクサスケールコンピューティングの実現を目指すことが適当である」と書いてあるが,3段落目では「その上で」とつながっているため,エクサスケールを実現することだけが目的になっていないかという懸念を松岡先生から頂いている。
 報告書全体を見ればサイエンスドリブンということが記載されているが,ここのフラッグシップシステムのところには,それが余り明確には書かれていない。一方,要素技術の開発のところでは,まず課題の解決や期待される成果があって,それを実現するためにどのようなスペックになるかが書いてある。このような書き方の方がサイエンスドリブンということが明確になるため,これに合わせたらどうかという趣旨になる。
【小柳主査】  中間報告案全体の中で,外国の状況や国際協力の部分は別として,「エクサ」という言葉が出てくるのはここだけになるので,エクサを自己目的化するという批判を考えて林室長が説明したような表現にすることを考えている。ここは「エクサスケール」であって,「エクサフロップス」ではないというように気を遣って書いている。
【石川委員】  もともとはエクサではなく,ポストペタスケールという言葉を使っていたとこともあったと思う。39ページには「ポストペタスケール」と書いてあるが,「京」の次はエクサだと思いながらこれを読んだ人が,ここでポストペタスケールと言われると疑問に思うのではないか。先ほどのところは,林室長から説明のあったような形で修正することでいいと思う。
【林計算科学技術推進室長】  エクサスケールと書いてあるのはフラッグシップシステムのところで,アプリケーションのところは必ずしもフラッグシップだけではなく,リーディングシステム全体のことを受けることになる。そのため,必ずしもエクサではなく,今よりも大きいという意味でポストペタスケールとしていた。
【石川委員】  我々の理解はそうだが,ポストペタスケールが「京」の先になるものかどうかは今まで出てきていないはずなので,普通の人は混乱するのではないかと思う。
【牧野委員】  36ページ,フラッグシップシステムの方向性のところで2020年というのが出てくるが,ハードウェアのFSでは18年から19年くらいのところで検討を進めてきたと思う。ここでずれると,FSの方は考え直す必要があるのかどうかとか,どのようなタイムスケールで行うのかがわからなくなる。
【林計算科学技術推進室長】  具体的なスケジュールは開発主体候補が検討を行うことになっているが,政策的には一つの目安として,2020年頃までにエクサスケールと言っている。実際にその開発をどのようなスケジュールで行うかは,FSの状況も踏まえて開発主体候補が検討を行い,更にワーキンググループで検討していくことになる。そのため,現段階で余りスペシフィックな年代は示さず,2020年頃としている。
【牧野委員】  2020年と書いてあると,今から7年先で少し遠い将来という感じがする。使う側の観点からすると,7年後にエクサができるよりも5年後に数百ペタができた方が実際問題としてはうれしいので,このようにある程度年をぼかすような書き方の方がいいと思う。
【宇川委員】  難しいところだとは思うが,エクサスケールコンピューティングのところを変えると,ムービングターゲットのようにあやふやになるので,エクサスケールコンピューティングは動かせないと思う。2020年頃と書くのか,又はコンソーシアムのように2018年を目指してと書くのかも,微妙なところだと思う。どうしろという強い意見はなかなか言いづらいが,この2020年頃でいいかどうかは,皆さんの意見を聞くべきだと思う。
【加藤委員】  私も前回たまたま休んだら,いつの間にか2年遅れていたような印象を持っている。いろいろな状況を踏まえた上で2020年頃という表現になっているとは思うが,できればもっと早くやるべきだと思うので,それを示すような表現にできないか。
【石川委員】  この後開発主体候補が検討して,2020年では余りにも遅すぎるという場合に,またフィードバックをかけるという形にした方がいいと思う。「までに」となっているので,今の中間報告案の段階で早める必要はないのではないか。
【関口(智)委員】  2章と3章の関係のところで,2章にリーディングマシンの必要性があり,次に在り方が書いてある。在り方の後半ではシステムを開発していく上での留意点が並んでいるが,この部分は,3章のリーディングマシン全体の研究開発の在り方とか方向性を書いているところに移した方が,一貫して研究開発の方向性が見えるのではないかと思う。ページ数で言うと,31ページの三つのポツを36ページの適切なところに入れ込んだ方がいいのではないか。31ページのリーディングマシンの在り方のところに,開発の留意点がある方が不自然な感じがする。
【小柳主査】  前後関係を検討して,その方が適切ならば修正したいと思う。
【土居計画推進委員会主査】  2020年頃までにエクサスケールコンピューティングの実現を目指し,それまでどうするかは下の3行に書いてあるが,その後のことはどこかに言及されているのか。
【小柳主査】  定期的にという言い方で言及している。
【土居計画推進委員会主査】  中間報告の後でもいいので,もう少し書けないか。そのような意気でやらないと,また花火をあげて終わってしまうのであれば,その後どうするのかを聞かれたときに,にっちもさっちもいかなくなると思う。
【小柳主査】  インフラとしてのリーディングマシンの在り方は,かねがね土居主査から指摘されている点だと思う。
【林計算科学技術推進室長】  35ページの後ろから36ページにかけて,「技術動向やニーズの状況を踏まえて,その時々において適切な目標設定を行いつつ,継続的にリーディングマシンを開発していくことが重要である」と言っている。
【土居計画推進委員会主査】  差し当たって今どうこうしてほしいということではないが,最終的にはもう少し色をつけていただいた方がいいと思う。
【中島委員】  38ページの「このため,まずは開発主体候補において」というパラグラフの最後に,「上記2点の観点も踏まえつつ」とあるが,この「上記2点」は何のことか。
【林計算科学技術推進室長】  修正ミスが残っているだけだと思う。
【中島委員】  同じページに,技術動向も踏まえつつと五つのポイントが書いてあるが,つくるからには発展性,波及性があるような技術でないと,その先がないと思う。
【小柳主査】  民間に展開できる技術かどうかというのが,発展性や波及性のことを言っていると思うが,もう少し広い意味を含めた方がいいということだと思う。
【中村委員】  41ページ,国際協力の最後のパラグラフで,「その在り方について検討していくことが重要である」となっているが,その在り方というと,協力すること自体までを検討するような後退した印象がある。上の部分で「国際協力を進めていく必要がある」と書いてあるので,ここは国際協力を進めるという前提で,その在り方を検討するということだと思う。例えば,「連携も視野に入れて,国際協力の推進方法について検討していく」のように,積極的な文言にした方がいいと思う。
【秋山委員】  少し戻ってしまうが,31ページからは我が国にある様々なインフラが(a)から(e)まで書いてあり,素人目線で読むと,我が国にはいろいろな経緯でいろいろなシステムがあるということがわかると思う。これと対応するのが10,11ページの表1だが,この分類が微妙に違っている。表1と31ページ以降は文言を一致させた方が読みやすいのではないかと思う。
 また,表1に「超高速電子計算機」という言葉が出てくるが,これが「京」のことをさすということは,わかるひとにしかわからないと思う。
【小柳主査】  ここは「京」に置き換えていいと思う。
【林計算科学技術推進室長】  附置研と共同利用機関は設置の根拠が違うので表では分けているが,第2章の文章はほとんど同じ内容になるためまとめて書いている。
【秋山委員】  事務局にお任せしていいと思うが,二つに分けて,先ほどと同じように,と書けばそれでいいような気もする。ここは素人目線で見ると,かなりわかりにくい場所だと思う。
【小柳主査】  可能な範囲で,なるべく整合性がとれるようにしたい。
【石川委員】  関連して,表1にある9大学の情報基盤センターのシステムの位置付けについて,全国共同利用を目的として設置したとなっているが,9大学が全部そうなっているのかは確認していただきたい。
【小林委員】  ささいなことだが,スパコンだけ「スパコン」と略して書いているが,「スーパーコンピュータ」と書けるなら,書いた方がいいと思う。
【小柳主査】  私もスパコンという言葉は嫌いだが,何度も出てくるので悩ましい。好みの問題であるとは思うが検討させていただきたい。
 皆さんから頂いた意見をできる限り反映させた上で,これをワーキンググループの中間報告案ということで決定したいと思う。修正内容については,主査に一任いただきたいがよろしいか。
(「異議なし」の声あり)
【小柳主査】  先ほど室長からあったように,中間報告案については今後パブリックコメントを行い,その意見を反映させた上で,(案)を取って中間報告として決定することにしたい。その後は,今年度末の最終報告に向けて,残った検討課題等の議論をしていきたいと思っている。
 次の議題はHPCIシステムの利用についてのヒアリングということで,登録施設利用促進機関である高度情報科学技術研究機構にプレゼンをお願いしてある。平山センター長から説明をお願いします。

(2)HPCIシステムの利用についてヒアリング

資料2に基づき平山専務理事・センター長より説明。質疑はなかった。

(3)その他

 村松計算科学技術推進室長補佐より,次回は開発主体候補からのヒアリングを予定しており,日程は6月上旬で調整中,また企業の秘密情報等を含む可能性があることから非公開の方向で検討している旨を報告。

小柳主査より閉会発言

 

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