資料4-2 アプリケーション開発の在り方について(常行委員提出資料)

アプリケーション開発の在り方について

今後のHPCI検討WG委員  常行真司

 2月18日のWG会議を欠席いたしますので,論点整理の資料の「3(ローマ数字).アプリケーション開発の在り方について」の項について意見を述べさせていただきます。
 まず現在の資料には,多くの重要な「共通認識」が簡潔に記載されており,その内容について同意いたします。その上で特に二つコメントいたします。

1. アプリケーション開発の「ターゲットハードウェア」は何か?
 ハードウェア開発において「ターゲットアプリ」を考えるように,アプリケーション開発の「ターゲットハードウェア」を第1階層のトップエンドマシン,若しくは第2階層の特徴のあるマシンに絞るならば,共通認識(1)にある「システム整備と並行した開発」が必要かつ効果的であると思われます。
 しかしながら物質科学の研究で使われる計算手法(例えば第一原理電子状態計算)の計算規模は対象とする物質や物理現象によって決まるのであって,計算規模を大きくすれば確実に研究の先端性や科学的成果の質が高まるというものではありません。多くのユーザにとっては,最大規模の計算が常に必要なわけではなく,計算内容に応じてPC,PCクラスタ,スパコン,トップエンドマシンをシームレスに利用できることが望ましいと思われます。その意味で,特に国際標準を目指すべき基盤的アプリケーションの開発には,ハードウェアを選ばないアプリケーションの汎用性,あるいはアプリケーションの下方展開という観点も必要だと考えます。

2. アプリケーション開発を支援する分野別拠点
 共通認識(6)にある程度書かれていますが,基盤的なアプリケーションの開発支援,維持管理,ユーザサポートを,そのアプリケーションを必要とする研究者コミュニティが行う「分野別アプリケーション拠点」を整備し,継続性をもって運営できるように予算措置することが必要です。第1階層のトップエンドマシンや第2階層のハードウェア開発の拠点に加え,そのようなアプリケーション開発にきちんと投資することが,HPCの有効利用につながると考えます。

以上

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