参考1 アカデミッククラウド基盤の構築に向けて(問題提起)

アカデミッククラウド基盤の構築に向けて(問題提起)

平成24年3月29日
科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会
 学術分科会 研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会 合同会議

 

 第4期科学技術基本計画においては、科学技術振興のための基盤として、知識インフラの形成が盛り込まれている。
 情報化社会の進展に伴い、「情報爆発」と呼ばれるように、大量のデータ、情報がインターネットを通じて流通している今日、様々な分野における知的活動の成果として生み出されている大量データを、効果的・効率的に収集、集約し、革新的な科学的手法により情報処理を行うことにより、新たな知的価値を創造する、「データ科学」の重要性が認識されてきている。データ科学は、第四の科学的手法として注目されている。
 社会問題の解決に向けた基礎研究からのイノベーションへの貢献という観点からも、その重要性が認識されている。
 そこで、全国の大学等の研究者が、サイエンスに活用できる多分野にわたるデータ、情報、研究資料等を、オンラインにより、手軽に利用でき、最新のデータ科学の手法を用いて、科学的あるいは社会的意義のある研究成果を得ることのできる「アカデミッククラウド環境」を、速やかに日本国内に実現することを目指し、議論、検討を進めることとしてはどうか。
 このことは、世界に先駆けた高度な情報基盤を取り入れた研究環境の創出を目指すものであるとともに、我が国におけるデータ科学の飛躍的な発展を求めるものでもある。

(議論・検討すべき事項)

1.データベース等の連携
 大学等の研究者が、全国に所在し、多分野にわたる様々なデータベースや研究資料を有機的に連携し、効果的かつ効率的に、研究に活用できるよう、1)多分野にわたる異なるデータベース、リポジトリ等の連携、2)その前提となるデータベース化、デジタル化・アーカイブ化の推進、3)データ検索やデータマイニング等の情報処理システムとの連携について

2.システム環境の構築
 上記1のような考え方で、有機的に連携するデータベース等を、研究者が手軽に一つのシステムとして利用でき、効果的・効率的な研究活動を行うことのできるシステム環境のあり方、データを取り扱う際の倫理規範、及び環境構築について

3.システムを利用して行うデータ科学の高度化に資する研究開発
 上記2のシステム環境を活用して行うデータ科学の高度化に資する、情報検索、データマイニング、統計数理的手法等の情報科学技術の研究開発について

(議論・検討の体制等)

1.体制
 研究振興局長の私的諮問会議として、本件に関する「検討会」を設置し、学術情報基盤作業部会と情報科学技術委員会のサーポートを得ながら、議論、検討を進める

2.時期
 本年4月~7月にかけて、4回程度議論を行い、中間的なまとめを行い、文部科学省の施策に反映させる。その後も、必要に応じ、引き続き、議論、検討を行う。

 

お問合せ先

研究振興局情報課

花岡、山田
電話番号:03-5253-4111(内線:4286)
メールアドレス:jyohoka@mext.go.jp